グッドルーザーズ!! ~球磨川禊と鬼人正邪による反逆の学園生活!~   作:ゼロん

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上はギャグ系、下はちょいシリアス。
こっちをメインにしようかなとおもったので長くなっております。
上に興味ある方は前の話ですのでぜひ。


グッドルーザーズ 日常短編 下

 ***

 

『クリスマス』(本来12月に投稿予定)

 

 

 ちょうどD組のクラスで話題になっていたクリスマスプレゼント。

 

「幻想郷ではクリスマスは虫かごの中で過ごしてたけど……」

 

 一応、その日は霊夢に渋々ではあったが外に出してもらい、魔理沙と三人で祝っていた。

 

 途中から妖夢や幽々子、咲夜と紅魔館の主レミリアも加わり最終的には大騒ぎだった。

 

 そして誰もいなくなったあとで、こっそり来てくれた正邪にプレゼントを渡す。それが針妙丸のクリスマスだった。

 

 本人は『たまたま寄っただけだ』とは言っていたが。受け取ってはくれた。

 

「今年は何をあげようかな……」

 

 ふと気になった針妙丸は、ちょうどみんなが集まったあたりで、さり気なく尋ねる。

 

「……クリスマスになにが欲しいかって? 少名さん、なんだって今日そんなことを」

 

 休み時間に寝ていた桜街が寝ぼけ眼で顔を上げる。

 

「いいじゃないですか。大切な友達に渡すプレゼント……いい悩みですよ」

 

「ちょっ……慶賀野さん!」

 

 隣で聞いていた正邪は不満げに声を荒げる。

 

「あぁ? 誰が友達だよ。こっちから願い下げだっての」

 

「ほらー……こう言うから」

 

 針妙丸は涙目で正邪を指差す。

 

「正邪は天邪鬼なんだから」

 

 あぁ……と納得した後に慶賀野はほっこりするような、悲しいような複雑な笑みを浮かべていた。

 

 本当に妖怪の天邪鬼なのになぁ、と本当の意味で自分の言葉が慶賀野に通じていないことに苦笑する。

 

 まぁ、しょうがないことなのだが。

 

『クリスマスかぁ……プレゼントなんてもらったことないよ。……文房具以外』

 

「けっこう辛辣なんだな。お前の家庭」

 

 ヘラヘラと顎に手を当てて、球磨川はさらりと家庭の悲しいクリスマス事情を暴露した。

 

 桜街もけっこう同情していた。彼の家ではどうなのだろう。ちゃんとプレゼントは出るのだろうか。

 

「けっ、くだらん。毎年毎年懸命に、赤服と白ヒゲの不審者が、ちょうど決まった日に『メリークリスマス!』とか叫んで、ピュアな子供たちの家に不法侵入する祭りのどこが嬉しいんだよ」

 

「一体どうしたらクリスマスがそんな歪んだ解釈になるんですか!? サンタクロースが浮かばれませんよ!!」

 

 慶賀野に突っ込まれたが、正邪も正邪でクリスマスに悲しい解釈を生み出していた。

 そんなクリスマスなら防犯ブザーは必須だ。

 町中、厳戒態勢かもしれない。

 

『大丈夫だよ正邪ちゃん。そんなのはただのおとぎ話で、サンタって言うのは本当は、お──』

 

「オメーはオメーで黙ってろ!!」

 

 その続きは言わせまいと桜街は球磨川の口を無理やり塞ぐ。

 

 ……何を言おうとしていたのだろう。

 

 霊夢曰く、サンタクロースは空を飛ぶ妖術を使うおじいさんで、良い子にプレゼントを配っていると聞いたのだが。

 

 一体球磨川は何を言おうとしたのだろう。

 

 

 ***

 

 

『じゃあそれぞれ欲しいものを言っていこうよ!』

 

「てか、なんでオメーが仕切ってるんだよ。球磨川」

 

『いいからいいから、じゃあはじめは功名(こうみょう)さんっ! 言ってみよ〜!』

 

「えっ!? えぇっと……」

 

 もじもじと指を擦り合わせて顔をうつむき、かけているメガネが下がる。

 

「マフラー……とか」

 

『……慶賀野さん、質素だね』

 

「ほ、他にも欲しいプレゼントはありますよ! り、リラックマのぬいぐるみとか……!!」

 

『ぬいぐるみかぁ……いいね』

 

 可愛い……とちょっと思ってしまった。

 球磨川の言葉には何か含みがある気がしたが、それを問う暇はなかった。

 

『で、フランスパンくんは?』

 

「せめて名前で呼べよ。ん……とだな」

 

 桜街は突然ポケットに手を入れ、一枚の紙を取り出した。

 

「あったあった。最新ゲーム機と……スーパーマ○オブラザーズと……バイオハザ○ドリメイクver、あとはド○クエの最新作も……」

 

『……もしかして、結構クリスマス前に何貰うか考えるタイプ?』

 

「おう! 俺はその年のクリスマスが終わった後から、既に次の年のプレゼントを考えてるぜ!」

 

「お前……変なとこ几帳面だな」

 

 桜街はグーサインを出して笑みを浮かべている。見た目に合わない意外な一面を見たせいか、正邪も感心している。

 

「見た目と髪型と中身の反逆……! 実にいい。まさに反逆の使徒」

 

『見た目完全に不良だしね!』

 

「正邪の姉御に言われんのはいいけど、オメーに言われんのは腹たつなぁ」

 

 桜街は若干引きつった笑みを浮かべて額に青筋を浮かべている。球磨川に怒鳴っても無駄とわかっていても怒りが堪えられないところがあるのだろう。

 

「そういう球磨川は何が欲しいんだよ」

 

『ん? 僕?』

 

 んー、と球磨川は少し考えるそぶりを見せた後、

 

『地位と、権力?』

 

「夢のない小学生かっっ!!!」

 

『冗談、冗談。よく考えてみなよコッペパンくん』

 

「せめてコウジか、上の名前で呼べよ。もはや髪型関係ねぇし」

 

『不幸の星の下で生まれた僕が、そんなもの望むと思うかい? せっかくの地位も名誉もすぐにかっさらわれて剥奪決定さ』

 

「自信満々に言うんじゃねぇよ。てか、なんでオレが的外れなこと言ったみたいになってんだよ!」

 

 球磨川は首を横に振ってやれやれと答える。

 

『僕がクリスマスに欲しいのは一つさ。みんながもらうプレゼントの中で最も汎用性があるものさ』

 

「……んだよ。それ」

 

 球磨川はふっと笑って答える。

 

『決まってるじゃないか。────お金』

 

「夢もクソもねぇ答えが来たっ!!!!!!」

 

『だってそうでしょ? お金があればどんなプレゼントだって買えるんだよ? 選択肢はいくらでもあるし、好きに自分で決められる。……最高のプレゼントじゃないか』

 

 ぐぬぬぬと桜街が反論できずにいる中、針妙丸は手を挙げる。

 

「……ちなみに球磨川くんは今言ったプレゼント、貰ったことあるの?」

 

『……』

 

 球磨川は突然背中を向けると、しゃがみこみ始めた。

 

『…………』

 

「……?」

 

 顔を腕に埋めて、片手で床にひっきりなしに指で文字を書く。500円、または0円、と書いているようだ。

 

『……たまに鉛筆と消しゴムだけ。あぁ、ケーキなんて食べたことないや……』

 

 好奇心で聞いた自分が申し訳なくなってきた。

 見ていてかわいそうだ。

 

 同じように思ったのか慶賀野がいじける球磨川に近寄る。

 

「ええと……球磨川さん。小物で良ければ、今度のクリスマスにあげますよ? 何か欲しい物はありますか……?」

 

『マジで!?』

 

 慶賀野の慰めに反応して、球磨川は一瞬で起き上がってきた。

 

『ほんとう!? 本当にいいのかい!? なんでも!?』

 

「小物ですよ? キーホルダーとか、ぬいぐるみとか」

 

 先ほどまでの雰囲気が嘘のようにはしゃぎ始めた球磨川。

 

『ありがとう……功名さん。今の君は間違いなく女神様だよ。もうこれからみんな、サンタじゃなくて功名さんを信仰しようよ!』

 

 と思ったら急に涙目でぐずり始めた。

 

『ありがとう……本当にありがとう。今まで文房具以外、ろくにプレゼントなんて貰ってないよ……祝ってくれる人もいないし』

 

「は、はぁ……。大変でしたね」

 

『そうなんだよ! じゃあ慶賀野さん! 聞いてくれるかい! 僕の欲しいささやかなプレゼントを!!』

 

「……二度言いますけど、小物ですよ?」

 

 安心して、大したことないものだから、と球磨川は付け加える。

 

 

『──幼い頃に失った夢と希望』

 

「おっっっっっもっっっ!!!!!」

 

 全員が口を揃えて呆れ返った。

 

「なんだそりゃあ!! 取り返せねえし、固形物ですらねぇじゃねぇか!!」

 

『夢と希望だけが友達だった僕にはかけがえのないものだよ……?』

 

「アンパンマンか!! それにオメー、さっき大したことないものって言ってたじゃねーか!!! おかげで慶賀野、呆然としてんじゃねぇか!!」

 

 困らせんなよ、と大声で桜街は怒鳴る。

 球磨川くんの言動が矛盾しているのはいつものことだ。

 

「球磨川さん。あたし、裁縫とか得意だから、ぬいぐるみとかでもいいかな……?」

 

『ほんとう? ありがとう! デザインは僕が決めてもいい? 夢と希望じゃないけど、幼い頃に本当に無くしちゃったんだ!』

 

 柔らかな笑みを浮かべる球磨川に慶賀野はほっこりとした表情を顔に出している。

 

「失くしたぬいぐるみ、大事にしてたんですね……」

 

『うん。大事なものを中に隠したり、自分で引きちぎって縫い付けるのが大好きだったんだ』

 

「えぇぇぇぇぇっ!? 『大事にする』の認識が違う!!」

 

『愛し方、愛で方は人それぞれさ』

 

「愛するものを引きちぎることの、どこが愛情表現ですか!?」

 

『……ヤンデレとか?』

 

 引きちぎらないことを条件に、球磨川のプレゼントは決定した。

 

「で、正邪は何が欲しいの?」

 

 針妙丸は先程からあまり口を挟んでこない正邪に話しかける。

 

「ほら、サンタに頼むものとかさ。何かあるでしょ?」

 

 すると、正邪はこう答えた。

 

「──ばぁか。サンタなんて、いねぇよ」

 

 嘲る笑みとともに正邪は針妙丸に指を突きつけた。

 

「え……?」

 

「いるわけねぇだろ、サンタなんて。だいったいなぁ。私はなぁ、そもそもクリスマスなんて大っ嫌いなんだよ」

 

 愕然とする針妙丸に遠慮もなく、正邪は言葉を続ける。

 

「物をもらうのも物乞いみたいだし、惨めで気に食わないし、サンタの性癖も嫌いだ。健全で良い子の子供が好きとかどこのショタ好きロリコンだよ。プレゼントもサンタもいらんし、ついでに言うとお前もいらない」

 

「せ、正邪ちゃん……ちょっと言いすぎですよ」

 

 慶賀野が止めようとするも、正邪は全く聞きはしない。

 

「それにプレゼントだとォ? そんなの自分で選んで買う方がいいに決まって──」

 

「────もういいよっっっっ!!!」

 

 針妙丸は正邪を軽く突き飛ばし、教室から走り去っていった。

 

「あっ……針妙丸さん!!」

 

「アネゴ……今のはちょっと」

 

『……あちゃー、泣いちゃったね』

 

「……ちっ」

 

 その日、正邪とはほとんど口を聞かなかった。

 

 ***

 

 

 学校が終わり、正邪は一人下校する。

 

「……と思ったらお前も一緒かよ」

 

『いやぁ、正邪ちゃんが放課後どこ行くか気になっちゃって』

 

 球磨川は相変わらずヘラヘラと掴み所のない態度で接してくる。

 

 正邪は鞄を持ちながら、両手を後ろで合わせる。

 

「何の話だよ」

 

『まぁた、またぁ。寮への道は反対側だよ? あっちはスーパーとか商店街とかの地区だよ?』

 

「……一人で行く。帰れ」

 

『生憎、僕もたまたまこっちに用があるんだ。道が一緒なのはしょうがないでしょ?』

 

 球磨川は締まりない口もとで笑う。

 目は相変わらず笑っていなかったので本当の表情はうまく読めないが。

 

『途中まで一緒だし……ついでに付いてってもいいかな?』

 

「勝手にしろ」

 

 ……どうせ、ダメと言っても来るだろうから。

 

 スーパーへ続く商店街の一本道。

 

 つまらなそうに不満げな顔を浮かべる正邪と、

 

 他人から見て分かりずらいが、

 

 彼女の横には、そこはかとなく嬉しそうな表情を浮かべた球磨川が、そこにいた。

 

 

 ***

 

 スーパーでの用事を終えた後、正邪は寮に戻った。球磨川はもう少し吟味したいものがあるとかで、スーパーに残った。

 

「……ただいま」

 

「……」

 

 正邪が挨拶をしても頷くだけで、まともに言葉を交わさない。食事も、ここにきてから一番静かなものだった。

 

「……皿洗い。きちんと当番やれよ」

 

「……わかってるよ」

 

 ついにまともな会話をしないまま、針妙丸は床に就いた。

 

 布団も、ういつもとは比較にならないくらいに距離が開いている。今の心の距離とでも言うつもりか。

 

「ちっ……めんどくさい」

 

 そんな中、正邪は布団から出て、学校カバンから小さな箱を取り出し、

 

「……よっ、そっ、おっと」

 

 抜き足差し足で針妙丸のベッドに近づく。

 

「気づかないぐらいに深く眠ってるな……」

 

 そうして彼女の枕の横に、

 

「……サンタなんか、いねぇよ」

 

 そっと小さな箱を置いた。逆さの青リボンがついた、白と黒の小箱だ。

 

「──メリークリスマス。……い、いつもクソみたいなプレゼントをくれて……ありがと」

 

 布団に潜って、不機嫌そうに正邪はそう言うのだった。

 

 

 ***

 

 

 翌日の登校は、正邪がかなり早めに出た。

 

 一応、会って挨拶を交わすぐらいはしておいた。

 

 そして朝のホームルーム前。

 

「ねぇねぇ! 見てみて!! 朝起きたらこんな箱があったの!」

 

 針妙丸が満面の笑みで正邪含め慶賀野と桜街に見せる。球磨川はおそらく保健室でサボりだろう。

 

「よかったな、少名さん!」

 

「わぁ……素敵ですね! 中身はなんでしたか?」

 

「ま、まだ開けてないの!」

 

 そう言って箱を隠す針妙丸。その瞬間、なぜか正邪はしかめっ面をしていた。

 

「この箱の柄とか、リボンとか、正邪の色合いに似てるね!」

 

「そりゃあ、悪趣味だな。よかったな。好きな色合いじゃなくて」

 

「ううん! 大好き!」

 

 一瞬だけ、正邪は驚いていたがすぐに仏頂面に戻ってしまった。

 

「……不愉快だ。それより良いのか? 昨日のこと。一生口きかなくたっていいんだぞ、こっちは」

 

「あぁ、もう気にしてないからいいよ。こっちこそ……意地はってごめんなさい」

 

 針妙丸は素直に謝るが、正邪の方からは特に謝罪はなかった。ふん、と鼻で返事をするくらいで。

 

 気にしてもいないし、悪い気分もしない。これが正邪とのやりとりの一つだから。

 

 

 

「それにしても不思議だな……クリスマスは()()()()()()()()()ってのに」

 

 

 

 桜街の一言に正邪の動きが彫像のようにぴしりと止まる。

 ゆっくりと首を桜街の方に向けて、

 

「………………。コウジ」

 

「ん? なんですかい、アネゴ」

 

「クリスマスって12月の行事なのか?」

 

「え? あぁはい。サンタが来るのは12月の24日でやすけど」

 

「……は?」

 

「もしかしてアネゴ……クリスマスの日付、知りませんでしたか?」

 

 今日は、2月2日。

 

 正邪はくるりと身体の向きを変えて、

 

「ふふ……ふふふ」

 

「アネゴ?」

 

「ふふふっ、あーっはーっはっはっはっ!!」

 

「どどうしたんですか!?」

 

 正邪は大笑いをした後に、大きく息を吸って、

 

 

「クリスマスなんか、嫌いダァァァァァァーーーーーーーーーーっ!!!!!!!」

 

 

 正邪が自分に贈ってくれたのに気づいていたことは──言わないでおいておこう。

 

 それくらい意地悪したっていいよね、と針妙丸はくすっと嬉しそうに微笑むのだった。

 

 

 

 ***

 

 

 正邪と別れた昨日の夕方。

 スーパーに残った球磨川は人目も憚らずに女性用のランジェリー売り場にいた。

 

『……うーん。これも違うなぁ。スタイルとかエロさ、とかじゃなくて正邪ちゃんの良さはあの可愛さにあるからなぁ。いや、いっそのこと大人っぽい路線に……』

 

「何してるんですか」

 

『あっ! 功名さん。どうしたのこんなところで?』

 

「それはこっちのセリフですよ! 女性の下着売り場で何やってるんですか、あなたは!!」

 

『プレゼント選び』

 

「……もっとマシな言い訳ないんですか」

 

『僕は悪くない。これは正邪ちゃんの今年のクリスマスにあげるプレゼントだよ?』

 

「パンツをですか!?」

 

『そう! 彼女の下着は、僕が選んだものと思えるからこそいいんじゃない──』

 

 球磨川が言い終える前に慶賀野は左ストレートを顔面に喰らわし、彼が倒れたところで、ランジェリーショップから連れ出した。

 

「……はぁ。どうしてこんな人と関わってしまったの、あたし」

 

 球磨川を運んでいる最中は周りから白い目で見られた。

 

『僕は悪くない。……それよりも、功名さん。気になったことがあるんだけどさっ』

 

「……なんですか? 言っておきますけど、商品はちゃんと戻しておきましたからね?」

 

 いやそのことじゃなくてさ、と球磨川は言う。

 

 

『────僕が正邪ちゃんと一緒にいる時から、ずっと隠れてついて来てたよね? なんか僕らに用でもあったの?』

 

 

 ──自然体での、ゆさぶり。

 

『もしかして、()()()()()()()()()()とかが趣味なの?』

 

 本当にわからない。そういう声色で、いっそわざとらしいくらいに球磨川は尋ねる。

 

 一瞬だけ慶賀野の表情に緊張の文字が走るが、すぐに苦笑を浮かべる。

 

「そ、そんなわけないじゃないですか。ただ二人がどんな会話をしてるか気になっただけで……」

 

 動揺の色が出てる彼女の声色に特に目立った反応も見せず、球磨川は無表情で答える。

 

『ふぅん……ま、いっか。そんな興味ないし』

 

「そ、それよりも! さっき正邪ちゃんと何をしてたんですか?」

 

 ええとね、と球磨川は素直に答える。

 

『ちょっとプレゼント選びしてたんだよ。小槌かお椀とかがついたストラップとか、キーホルダーがないか探してたんだ』

 

「そうだったんですか……あれ? プレゼント? 明日は二月二日ですよね?」

 

『まぁ、正邪ちゃんのことだから、クリスマスの日付でも間違えてるんじゃないかな? ああ見えて案外世間知らずだし』

 

 ああ見えて、というより格好自体が世間知らずのようなものだが。

 

「けど……誰に送るんでしょう。クリスマスなんて嫌いだって言ってたし」

 

『嫌だなぁ、功名さん。忘れたの?』

 

 球磨川はふっと笑って言った。

 

 

『──正邪ちゃんは、()()()だから』

 

 

 




いかがでしたでしょうか。
クリスマスに思いついたけど書けなかったネタを一気に詰め込みました。
本編はもう少しお待ちください。
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