IS/Drinker   作:rainバレルーk

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※青字はロシア語
※速度駆け足気味とヤンデレ的キャラ変あり。
※暴力描写アリ。



第198話

 

 

 

―――――現状、織斑 一夏の精神状態は良好と云える。

一時は廃人同然だったが、心の回復によって衰弱していた身体も回復傾向へ向かい、痩せこけていた頬も若干膨らみを取り戻した。

あれも此れも彼の精神負担となっていた清瀬 春樹が、敵勢力の襲撃によって意識不明の重体へ陥ってくれた為である。

御蔭で飯が美味いのなんのって。

 

調度そんな時に舞い込んで来たイギリスの問題解決依頼。

一夏は京都での()()を取り戻す為、セカンド幼馴染の凰 鈴音の反対を押し切って作戦参加を希望。

更に彼の姉である千冬が此れを黙認し、ファースト幼馴染の篠ノ之 箒が一夏の作戦参加を肯定した為、あれよあれよ云う間に此の極秘作戦参加が決定。

現在は、ロシア上空を航行する飛行機の中である。

 

「なぁ、()()? そろそろ教えてくれよ。イギリスで何が起こったのかをさ。問題って、何が起きたんだよ?」

 

機内にて、自分の向かい側の席へ座る人物のファーストネームを随分と親しそうに呼ぶ一夏。

其れに対し、彼を今回の秘密作戦に招待したイギリス国家代表候補生のサラ・ウェルキンは、妖し気に口端を緩ませた。

 

()()、云ったでしょう。詳細はイギリス本国に到着してからだってね。こらえ性がないのは、女の子に嫌われるわよ?」

 

「そんな事言ったってさ・・・千冬姉は何にも教えてくれねぇし、それに何で()()()がここにいるのかもさ」

 

そう言って一夏が忌々しそうな視線を送るのは、千冬の向かい側の席を陣取るテロ組織ファントム・タスクの元構成員で、彼女の()を自称するMこと織斑 マドカだ。

彼女には何度も命を狙われ、京都の一件では殺されかけたのだから一夏がマドカを警戒するのは当たり前である。

 

()からの御達しで、喋れない事もあるんでしょ? それにしても・・・本当によく()()()()わね」

「・・・・・やめろよッ、それ」

 

其れは何気なく発したサラの一言。

其の一言に対し、一夏は自身の瞳を酷く澱ませて低い声で不機嫌を呟いた。

 

「・・・軽率だったわ。でも一応、今の彼女は作戦を共にする仲間よ?」

 

「ッ・・・わかってる、わかってるよ。だけど・・・だけどさ!」

 

納得のいかない表情を晒す一夏。

そんな悩める十代の少年の手をサラは優しく自分の手で包み込んで、彼へ優しい微笑んだ。

 

「ごめんなさい、一夏。あなたが辛い思いをしている事はわかっているわ。でも、今は我慢してちょうだい」

 

「サラ・・・」

 

見つめ合う一夏とサラ。

其の二人を見て面白くなさそうに親指の爪を噛む箒。

同じく不機嫌そうに静かに唸る鈴。

鬱陶しそうに舌打ちする簪。

そんな簪を見て苦笑いするシャルロット。

呆れた様に溜息を漏らす楯無。

眠っているのか、目を閉じたまま動かない千冬。

ソワソワしているが、気取られない様に取り繕うマドカ。

機内は渾沌と化していた。

傍から見れば、此れから問題を解決しようとする部隊には到底見えない。

 

そんな時、ポーン♪と間の抜けた音が聞こえて来た。

すると今まで沈黙を貫いて来た千冬がカッと目を三角に見開いて立ち上がり、どういう訳かコックピットの方へ赴いて行くではないか。

 

「え・・・もう着いたの?」

「そんな筈ないですわ。コンコルドだって、もう少しかかります」

「そう、だよね。でも、なんで?」

 

何気ない音一つで機内に溢れる疑問符達。

とりあえず簪は、現状機体が何処を航行しているのか調べてみる事にした。

 

「・・・まだ、ロシアから出てない」

 

「そうして聞くとロシアって大きいのね」

 

「ロシア・・・・・と言えば、ウォッカだね」

 

「え? ちょっとシャルロット・・・何でお酒が出て来るのよ?」

 

「あ・・・・・えと・・・春樹ならそう言うと思ってかな?」

 

「ッぶっふ!? フフ、フフフッ・・・! 確かにそうね!」

 

「うん・・・春樹なら絶対に言う。あと・・・「ウォッカなら肴はキャビアだ!」って、言いそう」

 

簪の言葉に「わかるー!」と春樹が大酒飲みである事を良く知る楯無とシャルロットは大きく頷く。

 

 

「何よ、その飲んだくれのおじさんみたいな言い分? だいたい春樹は、下戸でしょ?」

 

「・・・へ?」

 

「鈴・・・何を、言っているのかな?」

 

「何って・・・前にお酒を飲んで顔を真っ赤にした春樹が言ってたのよ。「しょうしょう」しか飲まなかったのに酔った、ってね」

「「「ッ、あははははは!!」」」

 

しかし、春樹の飲兵衛具合を誤解している鈴は彼が下戸だと話すが、其の話に楯無達はキョトンとした表情で顔を見合わせた後、ケラケラケラケラと笑い声を弾ませた。

 

「な、なによ!? なにが可笑しいのよ?!」

 

「あはははッ・・・ごめんごめん、鈴。そっかー、鈴は春樹の飲みっぷりを知らないんだね」

 

「あの人、本当によく飲むのにね」

 

「そうそう。それも度数の高いものをガブガブ鯨飲してね。よく倒れないで、お酒だけ飲めるわよね」

 

「そうだよ。何か食べながら飲んだ方が良いってテレビで言ってたからボク、お酒の()()のレパートリー増えちゃったんだよ」

 

共通の話題で話に花が咲き、キャッキャウフフと話が弾む。

だが・・・春樹の話題が出る程、彼女等の表情は曇って行く。

 

「・・・・・春樹、大丈夫かな?」

 

「・・・大丈夫。いつだって春樹は、どんなにボロボロになっても帰って来たから。それに・・・今回はラウラさんが、そばにいるから」

 

「そうね。でも・・・こんなに私達を心配させてるんだから、一発ぐらい殴ってもいいわよね?」

 

「フフッ。その時は手加減してあげてよ、鈴」

 

「さてと・・・じゃあ、()()()()()はこれくらいにして・・・・・いくわよッ!」

 

朗らかな微笑から一転し、目を三角にした凛々しい表情となる楯無。そんな彼女の掛け声に「はい!」とシャルロット達は呼応して立ち上がるとコックピットの方へ足を向けたのであった。

 

・・・けれどもどうして彼女達は急に表情を険しくしたのであろうか?

理由を挙げるとするならば、彼女達は()()したのである。自分達の乗る機体の背後に迫る恐るべき()()を第六感的感覚で感じ取ったのだ。

 

「織斑先生、何があったんですか?」

 

「・・・更識か」

 

コックピットに入って来た楯無に対し、千冬は訝し気にひそめた表情を晒す。

其の彼女の手には機長から受け取ったマイク付きヘッドホン。其処から聞こえて来るのは、ロシア語の警告文。

 

「現在、この機体の背後にロシア空軍の戦闘機が張り付き、指定空港への着陸誘導を命令している」

 

「ッ、は!? それは一体なんの権限で?! 私達が、IS委員会からの要請で動いている事は了承済みの筈ではないんですか?」

 

「わからん。理由を問うても機密事項の一点張りだ・・・まずいな」

 

「え、えと・・・もし、命令を無視したらどうなるのかな?」

 

「その時は・・・・・私達に向けて発射されたミサイルがドカーン・・・だろうね」

 

「えぇ!!?」

 

「テロリストにハイジャックされた訳でもないのにどうしてよ?!」

 

まさかの事態に対し、現場一同へ緊張と困惑が奔る。

IS専用機体所有者を乗せる飛行機に撃墜能力を持った戦闘機が背後に張り付いている。尋常ならざる事態だ。

簪の云う様に下手な真似をすれば、其れこそ機体のどてっ腹にミサイルを撃ち込まれかねない。

 

「だったら・・・ここは大人しく着陸命令を聞くべきじゃないかな? もしかしたら何かの行き違いで疑われているのかもしれないし・・・それにこっちには織斑先生がいるんだ。説明すれば、ちゃんと解ってくれる筈だよ・・・・・・・・たぶん」

 

語尾に不安感たっぷりなシャルロットの云う通り、下手な真似して危害を加えられるよりも相手の要求に従い、話合いで平和的解決を行った方が断然良い。

・・・だが、其の提案にある人物は眉間へしわを寄せた。

 

「・・・織斑先生」

 

剣呑な表情と共に楯無は千冬へ自分の手を差し出して彼女の手にあるマイクを要求する。

そんな彼女に対し、千冬は頷く様に楯無へマイクを渡した。

 

ロシア空軍戦闘攻撃機各機の皆さんへ。私は、ロシアIS国家代表の更識 楯無です

 

状況打破の為にロシア代表の楯無がマイクへ向かって流暢な露西亜語で自己紹介を述べる。

日本人でありながらロシアのIS国家代表の肩書を持つ彼女ならば、此の状況を好転させる事が出来るだろうと皆は期待を寄せた。

 

現在、我々はIS委員会からの要請を受け、イギリス本土へ向かっている途中です。御疑いならば、IS委員会ロシア支局への確認をお願い致します

 

こちらロシア連邦ロシア航空宇宙軍西部軍管区第37航空軍所属ニコライ・ウラジーミロヴィチ大尉であります。現在、其の機体はテロリストを乗船させているとの報告を受けて出撃した次第。それも更識代表、あなたを人質にとってとの事

 

「ッ、は・・・!? 大尉、その情報は間違いです。先程も言った様に我々はIS委員会の要請を受け、イギリスへ向けて飛行中です。もう一度、IS委員会への確認をお願いします

 

・・・・・警告。我々の誘導指示に従い、速やかに指定飛行場への着陸を。これが最後の警告とす。従わない場合、機体への攻撃を行う。繰り返す。命令に従わない場合、機体への熱誘導兵器による攻撃を行う

 

そんな警告文の後、「ッ、待ちなさい!!」と楯無の声を聞かぬままに通信がブチリと切れる。

そして、其れと同時に機体を細かに、されど重いドドドッ!と云う衝撃が伝わった。

 

「キャアア!?」

 

「い、今のって・・・も、もしかして!」

 

「乱気流って、訳じゃなさそうね・・・!」

 

衝撃の後に聞こえて来たのは、機体の異常を知らせる警告音。

対象個所は船体尾翼だ。

 

「おいッ、ちょっと! 今の揺れは何なんだよ!?」

 

「どうしたの? トラブルでもあった?」

 

突然の衝撃に只ならぬ事を悟ったのか、客席に居た一夏やサラまでもがコックピットへ乗り込んで来る。

御蔭でコックピットの入り口は大渋滞。

 

「千冬姉ッ、一体何があったんだよ?!」

 

「落ち着け、一夏。機長、飛行に問題はないか?」

 

「は、はい。今の所は・・・ッ」

 

千冬の疑問符に機長が飛行問題なしと答えると、彼女は此の大渋滞の一団を客室へと押し出して皆に現状を述べ出した。

 

「現在、我々の乗っているこの機体背後にロシア軍戦闘機が複数機張り付いている。先程の衝撃は、その戦闘機による機銃攻撃だと思われる」

 

「なッ、なんだよソレ!!? 何でロシアの戦闘機が俺達を攻撃すんだよ?!」

 

「何かの行き違いか、勘違いか・・・この機体がテロリストにハイジャックされ、ロシア代表の楯無が人質に取られていると、ロシア軍は捉えている」

 

「テロリスト・・・・・」

 

「・・・・・」

 

テロリストの単語を聞き、一行の殆どの目がファントム・タスク元メンバーであるマドカへ向けられる。だが、当の本人は我関せずと云う程に無口を貫く。

そんな其の姿が癪に障ったのか。箒が彼女の胸倉へ掴み掛った。

 

「おい、聞いているのか?! 貴様のせいで私達が危険な目にあってるんだぞ!! だから言ったんだ! いくら委員会の要請であっても私は反対だと! おい貴様、どう責任を取るつもりだ?!」

「ッ、ちょっと箒!?」

 

ヒステリックな声色と共にマドカを揺さ振る箒。

周囲の者は彼女を止めようと二人の間へ割って入ろうとしたのだが―――――

 

ドス!

「グっふぇ!?」

『『『なッ!?』』』

 

其れよりも早くマドカのグーパンが箒の鳩尾へ突き刺さったのである。

 

「箒!? お前ッ、何するんだよ?!!」

 

「ッチ・・・」

 

躊躇いも容赦もない腹パンに膝から崩れ落ちた箒を庇う様に前へ出た一夏は、箒と同じ様に彼女の胸倉を掴む。

其の彼の行動にマドカは再び腹パンの態勢に入った・・・其の時。

 

ビリリッ

「ッ、ぐァッア・・・!!?」

 

火花と共に大きくマドカの身体が波打ち、箒と同じ様に其の場へ崩れ落ちたのである。

「えッ・・・!?」と驚く一同だったが、すぐに其の原因が何なのか理解できた。

 

「いい加減にしろ・・・! 今は争っている場合ではない!!」

 

一喝した声の主である千冬の手に握られていたのは、マドカの首に付けられた電気ショックチョーカーの操作リモコン。

御蔭で一気に其の場が静かになった。

 

「・・・ウェルキン、何か心当たりはないか?」

 

「・・・・・ないですね。委員会からの伝達が滞っているとは考えにくいです。それに我々を引き留める理由が不自然です」

 

「そうか・・・」

 

「どうする気ですか、織斑先生?」

 

「我々に立ち止まっている時間はない。今より機体を離脱。離脱した後、部隊を分割し、イギリスで合流する!」

 

千冬は、ドイツからイギリスへ入国する部隊とフランスからイギリスへ入国する部隊に分かれる事を判断。

くじ引きにより、ドイツルートは山田教諭・箒・セシリア・鈴・サラ。

フランスルートは千冬・一夏・シャルロット・簪・マドカとなったのだが・・・・・

 

「ッ・・・お姉ちゃんは、どうするの?」

 

ルート選別の際、楯無はくじ引きを辞退したのである。

ドイツにもフランスにも行かない。其れがどういう事を示すのか・・・簪は薄々解ってはいたものの、疑問符を投げ掛けた。

 

「そうね・・・殿軍になる事にするわ」

 

「どうしてだよ? 何で会長が、殿なんかを!」

 

「一夏さん・・・私達をロシア軍戦闘機が易々逃すとお思いなので?」

 

着陸命令を無視し、機体を離脱すれば、必ず背後に張り付いている攻撃機が戦闘を仕掛けて来るだろう。

 

「ッ、それなら俺も残る! 会長ばっかりに大変な思いはさせらんねぇよ!」

 

意気揚々と胸を張ってそう宣言する一夏。

相手が戦闘機だとしても一体多数では分が悪いと考えたのだろうが、其の発言を一蹴するかの様に「・・・馬鹿は、引っ込んどいてよ」と簪の冷たい声色が呟かれた。

 

「さ、更識・・・?」

 

「一体何の為にお姉ちゃんが殿をすると思ってんの? その頭の中は、竹を割ったように空洞なの?」

 

自由国籍だと言っても他国の人間である一夏が、ロシア軍所属の戦闘攻撃機と交戦すれば、国際問題に発展する事は必定。

其の点、楯無は自由国籍に加えてロシアのIS国家代表である。そんな自国の英雄的人物が矢面に立てば、ロシア軍もおいそれと手を出す事は出来ないだろう。

 

「いい加減、考えなしの馬鹿発言も程々にしてよ」

 

「お、俺は会長の事を思って・・・!」

 

「はいはい、そこまでよ。ありがとうね、一夏くん。簪ちゃん・・・私は大丈夫。あとで会いましょう」

 

険悪な二人を納めた楯無は、そっと簪の頭を撫でる。

そんな姉の手を簪はギュッと両手で握り掴むとジッと楯無を見つめた。

 

「絶対に・・・絶対だよ、お姉ちゃん。会えないなんて・・・私、やだよ」

 

「お姉ちゃんにまっかせなさい! それでは織斑先生、山田先生・・・頼みましたよ」

 

楯無は朗らかな微笑を簪に向けた後、彼女はキリリ目を三角にして機内の格納庫から鉛色の雲の上へと飛び立った。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

私はロシアIS国家代表、更識 楯無。私は現在、IS委員会からの任務の為にイギリスへ向かっている途中です

 

自らの専用機ミステリアス・レディを身に纏った楯無が機体後方格納部から飛び立ってみれば、其処には予想よりも多い戦闘攻撃機がフォーメーションを組んで此方へ誘導弾を向けているではないか。

此れは不味いと察した楯無は、ホバリング並走飛行しながら両手掌を見せつつ、再度自己紹介と自己目的を述べる。

だが、其の返答として返って来たのは、ロックオンアラートの騒音だった。

 

更識 楯無。武装解除後に機内へと戻り、我々の誘導指示に従って指定基地への着陸を。繰り返す。武装を解除し、指定基地へ着陸せよ

 

・・・断れば?

 

交渉しようと疑問符を問うたれば、戦闘機の一機左翼からバッシュ!と一発のミサイルが火を噴いて飛んで行き、楯無達が乗って来た飛行機のすぐ真横でボガンッ!と自爆したのである。

 

()()()()。繰り返す、次はない。

 

「ッチ・・・厄介ね・・・!」

 

相手が本気だと云う事に楯無も思わず舌打ちをする。

飛行機内に残る専用機体所有者達と飛行機操縦者の脱出迄の時間稼ぎに出てみたものの、交渉の余地はないようだ。

 

「(ISとか対人戦の経験はあるけど、対兵器戦の経験はさっぱりなのよね。やっぱり・・・()()()()()のはマズいわよね?)」

 

空中戦で相手を殺害せずに撤退させようと楯無は、霧状のナノマシンで構成された水を攻撃対象物である戦闘機に向けて散布。

 

「(お願いだから気付かないでぇー!)」

 

此のナノマシンを発熱させる事で、水を瞬時に気化させ水蒸気爆発を起こす戦闘能力『清き熱情』によって機体の飛行機能を司る精密部分を破壊できる。しかも爆発物は水である為に証拠も残らない。

そうすれば、あとで戦闘機が自爆しただのなんだのと理由付け出来る。

 

ッ、各機散開!!

 

ところが突如として戦闘機のフォーメーションが一気に崩れ、機体が散らばった。

「バレた!?」と焦る楯無。

・・・しかし、次の瞬間に彼女が見たものは、眼下に広がる鉛色の雲を突き破って飛んで来た蒼白色の水を纏った螺旋状の()だった。

 

「ま、まさか・・・あれって・・・・・!!」

 

戦闘機達を追い払うかの様に飛び回る螺旋状のランスを見て、楯無の口端はヒクヒク細かに痙攣する。

 

・・・どうして彼女が此の様な非常に不味そうな表情をするのか。

其れは、今現在飛んでいるランスの持ち主が楯無にとってとても()()・・・いや、()()とも云える人物であるからだ。

 

―――――「ウラジーミロヴィチ隊へ告げる。退却せよ。繰り返す。退却せよ

 

退却!? 一体何の権限でそんな事を? 貴様は誰だ?! 所属部隊と識別番号を―――――≫

「ッチ・・・うるせぇなぁ。いいからとっとと失せろ! 二階級特進してぇんなら別だがな!!」

 

定型文から一変し、一気に乱暴な口調となる謎の人物。

そんな恐ろし気な()()()()()のある日本語と共に螺旋状のランス、『蒼流旋』に装備されている四門のガトリングガンが火を噴き、ズガガンッ!と戦闘機達の翼を撃ち抜く。

 

「ッ、やめて・・・やめなさい!! 『カリニーチェ』ッ!!」

 

楯無は相手と同じ水を纏う螺旋状のランスである蒼流旋を展開させると、ロシア機を守る様に前へと飛び出したのである。

 

ッ、更識代表・・・!?

 

大尉ッ、ここは私に任せて撤退しなさい! あなた達では、彼女には勝てないわ!! あの『ログナー・カリニーチェ』には!!

 

か、カリニーチェだと!? ッチ! 了解した、総員撤退!! 撤退だ!!

 

其の名を聞いた途端、ロシア機達は一挙反転して撤退した。

ご丁寧にフレアまで撒いてだ。

 

―――――「どうして邪魔をするのです? あの()()共はあろう事か、あなたに向けてミサイルを放ったんですのよ?」

 

鉛色の雲から生まれ出でる様にゆっくりと上昇して現れる鋼色の装甲で固められたISを纏った一人の人物。

其の姿は、戦場に舞い降りた戦女神と過言ではない程の見ね麗しい美しさ。

 

「・・・単なる脅しよ、脅し。彼等も本気じゃなかった筈よ。それよりも良いの? 勘違いだとしても自軍の戦闘機を攻撃して大破させたのよ?」

 

相手を探る様に言葉を選んで問い掛ける。

するとカリニーチェと呼ばれた人物は、頬を両手で包み込んで嬉しそうに口端を吊り上げたではないか。

 

あぁッ・・・あぁ! ()()()が私の事を心配して下さるなんて・・・・・ロギーは感激のあまり、()()()しまいそうですわ!!」

 

うふふ・・・ッ♥」と異様な微笑を浮かべるカリニーチェに対し、楯無は必死に眉間へしわが寄らない様に作り笑いを浮かべた。

 

「(みんなそろそろ、この空域から離脱できたかしら?)と・・・とにかく助かったわ。これから機体を旋回させるように通達するわ。それで、どこの空港へ向かえばいいのかしら?」

 

「その必要はありませんわ。もうあの機体は()()()ですから」

 

「・・・え?」

 

楯無が素っ頓狂な声を出したと同時だったか。ドグゥオ―――ッン!!と彼女の背後を飛んでいた飛行機のエンジンが火と共に黒煙を噴いたのである。

突然、エンジンが爆発した理由。其れは、カリニーチェが放った清き熱情による水蒸気爆発であった。

 

「大丈夫ですわ。通常の十分の一までエネルギーを落としましたので、そう簡単には墜落しません」

 

「ッ、あなた・・・自分が何をしたかわかってるの?!」

 

「わかっていますわ。でも機内にいらっしゃったお仲間は、もう無事に()()していましたでしょう?」

 

「何を言っているの!? まだ機内にはパイロットの方達が―――――」

「別に構いませんわ。だって、パイロットと言っても()()風情でしょう? 丸焼きになった方が、()()の為ですわ」

 

そう述べた後、ニコリッと微笑むカリニーチェ。

まるで自分が何も間違った事など言っていないかの様に笑みを浮かべたのである。

 

「ッ・・・・・ふざけないで・・・ふざけないでちょうだい!! 人間を何だと思っているの?!!」

 

「人間? 男なんて豚と同じ・・・いえ、豚以上に下等な分際ですわ。まぁ、()()()()はおいておいて・・・本題になりますが、楯無()()()? 私と共に来ていただきますわ。()()とお聞きしたい事がありますので」

 

人の命を『そんな事』呼ばわりするカリニーチェに対し、楯無は目を三角にして自らの蒼流旋の切先を彼女へ向けた。

 

「・・・お姉様? どういうつもりなのです? ()()とも云える私に刃を向けるなんて! ひどいですわ!!」

 

実を言うと、カリニーチェが纏うIS『グストーイ・トゥマン・モスクヴェ』は、楯無の専用機であるミステリアス・レイディのプロトタイプ零号機。其れ故に二人のISは姉妹機と言っても過言ではない。

 

「誰が・・・ッ、誰が行くもんですか! あなたにはここで再起不能になってもらうわ!!」

 

楯無は確信した。此処でカリニーチェを仕留めておかなければ、きっと彼女は後々の禍根に成り得ると判断したのだ。

其の為には出し惜しみをするつもりはない。

 

「出し惜しみはなし!!」

 

雄叫びと共に楯無はミステリアス・レイディのリミッターを解除。

さすれば赤い翼ユニットが展開され、ドレスの様に装着者を包み込むアクア・クリスタのナノマシンで構成されたアクア・ヴェールがワインレッドに染まる。

『麗しきクリースナヤ』・・・機体のステータスを格段に上げる超高出力モードだ。

 

「なんて・・・なんて美しいのでしょうッ。まるで水面に咲き誇る真っ赤な薔薇のよう!」

 

「無駄口を叩けるのも今の内よ!!」

 

ボグォオッン!!とカリニーチェを襲う清き熱情による水蒸気爆発。

其の威力は恍惚の表情を浮かべるカリニーチェを吹っ飛ばす程である。

 

「そこッ!」

 

追撃とばかりに楯無は超高速と共に手元へ顕現させた蛇腹剣ラスティー・ネイルの高圧水流を打ち付けた。

 

「流石ですわ、お姉様・・・ですが!」

 

しかし、カリニーチェとてトップレベルパイロット。清き熱情で吹き飛ばされながらも自らの蒼流旋を盾にすると同時にズガガッ!と装備されたガトリングガンを撃ち放つ。

だが、楯無は此れを最低限の動作で受け流し、相手との距離をとる。

 

「クフッ、クフフ・・・思い出します。お姉様と初めて出会った日の事を。正式なロシア代表を決める模擬試合・・・まるで昨日の事の様ですわ」

 

狐目を見開いてうっとり表情をほころばせるカリニーチェに対し、楯無は酷く表情を不快に歪ませた。

 

「・・・無駄話は結構。私も忙しい身なの。早くみんなと合流したいのよ、私は!」

 

「みんな・・・ですって? それは、あの飛行機内に居た()()とですか?」

 

狐目を不機嫌に曇らせるカリニーチェ。

其れに彼女が放った「雄豚」と云う言葉・・・察しの良い楯無はハッとする。

 

「雄豚って・・・一夏くんの事ッ? どうしてあなたが機内に居たメンバーを把握して・・・? ッ、まさか!!?」

 

IS委員会からの伝達が、ロシア軍に伝わっていない筈がない。

 

「聡明なお姉様。えぇ。昔取った杵柄でIS委員会モスクワ支局にはパイプがありましてよ。そこで私、()()()()()()()()()をしまして・・・軍に連絡が届くのを()()()もらいましたの」

 

「それだけじゃないでしょ・・・・・あなた、軍へ虚偽の報告を!」

 

「まぁ! そんなに睨まないで下さいまし、お姉様。ヤーパンにも『噓も方便』と云う言葉がありますでしょう? 御蔭でお姉様とこうして会う事ができました。あの雄豚共も意外と役に立ちましたし」

 

「カリニーチェ、あなたッ・・・!!」

 

彼女の自己中心的な思惑によって皆を危険な目に遭わせた事に対し、楯無はもっと目を鋭くして奥歯を軋ませる。

 

「でも・・・お姉様。いただけません、実にいただけませんわ。折角、私との逢瀬を果たした云うのに・・・つまらない男の話なんてして!!」

「ッ!!?」

 

ボオッン!!と突如として瞬く閃光・・・清き熱情によって機体バランスを崩される楯無。

カリニーチェが其の隙を見逃す筈がない。

 

「お仕置きですわッ、お・ね・え・さ・まぁああ―――――ッ!!」

「ッ、きゃぁあああああ!?」

 

瞬時加速と共に流星の如き蒼流旋の捻じれた刃が、ミステリアス・レイディの装甲を穿つ。

そして、カリニーチェはとても見ね麗しい女性がするべきではないだらしない表情と共に突貫し、苦悶の表情を浮かべる楯無の身体を掴む。

 

「さぁッ、お姉様! 私と()()()()()()()()()!!」

 

傍から見ての擬音語をアテレコするのなら「げへへへ!」と呼べる表情。

本人の容姿が整っていなければ、目も当てられない。

・・・・・ところが。

 

「―――――・・・フフッ♪」

「え?」

 

楯無は不敵に笑んだのである。

まさかの表情にカリニーチェは一瞬戸惑うが、すぐに自分に都合の良い解釈をした。

 

「やっぱり・・・私達は相思相愛の仲だったのですね! 愛しい愛しいお姉さ―――――・・・あれ?」

 

自己解釈による相思相愛でカリニーチェは夢心地だったのだが、すぐにある違和感に気付く。

身体が微動だに()()()()と云う違和感に。

 

「やっと・・・やっと()()()()。これで終わらせてあげる!」

 

カリニーチェの手を振り払い、距離をとる楯無。

するとどうだろう。カリニーチェの身体が、其の空間に沈み込む様に歪んでいるではないか。

 

「『セックヴァベック』ッ!? お姉様、まさか!!?」

 

セックヴァベック、『沈む床』と呼ばれるミステリアス・レイディの単一使用能力である。

高出力ナノマシンによって敵機を空間へ沈める様にして拘束する超広範囲指定型空間拘束結界であり、対象は周りの空間へ沈み込む其の拘束力は、シュバルツァ・レーゲンの停止結界との異名を持つAICを遥かに凌ぐ。

 

加えて、カリニーチェは思い出す。

正式ISロシア国家代表を決める試合の際に決められたフィニッシュパターンを思い出す。

 

「これで―――――」

 

弓を引くポーズをとった楯無は、防御の為に装甲表面を覆っているアクア・ナノマシンを一点集中攻性成形する事で強力な攻撃力とする一撃必殺の大技『ミストルテインの槍』の発動態勢に入る。

しかも彼女は超高出力モードの麗しきクリースナヤを纏っている為、其の威力は通常時の小型気化爆弾四個分を大きく上回るであろう。

 

「―――――終わりよッ!!」

 

槍が放たれた瞬間、ピカッ!!と大きな火の玉が、小規模な太陽の様に形成される。

・・・そんな小太陽の目下をヒュ~~~ッと間の抜けた音と共に下へ向かって落ちる焦げた水色の人影が一つ。

其の影は鉛色の雲へ飛び込んだ後、凍てついた大地へズザバァア―――!と真っ白な雪を巻き上げて落ちた。

 

「ふぅッ・・・ハァッ・・・フぅ・・・! み、みんなと早く・・・合流しないと・・・!!」

 

巻き上がって身体へ降り積もった雪を振り払い、楯無は息を切らして漸う立ち上がる。

短時間の戦闘ではあったものの、其の疲労感は何十時間も戦っていたかの様な蓄積度だ。

 

「ISスーツの御蔭で大丈夫だけど・・・見てるだけで寒い白さね。冷たい・・・冷たいわ。あぁ、でも・・・・・そうね。お酒が飲みたいって、こういう気分なのかしら・・・・・春樹くん?」

 

戦闘によるSE減少でパワーアシストが落ちた為、纏うISが重い。

其れでも立ち止まっている訳にはいかないと、ずるずる身体を引きずって前へ進む。

其の際、彼女は自分の想い人がこういう状況下においてどういう気持ちでいるのかを想像し、微かに口角を緩ませた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――「どこのどいつですか、その豚は?」

「ッ・・・!!?」

 

「ひゅッ・・・!!」と背後から聞こえて来た声に楯無は息を飲む。

寒く無い筈の背中がゾッと凍る。

 

「どうして、微笑むのです? 私との逢瀬を果たしたと言うのに、私が近くにいるのに、どうして豚の名前を呟くのです? どうして私ではなく、その豚を呼んで微笑むのです? どうして・・・どうして、どうしてどうして・・・どうしてどうしてどうして・・・・・どうしてぇえ??

「・・・このッ!」

 

勢いのある振り向きと共に直剣状態の蛇腹剣を突き出す楯無。

そして、其の刃は確かに声の主の身体を捉えたのだが・・・其の切先は、()()()()アクア・ヴェールに阻まれた。

 

お姉さまぁあああああ!!

「ッ、ぐッフ・・・!!?」

 

突き出された刃が黒く焦げた鉛色の拳によって叩き割られた後、楯無は身体はゴッ・・・!!と鈍い音の後にくの字に曲がる。

 

「苦悶の表情まで芸術的ですわ、お姉様。そんな顔をなされると・・・もっと歪ませてあげたくなりますわ!!」

「うギッ!!」

 

腹部へ膝蹴りを喰らわせた後、カリニーチェは楯無の顔面へ拳を上から下へドゴ!と叩き込む。

再び雪を巻き上げて凍てつく大地へ倒れ込む楯無。

ミステリアス・レイディの絶対防御の許容範囲を超えたのか。其の整った顔から血が噴き出す。

 

「・・・危なかった。本当に危ない所でしたわ! ですが、お姉様? あなた()()がクリースナヤを使える訳ではないのですよ?」

 

カリニーチェの纏うグストーイ・トゥマン・モスクヴェは、ミステリアス・レイディのデータ元となったISである。

其れ故にカリニーチェも超高出力モードである麗しきクリースナヤを発動させ、あの爆発の中を掻い潜る事が出来た。

勿論、無傷と云う訳にはいかなかったが、肉体的にも精神的にも疲労困憊の楯無を弄るには十二分だ。

そんな状態のカリニーチェは、雪の中で仰向けに倒れた楯無へ馬乗りになる。

 

「それにしても・・・相変わらずうっとりする程のテクニック。そして、本気で私の命を奪いに来た勢い。まさしく・・・『愛』、これは『愛』ですわ。それなのに・・・・・それなのにどうして私を見てくれませんの? どうして私の名前を呼んでくれませんの? どうして私に微笑みかけてくれませんの? どうして、お姉さまぁ??

 

疑問符と共に左右へ振るわれる鉛色の拳は、ドガッ!・・・バキィ!と鈍い音を発てた。

 

「・・・・・そうですわ。お姉様には、私がいないと何もできなくなってしまえばいいのですわ。立って歩く事も、食べる事も、シャワーに入る事も、そしてトイレも・・・うん、とても良い考え」

 

カリニーチェは濁った瞳で最大限に口端を吊り上げると、立ち上がって血に濡れた楯無の胸倉を掴んで引き起こした。

 

ハァ・・・はぁ・・・はァ・・・ハぁ・・・ハァ・・・・・っぺ!!」

 

ところが、楯無は其のカリニーチェの顔へ唾を吐きかけた。血の混じった唾を吹き付けた。

 

ごちゃ、ごちゃと・・・うるさい、のよ・・・! そ・・・れに・・・あんたなんか・・・・・願い下げ・・・! この、キチガイ・・・!!

「・・・・・・・・は?

 

バッギィ!!と思わず真顔で楯無を殴り飛ばすカリニーチェ。

其れによって雪面へ彼女の体躯と一緒に血しぶきが散る。

 

「ッ・・・も、申し訳ありませんお姉様!! 私ったら我を忘れてしまいましたわ。でも・・・先程は何て言いましたの? まさか、私の事が―――――」

「大っ嫌いよ!! って、云うか・・・今の今まで、あなたの事なんか()()()()わ! そんな存在なのよ、あなたは! ログナー・カリニーチェ!!」

 

フラフラ立ち上がった楯無が叫んだ後、しん・・・と、静寂を現場を包み込む。

しかし、ある異変が確実に起きていた。

其れはカリニーチェを中心とした半径二mの雪がジュワーと水となって霧状に蒸発してしまった事だ。

 

ふふ・・・くふふ、くふふふふふ・・・決めました。私、決めましたわお姉様。しっかり、私がしっかり調()()してあげます。手足を、背骨を圧し折って、その首に首輪をつけて一生・・・一生、私のベッドで()()()あげますわ!」

 

額に青筋浮かばせ、涙を流し、ニッコリ笑うカリニーチェ。

そんな正気を疑う表情の彼女に対し、楯無は奥歯を軋ませて心の中で謝罪の言葉を連ねた。

 

「(・・・ごめん、ごめんね簪ちゃん。約束、守れそうにないわ)」

 

楯無は残り少なくなった自身のアクア・ヴェールの粒子を扇状に散布し、其れらを全て震わせる。

今、彼女は自分を媒体にした清き熱情によってカリニーチェを巻き込もうと覚悟を決めたのだ。

 

「お姉様ぁあああああああ!!」

 

「・・・・・・・・ほんと残念。こんな事なら、彼にキスの一つでもしとくんだった」

 

迫る怨敵に楯無は未練の言葉を吐く。

寂しそうに、悲しそうに、哀しそうに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――「悪い。遅れた」

「・・・・・・・・・・・・・・・え?」

 

「ッ、な!!?」

 

此処に居る筈のない側に居て欲しい人の声が、そんな鬱暗い楯無の気持ちを打ち消す様に鼓膜を震わせた後、稲妻の如き漆黒と紅蓮の閃光が、ザビャァアアアアア―――――ッ!!とカリニーチェへ降り注がれたのだ。

だが、寸での所でカリニーチェは此れを回避すると、閃光が奔って来た場所へ四白眼をギョロリ向ける。

 

「・・・・・誰だ・・・私とお姉様との()()()()を邪魔するテメェは、一体誰だぁアア?!!」

 

とても容姿端麗な美女が・・・いや、人間がするとは思えぬ恐ろし気な形相で激昂するカリニーチェ。

そんな彼女の視線の先に居た者。

其れは――――――――

 

牙ぁ羅ヴぇらぁあ”あア”ア”阿”ぁア”ア”ッ!!!

 

赤紫色の二対翼を大きく広げ、曇天の空を晴れ渡させる程の尋常ならざる叫びを轟かせる鎧を纏う『黒竜』であった。

 

 

 

 

 

 

 

 





・・・・・はい。という訳で今回は此処まで◆◆◆◆◆











:芹沢的仮説:
『ガメラシリーズ』において『ギャオス』と云うキャラクターが登場する。
古代の超文明アトランティスの高度な遺伝子工学によって作り出された生物で、多様な生物の利点のみ集められた「遺伝子的に”完璧”すぎるほどの完璧さ」と称される事もある。
基本的にギャオスには『雌』しかいない。
その為、私は此の部分がISは基本に女性しか扱う事が出来ないと云う点に類似していると思っている。
しかし現在、男性IS適正者が二名確認されている。
そして、ギャオスにも『イリス』と呼ばれる突然変異体が存在する。

太古の昔、生物がまだ原核生物だった頃、其の生物たちは基本的に『雌』しかいなかったとの仮説がある。
だが、激しく変化する地球環境に対応する為、遺伝子の多様化の為に『雄』が突然変異体として出現したとの事だ。

此の事から私は、イリスは完璧を謡うギャオスがもっとより完璧になる為に生み出された『雄』だと仮定する。

…彼等は、その『イリス』なのだろうか?

極東は田舎生まれの蟒蛇くんの進化ルート

  • ジークフリート
  • ファフニール
  • 俵 藤太
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