申し訳ありません。ダラダラと続けてしまって。
ですが・・・付き合っていただけると幸いです。
本当にとても。
―――――「さて、早速だけど君達には私・・・じゃなくて、我々が開発した特殊外装パッケージである
衛星破壊を目的に集められた人員が集結した作戦指令室内のモニター前では、切れ長の瞳をした技術者を思わせる女性によるISのパッケージについての説明が行われていた。・・・・・余りにも重い雰囲気の中でだ。控えめに言って最悪の空気感。
しかし、技術員はムード御構い無しに説明を続ける。
すると―――――
「はーい!
しっつもーん!!」
これまたムードぶち壊しの空気を読まない弾んだ声が室内に響き渡った。
其の声のする方へ技術員が視線を向ければ、其処には白衣姿にウサ耳カチューシャを装備という珍妙とも云える恰好をした紫髪の女性が元気よく手を挙げているではないか。
「・・・・・何でしょうか、篠ノ之 束博士?」
技術員・・・倉持技研第二研究所所長、篝火 ヒカルノは一拍置いた後に張り付けた笑顔を彼女へ向けた。
すると束は無邪気な態度でこう言い放つ。
「お前の作ったそのパッケージって、もしかしなくても箒ちゃんの紅椿をパクったやつだよねー?」
・・・最悪な雰囲気が更に凍り付いた気がした。
ピリピリとひりつく空気が痛くて堪らないのか、篝火に近くに居た随伴技術職員は奥歯を噛み締める。
「道端の塵芥みたいな分際のくせして、この
時と場所が違ってたら分子レベルで分解してるところだぜぇい☆」
「・・・確かに我々は紅椿のデータベースを参考にして、このパッケージを作成しました。
ですが、コピーとは少々違います。
「へー・・・・・オマージュねぇー。
お前、度胸あんじゃん。
束さんは、紅椿を無許可で勝手に
随伴職員は胃液を吐きそうになってしまう。
とても人間が出してはいけない静かな殺気に加え、倉持技研が秘密裏に画策進行している『量産型紅椿製造計画』を見透かされたのだから堪ったもんじゃない。
だが、そんな彼等を助ける様にスパァッーン!と乾いた音が轟いた。
「痛っっーい!?
なにすんだよー、ちーちゃぁーん!」
「それはこっちのセリフだ、バカモノ。
私は現場の雰囲気を乱す為にお前を参加させた訳ではない」
「でもでもでもー!
コイツ、束さんのをパクったんだよー!!
束さんは、断固として抗議しちゃうんだぜぃ☆」
悪びれる様子もない束に対し、千冬は「・・・次はグーだ」と言って自分を拳を見せるとアラ不思議。「(-"-)むー・・・ッ!」と不満気ながらも押し黙る。
そして、現状で一番の問題児を黙らせた千冬は篝火達と入れ代わり立ち代わりで皆の前へ立って現状と作戦進行説明をし始めた。
「現在、暴走状態となっている大量破壊兵器を内蔵した超攻撃型衛星、通称エクスカリバーは英国王室宮殿並びにロンドン全域をターゲットとして攻撃態勢に入っている。
我々の目的は、このエクスカリバーを行動不能または完全破壊する事だ。
攻撃開始時間まで一刻の猶予もない。
皆、気を引き締めろ!」
彼女の声に対して『『『はい!』』』と返事が響くが、其の声量の中には迷いともとれるくぐもった声もあった。
言わずもがな、色々と事情が有り過ぎるセシリアだ。
更に此の作戦事体へ疑心を抱える者も居た。
「(・・・絶対に怪しい)」
イギリスで問題があったからとドタバタ珍道中の後に入国して見れば、自分達を待ち構えて居たファントム・タスク構成員に世界中から指名手配を受けているISの発明者然り、作戦会議前のセシリアに対する一夏の狼藉然り、色々と問題があり過ぎるだろうと眉間へしわを寄せた簪である。
しかし、絶対に良からぬ状況になるだろうと云う確信がありながらも彼女は作戦反対を具申する事はない。
其れは、単にあのブリュンヒルデたる千冬に逆らう様な度胸のあるなしに関わる事ではない。
「(・・・・・春樹・・・)」
簪の関心は、あの春樹が此処に居ない事への理由であった。
自らを標的とした暗殺と言う喧嘩を売られ、仲間に危機が迫っているかの状況に対し、あの蟒蛇が黙っている筈がない・・・と、彼女は確信していたのだ。
けれども現状、其の
・・・という事は、何処かで必ず
「・・・・・よし!」
其れにどうやら沈黙対象となっている衛星は、セシリアの話によれば本当は生体融合型ISであり、コアには国家反逆を行ったチェルシーの妹が
此の眉唾物の話を
・・・彼女はかなりの
「・・・・・・・・ふーん」
そんな彼女の決心を知ってか知らずか、束はどうも興味深そうに息を漏らすのであった。
◆◆◆
―――「ちょっと
一体どういう事なのかな・・・ッ?!」
開始時間が差し迫る作戦へ参加するISの最終出撃調整態勢を行う格納庫に響き渡る怒りを含んだ静かな声。
緊張感が漂い、忙しく動き回る整備員達が居る中で、ISスーツを身に纏ったオレンジブロンドの美少女が怒りの表情で静かに髭面の男に詰め寄っていた。
「機体調整に問題はないって言ってたじゃないか!
それなのに・・・何でなのかなッ?」
シャルロット・デュノアは憤っていた。
今作戦では、宇宙部隊と地上部隊に分かれて行われる事となっており、其の部隊構成に彼女は不満を持っていた。
聖剣奪壊作戦の内容としては、IS学園勢では一夏・箒・鈴・簪が囮として宇宙へ進出。
エクスカリバーが彼等に気をとられている隙を突き、BT粒子加速器『アフタヌーン・ブルー』を装備したセシリアが地上からの狙撃によって行動不能にし、行動不能になったエクスカリバー内部へ囮部隊だった一夏が強襲部隊へと転化して突入すると云う流れだ。
シャルロットは宇宙へ進出する部隊を希望していたのだが、どうやら地上に振り分けられた。
自分の新しい機体、第三世代型IS『コスモス』の真価を魅せられるばかりか、皆の役に立てると思っていた彼女は気を一時は落とすが、作戦総指揮を担っている千冬に転属を求める。しかし、此れも却下される。
其れでも諦められないシャルロットは尚も食い下がった。彼女としては何か思う所があったのだろう。
今まで自分だけが型式遅れの第二世代型ISを駆り、其の世代差を何とか工夫と努力で補って来た。
だが、其れももう限界が近付いて来る。調度そんな時に手に入れた
そんな内心を千冬は見透かしたかどうかは知らぬが、其れとも食い下がって来る彼女を疎ましく思ったのか、彼女はシャルロットを地上部隊に配置した
其の理由とは、シャルロットの父であるアルベール・デュノアが千冬に娘の安全配慮する様に
所謂は
見事に千冬の作戦は大成功だ。
・・・其の御蔭で―――――
「答えてよ、お父さん!!」
「シャルロット・・・ッ」
アルベールは自分の愛娘に酷い叱責を受けてしまっている。
確かに彼は千冬に対してシャルロットを後方へ回す様に
何も余りにも余りにも可愛い大事な愛娘を危険な目に合わせない為・・・なのは本当の事なのだが、其の他にも理由がある。
「シャルロット・・・セッティングしたとは言え、お前の新しい機体『コスモス』はまだ
それにお前もコスモスを完全に操縦できる訳ではない。
そんな状態でホットスポットへ行っても活躍するどころか、皆の足を引っ張る結果になってしまう」
「で、でも・・・だったら、だったらラファールで行くよ!
第二世代でも、あれならボクの手足の様に扱えるから問題―――――
「シャルロット!!」
―――ッ!!」
屁理屈をこねるシャルロットへアルベールの一喝が響く。
彼の声は周囲の視線を集めるには十分な声量だったが、そんな目を気にせずにアルベールは語る。
「これは訓練でもなければ、演習でもない!
一歩間違えば、瞬時に命を落としてしまうかもしれないんだ!!」
「ッ、そんなの・・・そんなのわかってるよ!」
「だったら何故なんだ!!
何でそんなに前線へ行く事に拘るんだ?!」
「それは・・・・・!」
返答を渋るかの様にシャルロットは下唇を噛み締めて俯く。
そんな彼女の姿に対し、アルベールは「まさか・・・!」と何かを察した様に息を呑む。
シャルロットが、手柄を欲して駆け抜けて来たあの
―――「・・・どうかされたのかしら?」
此処で、出撃前だと云うのに良くない雰囲気を醸し出す親子へ声を掛ける者が一人。
目を向けると其処には、十人の内の十人が
此の彼女の登場にアルベールは「誰だ?」と疑問符を浮かべるが、シャルロットはギュッと眉間に皺を寄せて目を三角にする。
「・・・・・何の用なのかな?
ファントム・タスクのスコール・ミューゼルさん?」
「ッ、ファントム・タスクだと・・・!?」
シャルロットの口から零れた言葉にアルベールの表情が強張り、身を呈する様に娘の前へと割り込んだ。
「そんな怖い顔をなさらないで。
私達は共に任務遂行に当たる
「ッ・・・仲間?
ふざけないでよ!
誰がお前達なんかと!!
だいたい・・・だいたい、お前たちのせいで春樹はッ!!」
「シャルロット!?」
スコールの発した言葉にシャルロットは奥歯をギリリ歯嚙みしつつ食って掛かろうとする。
彼女のまさかの行動にアルベールは一瞬呆気にとられるが、寸での所でシャルロットの肩を抑えた。
「ちょっと何やってるのかしら?」
突如として始まった
「あら・・・
なに、ちょっとした
これから一緒に作戦遂行に従事する相手には必要な行為でしょ?」
「あら、それはご丁寧な事。
でも、残念だけど私は・・・いえ、
今までの事を鑑みても・・・・・わかるでしょ?」
冷ややかな笑みを浮かべる楯無。
其の極寒のツンドラ気候にも劣らぬ彼女の表情にスコールは「それは・・・残念ね」と短い溜息を漏らす。
「でも・・・目の敵で私ばかりに構ってる訳にはいかないんじゃない?」
「・・・どういう意味?」
「今作戦の要、あの
零落白夜・・・とても強力だと聞いているわ。
でも、扱うパイロットの
対象のエネルギー全てを消滅させる事が出来る第三世代型ISたる白式の必殺単一能力。
セシリアの超精密射撃によって機能不全に陥ったエクスカリバーへ速やかなトドメを指す事が出来る対IS兵装である。
しかし、自身のシールドエネルギーを消費して稼動する為、使用するほど自身も危機に陥ってしまう諸刃の剣だ。
そんな危険な代物をお世辞にも操縦技術や戦闘能力が高いとは言えぬ白式のパイロット、織斑 一夏が使用するのである。
はっきり言って―――――
「―――とても心配よ。
私が指揮官なら絶対に作戦へは参加させないわ。
上層部は・・・いえ、あの
「スコール、あなた・・・一夏くんの事をかってたんじゃないの?」
「かってる?
あぁ、確かに・・・あの坊や、
横へ
私、これでも楽しみにしていたのよ?
あんな雄丸出しの情熱的な人間と
「ッ・・・この!!」
またしても挑発的なスコールの発言に再び身を乗り出すシャルロット。
だが、一方の楯無は彼女の言葉に
「・・・スコール。
あなた、もしかして彼の暗殺計画なんてものに―――――」
ビィ―――ッ!と、出撃態勢を伝えるアラームが何かを言いかけた楯無を説き伏せる。
そんな言葉の行き場を失った彼女へスコールはウィンクと共に自分の唇へ人差し指を当てた。
まるで、「それは言わない方がいいわよ」と忠告する様にだ。
・・・・・さて、実は此のトラブルの背後で彼女等の会話を聞いていた者が一人居た。
「お、俺は・・・俺は違う・・・・・!
俺は違うんだ・・・!!」
光を失った酷く澱みに淀んだ眼を俯かせて親指の爪を噛むのは、頬がこけた生気のない土気色の顔をした一人の少年。
彼は
「俺は・・・俺は、見てくれだけの・・・・・
俺は・・・俺こそが・・・・・!!」
・・・・・はい。という訳で今回は此処まで◆◆◆◆◆
◆◆◆◆◆
―――――「やぁ、目が覚めたかい?」
知らない天井を見上げる仰向けの
声のする方へ目を向ければ、其処には
「・・・・・地獄にしては、随分と明るい場所ですね」
「おぉッ・・・いいねぇ!
英国人っぽいセリフ・・・まぁ、英国人な訳だが」
私からの返答にかの悪魔は称賛の言葉を述べました。ニッコリと耳まで裂ける程、口端を吊り上げてです。
その際に発せられたあの
「あなたには色々と聞きたい事があります。
正直に言ってくれると大変助かるんですが・・・よろしいですかね?」
「・・・いやだと言ったら?」
返事に対して悪魔は自分の手を私の目の前まで伸ばすと、その手は赤錆色の鋭い異形となって私の頬をなぞりました。
「
・・・・・私は、あの時以上に寒気を覚えた日はありません。
日本にはこういう言葉があるそうですね。
『
極東は田舎生まれの蟒蛇くんの進化ルート
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ジークフリート
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ファフニール
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俵 藤太