※ピンポンパンポーン※
今回、アンチ・ヘイト度が高めであり、人によっては不快に感じる方もいると思われますので御了承ください。
悪しからず。
それではよろしくお願いいたします。
話は変わりますが、今期のアニメの『ダンジョン飯』って面白いですよね。
アニメ拝聴後、原作を全巻買い揃えちゃいました。
オランダのIS代表候補生であるロランツィーネ・ローランディフィルネィは憤っていた。
自分の
しかも大会優勝候補筆頭と評されていた彼女が敗退してしまった相手と言うのが、あろう事か
「セリーナ・・・君の仇は、僕がきっと!!」
脳震盪を起こして治療室で眠る決勝戦で会おうと約束した筈の恋人の手を取ったロランツィーネは、そう心に固く誓った。
そんな憎き匹夫が大会二戦目で一体どういった戦い方をするのだろうかと興味を持った彼女は、自分の出場出番が来るまでの間に仇敵の姿を観戦しに行ってみる事にしたのだが―――――
(※ロランツィーネ視点)
「ギャハハハッ!
こうしてくれるわッ、雌猫め!!」
「いっ・・・いやぁあああああ!?」
―――ロランツィーネのオレンジ色の瞳に映ったのは、恐ろしく悍ましい白い鎧を身に纏う
それも足蹴によって臀部や腹部を蹴飛ばす様な非道な戦い方でだ。
「ッ、ゆ・・・許せない!!」
自分の目の前で繰り広げられている残虐非道で卑劣な行為に激怒。
心の内から湧き上がった激情の騎士道精神に駆られ、自らの瞳の色と同じ色彩塗装のある専用機オーランディ・ブルームを展開し、衝動のままに彼女は
―――◆◆◆◆◆―――
「な・・・なんでやねん!?」
IS統合対策部技術班所属の芹沢 早太は関西出身でもないのに関西弁で驚嘆の声を上げてしまう。
自分達がサポートしているISパイロットにして二人目の男性IS適正者の清瀬 春樹が、ほぼ一方的に蹴り飛ばした対戦相手へ自らの専用機である琥珀の単一能力『晴天極夜』で相手を
しかも今までの経験上、こういった手合いと云うのは何処かの
乱入して来たのは、第一アリーナDブロック第二試合の開始を待っている筈のオランダ代表候補生のロランツィーネ・ローランディフィルネィであったのだ。
この彼女の突然の登場にIS統合対策部の面々は勿論、観客席にいた大観衆並びに中継カメラの向こう側に居る視聴者もアッと驚く為五郎である。
・・・けれども、芹沢が危惧しているのは
「おい、みんな!
氷結弾頭の用意しろ!!」
危機を察した芹沢は技術班の面々へと檄を飛ばす。
彼が危惧していたのは、自分の試合・・・いや、
過去、『ゴーレムⅢ事件』と呼称される専用機タッグマッチトーナメント襲撃事件において、所属不明無人IS機体が蝗害の様にIS学園へ襲来した際、襲い掛かるゴーレムを退治する春樹の背後へ
そのおかげで激昂して我を失う暴走状態となった春樹は、その場に居た全ての鋼鉄の乙女をドロドロに
幸いにもその時に居合わせていた専用機所有者達と氷結弾頭の使用によって事は無事に済んだのであるが・・・・・
「ひッ・・・ひぇええ!!」
当時、現場にいた一人である浅沼は青い顔でガチガチ歯を鳴らした。
正義感によるものか、それとも騎士道精神かは知らんが、何とも七面倒くさい事をやってくれたものだ。
「あのバカが、バカをやるようなら躊躇なく撃てよ!
ちゃっちゃと総員準備しろってんだい!!」
『『『はい!!』』』
IS統合対策部の面々は嫌な汗をかきながら氷結弾頭の予備弾倉を対IS用銃火器へ装填した。
―――◆―――
「おい・・・おいおいおい・・・・・おいおいおいおいおい・・・ッ!」
自分を見下ろすオレンジ色の装甲を身に纏う
金眼四ツ目の面貌で表情がハッキリしないが、彼が砕ける程に奥歯を噛み締め、額へ青筋を浮かべている事は手に取る様に理解できた。
「いきなり俺達の間に割り込んでおいて、凌辱呼ばわりってのは・・・穏やかじゃあねぇな。
え?
えーと・・・ロラン・ロランだっけ?
∀に出てきそう名前じゃな」
「ロランツィーネ・ローランディフィルネィさ。
君の戦い方があまりにも悪逆非道だったから介入させてもらったよ!
あと・・・ロランって言うのは、僕の愛称でね。
あまり気安く呼んでほしくはないんだけれど?」
≪ッ、な・・・なな、なんと!?
突如として試合会場へ乗り込んで来たのは、『陽だまりの貴公麗人』の異名を持つネーデルランド代表候補生、ロランツィーネ・ローランディフィルネィその人だぁあ!!
これは面白くなってきましたね、ルーシィさん?≫
≪えぇ!
これは楽しくなってきました!!≫
『『『ワァアアアアアアアッ!!』』』
唐突に試合へ乱入して来たロランツィーネを歓迎するかの様な実況をする解説者に煽られたか、観客席は万雷の拍手と大歓声に包まれた。
一方、この歓声が否が応でも耳に入る春樹は「ふざけんじゃねぇよ!!」・・・と、心の中で大きく大きく叫んだ。
しかし、確かに彼が思っている通りロランツィーネのやっている事は、完全にルール違反なのだ。
春樹が憤るのも無理はない。
「あの・・・さ?
解っとるとは思うんじゃけどさ?
アンタ、自分がルール違反規定違反してるの解っとるよね?
失格に加えて厳正な罰が降るんじゃね?」
「もちろん。
たぶん・・・いや、確実に僕には厳しい処分が下されるだろうね。
でも・・・別に僕は構わないのさ!
君の様な残虐非道な男から彼女を守れるのならね!!」
春樹は頭が痛くなって来た。
二日酔いとは違う別の痛みが脳漿を蝕んだ。
しかも・・・この感じ、どこかで
「一方的に・・・それもあんなに可愛らしい女の子に対して、あの仕打ち・・・・・許さない!
なんて酷い男なんだ君は!!」
「おい、待てや!」
指を差して自分を糾弾するロランツィーネに向けて、春樹は掌を見せた。
そして、辛うじて首の皮一枚つながっている理性を奮い立たせて
「なぁ、アンタの言っている事は少し・・・いや、かなりおかしいと思うんじゃけど?」
「うん?
どこがだい?」
「まず第一に・・・残虐非道じゃー、悪逆非道じゃーと云うが・・・そねーな事はしょーらんよ?
俺ぁ、ちゃんとルールに則ってISバトルに挑んどるんじゃけど?」
春樹が公式大会に出場するにあたり、IS統合対策部の面々は彼にISバトルの国際規定を学び直す様に言い聞かせた。
これは、春樹が今までの携わって来た対IS戦闘の須らくほぼ全てが
無人機にしても有人機にしてもが、確実に自分を殺しに襲い掛かって来るのだから
しかも相手の中にはIS搭乗者の生命を守る為の装置である筈の絶対防御を無効化し、彼の肉を切り裂き、骨を砕き、臓腑を穿った怨敵も居た。
・・・・・だがしかし、当たり前だが、公式戦は
実践形式の謳い文句はあれども絶対防御のおかげで攻撃がIS搭乗者へ届く事はないし、シールドエネルギーがゼロになれば、そこで試合終了。
生身のパイロットに追撃なんて以ての外だ。
それ故に芹沢をはじめとしたIS統合対策部の全員が、実戦
『清瀬・・・お前はバカだが、そこまで頭が悪いって訳じゃない。
だからわかっていると思うが・・・ぜっっっっったいに
・・・事ある度に芹沢から散々ばかり耳にタコが出来る程言われたセリフだ。
それは今回のヴァルキリー・アプレンティス大会において、春樹は『オーガ』なる異名を付けられたが、それより以前から彼には様々な異名が付いている事を・・・その異名が付けられるに足る
だからこそ・・・試合中、春樹はキッチリとルールの
文句を言われる筋合いなど一切ないのだ。
「んでもって、第二に・・・一方的とは言うが、俺は相手から仕掛けられたから仕掛け返しただけの事だ。
ツーか、ISバトルなんだから・・・殴り殴られ、斬り切られ、撃ち撃たれるのは当然じゃねぇか」
これも当然の言い分だ。
IS
その為にモンドグロッソなどの大小問わず国際試合や通常の模擬戦では、シールドエネルギーがゼロになるか、搭乗者が意識を失うと負けとなると規定されているのだ。
それ故にいくら春樹の戦い方が荒々しいとは言え、彼が糾弾される理由はない。
逆に言えば、春樹が男だからと・・・男にも関わらずISを纏ってISを纏う女を追い詰めていると非難する事が
しかし、彼の言っている事が
「・・・君は、どうして自分がこの大会に招かれたのか理解していないのかい?」
「・・・・・へぁッ??」
春樹は自分が発した疑問文が、あまりにも間の抜けた滑稽な声である事に驚いた。
しかし、彼が癪に障るのも無理はない。
その疑問文に対して疑問符で返される事も癪に障るが、何よりも癪に障ったのが、自分の顔を見ながら大きく溜息を吐いたロランツィーネの「やれやれ」顔だった。
「清瀬 春樹、君は『敗者』の役目を負う為・・・
「・・・・・・・・悪ぃ。
何言ってんのか、さっぱり何じゃけど?」
「やれやれ、これだから・・・・・まぁ、いいよ。
説明してあげようじゃあないか」
ロランツィーネは腰に手を当てて事の内容を話す。
まるで出来の悪い生徒へ対する高圧的な教師の様に。
「君が理解しているかは、この際どうでもいいんだけど・・・ISの登場によって、それ以前の既存の兵器は全部ガラクタと化したんだよ。
でも・・・ISの登場から十年以上経っても尚、未だ
誰かわかるかい?」
「大方予想はつくが・・・・・誰よ?」
「決まっているだろう?
君の様な野蛮な思考と蛮行しかできない男達だよ!」
ロランツィーネのいう事も一理あるだろう。
白騎士事件と呼ばれる歴史的一夜によって、世界的にその名を轟かせた世界最強の
既存の兵器を過去のものにしてしまった威力を持ちながらも
けれども勿論の事、この男尊女卑ならぬ
「
でも、彼らはそれが理解できていない!
まだ自分たちの力が通用すると思っている!!」
「・・・それが、俺がここに招かれた事と何の関係があるん?」
「あるとも!
君の登場によって、やっと下火になっていたヤツらの機運が高まって来た。
だから、ここでヤツらの出鼻をくじいておかないと!
ヤツらが・・・男がISを扱えたとしても、女達には敵わないって事を
決めポーズの様に指を差し示しながら威風堂々と謳い上げたロランツィーネに対し、春樹は後ろ頭をポリポリ搔きながら一つ溜息を吐く。
「しぃーッ・・・なぁ、一つ聞いてええか?」
「何かな?」
「別にサァ・・・それって俺じゃなくとも良くね?
むしろ・・・ISを
彼女の言う様に男性IS適正者の登場により、彼女達にとって
・・・言っちゃあ悪いが―――――
「・・・確かに。
君の言う通りだと思うよ。
だけど・・・主催者側は
ブリュンヒルデの
その代わり・・・清瀬 春樹、君なら別に
「・・・・・・・・・・・・・・・は?」
「世界的にも名高い世界最強のブリュンヒルデの弟君よりも・・・
「・・・・・」
「それなのに・・・それなのに君っていう男は!
恥ずかしくないのか、君は?!
ロランツィーネは憤慨している。
彼女としては、自分達の為に用意された筈のやられ役が、勝手な
・・・・・けれども・・・だけれどもだ。
「颯爽登場!」と現れて、相手を糾弾する事に
いや・・・いくら気付かず知らないとは言え、自分が侮蔑している相手がとんでもない
「・・・・・俺サァ、ちいとばっかし解った事がある。
彼女の言いたい事を静かに聞いていた春樹もまた静かに口を開いた。
身体から余分な力を抜く様に息を吐きながらゆっくりと黄昏るが如く。
「俺・・・いや、
「はぁ?
タイコウ?
ヒデヨシ?
なんだい、突然?」
「まぁ、聞いてくれ。
この秀吉って人物は、とても立派とは言えない卑賎な生まれの出で、おまけにチビで禿で顔は猿や鼠に似とったって話じゃ。
ここまでで聞こえは、でーれぇ悪いが・・・こんな男が天下をとった。
最下層の下民でありながら最上級の殿上人に成り上がった男じゃ。
・・・実は私、コイツの事あんまり好きになれなかったんよ」
『豊臣秀吉』
日本では立身出世を成し遂げた代表的な偉人として有名であり、かの高名な麒麟児・織田信長の仕え、その主君亡き後は信長に代わって天下統一を成し遂げた人物である。
そんな天下人たる秀吉を春樹は好きになれなかった・・・と云うより、どちらかと云えば嫌いな部類であった。
小説・映画などで語られる秀吉像は武将ながら愛嬌に満ち、武力より知略で勝利を得る陽的な人物とされる事が多いのだが、その実、政治的には利己的で冷徹な判断を下す醜悪で狡猾な漁色家であったのだ。
しかし、秀吉が利己的な事や冷徹な事や狡猾な事や醜悪な事やスケベな事が理由で嫌っていた訳ではない。
春樹としては、理由が特にない
・・・けれどもロランツィーネの話を聞く内、その「なんとなく」に理由ある合点が付いたのである。
それは―――――
「『同族嫌悪』じゃ。
私と秀吉は・・・ちょっと似とる。
あの禿鼠の助兵衛と私は、ちぃっとばっかし似とる」
春樹の心中には、どこか卑屈さがあった。
男でありながらISを使える事を非難される事や、雇われ大工の男と水飲み百姓の娘の間に生まれた自分の出自を揶揄される事や、勝つ為に手段を択ばぬ事を軽蔑される事を何度もされている為に彼の内面は更に
その自分の境遇を春樹は無意識に秀吉と重ね合わせいたのだろうか。
「さっきから何をブツブツ―――――・・・ッ!?」
ロランツィーネは目をパチクリさせ、更にそのオレンジ色の瞳を擦る。
されども春樹の周囲がぐわんぐわんと歪む
「グルルルルル・・・!!」
そして瞬きを一つした瞬間、目の前に立っていた筈の匹夫は、どういう訳か大きな大きな
「(―――ッな、なに今の・・・!?)」
あまりに突然な出来事に動揺したロランツィーネはバックステップするかの様に後退したのだが、もう一つ瞬きすると途端に彼女の前から巨躯を誇るドラゴンの姿は消えてしまう。
「・・・どうかしたのかい?
まるで
それに・・・急に俺と同じ目線に合わせてくれるなんて、どういう心境の変化じゃ?」
「なにを言って・・・ッ!?」
春樹に指摘されてロランツィーネは漸く自分が、宙に浮いているのではなく、アリーナ舞台の地に
「ッ・・・清瀬 春樹、君はいったい僕に何をした・・・!?」
心を乱された事で目を四白眼に一瞬だけだがカッと見開くロランツィーネに対し、春樹は自分の僅かに垣間見える口元へ両人差し指を当てて口端を上げて言い放つ。
「Smile Like You Mean It!」
「は・・・!?」
「おえんで?
敵を前にして、そんな不安そうな顔しちゃあよぉ?
笑っておくれよ、御嬢さん?
でにゃきゃ・・・
阿破破ノ破ッ!!」
ロランツィーネは不気味に感じた。自分の前で愉快そうに笑う白夜叉が酷く不気味に感じて溜まらなかった。
そんなまるで自分を嘲り笑う倒すべき敵に対し、彼女は口籠りながらも何か言い返そうとする。
・・・ところがどっこい。
「よー物を考えて喋れよ?
ロランツィーネはガチィッ・・・と、自分の身体が硬直するのを肌身に感じた。
『蛇に睨まれた蛙』とは正にこの事で、彼女の汗腺からジットリと嫌な汗が噴き出すのが直で理解できた。
そして・・・漸くそこで、自分が何に
「さて・・・もう御託はええじゃろう?
ロック調で構わなければよぉ!!」
「ッ・・・!?」
自分の鼓膜を揺さぶっていたビートを怪獣王からハード調の狂奔Remixへと変更した春樹は、上下に生えた
「―――・・・アタシ、抜きでいちゃついてんじゃないわよ!」
「「!?」」
ザッビィイ―――ン!と、ロランツィーネの背後から飛んで来て春樹の前へ突き刺さったのは、一本の青龍偃月刀。
この武装を使うのは、一人しかいない。
「まだ・・・・・アタシ、アンタに負けてないわよ・・・!
どきなさいッ」
唖然とするロランツィーネの肩を掴んで彼女を退かせたのは、この試合の
彼女は肩で息をしながらも、ヨタヨタと千鳥足で歩みながらも、自分が放り投げた青龍刀を舞台から引き抜く。
「はぁッ・・・はぁ・・・ッ!
さぁ・・・まだまだこれからよ、とっとと構えなさい・・・!!」
「・・・破破破破破ッ!」
春樹は奇妙な笑い声を上げつつ嬉しくなって小躍りの一つでも踊りたくなった。
今にも倒れそうな満身創痍の体でありながらも歯を食いしばり、輝きを失っていない目を自分に向ける子猫と揶揄った少女が
「ッ、な・・・何をしているんだ!?
早く僕の後ろに下がるんだ!!」
無論、乱音のまさかの行動に対し、ロランツィーネは
・・・ところがどっこい。
乱音はその手を振り払うや否や、キロッとロランツィーネへ三角にした目を向けたではないか。
「アンタ・・・アタシの邪魔してんじゃないわよ!」
「じゃ、邪魔だって!?
僕は君の事を助けようと・・・!」
「助ける?
誰もそんな事頼んでなんかないわ。
余計なお世話よ!
これ以上アタシの邪魔するんだったら・・・!!」
「ただじゃおかないから!!」・・・と、お礼どころか邪魔者扱いされた事に驚くロランツィーネへ乱音は舞台から引き抜いた青龍刀の切先を向けた。
この目の前で起こる不測の事態に大観衆のみならず、解説者達もざわざわ動揺の色を隠せずにいる。
すると―――――
「―――お忙しいとこ失礼じゃが、子猫ちゃんよ?
俺としちゃあ・・・仲良く二人いっぺんに相手してやってもええんで?」
諍う二人に対し、春樹は「おいでんせぇ、おいでんせぇ」とジェスチャーをする挑発的な態度を見せた。
勿論、小生意気なパフォーマンスが癪に障ったロランツィーネは「言わせておけば!」と自分の得物を構える。
「―――――引っ込んでなさい!!」
しかし、ここで轟いたのは乱音の拒絶の声。
そして、この叫びに「え・・・!?」と戸惑うロランツィーネを余所に彼女は青龍刀の刃を
「・・・ええんか?
折角、自分を助けに来てくれた
見ろよ、悲しい顔しちゃってさ」
「いいのよ。
これはアタシの・・・
お呼びじゃない相手に横槍いれられるなんて、願い下げよ!!」
「破破阿ー!
じゃってよ、オランダ人!
お呼びでないんじゃとさ!!」
「このッ・・・!!」
ケラケラ指を差して嘲り笑う春樹にロランツィーネは拳を握りしめたが、これ以上戦いへ介入する理由がなくなってしまった為、彼女は奥歯を噛み締めつつ踵を返すしかなかった。
「さて・・・子猫?
これからどうするよ?」
「決まってるじゃない・・・決着をつけるわよ!」
肩で息をしつつ乱音は構えをとるが、傍からどう見ても憔悴している彼女に春樹は「やれやれ」と首を振る。
「実力差が、まだ解っとらん?
オメェさんは・・・いや、
機体ダメージもDクラスぐらいか?
良識のある人間なら・・・ギブアップを勧めるじゃろうな」
そうやって上からものを言う春樹。
この物言いに普段の乱音なら歯軋りと共に金切り声を上げるだろうが、もうそこに居たのは生意気な小娘ではなかった。
「・・・冗談じゃないわ。
ここからがおもしろいんでしょ?
それにアタシ・・・・・もうアンタを見下したりしない。
悔しいけれど、認めるわ。
アンタは・・・
「・・・ほうか。
その台詞・・・もうちょっと早うに聞きたかったなぁ」
乱音が、自分の慢心や相手への軽蔑を捨てた事を察した春樹は少し
「清瀬流対決術、模倣の型竜式・・・『雷竜方天戟』」
するとバチバチバリバリ稲光と共に轟音を上げたエネルギーは、三国志において最強の名を欲しいままにした呂布奉先が愛用していた得物の形を象ったではないか。
「今一度、名を聞こう!
台湾の
「アタシの名は乱音・・・凰 乱音よ!」
「そうか!
我が名は、清瀬 春樹!!
この一撃を以てして、貴君を屠る者なり!!!」
春樹はぐるぐるぐるりと稲妻の方天戟を回し構えた後、それこそ落雷が如く乱音へ向かって駆け抜ける。
さすればガギィイン!と鉄塊が砕ける音が鳴り響き、後に残ったのは、砕けた刃の得物を握りしめた黒焦げ姿でありながらも膝を付く事のなかった少女と―――――
「
貴君を超えて、俺は次に行く!!!」
―――彼女を讃える言葉を述べつつも勝鬨を上げる少年の姿であった。
その異様でありながらも圧倒的な雄姿に魅入ってしまったのか。客席からも解説席からも歓声が上がる事がなく、その代わりに否が応でも試合終了を告げるブザー音がけたたましく鳴り響いているのであった。
・・・・・はい。という訳で今回は此処まで◆◆◆◆◆
…ワンサマー氏と和解すべきだと思う人ー?
-
はーい!!(^^)/
-
えー!?(・_・;)