加賀とジャベリンとラフィーが来たので初投稿です(なお赤城
※キャラ崩壊おみまいされたくないという方はすぐさま閉じて原付で列島縦断してきて、どうぞ
・ウォースパイト「アーク・ロイヤル生えそう」
早朝の鎮守府の廊下を、一人の小柄な少女が歩いている。
艶やかな金色の髪を靡かせ、側頭部の二房の髪は獣耳を思わせる。体躯は童女と見紛うばかりだが、纏う雰囲気―――覇気とでも呼べるそれはおおよそ外見と釣り合っていない。
彼女の名はウォースパイト
ロイヤル陣営に籍を置く、クイーン・エリザベス級戦艦の二番艦。
『オールド・レディ』の敬称で知られる、ロイヤル屈指の実力者である。
本日の秘書艦の任を務める彼女、今は指揮官の私室へと歩を進めていた。その足取りはどこか楽しげ。
着任してからこっち、委託任務だったり出撃だったりを繰り返してきたウォースパイト。ロイヤルの栄光に恥じない戦果を、と息巻いていざ戦場へという決意と覚悟はしかし、着任して数分後に真っ先に挫かれかけた。
『エロはいけませんよ指揮官ッッッ!!!』
『へぶぅっ!?』
初期艦である重桜の綾波に連れられ、艦隊指揮官への着任の挨拶に向かった彼女を襲ったのはそんな叫びと蹴破られたドアによる顔面痛打。
レディらしからぬ悲鳴を上げながら仰向けに倒れ、滲む視界が捉えたのは耳を真っ赤に染め上げて顔を両手で覆いながら走り去った既知の背中だった。
『じ、ジャベリン……ッ!?』
『大丈夫です、ウォースパイトさん?』
『え、ええ……』
痛む鼻を押さえながら、綾波から差し出された手を取って執務室へ。
開けっ放しになった扉の向こうには、頭を抱える一人の男と傍らに寄り添うこれまた既知たるメイドの姿。
思わずそのメイドへ声をかけそうになるが、それより先にするべきは上官への挨拶。
綾波に促され、ロイヤル仕込みの敬礼と共に名乗りを挙げた。
『ロイヤルのウォースパイト、ねぇ……ん、了解。貴官の着任を歓迎する。ああ、あんま堅っ苦しくする必要は無いから、普通にしてくれていいよ』
『そ、そう? なら、話し方もこれで構わないかしら?』
『ああ』
軍属らしからぬゆるい雰囲気に面食らう。
隣の綾波が、先ほど逃げ出したジャベリンについて詰問している裏で、ウォースパイトはこの外面上は何も異常の無い執務室の中で一人、冷や汗を滝のように流していた。
まず天井裏にナニカいる
指揮官の後ろ、窓の向こうから獣耳が見えてる
幻聴と信じたいが『インディチャン』なる呪詛染みた声がひたすら聞こえる
指揮官を見つめるメイドの目がヤバい
指揮官と綾波からの説明を聞きながらも内容はほとんど頭に入ってこない。
後にウォースパイトが語ったこの時の心境はただひとつ。
―――とんでもない所に来てしまった
だがまぁ、初日にそんな事態になりはしたが、その後は特に大きな問題は無く。
仲間はみな親身で、指揮官も緩いと言えば緩いが締めるところはきちんと締める人。
艦隊と指揮官、双方に絆されるのもまぁ時間の問題だったわけで、今となってはウォースパイト自身見事に慣れきっていた。
秘書艦を任されるのは初めてのこと、そこそこ(周りから見れば結構な)好意を寄せる指揮官のおはようからおやすみまで傍に立つお役目とあってぶっちゃけルンルン気分だった。白状すると昨夜はあんま寝れてない。
気付けば指揮官の私室前、サッサと身なりを整えて咳払い一つ。ノックと共に声をかける。
「指揮官、起きているかしら?」
『おう、ウォースパイトだな? ちょいと待って……おうこら起きてるだろお前』
『ラフィーはもっと寝てたいなんて思ってない……』
『離しなさいって』
『エロはいけませんよ指揮官……』
『こいつはマジ寝だな、よし』
『Z46という名はもう捨てた……今の私はフィーゼ……』
『起きなさいなお前も』
イラッと来た。
なんだ、駆逐艦好きか? ロイヤルの問題児筆頭と同じ趣味か? 自分も姉も体型的には駆逐艦だぞ?
豊満か寸胴かどっちかそろそろはっきり―――
「妙なこと考えさせるなァッ!!!」
「ドアは普通に開けろください!?」
・アドミラル・ヒッパー「不平等」
「……」
「大所帯になってきたわね、ここも」
「……ああ。オイゲンはここでも古参に位置するのだったな。私達が着任する前はどの程度の規模だったのかしら」
「さぁ? 他を知らないからどの程度と言われてもね」
「ふむ。卿は指揮官からの信も厚いと聞くが」
「というより、私が着任してから前線に出ずっぱりなだけよ。指揮官も他の編成とか考えているようだけれど、やっぱり馴染んでるんじゃない?」
「そういうものか」
「……」
「そういえばツェッペリン」
「む?」
「あんた最近、やけに指揮官と一緒にいるみたいね。秘書艦でもないのに」
「妙なことなのか、それは?」
「別に? 『憎んでいる、すべてを』なんて言ってた女が指揮官とはいえ男にべったりなんてことがちょっと意外なだけよ」
「特に意識していたつもりは無いのだが……ふむ」
「……」
「ティルピッツ……卿は」
「ん?」
「……」
「どうしたツェッペリン?」
「いや……どう伝えるべきか言葉が見つからなくてな……」
「?」
「……ああ、そうだ。卿は」
「あんた達」
「ん?」ユサッ
「どうした、ヒッパー」ボッイン
「そういえば先ほどから一言も話してはなかったな」デェェェェェン
「私を包囲して話すのやめろ」ペタッ
「……ペタン娘」
「あ゛ぁんッ!?」
・プリンツ・オイゲン「これでも親密度は愛」
しなやかな腕と脚が俺の身体に絡みつく。
ソファに腰掛けているために逃げ場は無く、蠱惑的な笑みと艶っぽい視線、熱を帯びた吐息が漏れる唇。
銀色のツインテールを揺らすプリンツ・オイゲンは、今までに見ないほど情熱的だった。
「Ich liebe dich.……どう? 私の胸の内、読み取れるかしら……?」
「……」
「……そんな眼で見ないでもらいたいわね。これでも一応、真剣なんだけど」
はぁ、と首筋にかかる息がむず痒い。
触れている部分すべてが熱く、押し付けられている胸はヒワイに形を変え、彼女の腰は俺に密着したままゆさゆさ揺れている。
オイゲンの表情は喜悦に歪み、だがその瞳の奥の感情までは読み取れない。ここは彼女が着任した時から一切変わらないところだ。
「……オイゲン」
「ふふっ……なに、指揮官?」
声音は甘く、蕩けるように微笑みながら、彼女は俺の目を覗きこんでくる。
先ほどのオイゲンの言葉、それを聞いて感じたこと、思ったことを、そのまま口にした。
「すまねぇ、ドイツ語はさっぱりなんだ」
「」
いやまぁ正直こんなムードとタイミングで言うべきことじゃないってのはわかってるけども、言葉の意味をちゃんと理解しとかないと見当違いの返答しちゃうかもしれないし。
「……はぁぁぁぁぁ」
「でけぇため息だなぁおい」
「そうよね、あんたそういう男だってこと忘れてたわ……」
すっくと俺の膝上から退くと、そのまま髪を揺らしながら踵を返す。
振り返ったその目はどことなくガッカリしていたような、かと思えば値踏みでもしているような。
「まぁいいわ。ただし、これだけは覚えておきなさい、指揮官?」
指をこちらに突き付け、今度は挑戦的な目に変わる。
クールな外見と性格からは想像もつかないほどにコロコロ変わる雰囲気、ずいぶんと丸くなっ
「あんたの童貞は私が貰うわ」
「童貞違いますけど」
「………フッ、別に強がらなくてもいいわよ」
「いや本当にちが……おい逃げんな」
一瞬の意味深な間を残して、まさに逃げるように出ていった。
……アラフォーで童貞はヤバいと思うんですけど
※次の日から童貞のレッテルを貼られるようになった
・ティルピッツ「孤独を埋める方法」
鉄血、ビスマルク級戦艦二番艦ティルピッツ。
『北欧の女王』という異名を持つが、当の彼女にしてみればそれはただの揶揄、もっと別の言い方をするなら蔑称。
陣営の奥地、北の最果てで戦略目的、或いは雌伏とは名ばかりの放置による孤独を強いられ続けたティルピッツ。もはや姉の顔も朧気にしか思い出せず、誰かに言われなければ存在していることそのものを忘却の彼方へ送り出すことになってしまうほどに。
だが、そんな彼女に転機が訪れた。
どこで知ったのか、一人の男とその指揮下にある艦隊が自分の前に現れた。
重桜、鉄血、ユニオン、ロイヤル。
その全ての陣営の艦艇がいる、アズールレーンなのかレッドアクシズなのかすら定かでないほどの混成艦隊。
そんな面子を束ねる男が、なんてこと無いように口にした。
『行くあてもやることも無い? んじゃうちに来て貰えると助かるかな。まだまだペーペーなアラフォーの下につくのが良ければ、だけど』
その言葉と共に差し出された手を―――拒む理由は、どこにもなかった
それからのティルピッツはもう獅子奮迅とでも言うべき働きと活躍だった。
戦艦特有の高火力と高耐久、単艦でもある程度こなせる
後方から砲弾が飛んで来たと思ったら敵艦が軒並み沈んでいた、とは彼女と共に出撃したとある艦艇の感想。
ティルピッツは喜悦に打ち震えていた。
戦場に響く砲音、足元でさざめく波の感触、時折食らう敵の攻撃、逆に相手を沈めた時の高揚。
全てが既知にして未知、これが戦場、これが戦争
これが、私が求めていた
そんなティルピッツであるが、ここ最近、これまでとは違う自身の変化について悩んでいた。
他の艦艇に訊いても微笑ましげ、或いは訝しげな眼で見られるだけ。指揮官に訊いてもどうにもはぐらかされている。
当然悩むティルピッツ。今は寮舎で一時の憩いの時間を過ごしている、そんな彼女の下を訪ねてきた駆逐艦、Z46。
同じ鉄血ということで、少しずつだが会話が弾み、時間が早く過ぎていった中で。
Z46―――フィーゼが、ぽふっとティルピッツの膝へと寝落ちした―――否、
「―――ツェッペリン。私は理解した」
「……」
寮舎から戻らないフィーゼを探しに来たグラーフ・ツェッペリン(何故かジャージ)と、ツェッペリンに相対しているティルピッツ。
とっくに目を覚ましているフィーゼはティルピッツの膝上に固定されており離れられそうにない。というかフィーゼはどことなく震えている。
そんなフィーゼの柔らかな髪を軽く撫で(フィーゼは更に震えた)、ティルピッツは剣呑とした眼でツェッペリンを射抜く。
「ここしばらく、ずっと思い悩んでいた。共に戦う同士達、彼女達へ、何より指揮官へ私が知らず知らずの内に向けていたこの感情。これは果たして、何なのだろう、と」
「……」
ツェッペリンは何も語らない。ティルピッツが何かについて悩んでいたのは察していた。だが特に大きな支障は無いだろう、と我関せずを決めていたのが仇になったのだろうか。いやそんなことはないのでは。
「だが先ほど……今ここにいるフィーゼのこの寝姿を見た時、私は確信した」
「ぐらーふたすけて」
よほど今のティルピッツがやべーと感じたのか、フィーゼの声は震えに震えていた。口調も完全に壊れている。
「―――彼女達を護りたい。共に戦うだけでなく、その背中を、そのありのままを。何よりもこの泊地で、指揮官と共に過ごすあの平穏を護りたいと……そんな感情の正体に、私は気付けたのよ、ツェッペリン」
「ティルピッツ」
「……そう。胸を張って言える。
これが、母性……ッ!」
「卿は何を言っている……?」
見当違いも良いとこな発言にさしもの全てを憎んでいる空母もドン引きだった。
「駆逐艦を見ていると庇護欲に駆られる、巡洋艦達のやり取りを見ていると胸の奥が暖かくなる、空母や戦艦達のとりとめの無い話は聞いているだけで口元が緩む! これを母性と言わずして何だと言うの!?」
「フィーゼよ、ティルピッツは何の話をしている」
「しらない」
カタカタ震えるしか出来ないフィーゼと困惑から戻ってこれないツェッペリン。そんな二人に構わず正常に暴走した異常な平常運転へと舵を切り倒してしまったティルピッツは続ける。
「指揮官……そう、指揮官だ。彼はとりわけ愛おしく感じてしまう。だらしのない所を矯正し、その行く末を見守り叶うならば私の行く先を見届けてほしい、と……ああ、そうだ。そうだとも、見守り、そして見届ける……
「……暫し待っていろフィーゼ。指揮官へ報告の後、ティルピッツを病棟へと……」
「ツェッペリン」
「……なんだ」
まともに相手取るには荷が重いと判断を下したツェッペリン。そんな彼女へとティルピッツがかけた言葉が、後に語られるティルピッツとグラーフ・ツェッペリンの冷戦の幕開けとなった。
「指揮官もフィーゼも綾波も、残らず私が幸せにする」
「宜しい、ならば
冷戦の幕開けは、泊地がドンパチ賑やかになるところからのスタートだった。
燃料が無ければネタも無い
実は学生時代に三笠大先輩とエンカウントしててその時に童貞捧げてたアラフォーとかいう誰も望まない謎設定