IS/Drinker   作:rainバレルーk

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※加筆修正しました。



九升:体育祭・酒は涙か溜息か
第154話


織斑 一夏は”憶えて居る”。

落ち着いた雰囲気を醸し出す空間に眩いシャンデリア。其れに重厚感のあるデザインの家具と其の食卓へ並べられた豪華で豪勢な料理を品々を。

 

「どうだろうか・・・私の”料理”はお気に召したかな?」

 

けれども、そんな料理を用意した部屋の主であろう男の表情はうすぼんやりと靄がかかっている。

確か・・・男はヨーロッパ系白人であった。

洗練された上質なスーツに身を包んでおり、言葉も細かな動きや所作に至るまで上品。言って見れば、まるでお手本の様な上流階級の紳士であった。

しかし・・・”思い出せない”。

男は老年でもあったし、中年であったし、青年でもあったし、少年でもあった。

瞼を閉じれば、つい先程の様な体感であるのにも関わらず男の顔や声を彼は思い出せずにいる。だが、一夏は憶えて居るのだ。

 

・・・『矛盾』である。

『憶えて居るのに覚えていない、でもおぼえている』。相反する言葉であるが、彼の脳裏には確かに刻み込まれているのだ。

男と何を話したのか。男が何を語ったのか。そして・・・・・

 

「”彼女”の肉は美味しかったかい、一夏?」

「た・・・たす・・・けて・・・・・ッ」

 

男が自分に何を食べさせたのかを。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ、うわぁあああああ!!」

「うぉおおおおおお!!?」

 

刹那的な一睡の悪夢から悲鳴にも近い叫びを挙げて飛び起きる一夏。

すると隣で其の声に吃驚仰天する声が一つ。

 

「お、おい! なんだよ突然?!」

 

「わ・・・悪ぃ、『弾』」

 

そんな驚く声に彼は今にも掻き消える様な声で謝罪文を述べると、赤髪の少年、『五反田 弾』は心配そうな表情で「だ・・・大丈夫なのかよ、一夏?」と疑問符を浮かべた。

 

此処は郊外にある大衆食堂『五反田食堂』が住居スペース。

先のワールドパージ事件以来、一夏は度重なる悪夢と日中でも容赦なく襲って来るフラッシュバックによって精神的に病んでしまった。

加えて其の悪夢とフラッシュバックのトラウマによって彼は肉を使った料理が食べられなくなり、其れによって軽い摂食障害に陥った。

御蔭で一夏の体重は短期間の間に頬骨が少し浮き出るくらいにガクンと落ち込んだ。

 

勿論、こんな想い人の彼を放っておく程、二人の乙女は薄情ではない。

ポニーテールの武士娘は好物だったものなら食べられるだろうと手作りの唐揚げを沢山作って食べさせようとし、ツインテールの中華娘は肉がダメなら魚や大豆で作った代用食を作った。

けれども、精神的疾患に陥った人間が「はい、そうですか」と料理を食べられる訳がなかった。

口に含みは出来るが、どうしても”あの時”の触感と匂いと味を思い出してしまい、同時に嫌悪感までもが蘇って食べた物を吐瀉してしまうのだ。

此れでは治るものも治らないと、気分転換も兼ねて閉鎖的な学園でなく、一夏の心が休まるであろう自宅での療養が開始された。

無論、貴重な男性IS適正者に危険が迫らない様に世界最強のIS使いであり、彼の姉でもある千冬が付く事になった。

最初は幼い童の様に千冬の手を握って離さなかった一夏だったが、徐々に社交性を取り戻していき、今日はリハビリの一環として親友である弾の家を一人で訪れているのである。

しかし・・・

 

「ちょっと変な夢、見ちゃって・・・・・うぷッ」

「ッ、おいおい! ホントにマジで大丈夫なのかよ!?」

 

「ちょっとお兄! 今の声って・・・一夏さん!!?」

 

どうやら間が悪い事に悪夢を見てしまった様で、弾のみならず彼の妹である蘭までもが青い顔で駆けよって来た。

 

「だ、大丈夫・・・大丈夫だって。ちょっと気分が悪くなっただけだ」

 

「そ、そうなのか? 学園で事故に巻き込まれたって聞いたけど・・・それのトラウマなのかよ?」

 

「あ、あぁ・・・まぁ、そんなとこだ。悪ぃ、弾。ちょっとトイレ借りるぞ」

 

「お・・・おう」

 

二人よりも更に青白い顔で微笑んだ一夏は、気分を落ち着かせる為に五反田家のトイレへ一人向かう。

其の力ない背後を見送った後、蘭は兄である弾へ詰め寄った。

 

「ちょっとお兄ッ、一夏さんが事故にあったってマジ?!」

 

「あ、あぁ。なんかISの訓練で事故にあったってよ」

 

「でもISには絶対防御装置がある筈でしょ! それなのになんで・・・ッ」

 

「知らねぇよ! 事故の事はあんまり”上手く話せない”って言ってたし・・・」

 

弾の言う上記の言葉は、彼が学園外の人間であるという事だから話せないという事でもあった。

だが、唯の其れだけと云う訳ではない。

 

ワールドパージ事件直後、精神的ダメージを負った一夏にはカウンセリングの人間が付いた。

カウンセラーは彼の傷付いた心を治そうと事件当時の事を聞こうとしたのだが、一夏が話す事が出来るのは事件冒頭の場面ばかりで、学園のシステムを復旧させる為に乗り込んだ電脳世界であった出来事は話す事が出来なかったのである。

・・・いや、此の場合は”話せなかった”と言う言葉が正しい。

電脳世界で遭った事を出来事を話そうとする度に不快な嗚咽と尋常ならざる震えが全身を襲い、呼吸さえも苦しくなって呂律が回らくなった。

解る人には判る例えを出せば、其れは『荒れ地の魔女』によって若さを奪われたヒロインの様であったのだ。

 

「それに・・・やっぱし事故のトラウマってヤツじゃねぇのか? そのせいでなんか肉が食えなくなって、飯も食えなくなったってアイツ言ってたぞ」

 

「・・・だから、あんなに痩せてたのね。一瞬、誰かわかんなかった」

 

「あぁ。だから蘭、今日は大人しくしてろ。折角、男受けの良い服に着替えたところで悪いがよ」

 

弾の言葉に「うッ、うっさい!」と恥ずかしそうに蘭は頬を赤くして喚く。

今日は久々に片思い中である一夏が来た為、折角オシャレをして彼を出迎えたのだが、肝心要の想い人があんな状態では話にならない。

学園に居るライバルに追い付け追い越せ精神は一旦封印し、何を思ったのか蘭は弾へ「お兄、ちょっと一夏さんを引き留めて置いて!」と言い残して階段を駆け下りた。

 

其処から二時間、トイレから戻って来た一夏は何処か哀愁漂うカラ元気と苦しい笑みを浮かべながら、弾とのゲームに興じる。

其れは一般的な男子高校生が送っている休日の一幕であった。

最近は血沸き肉踊る生々しい血生臭く硝煙臭い災難ごとに毎度の如くあっていた為、此の一時は彼にとってとても安らぐものであった事だろう。

此処には自分を狙う敵対組織も、食べられないと言うのに無理に手料理を勧めて来る幼馴染も、自分がコンプレックスを抱く同じ男性IS適正者もいない。

気の置けない友人との一時に一夏の心は自然と癒されていた。

 

「さてと・・・俺、そろそろ帰るわ」

 

「えッ、もういいのか?」

 

「あぁ、数馬に会えなかったのは残念だけど・・・なんか久しぶりにゆっくりできた気がするぜ。ありがとうな、弾」

 

「ッ、一夏・・・」

 

力なく笑う彼に弾はグッと胸を掴まれたような感覚に合う。

今まで見た事もない初めて見る親友のやつれた笑顔が意外にも堪えたのだろうか。

 

「・・・なぁ、昼めし食ってかないか?」

 

「え?」

 

「蘭がさ、最近料理に凝り始めちゃってよ。今、作ってるから食べてから帰れよ。別にいいだろ?」

 

弾の此の勧めに一夏は「お・・・おう」と少し遠慮がちに頷く。

下に降りてみれば、其処は営業スペースの食堂が広がっており、厨房では蘭が調理に専念していた。

 

「今はじーちゃんや母さんは買い出しに行ってっから店も閉めてるし、ゆっくり食えるぜ。まぁ・・・蘭の料理の味は保証できねぇがな」

 

「ちょっとお兄! 一夏さんに変な事ふきこまないでよ!!」

 

「お、おい! わかったから包丁を俺に向けるんじゃねぇッ!」

 

二人の遣り取りに一夏はほくそ笑んで「蘭の料理、楽しみだな」と言葉を紡ぐと、蘭は頬を朱鷺色に染めて「待っていてください!」と再び調理へ専念し出す。

 

「で、できました! ど・・・どうぞ食べてみて下さい!!」

 

そうして出て来たのは、サバの味噌煮を主菜とした御飯と味噌汁のスタンダードな定食であった。

 

「サバの味噌煮はじーちゃんの作った残り物をアレンジしただけで、一から作ったのは小鉢のカボチャぐらいだけどな」

 

「・・・刺すよ、お兄?」

 

「ひぃッ、おっかねぇ!」と叫ぶ弾を横に「へぇ~、そうなのか」と一夏は小鉢に添えられた南瓜の煮つけに箸を付ける。

 

「ど・・・どうですか、一夏さん?」

 

「・・・優しい味がする。美味いよ」

 

「だとさ。良かったなぁ、蘭」

 

想い人からの誉め言葉に強張っていた蘭の表情は柔らかくなり、デレデレと頬を再び朱鷺色に染め上げた。

 

「でも、事故にあっちゃうなんて・・・大変でしたね、一夏さん。私に出来る事があるなら何でも言ってください。一夏さんの為なら私、何だって頑張ります!!」

 

「あ、あぁ・・・ありがとうな、蘭」

 

此処へ最初に来た時よりも柔らかくなった彼の表情にホッと一安心したのか、弾はある話題を一夏へ振る。

其の話題とは・・・・・

 

「そう言えば・・・一夏、今度IS学園で”体育祭”やるんだろ? 応援に行ってもいいか?」

 

「・・・え?」

 

彼の放った言葉に一夏は箸を止めて振り返る。

 

「お兄ってば、まーたそんな事言って。一夏さんをダシにしないでよ! いくら”ウツボ”さんに会いたいからって!」

 

「ウツボじゃねぇよ! 虚さんだッ、『布仏 虚』さん! なぁ、いいだろ一夏? IS学園の関係者の家族なら学園へ招待されるんだからさ! 頼むぜ、親友~!」

 

縋り付く様に拝み倒す弾に蘭は軽蔑の視線を向ける。

其れに対し、一夏はヒクヒクッと口角を痙攣させた。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれよ! 体育祭って、何だよッ?」

 

「はぁッ? 何言ってんだよ、一夏? 体育祭だよ、体育祭。やるんだろ? なぁ、蘭?」

 

「そ、そうですよ! IS学園にお姉さんが通てるっていうクラスメイトが居て、その子が言ってたんですよ!」

 

「な、なんだって・・・ッ!?」

 

正に寝耳に水である。

血と糞尿と硝煙の臭いがまだ消えぬ内に何をほのぼの悠長な行事ごとをやろうと云うのか。

意味が分からない。

またしてもあの何処か正体の掴めない生徒会長が強行したのだろうか。

しかし、幾ら考えても答え等出る筈もない。何故ならば、彼もまた壇上の役者の一人に過ぎぬからである。

問題は今回の配役に一体どんな意味があるかどうかである。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

―――――同時刻。秋の中頃、生徒会室の窓辺に人影が一つ。

 

「・・・はぁ・・・・・ッ」

 

見れば、流れる様に美しい水色髪の少女が物憂げな眼で外の紅葉を眺めているではないか。

彼女の名は、更識 楯無。此のIS学園に在籍する全校生徒の上へ文武両道で君臨する人物だ。

けれども、そんな完璧超人(※個人的な見解が含まれます)な楯無と云えども一人の乙女である。

彼女は今、”恋”をしていた。

 

『恋』。

其れは特定の相手に強く惹かれる、焦れる事である。

其れは気がつくと相手のことを思っていたり、二人だけでいたい、触れ合いたい、好意を持ってもらいたいと願う事である。

其れは時に寂しくやるせなく、時に歓喜し、少しでも疑念が生じれば不安になる。そんな不安定な感情を差す言葉だ。

愛情がピンク色に例えられるのに対し、恋情は水色に例えられる事が多い。

 

・・・・・しかし、問題がある。

彼女が特別な想いを抱いている人物が実に大変に厄介なのだ。

 

「・・・阿? 何じゃーな?」

 

其の相手と云うのが、ウィスキー入りの紅茶をすすりながら此方へ視線を向ける蛇顔の白髪男である。

男の名は、清瀬 春樹。

世間一般的には二人目の男性IS適正者と云う事だけしか解ってはいない程に影が薄いが、学園と日本政府の間では知らなければモグリと云われる程の人物だ。

 

「べ、別に何でもないわよ。それよりも、は・・・”春樹くん”こそ何? もしかしてお姉さんの美貌に見とれちゃったり?」

 

「・・・・・ッチ。布仏先輩、紅茶のおかわりください」

 

「ちょっと!? 舌打ちしないでよ!!」

 

「もう!」とふくれっ面を晒しながら会長席へ座し、机へ並べ積まれた資料へ手を伸ばす。

ワールドパージ事件でてんやわんやであった楯無だったが、其れは裏向きの事であり、通常業務はいつも通り。

加えて事件当時、利き手と脇腹に銃撃を受けるという重傷を負ってしまった為、自宅での療養をしていた事でかなりの仕事が溜まっていたと思われていたのであるが・・・・・

 

「ほれ。此れも確認頼みます」

「あ、ありがと」

 

今の所、机の上へ並べられているのは春樹が全て終わらせた仕事の山であり、楯無の仕事と云えば、彼の終わらせた仕事が及第点であるかどうかを判断するくらいであった。

 

「会長、こかぁどーなっとるんよ? やっぱ俺の判子かサインがいるんか? と云うか、未だにハンコが居る書類ってどーなんよ?」

 

「ううん、大丈夫よ。ここはこのままでいいわ。春樹くんが意外と仕事ができる子で、お姉さんとっても助かる」

 

上記の発言に「じゃろーがな。もっと俺に感謝せぇ」と嫌味ったらしい台詞を並べ立てる春樹。

こんな可愛くない態度をとる後輩に先輩は苦言の一つでも云いたくなるものだが、今の楯無は違う。

 

「(もうもう! なんで私って素直になれないのかしらッ?)」

 

怪我の為に手があまり動かない彼女に代わって仕事をこなす彼に謝礼を述べたいのだが、どうしても自分の作ったキャラクターに引っ張られてしまって素直な気持ちが表に出ない。

前はもっとサバサバ対応できたのに今は春樹と同じ空間に居るだけで胸の奥がドキドキ高鳴る。

だが、此の恋が今後みのる事は確率的に低い。

理由を挙げるとするならば初対面時に楯無はとんでもない悪手を春樹へ対してはたらいていた事もあるが、もっと言えば―――――

 

「早う終わらせんとな。ラウラちゃん待たせとるし」

 

「ッ・・・そ、そう」

 

「どうかされたんですか、会長?」

 

「・・・なんでもないわ」

 

最早既に彼には互いに思い合う両想いの恋人が居たのである。其れもとても強い絆で結ばれた彼女が。

幾ら文武両道眉目秀麗ロシア国家代表の肩書を持つ流石の楯無でも二人の間に立ち入る事は出来なかった。

恋と云う気持ちが生まれ、其の気持ちに気付くには余りにも遅すぎたのである。

そんな事に若干の後悔を抱き、其れを払拭する様に彼女は今まで溜まっていた仕事は全て終わらせた・・・調度其の時だ。

 

「阿・・・そうじゃった。会長、此れも確認を頼みまさぁ」

「え?」

 

春樹は湯気が漂う紅茶を飲む楯無にある一つの資料を手渡す。

其れは赤字マーカーペンで㊙のロゴがデカデカと表紙に刻まれており、ちょっとどころかかなり大袈裟な代物であった。

しかし、其の中身はかなり綿密な計画が書き記されていたのである。

 

「ちょ・・・ちょっと春樹くんッ・・・これ、本気?」

 

無論、此の計画書に驚く楯無だが、当の計画立案者である春樹はさも当然とばかりに「早く承認のサインを書いてくれ」と指で書類を弾く。

 

「本気じゃ、本気。此の前の放課後の訓練の時に話したろうが」

 

「あ・・・あれって本気だったの? 私、訓練の仮想敵だとてっきり・・・其れに・・・・・」

 

「何じゃ? 流石に生徒会長と云えでも・・・”学友”をとっ捕まえるんは気が引けるんで?」

 

「そうじゃないわ! だって”彼女”は・・・君とも仲が良かったじゃない!」

 

捲し立てる楯無に春樹は「・・・じゃけんじゃよ」と口端を吊り上げる。

 

「ど・・・どういう事よ?」

 

「親しい人間じゃけん、俺の手で・・・俺らぁの手で縛に付けたいんじゃ」

 

「だけど・・・」

 

「其れに体育祭も通常通り行われる。此の機を逃す手はないし、長谷川さんらぁにも話は通してある。何も心配する事はないでよ」

 

そう春樹は何度も何度も説明するが、踏ん切りがつかないのか「でも・・・」と楯無の表情は暗い。やはり唐突な彼の提案に気後れしているようだ。

其れを察してか、彼は真剣な眼差しで楯無の瞳を覗く。

 

「・・・解ってくれ、なんて事は言わん。其れでも・・・其れでもやらにゃあおえん事なんじゃ。頼む・・・頼むよ、”刀奈”」

 

「ッ、春樹くん・・・!」

 

・・・・・ズルい男よ。

惚れた男が両の眼を琥珀色に輝かせて自分に微笑みかけて来るのだ。少女漫画でしか恋愛を知らぬ少女には余りにもキツい”毒”である。

此の男はあの鈍感難聴を売りにしている男とは違う。人の気持ちを食い物にする事に躊躇いがない。

 

「(何処かのバンカーみたく『やられたらやり返す。倍返しだ!』・・・・・いや、違うわ。此の場合はアレじゃわ。『やられてなくてもやり返す。身に覚えのないヤツにもやり返す。誰彼構わず、八つ当たりだ!!』じゃろう・・・・・・・・阿破破ノ破♪)」

 

・・・果たして、一体誰が此の蟒蛇を変えたのだろうか。ほんの一年前まで彼は地方都市に住む唯のちょっと変わった少年だった筈だ。

なのにどうして・・・今の彼はあんなにも恐ろし気な笑みを浮かべる事が出来るのであろうか。

内に巣食う”怪物”の御蔭か。其れとも世界を狂わせた”兎”のせいか。

一体・・・誰が彼を”化け物の皮を被った人間”にした?

 

「「(うわ・・・悪い顔)」」

 

そんな灰汁の強い表情を晒す蟒蛇に耐性のある眼鏡の二人は、苦笑いと呆れ顔をするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 





・・・・・はい。という訳で今回は此処まで◆◆◆◆◆

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