電車に揺られながら、僕は窓の外を眺めていた。
μ'sのメンバーが塊で話したり、個々に分かれて何かをしている。
僕達は今、μ'sメンバー全員で真姫の別荘に向かっている。何故、こんな事になったかというと・・・
ー2日前ー
「合宿よー!!」
絵里先輩がいきなり、大声で高らかに宣言する。
理由は近いうちに「ラブライブ」という全国のスクールアイドルの頂点を決める大会があり、その予選では発表される曲は未発表の曲に限られ、そして同じ関東地区に全国一のスクールアイドル 「A-RISE」と同じであるため、この状況を生き抜くには皆が一堂に団結する必要があるとの事でこの合宿が提案された。
ちなみに花陽にラブライブとは何か?と聞いた時はものすごい剣幕で詰め寄られた。
そして、現在に至る。
電車の窓の外から見える雄大な山々や草木を見ていると、昔に住んでいた場所を思い出す。
そんなこんなで電車は真姫の別荘がある駅に着いてメンバー達も降りて行き、僕もそれに次いで席を離れる。
電車から降りると外気の綺麗な空気が僕を体を覆い、自然と心地よい気分になる。メンバー達もその自然の美しさと空気の良さを堪能していた。
後ろで真姫とにこが言い争っていたのを絵里先輩が仲裁していた。
揉める理由がなんなのかは定かではないが・・・
そんな事より驚いたのが園田海未の荷物であった。
合宿にしては多すぎる。彼女を服装をよく確認すると登山服を着ていた。何故だ・・・
「行きましょ、山が呼んでいますよ!」
彼女は目を輝かせて改札を降りていく。他のメンバーもバスに乗るために降りていく。僕も改札に向かおうとした時、前にいた凛が足を止める。
「あれ?」
星空凛が何を察したか線路側を向く。
「どうかした?」
「どうしたんですか? 凛」
ことりと僕が凛に疑問を感じる。
「何か足りてない気がしてないかきゃ?」
「忘れ物?」
「忘れ物じゃないけど何か足りてない気が・・・」
僕は目を閉じて、眉間にしわを寄せてようやく答えに気付き、澄み渡る青空に目を向け、手を額に当てる。
「やってしまった・・・」
ー数分後ー
「たるみ過ぎです!」
園田海未が寝過ごした穂乃果を叱責する。
「だって誰も起こしてくれないんだもん! ひどいよ!」
涙目の穂乃果が園田海未に訴え、ことりが穂乃果を宥めていた。
「まぁ、いいじゃありませんか。こうやって無事に合流出来たんですから」
「悠人君ありがとう!!」
穂乃果が僕の胸元に掴みかかり、必死に感謝の言葉を述べる。
その光景を見て園田海未はため息を吐いて、他のメンバーも個々の反応を見せていた。
その後、バスに乗って僕達は真姫の別荘に着いた。本人曰く、このような別荘があと何軒かあるらしい。
中に入るなり、穂乃果が家々の家具を興味深そうに見ていた。真姫が
サンタクロースを信じていたのは驚きだった。 真実は心の中に閉まっておこう。
それからにこ先輩、貴女はあと少しで重罪を犯すところでしたよ。
そこからは穂乃果、凛、花陽、にこ先輩、希先輩、絵里先輩が外でのダンス側と室内での真姫、ことり、園田海未、衣装、作詞、作曲担当に
分かれて行動して僕は現在、外で穂乃果達のダンスを見ていた。
自然の中でのダンス練習、いつもの学校の屋上との違い新鮮で彼女達にとっても良い経験であろう。
練習はしばらく続いて、休憩に入った。僕は立ち上がり持っていたクーラボックスからスポーツドリンクをメンバー達に差し出していく。
みんな草が心地良いのか、寝転んで背を伸ばしたり名一杯空気を吸ったりなどしていた。
絵里先輩が休憩終了を告げたそのすぐ後に、にこ先輩が騒ぎ出して、凛とともに走っていった。 まぁすぐに戻ってくるだろう。
と思って今のが間違いだった。戻ってきた時彼女達はずぶ濡れだった。どうやらにこ先輩のリストバンドを拾おうとしてこうなってしまったらしい。
穂乃果が二人を温めるためにつけた暖炉に興味津々で、にこ先輩が彼女に憤りが感じていると希先輩がためにかかっていた。
この上では3人がそれぞれの役割を果たしているのだ。決して邪魔してはならない。
花陽がお茶をお盆に乗せて部屋に入ってきた。いつもの優しい笑顔でにこ先輩と凛に渡す。
「じゃあ、海未ちゃん達には私が持っていくよ」
穂乃果はそういうと、お盆を花陽から受け取り上の階へ上がる。
「なんだか申し訳ないないわね。来てもらってるのに」
絵里先輩が僕に困り眉を浮かべながら、言う。
「いや、気にしてないです。僕なんてほとんど仕事してないじゃないですか」
「にこっちがしっかりせんからよ」
「わ、悪かったわよ」
にこ先輩は少し申し訳なさそうな顔をしながら僕に謝罪する。
「構いませんよ」
僕はにこ先輩にはにかむような笑みを見せて、怒りを抱いていない事を証明する。
「ああアァア!!!」
上から聞こえる穂乃果の声に僕らは一瞬体が痙攣したかのように反応する。
そして穂乃果が物凄い速さで降りて、玄関を出た。数分後、穂乃果は上で作業をしていたはずの真姫、園田海未、ことりを連れて戻って来た。
3人は申し分けなさそうにソファーに座る。どうやら3人は予選敗退を気にしてスランプに陥って閉まったらしい。
この3人に任せっきりになるのも良くなかったと花陽がいい、絵里先輩が三班に分かれてそれぞれサポートするという提案を出す。
にこ先輩は自身の作詞した曲を作曲しようという提案は希先輩の発言とともに消えていった。
外で9人でクジを引いた結果、衣装係「穂乃果、ことり、花陽」
作詞「海未、希、凛」 作曲「絵里、真姫、にこ」の結果となった。
僕はしばらくしてからそれぞれの様子を見回るようにと絵里先輩に言い渡される。
その後彼女達はそれぞれ別荘からテントを持ち出して、別々の場所に置いていった。
僕は少しの間、時間を潰すために実家から持ち出した小説を読んでいた。
こうやって本を読んでいると、時間が過ぎるのがあっという間に感じる。セットしていたアラームが鳴り、小説を懐に入れて歩き出す。
それから僕は衣装班、登山・・・失礼 作詞班、作曲班の順番で向かった。
その間色々な光景を目にした。衣装班ではことりと花陽がほとんど役割をして穂乃果はテントで心地良さそうに寝ていたり、作詞班は園田海未の登山への謎の想いのせいで作詞という職務を忘れていた。
作曲班は絵里先輩が暗いのが苦手、そしてにこ先輩への今大会、メンバーへの熱い想いを語ったりなどしていた。
だが穏やか事だけではなかった。 それは作詞班の様子を確認して
作曲の元へ向かうため、下山していた時の事だった。
「さて、僕も次の班に行きますか」
「ちょっと待って」
下山している途中に希先輩に呼び止められて、彼女の方を向く。
「どうやって登ったん?」
「いや、それはクライミングの応用でー」
続きを言おうとした時、希先輩の言葉が蓋をする様に防ぐ。
「ああ、ごめん質問の仕方が違ってたな。何であんなに早う登れたん?」
彼女の発言に僕は少し固まる。
「 ウチらでも一時間弱かかったあの崖をあんな早う登るのって相当凄いよな」
僕は彼女の洞察力にかなり驚いていた。 まさかこんな人間がこのグループにいたなんて・・・
「いや、父が多趣味でして私も幼いによくそれに付き合わされていたことがあり、崖をより速く登ったりするのもその一環でした」
僕は希先輩にそう答える。今ここで僕の事を詮索されるのはまずい。
「そうか、なんかごめんな。問い詰める様な話し方して」
「いえ、では僕は作曲班の方へ行きますので」
「うん、気をつけてな」
希先輩の言葉を背で聞いて、作曲班の元へ向かう。
あの時は本当に焦った。彼女も警戒すべき対象なのかもしれない
今日の事を振り返りながら僕は一人、草原に寝そべり夜空の星空を眺めていた。
こうして一人、静かな居場所にいるといつも昔の事ばかり思い出してしまう。 昔が良かったから今が霞んで見えてしまう・・・
そうだ、僕の今、いや未来を照らすために園田を!
「悠人?」
声を聞こえて、目を開けるとそこには園田海未がいた。
「奇遇ですね、悠人がここにいるなんて」
「海未もどうして、こんなところに希達といたのでは?」
「少し一人になりたくて・・・」
「もしかしたら、3年生の事を気にしているんですか?」
「えっ、いやそのー」
図星だったようだ。
「数時間前、作曲班に行った時ににこ先輩が言っていました。
曲はみんなのためにあるって・・・だからあまり気にしないでください。気にするななんて他人事ですごく身勝手に聞こえてしまうかもしれませんが」
僕はそう言い、呆れたような笑い方をする。
「いえ、他人事だなんて、悠人はちゃんとチームの為に働いてくれています。だからそんなこと言わないでください・・・」
「そっ、そうですか」
僕は彼女が僕に微笑みかけた顔に、一瞬見ほれてしまいそうになり、目をそらす。
「でも、にこがそんな事を」
「メンバーの一人一人が個性的で、性格も感性もバラバラですけどみんなチームの事が好きなんでしょうね」
「ええ、想いは一つです」
彼女がそう呟くと、少しの無言の間が空く。
「それと、改めてあの日の事は本当にあの時はありがとうございました!」
あの不良に絡まれていた時の事か・・・
「あ、あれは別に」
「それと・・・もしかしたらなのですがあの時の構えは園田流の物ですか?」
彼女の質問に喉を詰まらせる。とりあえずお得意の嘘で誤魔化すか・・・
「あれは父からの教えなので、どこから移ったのかは定かではないんです」
「そうなんですか・・・あのよろしけば今度、私の道場で組手をしてもらえますか?」
「構いませんよ」
まぁ、あの動きすら見せなければ問題ないか・・・
「あっ、ありがとうございます!」
不味い、先ほどはうっかり見惚れそうになってしまったが・・・
そうだ、この瞬間に職務を・・・指名を全うしよう。この為にここにきたんじゃないか。
僕はそう決めて、真横にいる彼女に悟られないようにジャックナイフを尻ポケットから出して、園田海未の背後に近づけようとした時に、真姫の別荘の方からピアノの音色が聞こえる。
その瞬間、園田海未の視線が別荘の方に向く。俺は急いでポケットにナイフを隠す。
少ししてから園田海未は立ち上がり、僕の方を向いた。
「今なら何か良いものがかけそうな予感がします」
「そうですか。なら頑張ってきてください。僕はもう少しここで寝ます」
「分かりました。ではお気をつけて」
園田海未は丁寧に頭を下げて、別荘へ向かった。
僕はポケットからナイフを取り出す。
「殺し損ねてしまった・・・」
園田海未の微笑みが脳裏に浮かぶ、それを消し去る為に地面を殴る。
「次はない! 必ず殺す!」
静かな草原に一人の男の怒りが風となり広がる。
今回はここまで、中途半端な終わり方をして申し訳ないです!
黒っぽい猫さん ☆7つありがとうございます!
そのほか、お気に入り7件 ありがとうございます!
誤字、脱字、その他のご指摘ありましたらご連絡ください。
これからも少しずつ投稿していきたいと思いますので皆さんどうぞよろしくお願い致します! では!