IS/Drinker   作:rainバレルーk

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プロローグ・酒は飲んでも飲まれるな
第1話


突然だが、みんな『もし、アニメやラノベの世界に行けたら』って考える事ない?

所謂それは『二次創作』や『そういう系』の作品に分類される。

サブカルチャーが好きな人なら男も女もそう考える事あるよね。

 

俺もその内の一人だ。

いや・・・訂正する。『だった』と。

 

人間、年を重ねていくごとに世の中を知れるようになると『そういう系』の作品に、それどころか漫画やアニメに興味がなくなるのがほとんどだ。

そして、恥ずかしい事に(?)俺も一般学生ギークから社会人へジョブチェンした一人だ。

 

っというか、よくよく考えるとアレだよね。

なんの特技も長所もない一般ピーポーが、チート貰って異世界やら二次世界やらに飛ばされて、バッタバッタと敵をぶっ飛ばし、ヒロイン囲ってハーレムって・・・冷静に考えるとマジで引くわ・・・

 

別にそういう系の作品を好きな人や愛している人を馬鹿にしている訳じゃあない。

 

もともと俺自身、そういう系の作品が大好きだったし・・・

 

でも大人になるにつれて、「うわ~・・・これないだろ~」とか「ヒロインちょろすぎじゃね」とか「マジ、原作主人公屑鈍感野郎」とか・・・なんか一歩引いた立ち位置で見てしまう時が最近多々ある。

あ~・・・俺も薄汚れちまったゼ・・・

 

 

 

・・・・・けれども・・・

そんな冷めた目線の大人になっちまった俺になんの因果か、『そういう系の作品』に行けるチャンスがやって来ちまった!

こういうチャンスが来たなら、普通の『主人公』連中は後先考えずに飛び込んじまうんだろう。

だけど、普通に考えたら今までの生活をほっぽり出して異世界や二次世界にホイホイ行く連中なんて、余程この世に執着がない人間なんだろう。

 

それに・・・そういうのは実際に体験するんじゃなくて、画面の外で見る方が良いに決まってる。

 

・・・・・うん・・・決まってるんだ・・・・・そう、決まってるんだ・・・

 

 

「え~と・・・初めまして。『清瀬(きよせ)春樹(はるき)』と言います。趣味は酒を浴びる・・・じゃなくて、映画鑑賞です。どうぞよろしく」

 

だから、こんな『IS学園』なんていうその手の豚野郎共が喜びそうな所に入るなんざ悪夢じゃなきゃ何だって言うんだ、糞ッタレのゴミ野郎がッ!!

 

・・・すまない。口が悪くなった。

ただ、何故一般パンピーである俺が白い制服に身を包んで、男女比率があり得ない教室で気持ちの悪い作り笑みをしているのか・・・。

話せば長くなる。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

今から丁度3年前。

短大卒業してから社会人になった三年目のある日。

いつもと変わらず仕事帰りに酒を買い込んだ俺は、夜通しの晩酌タイムに突入。

 

奨学金返済の為に実家暮らしをしている俺には、これといった金を使う趣味はなく。代わりに酒を飲むのが趣味みたいになっていた。

 

だから何時もと変りなく撮り溜めたアニメを見ながら酒を呷りに呷った。

でも、そんな何時もとは違う事がその日あった。

それは酒をいつもの三倍飲んだことだ。

 

いつもなら軽いアルコール濃度の三杯で打ち止めなんだが、その日は初めて買った銘柄のウィスキーを一本空にした。

『20%以下ならジュース』と豪語できる俺でも、倍以上の56%はキツい。

よろめきながら反吐をあげた所でブラックアウト。

次の日には母親と父親に怒られるのが、本来の姿だった。

・・・その筈だったんだ。

 

『真実は小説よりも奇なり』とはこの事で、朝目が覚めると・・・若返っていた。正確には中学生時代に戻っていた。

 

でも、これが90過ぎのよぼよぼジジィから若返るんなら万々歳だが、生憎と二十代から十代に若返った所で嬉しくもなんともない。・・・というか、悪い。

中学生だったら、大っぴらに酒が飲めないでしょうが!!

 

・・・話が逸れたな。

社会人から12のガキ時代に戻ってしまった俺は、まずある事を計画した。

『未来の改編』である。

 

実は俺は公務員になる為に短大に入ったのだが、残念なことに縁がなかった。

だから、これは何か自分に降ってわいた天からのご褒美だとポジティブに考える事にした。

・・・だが、この世界は、そんなポジティブ思考を簡単に瓦解してくれる場所だったという事を俺は早くも知る事になる。

 

【インフィニット・ストラトス】。通称【IS】。

どっかのイカれポンチの阿婆擦れ兎が発明してくれちゃった機動兵器である。

この発明品は、従来の既存兵器をガラクタ同然に退くことが出来る代物なのだが・・・なんとも糞ッタレな事に『女性しか扱えない』という欠陥作品であったのだ!

そのおかげか。

トチ狂った頭ぱーぷりんな連中によって、世界は男尊女卑ならぬ『女尊男卑』の思想に浸されてしまっていた!

 

 

「ここラノベの世界かよッ!!」

 

悲惨な事にこの世界の原作知識をほとんど忘れてた俺には酷な事であった。

 

でも、不幸中の幸いか。

そんな思想は都会に住んでいる連中がほとんどを占め、俺の郷里である地方や田舎には浸透していなかった。

差別ダメ、絶対。下手したら殺されるから。

 

なので、俺は転勤のない地方公務員になる為に前の世界ではしなかった勉強に打ち込んだ。

ただ、流石は俺か。全く勉強に身が入らず、昔のようにダラダラと日々を送っていた。

 

そんな生活が3年になろうかという日。

俺の人生最大の災厄がニュースで報道された。

 

『ISの男性適正者見つかる』。

 

なんと男のIS乗りが発見されたのだ。

そのおかげか、全国で他の男性適正者の捜索が始まってしまった。

俺が住んでいた地方の田舎も例外ではない。

 

これも普通なら、適正者でない物語のモブ野郎の俺には関係のない話だ。

そう『普通』ならだ。

 

けれども、残念な事に俺はISを起動させてしまった。

 

・・・思い当たる節ならあった。

この俺の左手の甲にある珍妙な『痣』だ。

最初は何の気なしに気にしていなかったのだが、ISを起動させてしまった後になって思い出した。

この痣は『ガンダールヴのルーン』だという事を。

 

よりにもよって、好きな作品だった『ゼロ魔』のルーンが俺の手の甲に刻まれている事に疑問の余地しかない。

別に俺はCVくぎゅーのピンクロリに使い魔召喚されたという事は断じてない。絶対にだ。

 

その後・・・俺は進学希望だった前の世界の高校より良い学校を辞退するなどして、ここにいる。

 

ハッキリ言って、俺はこの世界(さくひん)に良いイメージを持ってはいない。

たとえ原作知識を忘れていようともわかる。にわかオタクの勘が囁くんだ。

『この作品は、お前にとっては地雷だ』と。

 

 

「・・・はぁ・・・ッ」

 

自己紹介を終えた俺は、窓から見えるムカつくほどの青空を眺めながらため息を一つ吐く。

これからを憂う疲労感のつまった息を。

 

 

 

あと、こっち見んな原作主人公。ぶっとばすぞ。

 

 

 

 




・・・はい。という訳でリハビリ投稿でした。
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