歓迎の拍手を受けたあと、僕は神沢先生に後ろの席に座るように言われ、指定された席に座った。
「初めまして村雨君! 私、高坂穂乃果! よろしくね!」
席に座ると僕の横に座っていた髪の毛を横に結んだ山吹色の髪をした少女が話しかけて来た。
「初めまして、高坂さん」
手を差し出され、握手を交わす。
「はいはい、自己紹介終わったところで授業始めるぞ」
騒つく教室の雰囲気を神沢先生が手を叩き、鎮める。
一時間目の授業が終わりのチャイムが鳴り、先程挨拶して来た山吹色の彼女とその横にいる理事長によく似た少女と園田海未が僕の席にやって来た。
「ねぇねぇ! 村雨君ってどうしてこの学校に来たの!」
高坂さんが食い気味に僕に質問をする。その勢いに驚いて若干顎を後ろに引く。
「こら! いけません穂乃果! 村雨さんが驚いているではありませんか!」
園田海未が僕に迫って来た高坂を注意して、引き返させる。
「えっー! だって仲良くなりたんだもん!」
高坂さんが頬を膨らませ、園田海未に反抗した。
「まったく・・・すみません。村雨さん、私の名前は園田海未と申します。これからよろしくお願い致します」
園田海未は謝罪した後に丁寧に僕に頭を下げた。
「こちらこそよろしく、園田さん」
僕は胸の中で蠕動する彼女に対する憎悪を笑顔で誤魔化した。
「初めまして、南ことりです。お母さんから話は事前に聞いていました」
お母さん・・・なるほど南理事長の娘か。どうりで母子共に似ているわけだ。
「初めまして、南さん。よろしくお願いします」
南さんの対して挨拶を返すと高坂さんが割り込んで来た。
「おーい、まだ理由聞いてないよー」
高坂さんが頬を膨らませて、目の前にやって来た。
「実は家庭の事情でこの街に引っ越して来たんです。そしたら家の近くに元女子校だったこの音ノ木坂学院があったので転入する事に決めました」
僕はその場で捻り出した嘘を彼女に話した。
「そっかー、まぁ色々あるよね」
「そうですね」
僕は再び誤魔化すように笑う。
ここに来た理由を話せば、退学になるのは確定なのだからそれだと元もこうもない。
「ねぇ! 村雨君ってスクールアイドルに興味ある!?」
高坂さんが先ほどの雰囲気とは打って変わり、大きな声で僕には質問する。スクール・・・アイドル?
「穂乃果! 貴方はまた! 村雨君が驚いてるではありませんか!」
「もうっ! 質問してるだけだもん! なんでそんなに怒るの! 海未ちゃんの鬼!」
「穂乃果〜!!」
園田海未は黒い笑みを浮かべながら、ゆっくりと高坂さんに近づいていく。どうやら禁句だったらしい。
高坂さんは彼女の黒い笑みに圧倒され、小刻みに震えながら膝から崩れた。
南さんはその光景を抜けるような笑い声で見ていると、僕の方に近づいて来た。
「それで実際はどうなんですか?」
南さんが首を傾げて、僕に質問する。
「すみません。流行などには疎いもので」
「だったら放課後、一緒にアイドル研究部に行こうよ!!」
高坂さんが僕と南さんの方を見ながら言った。
「穂乃果!」
「うわぁ〜ん! ごめんなさい!」
結局、園田海未の説教は授業が始まるギリギリまで続いた。
放課後、僕は高坂さん、南さん、園田海未と共に
アイドル研究部の部室まで向かった。
「ここがアイドル研究部だよ」
高坂さんがそう言い、両手を部室の前に差し出して僕に見せる。
なんの変哲も無い部室の中から、数人の女子生徒の話し声が聞こえる。 恐らく他の部員であろう。
高坂さんがドアを開けると、複数の女子生徒がドアの方に目を向ける。
「みんなおまたせ〜!!」
「皆さん、遅れて申し上げありません」
「ごめんねー」
先に入った3人が部員であろう女子生徒に挨拶をする。
「穂乃果ちゃん!」
「全然待ってないよ〜」
「私達もさっき着いたばかりだし、むしろちょうどいいくらいよ」
「そうよ3人とも」
「まったく、部長待たせるなんていい度胸してるわね」
「そういうにこっちも真姫ちゃん達が来た後に走って来たやん」
「うっ、うるさいわね!」
白い肌をした小学生のような外見をした少女が紫色の髪をした少女に言い返す。 側から見れば親子、、、
「チョット、そこのアンタ。今失礼な事考えなかった? てかなんで男がこの学校にいるのよ!」
「にこ、別におかしな事じゃ無いわ。一応共学制度は続いているわけだしそれに先生からも聞かされたでしょう。今日、この学校に男子生徒が転入するって」
金髪のアイスブルーの瞳をした綺麗な少女が小学生に説明する。
「アンタ今、完璧に固定したわね」
何故、バレるんだ。
「まぁええやん、にこっちが小学生に見えるのは
よくある事やし、穂乃果ちゃん達もそこ立ったんと座り。そこの君も」
高坂さん達は自分達の座席に座り、僕は紫色の髪をした少女に椅子を用意され、それに腰掛ける。
てかなんで僕が小学生と思ったら事を紫の彼女は理解したんだ? 不思議だ。
「じゃあ、自己紹介をしてもらっていいかしら」
金髪の少女に言われて、僕は席を立つ。
「皆さん、本日この学校に転入して来た。2年の村雨悠人と申します。よろしくお願いします」
僕は丁寧に頭を下げ、座席に座る。
「村雨先輩も挨拶してくれたし、凛達も自己紹介するにゃー! 初めまして、星空凛です! よろしくお願いします!」
「こっ、小泉花陽です。よ、よろしくお願いします」
「西木野真姫です。よろしく村雨先輩」
「私は絢瀬絵里。歓迎するわ、村雨君」
「東条 希 よろしくな。村雨君」
「にっこ、にっこ、にっ(キモチワルイ)」
西木野さんが頬杖をつき、小学生の謎の自己紹介に苦言を吐いて遮る。
「チョット! 人が最高にキュートな自己紹介してる時になんてこと言ってくれんのよ! あと村雨! アンタ次あったら承知しないわよ!」
しょ、、美少女が僕に指をさして、次がないと宣言する。
「まぁ、許してあげるわよ! 私は矢澤にこよ。よろしく」
「よろしくお願いします。矢澤先輩」
「それで高坂さん。僕をここに連れて来た理由はなんですか?」
僕は疑問に思ったことを高坂さんに質問すると、彼女は下を向いて笑い、大きく息を吸うとこちらを向いた。
「村雨君! 私達のお手伝いをしてもらえない!?」
「えっ?」
僕はいきなりの発言にうっかり声が出る。
それは他の部員も同じだった。
「穂乃果! いきなりなんて事を言うんですか!」
「えっーでも男の人を協力もあったほうがまだいいかなって思って」
なるほど、要するにマネージャーのようなものか。
待てよ、もしこのまま手伝いをすれば、目標への近道になるかもしれん・・・ならば
「構いませんよ」
「えっ、いいよ!」
高坂さんが目を輝かせ、僕に迫る。他の部員達も驚きの表情を浮かべていた。
「ただし、僕にも用事が少々ございまして、その用事の日以外に限ります。よろしいですか?」
「うん! ようこそ私達μ'sの部室へ!」
「皆さん、本日からよろしくお願いします」
部室からグラウンドまで聞こえそうな程の大きな拍手が鳴った。
僕は横目で園田海未の顔を見ていると彼女は僕の視線に気づいて、照れたように微笑みかける。
そう僕は、彼女を・・・殺すためにこの学校に来た。
村雨悠人君の転入目的が明かされました。
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