グッドルーザーズ!! ~球磨川禊と鬼人正邪による反逆の学園生活!~   作:ゼロん

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第1章 愚か者達の入学式編
~プロローグ~ 最低な転校生と最悪の自己紹介


 

 ーー私はなぜこんなところにいる。

 

 つい先ほどまで転校生の自己紹介ジョークを聞き、爆笑していたクラスメート。その中にはほくそ笑みで済ますものも、鼻で笑うものもいたが……

 

 

 皆例外なく死んでいる。全員の胸と腕に大きな螺子(ねじ)が突き刺さり、間違いなく絶命している。

 

 

 --このクラスの唯一の人外少女、天邪鬼(あまのじゃく)である鬼人正邪(きじんせいじゃ)を除いて。

 

「は……?」

 

 余りの一瞬の出来事で呆然とする正邪。

 

 --いったい……何が起こったというのだ。

 

 唯一の生存者である彼女を、首を傾げ不思議そうに見つめる転校生。

 

『あれ? 君、大丈夫だったかい? 悪いね、僕としては結構つまんない冗談だったんだけど。みんなの笑いの沸点が余りにも低かったみたいだ』

 

 ハハッとこの惨状を些細なことのようにその転校生は笑い飛ばす。この惨状を作った張本人だというのに、だ。

 彼の薄気味悪い笑みに、その態度にゾッとした。背筋に怖気が走り、冷や汗が止まらない。

 

『勘違いしないでくれよ? 僕が自己紹介して、ジョークを言った瞬間にどこからともなく螺子(ねじ)が飛んで来たみたいだ。全く……悪趣味な演出だぜ』

 

 転校生は三日月のような笑みを口元に浮かべながら、めちゃくちゃな理論を口走る。

 下手くそな探偵小説の犯人でもこんな言い訳は絶対にしないだろう。

 

『決して、僕が投げたわけじゃないんだよ? たまたま()()()()彼らが死んでしまって……たまたま、()()()()僕らは助かった。おっと……早とちりしないでおくれ……』

 

 暴論の次は被害者面(ひがいしゃづら)……責任転嫁(せきにんてんか)……些細(ささい)なことであればまだいい。

 だが……この転校生は殺害という外道行為そのものを正当化しようとしている。明らかに殺人に使われた凶器を持ちながら、気持ちの悪い微笑みを浮かべながら、自分がやったことをなかったことにする。

 

 正邪はこの少年から人間、いや自分たち妖怪以上の不気味さを感じた。今まで会ったやつの中でも最低最悪な……()()()の片鱗を味わった。

 

 気づけば足が……震えている。

 自分でも理解できない不快感に自分の肩を抑える。

 

 --震えるな、止まれ。ビビるな。怖くない、武者震いだ。これは武者震いなんだ……!

 しかしなんだ……!? この人間は……? 狂っているとか、歪んでいるとかそんなんじゃない……!

 

『僕は悪くない』

 

 人間の負の面、そのものであると鬼人正邪(きじんせいじゃ)は転校生--球磨川 禊(くまがわ みそぎ)をそう評価した。

 

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