「織斑先生ッ、織斑先生はおりますか?!!」
『『『!?』』』
バンッと酷く乱暴に扉を開け放ち、怒号にも似た大声と共に職員室に入る春樹。
一年生でもかなり特殊な方に問題児扱いされる彼の襲来に教員たちは何事かと立ち上がる。
「あッ、おったおった先生!」
そんな教員たちに目もくれず、春樹はお目当ての人物の方へズカズカと大股で近づき、これまた大声で「どーいう事なんですか?!」と日誌を記入する千冬を責め立てた。
「・・・騒々しい、静かにできんのかお前は。ここは職員室だぞ」
「ええ、静かにできませんなッ。デュノアさんが俺のルームメイトとかって、一体どーいう訳なんですか?! 俺はそんな事一言だって聞いちゃいませんよ!!」
「五月蠅い」
「ぶげッ!?」
ゴンッと鈍い音が響く。出席簿が手元にない為か、容赦のない千冬の手刀が頭に炸裂した。
しかし、理不尽な攻撃に悶絶しながらも、春樹は狂犬のように噛み付く。
「先生ッ、入学から半年の間は俺は一人部屋だと言ってたじゃないですか! まだ、夏も来てないってのに、なんで?!」
「急な転校だったんだ、仕方ないだろう。それに伝える前にお前は織斑と一騒動起こしただろう」
「だったら・・・だったら、ボーデヴィッヒさんとの相部屋にすれば良いでしょう! 同じ転校生組なんだ、一纏めにすればいい!! 実際、織斑と篠ノ之さんは幼馴染で一括りにされていますしッ!」
「馬鹿を言え、ボーデヴィッヒは女だ。”男子である”デュノアと相部屋に出来る筈ないだろう」
「・・・・・先生、それホントに言ってます?」
彼女の今の言葉に春樹の表情は一気に青ざめる。
見開かれた彼の眼には失意の念が籠っていた。
「・・・どういう意味だ?」
「言わなくても解ってるでしょう。ここの連中は、生徒も教師もIS絡みでないと頭が緩い。でもッ、貴女だけは違う。聡明な貴女なら違う・・・違うと思いたい!」
「だから何の話をしている、簡潔に話せッ」
「デュノアさんはおん―――」
その春樹の言葉が最後まで紡がれる事はない。何故なら、再び千冬の手刀が彼を襲ったからだ。
「ッ!?」
しかし、その手を春樹は寸での所で受けると力を入れて彼女の手を握り締めたのだった。
まさか、防がれる等とは微塵も思っていなかった千冬は心底驚く。
「・・・織斑先生・・・これだけは聞かせてください」
「・・・なんだ?」
苦虫を嚙み潰したかのような表情をしながら、恐る恐ると言葉を春樹は紡いでいく。
「知っていた上で・・・俺をあてがったのですか・・・?」と。
この言葉に千冬は特に言葉を返そうとはしない・・・いや、”できなかった”と言う方が正しいだろう。
ただ、彼女は彼の言葉に目を逸らしただけだった。
「なんだ・・・結局、貴女もか。結局、アンタも他の連中と同じように俺を”オマケ”だとしか思ってなかったんだ。織斑の野郎さえいれば、俺なんか唯の捨て駒だと・・・!」
「・・・其れは違う。違うぞ、清瀬」
「違う? なにが違うってんですか? あぁッ・・・そうですよね、違いますよね。アンタは唯、自分の可愛い可愛い弟さんを守りたかっただけですもんね。その為なら、赤の他人がどーなろーと関係ないですもんね」
彼女の手を振り落とすと、そのまま出口の方へ歩みだす春樹。先程とは打って変わり、彼からは精気が抜けた印象が感じられた。
「待たんか、清瀬!」
そんな背を向ける春樹の肩を掴む千冬。
「離せぇや」
「・・・ッ!」
だが、彼女が彼から向けられたのは酷く澱み切った”失意の眼”とドスの効いた声色。
別人かと見間違う程、この一瞬の内に彼は変貌していた。
「すいません、先生ェ。俺もアンタに他の連中と同じ勝手な期待をしていたようだ。アンタなら違うと思ったんだけどな・・・やっぱり、ブリュンヒルデもただの人間ですもんね」
春樹はそう言って寂しそうに笑うと、トボトボと職員室から出て行った。
そんな彼の姿を千冬はただ黙して見送る事しか出来なかった。
◆◆◆◆◆
・・・・・あ~ぁ・・・知りたくなかったのぉ。薄々勘付い取ったが、知らん存ぜぬでやっとったが・・・結局、俺はあの野郎の代用品かよ。
大方、織斑先生はデュノアさんの正体に誰よりも早く気付いた筈じゃ。んでもって、織斑先生は織斑を危険な目に遭わせまいと俺をあてがったか・・・。
阿破破ッ・・・素晴らしい姉心じゃのぉ。俺はどーなっても良えってか?
・・・なんじゃあそりゃあ・・・
あぁ、もう笑うしかないのぉ。阿ッ破ッ破ッ破ッ・・・!!
「ど・・・どうしたの清瀬くん? 慌てて出て行ったと思ったら、その・・・」
部屋に帰れば、俺の新たなルームメイトになったデュノアさんが出迎えてくれた。
私服じゃろうか。綺麗じゃけど、少しよれたジャージに着替えておる。
「・・・あぁ、織斑先生に部屋替えを直訴しに行っとたんじゃ」
「えッ・・・ど、どうして?」
「『どうして?』・・・白々しいのぉ」
「えッ・・・」
なんじゃコイツ・・・狙ってやってんのか?
・・・そりゃあそうか。だって、フランス政府公認のスパイじゃもんなぁ。
「こーいうんはお手のもんか。阿破破・・・フランスにもスパイの養成学校があったとは知らんかったのぉ」
「す、スパイ? な・・・なにを言っているのか、僕にはさっぱりだよ。ど、どうしたの清瀬くん? なんか変だよ?」
隠す気あるんか、コイツ? あぁッ・・・イライラするなぁ。コイツの一言一動が、一々癪にも勘にも触る。
それに・・・なんじゃろうな、この”御預け”をくろうとる感じは?
腹が減っとるけんじゃろうか?
喉が渇いとるけんじゃろうか?
「もう”バレてる”んだよ、シャルル・デュノア。いや・・・『シャルロット・デュノア』さんや?」
「えッ・・・!?」
おッ、顔つきが変わった。
『シャルル』じゃけん、大方の予想で『シャルロット』か、『シャルロッテ』あたりか思うたら・・・大当たりじゃな。
もしかしたら俺、『真名看破』のスキル持ちじゃろうかのぉ。
「だ・・・誰かな、その人? ぼ、ボクの名前はシャルルだよ」
「ほぉ・・・」
「・・・ッ・・・」
そのまま一歩足を出すとデュノアさんは一歩身を引いた。
その動作があんまり可愛ゆうなって、俺はついに彼女が荷物を置いている窓際のベッド付近へと追いやった。
明らかに動揺しとる。明らかに怖がっとる。
・・・良え顔じゃ。そそるようなグッとくる顔じゃ。
「なんじゃあお前、素人か」
「・・・へ?」
このまんま、デュノアさんをベッドに押し倒してあれやこれやとする方が手っ取り早いし、尚且つ憂さ晴らしにもなる。彼女の”中の人”も俺が好きな声優さんじゃし、きっと良え声で啼いてくれるじゃろうなぁ。
・・・じゃけど、それは俺の中の”法度”に背く。
憂さ晴らしの八つ当たりで、女子供に手を出すのはドグされ野郎じゃ。そーいう事は出来るだけしとうない。
多分じゃが、デュノアさんは訓練を受けたスパイじゃなかろう。
あんまりにも大根役者過ぎて、狙っとるようにしか見えなくもないが・・・、
「・・・阿破破破ッ」
「う・・・ぅうッ・・・」
この眼に賭けよう。この少し涙を溜めて潤んだ瞳に賭けよう。
覗き込んだ俺の顔にデュノアさんは本気で焦り、脅えている。
『目は口程に物を言う』なんて言葉があるくらいじゃ。この娘にも何らかの事情があるんじゃろう。
それほどまで、フランス政府・・・いや、彼女の実家のデュノア社は切羽詰まっとる言う事じゃろうか。
「・・・いやぁ、悪かったなデュノアさん」
「・・・ふぇ?」
「さっきな、ちぃとばっかし織斑先生にショックな事言われてイライラしてしもうたんじゃ。ゴメンなデュノアさん、追い詰めるようなマネしてさ」
「そ・・・そうなんだッ。じゃあさっきのは冗談―――「いや、もう遅いで。シャルロットさん」―――・・・ッ・・・!」
束の間の安息から一気に彼女の顔が硬直する。
ゴクリと息を飲む音まで聞こえて来そうな程に緊張しとる。
・・・良えのぉ、弄りがいのある顔じゃ。
「そねーに怖い顔するな、別にこっちは取って喰おうなんて腹じゃない。・・・それとも何か? このままエロゲのワンシーンのみてぇにお前さんを組み敷いて、その身体を乱暴に貪られるのがお好みだったかのぉ?」
「・・・・・」
「・・・どした?」
「・・・う、うぅッ・・・!!」
ありゃ~・・・オイオイオイ。弄り過ぎたかのぉ、泣き出してしまいよったで。
あ~、加減がわからずにやるもんじゃねぇのぉ。
「すまんすまん、そこまで追い詰める気はなかったんじゃ。じゃけぇ、そねーに泣くな」
「うぅ・・・ぐすっ・・・なにもしない?」
「あぁ、勿論じゃ。最初からなにもするつもりはねぇでよ」
・・・ホントはあのまんま押し倒してやろうかと思とった。押し倒して組み敷いて、その柔こい肌を好き勝手にしようと思とった。
じゃけど、寸前で俺の理性スイッチがONに入りよった。このスイッチが入ったからには、そねーな荒事は出来ん。
デュノアさんをベッドへ座らせ、泣くのを待っている間に俺は茶を淹れる事にした。
幸い、ほったらかしにしていたウィスキーボトルは無事じゃった。
「ほれッ。熱いけん、気をつけーな」
「うん・・・ありがとう」
やっと落ち着いたんか、玄米茶を飲むデュノアさん。
変な顔をせんとこを見ると、玄米茶は欧州人の舌にあったようじゃ。
「・・・どうして」
「あ?」
「どうして・・・ボクが女の子だって分かったの? 皆にはバレてなかったのに・・・」
「そりゃあ、お前の”中の人”が化物語の『なでこスネイク』と一緒の人だから」と言ってやりたかったが、なんか余計面倒臭い事になりそうじゃったけん。初対面の時から考えとった言葉を並べる事にしょー。
「デュノアさんが女だろうと気付いた理由は主に・・・報道じゃのぉ」
「報道?」
「おう。男のIS乗りが見つかったんじゃ、織斑の時みたいに大々的に報じりゃあ良え。それが国の利益になるけんな」
まぁ、織斑の時はニュースで報道されとんのに、俺はただのニュース速報で出ただけじゃ。
日本政府がIS関係者の身内でもなんでもないホントの一般ピーポーな俺を気遣ったどうかは知らんが・・・まぁ、顔バレはしとらん。
「で、でも・・・ボクは、男としてこのIS学園に転校できたんだよ」
「あぁ、それなんじゃが・・・多分、無視されたんじゃろう。さっき職員室に行った時に織斑先生もそーじゃって言うとったし」
「えッ・・・!? ブリュンヒルデも僕の正体を・・・!!」
ホントに織斑先生が「そうです。デュノアは本当は女の子です」みたいに言うたんと違うがな。
無言の肯定って言うんは、あれ程説得力があるもんなんじゃのぉ。・・・あの人の場合は手が出よったが。
・・・つーか、なんか急に汗をかきだしたなデュノアさん。そねーに織斑先生にバレとるんは焦るか?
多分じゃが、あの見るからにカタギじゃねぇ、水色髪の生徒会長殿も知っとるじゃろう。
まぁ、あの先公は知っとったけん、俺をあてがいやがったじゃけどな。
「さてと・・・」
「ど、どこに行くの?」
大方の話を終え、立ち上がる俺の腕・・・正確には裾を抓むデュノアさん。
顔は凄く心配しとる表情じゃ。
「どこって・・・今夜の寝床じゃ」
「え、でも・・・」
「おフランスからの長旅で疲れとるじゃろうがな。野郎の俺がおったら、緊張するじゃろうし・・・今夜は一人で旅の疲れを癒せぇや。あぁ、テレビの下に借りて来たDVDがあるけん、眠れんかったらそれを見ると良え」
それに年頃の男女が閉鎖空間で寝泊まりする言うんは、俺の若返った十代の身体にも精神にもめちゃんこ悪い。
ちなみに借りて来たDVDはジブリじゃ。ヨーロッパでも評価が高いけん、面白いじゃろう。
「・・・なんで?」
「あ? なにがじゃ」
「だって・・・だってボクはスパイなんだよ! それなのに・・・」
・・・やっぱし、訓練された人間じゃなかったか。
今にも罪悪感に押しつぶされそうな顔しよってからに・・・なんか、被害者ヅラしとるみたいじゃ。
「構ん構ん」
「え・・・」
「ホントにヤバいスパイじゃったら、織斑先生が止めとるじゃろうし。つーか、俺は君にここで口封じに殺されとるじゃろう。こーいう手合いの連中は織斑の野郎が目当てで、俺は範疇にも入っとらんじゃろうからな」
「そ、そんな事は・・・」
「なんじゃ、慰めてくれるんか? ええっちゃ、知っとるけん。俺が”オマケ”な事ぐらい、自分自身がよう解っとる」
・・・自分で言うて、虚しくなるな。涙出そうじゃのぉ。
「まぁ・・・兎にも角にも、俺は君に危害を加えるつもりはない。ええな?」
「う・・・うん・・・」
なんじゃあ、その納得のいってないって顔は? なんか俺に酷い事をされにゃあ気が済まんのかッ? マゾヒストなんか君は?
「あぁッ、そうじゃ。取りあえず、俺からデュノアさんにいう事が二つあるんじゃ」
「な・・・なにかな?」
「ビクビクすなッ。ええか、一つ目は『絶対に織斑の野郎をこの部屋に招き入れない事』。二つ目は『シャワーを使う時や着替えをする時は、絶対に部屋の鍵を閉める事』じゃ」
「えと、一つ目は何となく解ったけど・・・二つ目のが解らないんだけど」
いや、解れや男装の麗人(笑)。
あれ、君も天然持ちか?
「あのなぁ、デュノアさん。俺の国には『ラッキースケベ』言うとんでもないスキルを持っている人間がたまにおってな。それが織斑の野郎じゃ」
「ら、ラッキースケベ?」
「おう。女の子が着替えとる最中に何処からともなく現れるスキルでのぉ・・・あとは言わんでも解るな」
「ッ・・・うん、わかった」
「よし、良え返事じゃ。じゃあ、今日はゆっくりしんさい。おやすみ」
「お・・・おやすみなさい」
そう言って、安住の地から面倒事の巣窟へと変貌した自室を後にする俺。
・・・あぁ・・・今夜はヤケ酒じゃ。
・・・・・・・・はい。という訳でリハビリ投稿でした。◆◆◆◆◆
因みに没ルート。『春樹が半端に闇落ちしたら』。
「もう”バレてる”んだよ、シャルル・デュノア。いや・・・『シャルロット・デュノア』さんや?」
「えッ―――きゃッ!?」
俺はデュノアさんの肩を突き飛ばし、そのまま彼女に覆いかぶさる。
華奢な身体は見た目通りで、すぐに組み敷く事が出来た。
「やッ・・・や、やめてよ清瀬くん! ボク、男だよッ。こんな事冗談でも―――ひゃうッ!?」
片手で彼女の両手を鷲掴み、残ったもう片方の手をゆっくり上から下へ太腿に添わせる。
布越しでも柔らかい質感が手に伝わり、首元からは甘い匂いが漂う。
・・・―――――クイタイ
「バレとるって、言うたじゃろうが。悪いが、俺は他の連中と違ってオメェが男装しとるくらいわかっとるんじゃ。それに・・・元々からこーいうんが目的じゃったろうが」
「や、やめッ―――ひぅッ!?」
首元へ顔を近づけ、きめ細やかな白い肌をアイスクリームでも食べるみたいに舐める。
甘い。まるで新鮮な果物でも食っとるみたいじゃ。
「叫べば良えかろうが、誰か助けに来てくれるかもしれんで?・・・あぁ、でもダメか。人を呼んだら、オメェが皆を騙しとる事がバレるんじゃけんなぁ」
「や、いやぁ・・・! やめて、清瀬くん・・・ッ!!」
「やぁ~だよ」
耳元で囁き、そのまま俺はデュノアさんが着とるジャージのジッパーを噛むと、そこからジジジとゆっくり下へ下へ降ろす。
「やっ・・・やだぁ・・・ッ!」
白くて柔らかそうな肌が徐々に徐々に面積を広げていき、五月蠅いくらいに心臓が跳ね上がるのが実感できた。
・・・―――クッテヤル
―――――コワシテヤル
「・・・助けてッ・・・”お母さん”・・・ッ!」
◆◆◆◆◆
「・・・ッ!!? う、うわぁアアッ!!」
「きゃッ!?」
声を上げる事も出来ず、このまま春樹の毒牙にかかってしまうかとシャルル自身思っていた・・・その時だった。
春樹は組み敷いていた彼女の手を振り離し、突然後ずさったのだ。
「なに、やっとんじゃ・・・何やっとんじゃ俺はッ・・・素面じゃぞ、それなのに一体なにやって―――ッ、うェおオああッ!!?」
動揺しているのか、酷く脅えたように肩を抱くと大きく嗚咽を吐いた。
吐く前に急いで口を手で押さえるが、胃液が指の隙間から噴き出し、服を濡らす。
「ハァーッ・・・ハァーッ・・・ハァーッ・・・!!」
過呼吸気味に息を漏らす春樹。
先程の下卑た表情は何処へやら。今の彼は酷く脅え、ガタガタと身体を震わせていた。
「ど・・・どうしたの・・・?」と先程まで彼に襲われていたシャルルが恐る恐る声をかける。
何故、彼女が先程まで自分を襲っていた男に声をかけたのか。それはシャルル自身も解らなかった。
ただ、何故か彼を放っておくことが出来なかったのだ。
「頼むけんッ・・・来るな、来ないでくれ! また俺は君を襲うかもしれん!! だから・・・だから、だから・・・!!」
「・・・・・大丈夫だよ」
「ッ!」
「ボクもちょっとビックリしちゃったけど・・・大丈夫。だから・・・そっちに行ってもいいかな?」
身体を起こして立ち上がると、春樹との距離を縮めていく。
「やめろッ・・・頼むけん、来んといてくれッ・・・!!」
「大丈夫、大丈夫だよ。ほらっ」
「あッ・・・」
シャルルは怯えて震える春樹の手を握った。
じんわりと温かい手の感触が彼を包み込んだ。
「・・・ごめんなさい・・・ごめんなさいッ・・・ごめんなさい・・・ッ!」
「うんッ。大丈夫、大丈夫だからね」
涙をボロボロ流し、謝る春樹をシャルルは優しく受け止め、寄り添った。
・・・続きが思いつかず、敢え無く断念。