大和撫子と復讐の徒   作:蛙先輩

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第9話です。


9話

9話

 

僕たちは今、アイドル研究部の部室のパソコンの前に釘付けになっている。それは何故か?

 

今日の午後にラブライブ 予選突破チームの発表があるからだ。

 

メンバー 一人一人が固唾を飲みながら見守る中、花陽が発表欄をスクロールしていく。

 

1番 A-RISE が表示される。

まぁ、当然ですよね・・・

2番 イーストハート 3番 ミッドナイトキャッツ と別のチームが枠を埋める。

 

「ダメだよ、同じだよ・・・」

穂乃果が絶望した顔で溜息を吐く。

 

そして、花陽が最後の人組みを表示されている場所にスクロールする。

「4チーム目は・・・」

 

「ミー」「ミュー」

花陽が徐々に下げて行くとともに、メンバーの口元も尖った口に変化していく。

 

第3者の目線からすれば中々面白い光景だ。

そして花陽がスクロールしきるとそこに映っていたのは・・・

 

4番 μ's

 

「音ノ木坂学院高校 スクールアイドル μ'sです!」

花陽が改めて確認するかのように画面に自身の顔を持っていく。

μ'sの名前を見た途端、周囲に沈黙が流れる。

 

「μ'sって私達だよね。石鹸じゃないよね」

「当たり前でしょ!」

穂乃果のボケに真姫が渾身のツッコミを入れて穂乃果の顔が引きつる。

「凛達合格したの?」

「予選を突破した?」

 

 

 

「やったー!!!!!」

彼女達の歓喜の声がアイドル研究部の中に響く。

 

彼女達は喜びのあまりに部室を飛び出していった。僕は彼女達のいきなりの言動について行けず立ち尽くしていた。

 

「行ってしまった」

僕はそう呟いて改めてパソコン画面を見て彼女達が合格した事を再認識すると自然と頬が緩んだ。

 

穂乃果の夢を聞いたときは、妙に現実味があり少し恐ろしく感じました・・・

 

 

「あれ?」

ふと横を見ると耳を塞いだままの園田海未がいました。多分さっきの歓喜の声が聞こえなかったのだろう。

 

「海未」

「わっ! なっ、なんですか! 悠人! 私は今 真剣にー」

園田海未が何か続きを言おうとした時に放送が入る。

 

「おしらせします。たった今、我が校のスクールアイドル μ'sがラブライブ の予選に合格したとの発表が入りました」

 

それを聞いた時、彼女の顔が笑顔を取り戻して僕にハイタッチをしてきた。

 

そのあと、すぐ冷静に戻ってしまったが・・・

 

 

 

僕はその後、穂乃果達に用事があると告げて、学校を去った。

 

μ'sには出れる時、出れない時がある事を条件にしているのでプライベートに関しては寛容だ。

 

嘘だ・・・本当はこれ以上関わりたくないだけだ。

そして歩くたびに頭の中にこの学校に来た日々の事が頭を巡る。

合宿、ラブライブ予選、この間にも忌むべき園田海未と手合わせをした。

 

この数日間、僕は一体何をやっているんだ?

彼女達の活動に付き合って僕に何がある?

 

そうだ・・・園田海未を・・・園田海未を・・・

 

僕は何度も何度もこの言葉を吐いてきたくせに殺し損ねた。本当は殺したくないのか?

いやいやいやそんなはずはない。

 

こんな不毛な自問自答をここ最近、ずっと続けている。

僕はこんな馴れ合いをしに来たんじゃないはず・・・

 

すると携帯が鳴り、画面を見ると園田海未からだった。

 

「はい、もしもし」

「もしもし悠人ですか? 今から場所を教えるのでそこまで来てくれますか?」

 

「僕は今日予定が・・・」

「ん?」

園田海未の言の葉から異様なほどの怒りを感じる。ここは素直に従ったほうが後々の為か・・・

 

 

着いたのは大きな団地でそこの一室に来て欲しいとのことだった。

「ここか」

部屋の前についてインターホンを鳴らす。

 

奥から幼い声での返答が聞こえ、ドアが開く。

「あのすみません。知人にここまで来るように言われたんですが」

「初めまして、矢澤こころと申します。

あなたがお姉様の言っていたお姉様の付き人さんですね。お待ちしておりました。さあどうぞ」

 

「あっ、はい。失礼します」

僕は彼女に言われるままに部屋の中に入っていく。というか今、付き人と・・・

 

リビングに通じる扉を開けるとμ'sメンバーが椅子に座っていた。

みんな怒ったり疑問を抱いた顔などそれぞれの表情をにこ先輩に向けていた。

 

「みなさん、どうしたんですか?」

「悠人よく来てくれましたね」

園田海未が張り付いた笑顔を僕に向ける。

なんとも不気味だ・・・

 

園田海未が説明を聞くに、にこ先輩が理由を付けず早く帰りそれを怪しく思い付けて行くと一度、バレて振り切られるも妹のこころちゃんと会い、そこでにこ先輩が他のメンバーをバックダンサー、僕を付き人だと妹弟に教えていたという。

 

確かにリビングの横を見ると、こころちゃん以外にもう一人女の子と男の子がいる。

 

男の子は僕に駆け寄ってズボンの裾を引っ張りながらモグラ叩きのおもちゃを指差す。

やれってことか・・・

「珍しいわね。虎太郎が人に懐くなんて」

「少し付き合ってもいいですか?」

「好きにしなさい」

 

僕はメンバーから問い詰められるにこ先輩を尻目に虎太郎君に導かれるままにモグラ叩きの近くに座った。

 

「私矢澤ココア! んでこっちが末っ子の虎太朗、お兄さん名前は?」

「村雨悠人です。よろしくお願いします。ココアちゃん。虎太郎君」

挨拶した後、少し遊びに付き合っていると、虎太郎君が近くまで寄って来た。

「似てる〜」

「僕は誰にですか? 」

僕は聞き直すと、虎太郎君が指した方向を見るとその先には園田海未がいた。

「虎太郎、それは口調が似てるからでしょ」

ココアちゃんが虎太郎君の発言を無事に茶化す。

「確かに似ているかもしれませんね」

僕も便乗して付け足す。幼い子に助けられるとは我ながら情けない。

だが、その間、虎太郎君はココアちゃんの言葉に納得のいかないような顔をしていた。

 

するとにこ先輩とμ'sメンバーの話し合いが少し耳に入った。あまり雰囲気はよろしくないようだ。

 

「別に私の家でどう言おうと私の勝手でしょ、頼むから今日は帰って・・・」

にこ先輩が吐き捨てるように僕達に言う。

さて、潮時だな。

「さようなら、ココロちゃん、ココアちゃん、虎太郎君」

僕は3人に手を振り、μ'sメンバーと共に部屋を出た。

虎太郎君の発言は子供の当たり障りのない虚言と受け止めておくことにした。

そしてにこ先輩の家を出た後、穂乃果の思いついた提案にみんなで実践することになった。

 

 

 

 

 

 

そして数日後の放課後、僕は屋上に大きなステージを作っていた。風船の空気入れやセットの組み立てなど、メンバーと協力して完成した。

 

あとは穂乃果が主役を連れてくれば完成だ。

 

すると携帯が鳴り、穂乃果からの連絡がきた。にこ先輩とその下の子達を連れてここに向かっているらしい。

 

屋上に上がってきた妹弟をカーペットに座らせて、絵里先輩、希先輩の考えた衣装を着たにこ先輩が舞台から姿を現われて僕達は彼女の後ろに並ぶ。

そして、にこ先輩は自分の一人のアイドルを今日で終わりにしてμ'sのメンバー達と新しいアイドルになる事をココロちゃん、ココアちゃん、虎太郎に伝える。

 

最初は動揺していた3人も姉の気持ちを理解したのか目には尊敬の念が見えた。

 

ライブが始まる際に僕達は一斉に舞台から降りて裏で待機する。

 

彼女のラストソロライブを見届けるために・・・

 

そして、僕はその時、この光景見てより強く思った。μ'sは僕の関わるべき場所ではないと、

 




今回も読んでいただきありがとうございます!
☆9 キース・シルバーさんありがとうございました!!!!

その他の皆さんもお気に入りにしてくださり、ありがとうございます。
大変申し訳ありませんが物語の山はもう少し先なので付き合っていただければと思っております。
いつも通り 誤字、脱字、その他ご指摘ありましたらご連絡ください!!

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