IS/Drinker   作:rainバレルーk

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第116話

 

 

 

―――――――「それでは、これより調書を始めさせていただきます」

 

専用機タッグマッチトーナメント襲撃事件・・・後々『ゴーレムⅢ事件』と呼称されるテロリズムから後日の事。

事件の詳細を聞く為、IS委員会から来た調査員達は、事件終息に尽力した関係者各員へ聞き取り調査を行った。

 

「あの日・・・一体何がありましたか?」

 

そう疑問符を投げ掛けて来た調査員へ事件の中心に居たであろう関係者達は、自分が遭遇した事をツラツラと述べていく。

其の供述の中には、撃破したゴーレムの武装や行動パターンを語るものもあったろうし、自分の武功をアピールするものもあった。

・・・ただ”ある問いかけ”に関し、皆は口を揃えてこう言う。

 

「・・・・・他に気になった事や変わった事はありませんでしたか?」

 

『『『ありません』』』

 

其れは、調査員達が問い掛けて来た最後の質問事項。

かく言う学園に二人しかいない男子生徒も皆と同じ様に「ない」と答えたが・・・・・其れは”真実”ではない。

襲撃事件があったあの日、本当は何があったのか。

其れは―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「はぁッ・・・はぁッ・・・はぁッ・・・!!」

 

酷く顔色の悪い一夏は、自身の専用機である白式を纏った状態で肩を震わせる。

彼は「や・・・やってしまった」と酷く後悔した事だろう。

何故ならば、此の敵味方入り乱れて目まぐるしく状況が変わる戦場となった第一アリーナで、十代にありがちな感情論による突発的暴力行為を味方に対して振るったのだから。

けれども今更、後悔した事で何になろうか。『吐いた唾は吞めぬ』とある様にやらかしてしまった事をなかった事には出来ない。

此れが幼稚園ぐらいの子供の喧嘩なれば、泣き喚きながらポコポコと可愛らしい諍いを起こしただろう。

・・・・・・・・だが・・・

 

「ヴるォグぁア”ア”阿”阿”ぁ”ぁ”ア”ア”ッ!!!」

 

『『『!!?』』』

 

・・・若輩の騎士が喧嘩を売ったのは、よりにもよって此の戦場の中で最大戦力を誇る人の皮を被った獣。

彼は其の金色四ツ目から血の様な線を滴らせると、一夏に向かって憤怒の雄叫びを上げる。

其の咆哮は大気をビリビリと震わせ、アリーナに居る意識ある者すべての心を萎縮させた。

 

「ガァル”ル”ぅ阿”ァあ”ア”ア”阿”ッ!!」

 

「ッ!?」

 

そして、視界に居る一夏の命を狩り獲らんと牙を剥き出しにし、前へ前へと飛び出す。

其の速度はとても人間の知覚できるものではなく。一度の瞬きで、既に一夏へ手が届く距離まで移動する。

・・・しかし、此れを邪魔する無粋な輩が彼の前へと現れ出でた。

 

『『『《―――ッ!!》』』』

 

「なッ!? ご、ゴーレム?!」

 

なんと学園の防衛勢力勢と死闘を繰り広げていたアリーナ中のゴーレムⅢ達が一夏を守る様に彼の前へ扇の陣を構えて立ち塞がったのだ。

予期せぬ鋼の乙女達の行動に一夏を含んだ皆があんぐりと呆けるが、一度勢いよく駆け出した獣が急に止まれる筈もない。

ゴーレム達は隙間なく刃と砲口を構え、突貫してくる彼を針の筵にせんとする。

 

「ッ、ジャヤァアあアア!!」

 

「! 皆、伏せろぉ!!」

 

そんな彼女等を前に獣は身を横へ捩ると両腕で十字を組む。

彼が何をしようとしているのかが理解できたラウラは、周囲へ回避運動する様に号令をした次の瞬間―――――ザッピャァアアアアア!!と云った独特な音と共に立ち浮かび並んだゴーレムⅢ共を金色の焔が包み込んだ。

 

《ッ!!?》

《・・・ッ・・・!!》

 

其の金の焔に包まれた瞬間。彼女達の纏った薄くも堅牢な装甲は湯煎されたチョコレートの様にドロリッと融け、内部の配線やAIチップはカリカリに焼き焦がされた。

 

ズドォオ―――ッオン!!

『『『きゃぁあああああ!!?』』』

 

体をねじって放たれた金色の焔は鞭のようにしなっては、癇癪を起した幼児の様に周囲へ撒き散らす。

其れは余波と云えども凄まじい威力を持っており、ラウラの回避号令がなければ、防衛勢力にも多大な被害が出たであろう。

 

さて・・・今の敵味方関係なく放たれた破壊光線によって、此の第一アリーナに巣くっていたゴーレムⅢは一機残らず炭火と化した。

此処とは別の場所でゴーレムⅢと対峙しているダリルとフォルテも氷結弾頭を備えた教師部隊と共に順調に彼女等を殲滅。

結果としては、もう防衛勢力であるIS学園勢の勝利なのだ。

・・・勝利なのだが、一つ大きな問題があった。其れは―――

 

「グるぅあァあアアッ!!」

 

「き、清瀬ッ!?」

 

―――あれ程の攻撃力と防御力を持ったゴーレムⅢ共を撃滅させた男が、あまりの激昂によって未だ牙を剥き出しにしたままなのである。

 

「阿”ァ”あ”ア”ア”ッ!!」

 

自らが放った琥珀の単一能力『晴天極夜』で残存していたゴーレムを全て灰にした春樹は、勢い其のままで一気に一夏へと自身の拳骨を突き付けてドカン!と云った衝撃音を彼の鳩尾へ打ち鳴らした。

 

「ッ、ぐぅふぇあ!!?」

 

防御への動作も許さぬ電光石火の速さと其の余りの衝撃に一夏の身体は正しくくの字に曲がり、ゴーレムⅢから受けたダメージよりも数段上の激痛が生々しい筋肉を千切る音と共に全身を駆け巡る。

されど、獰猛な虎狼と化した春樹が此のたった一発のパンチで終わる訳がない。彼は其のまま振り絞っていたもう片方の拳を一夏の脇腹へと突き指す。無論、威力は先程のものと同等の強烈な一撃。

此のボディーブローに一夏は再び踏んづけられた蛙の様な断末魔を上げるが、まだ彼への仕打ちは終わらない。

春樹は拳を振り抜いた状態で回転行動を行い、一夏の顎目掛けて足蹴にを放ったのである。

 

「がッはぁアアッ!!?」

 

ただ命を狩り獲る為だけに放たれた蹴りを喰らわされた一夏は胃液の混じった吐瀉物を吐き散らしながらドグォンッ!とアリーナ壁へ叩き付けられた。

 

 

 

 

 

 

「ヤバい・・・やばいやばいやばいやばいッ!!」

 

酷く怒り狂う暴飛竜に脂汗をダラダラ流しながら顔を青くしていたのは、第一アリーナ全体を見渡せる位置へ移動していたIS統合対策部の面々を率いた壬生である。

 

「どうすんですか、壬生さん?! 血迷った野郎のせいで、あいつ絶対に暴走してますよ!!」

 

「んな事見れば、解るよ!!」

 

芹沢からの指摘に焦燥感漂う声色で叫ぶ壬生。

彼の眼には、自分の好きな映画の一つである『風の谷のナウシカ』で登場する『王蟲』と不意打ちを喰らって怒りの余り我を忘れて暴走する春樹がダブって見えた。

そして、此のままでは彼が本当に一夏の息の根を止めるだろうという予測も簡単に出来た。

 

「清瀬少年からの応答はまったくないのか?!!」

 

「ダメです、室長! 呼びかけても唸り声しか返ってきません!!」

 

此のまま放っておけば、一夏だけではなくアリーナ場内に居る全員が暴走した春樹の猛牙に掛かってしまうだろう。

そうなってしまえば、襲撃者であるゴーレムⅢよりも多大な被害と凄惨な状況が作られる事は明白だった。

 

「壬生室長ッ、ここはIS学園の教師部隊と専用機所有者達に任せるべきでは? 我々では手に余ります」

 

「そうですよ! それに刃殿の暴走の原因はブリュンヒルデの弟に責任がありますし!」

 

「そういう訳にもいかんでしょうが!! あのままにしておけば、少年が積み上げて来た功績もパァになってしまうかもしれんのだぞ! 放っておくわけにはいかん!!」

 

「ですけどッ・・・どうやって止めると?! ISどころか武器も持っていない我々がどうやって?!!」

 

「そ・・・それは・・・ッ・・・」

 

壬生は部下達の言葉に言い淀む。

ただの技術者風情の自分達に一体何が出来るであろうか。

 

「ッチ、糞。どうやって清瀬の頭を冷やすかが問題だ・・・!」

 

「! せ、芹沢殿・・・今、なんて言いました?」

 

忌々しそうに苦言を吐いた芹沢に反応したのは、IS統合対策部の中でも数少ない女性職員の一人である『浅沼 翠』だった。

 

「何だよ、浅沼ッ? 俺は今、アイツの頭を冷やすって―――――」

 

「そうですッ、それですだ!! ”冷やす”んですよ、刃の若を!」

 

「どういう意味ですか、浅沼氏?」

 

浅沼の言葉に皆の視線が彼女へと注がれる。

其れに思わず浅沼は「ひッ!」と小さく悲鳴を上げて、同じ女性職員である『金城 沙也加』の後ろに隠れてしまう。

 

「自分から喋り出したんだから責任もって喋ろ、小心狸!」

 

「うッ・・・わ、わかりましたよ金城くん。今、多分ですけど、若と琥珀姫は物理的に熱くなっているんだと思います。それを冷やせば・・・」

 

「暴走も止まるって訳か。でも、冷やすたって・・・・・」

 

顔をしかめる皆を余所に「あぁッ、そういう事か!」と壬生が頷いた。

 

「そうです、壬生室長! 我々には氷結弾があります!! 其れをありったけ若に撃ち込めば、強制的に停止させることが出来ますぜ!!」

 

「皮肉だな、おい。だが、それしかないな。それに・・・幸いな事にこっちには、『福音事件』で使ったプライベートチャンネルがまだ生きてるしな!」

 

 

 

 

 

 

ドグォ―――オンッ!

「がッハ・・・!」

 

『『『織斑くん!!』』』

『『『一夏(さん)!!』』』

 

ボディーへ二発と顎に強烈な回し蹴りの強烈な一撃を喰らった一夏は壁に叩き付けられる。

其の時、不運な事に彼は脳が大きく揺れた事によるブラックアウトを引き起こしてしまって意識を消失してしまう。

 

「グるるぁ阿”ァ”・・・ッ!」

 

そんな一夏に暴走状態である春樹がゆっくりと歩み寄る。確実な止めを刺す為に。

 

「一夏ッ! 清瀬ッ、貴様ァア!!」

 

「箒!?」

 

其れを阻止せんと躍り出たのは、ガス欠気味だった自身の機体を単一能力『絢爛舞踏』でエネルギー回復させて来た箒だった。

彼女は想い人を助けようと斬撃其の物をエネルギー刃として発射できる空裂を春樹に向かって振るう。

 

「・・・ッ!」

 

「なッ!?」

 

・・・しかし、放たれたエネルギー刃を彼は小煩い蠅でも叩くかの様に叩き落すとギョロリッと血涙を流す金眼四ツ目を彼女へ差し向けた。手に持った高速回転する金のエネルギー光輪と共に。

 

「・・・・・グルァアアッ!」

 

其の八つ裂き光輪を雄叫びと共に投擲せんと春樹は投球フォームを構える。

するとどうだろう。手に携えていた光輪が其の形を小さくしつつも指の数と同じ五つに分裂したではないか。

 

「ッ、春樹さん・・・謝罪はあとで致します!」

 

「!?」

 

何かを察したセシリアが此れはマズいと自身の得物であるロングライフル、ブルー・ピアスの銃口を差し向けてズキュンッ!と撃ち放った。

発射されたショッキングピンクの流星は、本来ならばなる事はない鋭角な曲線美を経て彼の背後へ直撃。案の定、春樹はバランスを崩して明後日の方向へ光輪を投げてしまう。

 

「・・・ガルあぁアア・・・ッ!!」

 

「おっと・・・此れはマズいですわねッ」

 

ビーム攻撃を放ったセシリアに眼を向ける春樹。其の眼は正に獲物を狙う捕食者の目であった。

 

「させないわ・・・よっと!!」

「!」

 

今度はセシリアに狙いを定めた春樹に瞬時加速で距離を詰めた鈴の青龍刀が振り下ろされる。

彼は此れをエナジーウィングで受け止めると基本兵装であるレーザーブレードで彼女を叩き斬ろうと腕を振り上げた。

 

「あら♪ そうはさせないわよ♪」

「ごめん・・・春樹ッ・・・!」

 

「・・・ッ・・・!」

 

しかして此れも横から割って入った楯無と簪の姉妹による連携攻撃が炸裂した事で不発に終わる。

三回も攻撃を邪魔された事で、無意識化でも春樹の不満が堪り、不機嫌な唸り声を「ウルルッ・・・!」と挙げた。

 

「すまん、春樹!」

「許してね!」

 

「みんな、かかれぇ!!」

 

だが、専用機持ち達は反撃の機会を与えず一気に彼を倒してしまおうと襲い掛かる。暴走しているのならば、尚の事だ。

セシリアが射撃で牽制し、鈴が衝撃砲でバランスを崩す。其処をラウラのレールカノンとシャルロットのアサルトカノンが更に突き崩し、簪が薙刀で押さえつけた部分を楯無のクリアパッションが襲う。

皮肉にも彼女達の連携攻撃は、ゴーレムⅢと対峙している時よりも洗練されていた。

 

「グぁララRARARA・・・A”A”A”A”A”A”A”ッ!!」

 

「なッ!?」

「きゃぁあああああ!!?」

 

けれども、流石は百戦錬磨の銀飛竜か。

頭がプッツンしていても野生の勘と感覚で自分に纏わりつく専用機持ち達を一掃せんとエナジーウィングから刃状の粒子を斉射する。

 

「A”A”A”A”A”A”A”・・・ッ!!」

 

「くッ・・・!」

「やっぱり、手強いわね」

 

此の攻撃によって彼を囲んで行っていた攻撃が止み、専用機持ち達は春樹との距離を置いた。

 

「A”・・・A”A”A”A”A”A”!!」

 

「な、なに?!」

「春樹の身体が光って・・・!」

 

するとどうだろう。琥珀の機体表面が甲高い音と共に金色の眩しい光に包まれていくではないか。

 

《ヤバいッ、エネルギーの回復だ!》

 

『『『!?』』』

 

春樹が光り出した瞬間。通信チャンネルに焦燥感を漂わせる男の声が響いた。

なんだなんだと皆に動揺が走る中、其の声をいつかの太平洋上で聞いた覚えのあった簪が言葉を紡ぐ。

 

「み・・・壬生さん・・・ッ?」

 

《そうだッ、壬生おじさんだ! 福音事件の時に使ったプライベートチャンネルが、まだ生きてて良かったよ!!》

《室長、そんな事は後で良い! 榊原先生ッ、聞こえますか?!》

《せ、芹沢さん?!!》

 

聞いた事のある壬生の声とは別の男の声と教師部隊を率いる榊原の声に皆は益々眉をひそめるが、そんな事など御構い無しに芹沢が話を進める。

 

《銀の福音戦の時に使ったチャンネルから無理くり教員チャンネルへ繋いだ! まぁ、そんな事は置いておいてッ! あの馬鹿を止める算段を伝えるぞ、いいな!!》

 

「わ、わかったぞ!」《わ、わかりました!》

 

半ば強制的に話を勧めようとした芹沢だったが、ちょうど其処で《待て》と待ったをかける声が回線に割り込んで来た。

此の無粋な輩に対し、芹沢は《誰だ、テメェ?!》と声を荒らげる。

・・・因みに。其の声にチャンネルを開いていた全員が吹いた。

 

《・・・私はIS学園の織斑 千冬です》

《そうか。忙しいから後でもいいか?!!》

『『『芹沢さん!?』』』

 

世に聞こえるブリュンヒルデの名を聞いても決して臆さない芹沢に何故か皆がドキッとするが、彼には全然関係のない事なんだろう。

 

《ダメです。あなたは清瀬のバックアップチームであるIS統合対策部のですね》

《そうですけどッ、それが?》

《なら、あなた達は部外者の筈だ。その方たちがこの件に関わるのは―――――》

 

・・・何だか長ったらしい制止文句を聞かされると勘付いた芹沢は、千冬から其れ以上の言葉が紡がれる前に取り合えずこう言った。

 

《やかましいッ! 四の五のばっかり言うだけの役立たずは黙ってろ!!》

『『『ぶぅううッ!!?』』』

《ッ、や・・・やくたた・・・?!》

 

天下に聴こえるブリュンヒルデの話を遮るどころか、暴言を捲し立てた芹沢に全員が驚嘆してポカーンと口を開けた。

其の隙に芹沢は暴走した春樹の対処案を講釈師の様に立て板に水の口調で述べる。

 

《ボーデヴィッヒ! あん畜生に対してのAICの効果は?!》

「は、はい! だ、だいたい十秒ぐらいでしょうか?」

 

《なら、ボーデヴィッヒがAICで野郎を抑えている間に・・・榊原先生!!》

《は、はい?!》

《ワルキューレ隊だか何だか知らねぇが、そいつらと一緒に氷結弾で野郎を仕留めて下さい!》

《は・・・はい、解りましたッ!》

《残りの専用機持ちはボーデヴィッヒの援護を優先しろ。解ったなら、状況開始! 急げ、急げ!!》

 

『『『は、はい!!』』』

 

本来ならば皆を纏める筈の千冬の代わりに芹沢が彼女にも負けない圧で全体を纏め上げ、号令をかけた。

其の号令に皆が一斉に得物を向ける。

 

「A”A”A”ッ!!」

 

其れに気付いたのか。春樹はエネルギー増幅を半ば途中で取りやめ、再びエナジーウィングによる全方位攻撃を行おうと青い六枚羽を光らせた。

されど、そうはさせまいと陣営の先頭に立ったラウラが右手を前へ突き出す。

 

「悪い、春樹・・・本当にすまん・・・!」

 

想い人に武装を向ける事は彼女にとって悲痛な事この上ないだろうが、今は私情を挟んでいる場合ではない。

涙を呑んでAICを差し向けた。

 

「A”・・・A”A”ッ・・・A”A”A”A”A”A”A”・・・ッ!!」

 

ラウラからかけられた停止結界を振り払おうと古びたブリキの玩具の様に動くが、更に其処へ申し訳なさそうな表情を晒す簪がラウラから受け取ったワイヤーブレードを彼に巻き付ける。

其の巻き付けたワイヤーへ「お願いだから、大人しくしてね♪」と楯無が楔の代わりに蛇腹剣、ラスティー・ネイルを突き刺した。

 

「ッ、今ですわ先生方!!」

 

「わかったわッ、撃て―――!!」

 

セシリアの声を合図に氷結弾をアサルトライフルへ装填した教師部隊並びにワルキューレ隊がズダダダダダッ!と撃ち放つ。

銃口から飛び出た氷結弾は確実に琥珀の機体表面へ直撃し、徐々にではあるが其の体を凍て付かせる。

 

「A”・・・A”A”ッ・・・!」

 

「くッ、うぅ・・・!!」

「・・・ラウラ・・・ッ」

 

寒さと冷たさから来る痛みに春樹は呻き声を上げて苦しむ。

其の痛々しい姿に対し、ラウラは何もしてやれぬ自分が悔しくて悔しくて堪らずに目を潤ませる。だが、決して目を逸らす事なくAICを維持した。

 

「A”・・・―――――ッ・・・ッ!」

 

やがて春樹の全身が氷結弾でカチコチになったのを確認し、皆は漸くやっと胸を撫で下ろす。

しかし、誰一人として事件終結に笑顔を浮かべる者はいない。学園始まって以来の何とも後味の悪い勝利であった。

 

 

 

 

 

 

 

 





急いで纏め上げた感が拭い切れないぃい。
もうちょっとかけた筈なのにィイ。
じゃけど此れが今の実力ゥう。
申し訳ないィイ。
悪しからずぅう。
・・・はい。という訳で今回は此処まで◆◆◆◆◆
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