―――――見つめ合うだけじゃ、朝は遠すぎる―――――
by『マクロス7』
曇天の空からドロドロドロドロ・・・おどろおどろしい音と共にピッシャーン!!と稲光が轟き響く。
昼過ぎから降り出した雨は特別警戒警報が出る程のゲリラ豪雨となり、道路を水没させて人々の足を止めていた。
色とりどりの落ち葉が水溜りを鮮やかに染め上げ、どことなく風情があるが・・・人々は帰宅難民にならぬ様にタクシー乗り場等へ急ぎ足。
しかも此の雨のせいでグッと気温が低下している。
・・・寒い。
「・・・・・はぁ・・・ッ」
そんな人恋しい季節が明確になって来た頃。ラウラ・ボーデヴィッヒはホテルの窓辺から外の様子を眺めつつ一つの溜息を吐く。
今日は身体検査や体力測定の様な検査が盛沢山で少々疲労があったが、精神的にはいつも以上に快かった。
何故ならば、今日は朝から想い人である清瀬 春樹と行動を共にできたからである。
ワールドパージ事件より前後一週間は様々な事情で一緒に居られなかった為、今日の此のひと時がラウラにとってはとても嬉しかった。
しかし何故に今現在、彼女はモノ悲しい溜息なぞ吐いているのか?
端的に言えば・・・・・『寂しい』のだ。
検査終了後、春樹だけは別件である場所へ赴く事になった。
其処でラウラは一人、IS学園へ帰る事も出来たのだが・・・彼女は春樹の帰りを待つ事にしたのである。
けれども・・・
「・・・・・よく降る雨だ」
入れ代わり立ち代わりの様に降って来たのが、此のゲリラ豪雨だ。
御蔭で学園への帰還方法は断たれ、IS統合対策部が急遽用意してくれたホテルに足止めをくらう事になってしまった。
自らのIS専用機を纏って飛べば、帰る事もできるには出来るのだが・・・春樹は「ラウラちゃん、久々に一緒に夕飯食わん?」と言っていた為、彼女は忠犬の如く愛しい人の帰りを待つ事にしたのだ。
だが、時刻はもう十八時を過ぎる頃。雨足は弱まるどころか逆に強まるばかりで、彼からの連絡もない。
折角のスイートルームも一人ではあまりに広すぎる。
「・・・春樹・・・」
ラウラはベッドへうつ伏せに寝転び、クッションへ顔を埋めた。
この様な寂しく悲しい気持ちを彼女は経験した事は未だかつてない。千冬がドイツ軍から去った時でもこんな切ない気持ちに苛まれる事はなかったろう。
「春樹・・・ハルキ・・・・・はるきぃ・・・ッ!」
想い人の名を呼ぶ度に胸に溜まる切なさは増して下腹部の奥が疼き出す。
やがて其れはどんどん艶やかで湿っぽい声色となり、枕を抱いていた右手が腹から下へ下へと伸ばされる。
・・・・・そんな時だった。
「!」
突然、ラウラは顔を上げて飛び跳ねる様に身を起こす。そして、部屋の出入り口まで走って行くではないか。
彼女としても何故にこんな行動をとってしまったのか、ラウラ自身にも理解が出来なかった。
されども何か良い事があるのだろうと云う確信だけがあったのである。
すると・・・・・
「うぇークッショい、畜生い!!」
「ッ、春樹!!」
ガチャリと扉を開けて入って来たのは、グッショリと雨で服を濡らした想い人であったのだった。
「応、ラウラちゃん。待ちょーてくれとったんじゃなぁ」
「当り前だ! しかし・・・春樹、一体どうやってここまで来たのだ? 外は見ての通りの大雨なのだが・・・」
「あぁ、其れな。車で来れんかったけんな。琥珀ちゃん纏って飛んで来たでよ」
春樹の其の言葉にラウラは驚いた。
確かに宇宙にでも行けるISならこの様な大雨でも楽々なのだが、強力な兵器故に色々と誓約も多い。
「早う・・・早うラウラちゃんに会いたかったけんな」
そんな代物を何とも私情な事に使ったのである。然る所から罰せられても文句は言えまい。
(※とは言っても、なら学園で私的な暴力行為にISを使っている者はどうなるのかと云う話だが・・・)
「ッ・・・私に早く会う、その為にか・・・?」
「応、久々に一緒に居られるけんな。文字通り飛んで来たでよ」
「そ・・・そうか、そうなのか・・・ッ」
けれども、春樹の其の気持ちがラウラには痛い位にとても嬉しかった。思いが通じ合っているのだろうと彼女は思った。
其れがどんなに喜ばしい事なのか。感動の余りラウラは泣きそうになったが、其の瞳から零れそうになった雫を引っ込める。
「ん? どうかしたんか、ラウラちゃん?」
「ッ、いや! いやッ、なんでもない!! おかえり・・・おかえり、春樹!!」
そして、精一杯の笑顔を彼へ向けた。
そんな彼女に春樹の表情は自然と綻び、「あぁ、ただいま」と柔らかな言葉を紡いだ。
其の顔は他の誰にも見せない表情だった。
「ん?・・・春樹、お前・・・・・もしや飲んできたのか?」
「阿ッ、やべ・・・!」
「はぁッ、まったく・・・いいから早くシャワーをして来い。夕食はその後だ」
「はいな。仰せのままにじゃ」
だが、隠せぬ酒の臭いに彼は悪戯がバレた子供の様にヘラヘラと苦笑いを浮かべたのだった。
◆
「はぁ~・・・やっと落ち着いた」
シャワーから上がった春樹は首の骨をコキリコキリと鳴らして一息吐く。
雨で凍えた身体と体内のアルコールが熱いお湯で流された事で、身体が軽く綺麗サッパリだ。
「着替えも用意してくれとったし、後はビールで一杯やりましょうかね」
更識家邸宅であれ程酒をカっ喰らったと云うに相変わらずの大酒飲み。異常的とも謂える自然治癒力と超人的な代謝能力の無駄遣い此処に極めりである。
〈ちょと春樹。飲み過ぎるのも大概にしなさいよ? 本当に身体を壊してしまうわよ!〉
「そんな事で壊れる俺の肝じゃねぇわな。阿破破破!!」
こんなどうしようもない有様なので、自らの専用機である琥珀に呆れ顔で窘められるが、此の男はそんな事など御構い無し。可能なれば朝昼晩、一日中酒を飲んでいたいと考えている春樹には効果が全くない諌言なのだ。
「・・・って、何やっとるんなラウラちゃん?」
そんな琥珀の言葉を一笑した春樹が待ち人が待っているリビングへ行って見ると、何故かラウラがキッチンに立って居たのである。
「ん? 見て解らんか? 夕飯づくりだ」
「いや、そりゃあ見りゃ解るでよ。俺が聞きたいんは、なして料理しょーる云う事じゃ。ホテルのレストランか、ルームサービス頼まんのんか?」
春樹の疑問符も尤もだ。
折角のホテルのスイートルームに宿泊できるのにも関わらず、ラウラは手間のかかる料理を作っていたからだ。
「いやな・・・数週間ぶりのお前との食事なのだ。折角だから私の手料理を久々に食べてもらいたくて、キッチンのある部屋をお願いしたのだが・・・・・わ、私の料理は食べたくないか?」
悲しい顔をした愛する人にそんな事を云われて「食べたくない」と云える程の無神経さを彼は持ち合わせていなかった。
「まさか! ラウラちゃんの料理なら食べとうて食べとうて仕方なかったんじゃ!!」とニヤけつつ彼女の事を手伝おうとする春樹。
しかし「後は煮込むだけだ。お前はビールでも飲んで待っていてくれ」とソファへ追いやられてしまい、仕方なくプルタブを開けて黄金の美酒を飲む事にした。調理姿のラウラを酒の肴に。
「「いただきます!」」
そうして出来た夕飯、ジャガイモマシマシのカレーはいつも以上に美味に感じられた事だろう。
「・・・阿破破破ッ」
「ん? 何がおかしいのだ?」
其の食事中、不意に蟒蛇は口角を吊り上げて笑う。其れが不思議だったのか、兎はキョトンとした顔で彼のオッドアイを覗く。
「いやいや、不思議なもんじゃなぁ・・・って思うてな」
「なにがだ?」
「何がって・・・ラウラちゃん、君とこーしょーる事がじゃよ」
春樹の言葉にラウラは再び首を傾げる。けれども、春樹としては当然の事だったろう。
初対面で頬を力一杯叩かれた相手とこうして食卓を囲み、其の相手と恋人と云う関係を結んでいるのだから。
其の事を伝えると顔を真っ赤にして「わ・・・わすれてくれ!!」と彼女は叫ぶが、其の表情があまりにも可愛らしくてついつい声を上げて春樹は笑ってしまった。
「阿~・・・・・食った喰った。美味かったわぁ」
夕食後の洗い物を終えた春樹は、食後のウィスキーを嗜みながら体を横たえる。
「は・・・春樹? その、あの・・・だな・・・ッ」
「阿ん? あぁ、エエで。来んちゃい来んちゃい」
「う、うむ」
其の彼の隣へすっぽりと納まるかの様にラウラも寝転ぶ。
まるで其れは、親猫へ甘える子猫の其の物であった。擬音を付けるとするならば、「にゃーん」や「ゴロゴロ」であろう。
「ふ・・・ふふふ・・・ッ」
「破破ッ。ご機嫌じゃなぁ、ラウラちゃん。阿~、でも今日は大変じゃったなぁ。本当なら今日は二人でどっか行きたかったわぁ。『文豪ストレイドッグス』の聖地巡りとかしたかった」
「どこかへ行く? それは・・・デートと言う意味でか?」
「そうじゃけど・・・おえんかった?」
「ッ、ううん。まさか、そんなわけないだろう! 私だってお前と・・・その・・・ッ」
「解っとる解っとる。あぁ、可愛えなぁ」
気持ち良さそうに喉を鳴らし、頬を朱鷺色に染める彼女のふわりと柔らかい銀髪を春樹は指で梳いてゆく。
其の度にラウラの艶やかに濡れた口から「あッ・・・はぁ・・・♥」と甘い声色が漏れ、彼女は思わず春樹の背中を引掻く様に掴む。
細く長い指が、服の上から酷く抉れた傷跡に引っ掛かる。
「あ~~~・・・ドキッとするぅ~~~~~・・・♥」
両眼から金色の焔を溢しながら彼はラウラの頭皮臭を満遍なく嗅ぎ尽くし、彼女の表情をリンゴの紅玉よりも真っ赤にし尽くす。
「うッ・・・うぅ~~~~~・・・!」
けれども、ラウラは酷く恥ずかしい思いをしているものの別に不快に思っている訳でない。
久方ぶりの想い人からの抱擁とスキンシップに胸が一杯になっていたのだ。
かく言う春樹の方も脳内麻薬がドバドバ出過ぎるぐらいに出ていた。
「(あぁ・・・幸せじゃわぁ)・・・・・ラウラちゃん?」
「ふぁ・・・?」
彼は更に抱擁の手を強め、其れに応える様にラウラもしっかりと春樹を抱き締める。
そうして互いの体温で温まったのを皮切りに春樹は優しく彼女の名を呼び、そっと其の厳つく黒い眼帯を外す。
されば其処から現れ出でたるは彼と同じ琥珀色の瞳、ヴォーダン・オージェだ。
「・・・ちゅッ」
「―――――ッ!?」
そんな美しい眼の少女の薄い唇へ男は唇を落とす。
ハチドリが花の蜜を吸う様なバードキスをした後、ぴちゃぴちゃと水が滴る様な口付けを交わす二人。
「・・・・・阿破ッ・・・阿破破破」
「ふふッ・・・ふははは」
短いような長いキスをした後、二人は互いの額を突き合わせて笑顔を溢し合った。
そして、再びキスを交わそうと春樹は唇を突き出したのだが―――――
「・・・春樹?」
「ん? どうしたん?」
「ボトムのポケットになにを入れているのだ?」
「阿? ポケットって・・・――――――って、うぉおッ!!?」
―――――其の言葉に春樹は思わず身体を起こしてそっぽを向いてしまう。
突拍子もない彼の行動に「どうかしたのかッ?」とラウラは疑問符を浮かべているが、そんな事など御構い無しに春樹は何かを必死に両手で隠そうとしている。
イキリ立った股座の”其れ”を。
「おぉッ、知っているぞ。それは『勃起』だな」
「ッ、ら・・・らら、ラウラちゃん!!?」
「えっへん!」と得意げ自慢げで彼女の口から紡がれた言葉に春樹は動揺を隠せずどもってしまう。
まぁ、当然と言えば当然か。
「ら、ラウラちゃん・・・えと、意味解っとる?」
「むッ。馬鹿にするな。勃起とは、男のせいしょ―――――」
「やっぱ言わんでエエです!!」
近年まれにみる慌てぶりを露呈する春樹だったが、そんなあわあわ泡を喰らう彼を余所に何故かラウラはうっとりとした表情を晒しているではないか。
「春樹・・・私はうれしいぞ」
「へ?」
「シャルロットやセシリア達のように豊満な胸を持ってはいない私を・・・こんな貧相な体の私に欲情してくれているのだろう? それが・・・私にはうれしいのだ」
「ラウラちゃん・・・」
「それにお前が性処理に使っているエロ同人誌とやらも、胸の大きいものばかりだからな・・・」
「ラウラちゃ―――――んッ??」
「何でそんな事知ってんの?!!」と喚く春樹に「琥珀が教えてくれた」と云うラウラ。
「琥珀ちゃ―――――んッ??」と呼びつける春樹に〈シャットダウン中〉と返す琥珀。
こうして意図せずして彼は窮地に立たされたのであった。
「それで・・・するのか?」
「ッ、い・・・一応聞くが・・・・・何をな―――――
「セックスだ」
―――――先に言われてしもうた!!」
目を血走らせて頭を抱える春樹。
そんなとても先程まで彼女の唇を我が物顔で独占していたとは思えぬ情けない姿を晒す男へラウラはゆっくり自分の身体を傾ける。
「春樹は・・・したくないのか?」
「え、あ・・・いや、え・・・お、俺ぁ・・・・・」
「それともやはり・・・私のような矮躯ではダメ―――――
「そりゃねーよ!!」
―――――ッ、春樹?」
「恋人に・・・好きな人に迫られて滾らねぇ訳なかろーがなッ!! あーッ、もう!!」
春樹はそう絶叫にも近い大声を挙げてガリガリ頭を掻き毟ると一つ大きな溜息を吐いた後、琥珀色の瞳を向けてラウラの両肩を掴む。
「ラウラちゃん・・・君がッ、君が其の気なら・・・容赦はせんで? 傷付けてもエエんか?」
酒に酔っている以上に朱鷺色に染まった頬と琥珀色に輝く開いた獲物を狙う科の様な瞳孔。
されども肩を掴んだ手は僅かに震え、自身がなさそうに口元は引き攣っている。
「そ・・・そういう事は、わざわざ聞くもの・・・なのか?」
「し・・・知らんでよ、そねーな事! こねーな事、俺ぁ・・・は、初めてなんじゃけん・・・」
遂に春樹は目線を下に向けてしまい、「うっわ。俺、情けねー・・・!」と呟いて表情をひしゃげた。
そんな彼を気遣ってかどうなのかは知らぬが、ラウラは自分の肩を掴んでいる春樹の手を取ると・・・其れを自分の胸へ押し当てたのである。
「ッ、ラ、らら、ララら、ラウラちゃん・・・!?」
「ん・・・♥ ど・・・どうだ? 私も初めての、あッ・・・♥ け、経験だから、こんなにもドキドキしているぞ? 心臓が痛いくらいにな」
もう脳の処理が追い付かない。
鼻汁どころか鼻血でも出そうな状況だが、此の憐れな白髪金眼の男を銀の君は更に追い込んで行く。
「春樹、実はな・・・私はワールドパージ事件前にあった身体測定で、シャルロットに言われたのだ。春樹の事を・・・春樹の事をシェアしないか・・・とな」
「・・・何じゃとッ?」
一瞬ひそむ夜叉の眉。
其れでも彼女は続ける。
「その時の私は戸惑った。シャルロットは親友だ、それも私の初めての親友だ! でも・・・でも私は、シャルロットからそんな事を提案されて・・・とても不快な気持ちになったのだ。奪われたくない、取られたくない・・・この男は私のものだ!・・・と、叫びたくなった。醜い気持ちだという事はわかっている。わかっているのだが・・・・・」
想い人の背中へ手を回し、抱き寄せながら震える声で呟いた。言い放った。
「お前をッ・・・春樹、お前を誰にも渡したくない!」
「・・・ラウラちゃん」
「この細く痩せた貧相な私の身体でお前の事を・・・お前の心をを引き留められるのならば、私は喜んでこの身を捧げよう! ふしだらな女と思われても構わん! だから・・・だから・・・・・ッ!」
「私の事を抱いてくれ・・・!!」・・・と。
震える声が部屋へ響いた後、外の雨音が馬鹿に良く鼓膜を揺さ振る。
「・・・ッ、す・・・・・すまん! や・・・やはり、突然すぎたな。別にお前を困らせようとは思わなかっ―――――」
沈黙に耐えられずに其の場を取り繕うとしたラウラだったが、其の言葉が最後まで紡がれる事はなかった。
何故ならば、其の口を自らの唇で塞ぐ者が居たからだ。
「は、春樹・・・待っ―――――んむぅッ!!?」
春樹は「黙れ」と云わんばかりに彼女の唇を貪り、強引に口内へ舌を差し込んで歯茎を蹂躙。更にはラウラをベッドへと押し倒し、控えめなれども確かに膨らみを持っている胸を揉んだ。
そして、強引に彼女の着ていた服を引き剥がし、其処から露わとなった何とも色気のない黒いスポーツブラへタラ~リタラリと自身の口から零れた唾液を滲み込ませた。
「「はぁ・・・ハァッ・・・はァ・・・ッ!」」
乱暴なキスの後、二人の吐息がシンクロする。
ギトギトに油ぎった琥珀色の瞳が、ウルウル潤んだ灼眼と金眼を貫き通す様に見つめる。
一回りも二回りも大きい男独特の筋肉質な手が、細く白くしなやかな女の子の手を拘束する。
「解った・・・解ったわ、ラウラちゃん。君がその気なら、俺も我慢せんで?」
「え・・・?」
「俺が・・・俺のしたい様にしてもエエよな? 君の身体をよ?」
もう正気など爪先程度も残ってはいない。
理性はなく本能丸出しの”獣性”だけが此の男の感情を支配し、組み敷いた想い人の柔肌を艶めかしく指でなぞっては、ソフトクリームを食べる様にベロりと舐め回した。
そんな男に女は答える。
「んァ・・・ンんッ♥・・・あ、あぁ・・・も、もちろんだ。身も心もお前と結ばれたい。私を・・・私をお前の、春樹のモノにしてくれ。お前が満足するまで、私を傷付けてくれ」
「ッ・・・なぁ、ラウラちゃん? そー云う事言うの普段はやめれよ?」
「どうしてだ?」
「抱きたいって思うからじゃ。其れも壊れるまで犯してやりたってな」
「なら・・・なら、そうしてくれ。で、でも・・・」
「阿?」
「私も”ハジメテ”だから、”オンナノコ”だから・・・少しは手加減して、くれるか?」
眼を熱く潤ませる兎の其の言葉に蟒蛇は口端を耳まで裂けるくらいに吊り上げて応える。
「悪い・・・俺、”オトコノコ”だから手加減なんて出来んで。好きな相手なら特にな・・・!」
そう言って彼は、愛しい恋しい想い人の白い柔肌へ自らの牙を突き立てた。
外は雨の音がただただ響くばかり。
・・・・・はい。という訳で今回は此処まで◆◆◆◆◆