※今回はグダグダ回となっておりますので、悪しからず。
そして、ハーメルンの復活ありがとうございます!!
ヴァルキリー・アプレンティス大会決勝戦で優勝の栄冠を頂いた清瀬 春樹の名は、一夜を待たずして全世界へと拡散する事となる。
正直な話・・・大会初日、誰も彼もこの男が万が一、
ところが、彼が試合を一つ一つ勝ち抜く毎に大衆の目は、みるみる内に変貌していくではないか。
今や最強の証たる『白』の鎧を身に纏う身の程知らずの
「こんばんわ。
情報ニュース、おっとくだねです。
まずはこちら!
オーストラリアのシドニーにて開催されたU-18ISバトル大会、ヴァルキリー・アプレンティス大会決勝戦!
その栄冠を頂いて優勝に輝いたのは、なんと世界で二番目にその存在が発見された
各局の報道番組では、どのチャンネルでも少々興奮気味なキャスターが大型モニターへ映し出されたヴァルキリー・アプレンティス大会中の試合映像と竜の様な鎧を身に纏ったISパイロットを紹介する。
どういう訳だか解明不明であるが、あの女性しか扱う事の出来ない史上最強の高速機動兵器インフィニット・ストラトスを
お高く留まった顔の良い美少女共の鼻っ柱を圧し折るサマなど正に”痛快”。
老いも若きも巻き込んで、少し
その彼が、ヴァルキリー・アプレンティス大会出場者達の健闘を称える晩餐会に出席するとの情報が大会運営関係者から大々的に発表された。
無論、世紀の大番狂わせを巻き起こした話題の男を一目見ようと晩餐会が行われる会場前には多くのマスコミやパパラッチ、それに大会の試合動向を観覧し、すっかり熱狂的ファンとなった野次馬達でごった返してしまう。
御蔭で現場を抑えんとするには依頼した警備員会社だけでは足らず、遂には警察当局まで駆り出される始末。
そんな騒然の会場前へ到着する各国の国旗が付けられた高級車の数々。
勿論、車内から降りて来るのは、自らの専用機を思わせる色の煌びやかなドレスと装飾品で着飾った麗しの
誰一人として例外なく第一級の美少女である彼女達は、パパラッチ共から照らされるフラッシュの閃きと周囲の大歓声の中を艶やかな華の如き微笑みで応えながらレッドカーペットを歩んで会場入りする。
「―――――ッ、来たぞ!!」
押すな押すなの騒がしい雑踏の中で、声高々に誰かが叫んだ。
その発した声と共に指示した先には、
「Ha・・・Haruki!」
「Haruki・kiyose!!」
「”VIOLET FAFNIR”!!!」
警備員や警官隊に抑えられながらもハイヤーの中へ坐しているであろう
そんなまるで夜間コンビニの殺虫灯へ群がる羽虫の様な群衆を連ねたハイヤーは会場入口前へと停車すれば、ガチャリと後部座席の扉が、緊張で手汗びっしょりのボーイによって開放された。
「―――――応ッ・・・こりゃあどうも」
すると開け放たれた扉から軽くペコリ御辞儀をしつつ出て来たのは、金眼四ツ目の仮面を被った噂の人物、清瀬 春樹その人だ。
彼の最早トレードマークとも言える古代中国の偉人たる蘭陵王を思わせるこの仮面だけで周囲の者達は「おぉッ・・・!」と圧倒されるのだが、今宵の清瀬 春樹は一際違う。
彼が身に纏っていた一張羅の上は、決勝戦で魅せた竜の意匠と同じ菫色の着物羽織で、下は竜鱗を思わせる鱗袴・・・名付けるならば、
その一見して余りに派手で
「あ、あのヴァイオレット・ファフニールこと清瀬 春樹選手!
一言頂けませんでしょうか!!」
「・・・阿ん?」
「偉業を成し遂げた清瀬選手の一言を是非に頂けましたら幸いです!!」
そんな
その花束の如き突き付けられたマイクへ向かって彼は、何か当たり障りのないコメントを言おうと幾何か一考した後―――――
―――◆―――
「―――清瀬・・・お前、あれはどうかと思うぞ?」
「まったくです。
日本の恥です」
「・・・・・はい、面目次第もございやせん」
晩餐会の会場へ先乗りしていた芹沢と金城の二人に春樹は会場外で自分が言ったコメントを責められていた。
「いや、あの・・・直前までミックスリストで聞いとったら出て来たんで。
その・・・つい・・・・・テヘぺろ!」
「バカかテメェ・・・ッ!」
舌を出して誤魔化す春樹の胸倉を掴んで歯軋りをする金城。
IS統合対策部広報班に所属する彼女がどれ程の気苦労しているのかが、少しは理解できる。
「でもすごいですよ!
さっきの若のコメントが、世界トレンド一位になってますだよ!!」
「生中継のカメラもあったからな・・・あのふざけた
変人奇人が露呈しちまったな」
「折角、アンタにはもっとこう・・・期待の新星にふさわしいイメージを考えていたのに・・・ッ!
「ごめんなさぁーい!
許してぇー!!」
試合中において見せた冷酷無比な面影は何処へやら。
春樹は悲鳴を上げて謝罪の言葉を述べると云うあられもない情けない姿を晒すが、ここは
幸いにも見ている人間は極一部に限られる。
≪―――――それでは、御登場して頂きましょう!
ヴァルキリー・アプレンティス大会優勝者ッ、ヴァイオレット・ファフニールこと・・・
清瀬 春樹ィイイッ!!≫
「おッ・・・我らが刃殿よ、
出番だ、出番」
「えぇー・・・行かんとおえんですかぁ?
もうバックレたいんじゃけども」
「バカ、もう遅いよ。
さっさと腹くくれ。
あと・・・もう好きにしたらいいんじゃないか?
いいよな、金城?」
「ッチ・・・・・はぁ~、もう好きにしてください。
グッズ展開計画は一から練り直しです。
もうさっさと恥の上塗りをして来てください」
「頑張ってください、若!!
『傾くなら、傾き通せ』ですぜ!!」
「ひ、酷ぇ・・・皆して他人事じゃあ思うて好き勝手言うてからに・・・・・!!」
「畜生め!!」と悪態を吐きつつ同僚からの叱咤激励(?)に背中を推され、春樹は黒澤映画の椿 三十郎の様に肩を怒らせて壇上へと赴いた。
―――◆◆◆◆◆―――
あぁ・・・大義ぃ。
あぁ、しんど。
なして・・・なして、こねーな事になったんじゃ?
〈単純明快な事だよ、春樹。
君が恋人の
ッチ、喧しいのぉ!
どーせ、掌クルクルさせた媚びり連中と喋りゃにゃおえんのんじゃろ?
し・か・も・・・酒が呑めんと来たもんじゃ!
折角、三ツ星料理レベルの御馳走が出るじゃあ云うんに!!
こねーな事になるんじゃったら・・・バニーガール
〈・・・・・ハァッ、もういっそのこと清々しい程に下劣な品性だな。
昔の君は、こんなのではなかったのだがな・・・どうしてこうなったか?〉
・・・普通に生きとるだけじゃあ経験出来ないような
お解り?
ツーか、知っとろうがな。
俺がどんだけ訳解らん連中とドンパチやって来たんかをよぉ?
それに加えて・・・アレじゃで、あれ!
人生で初めて出来た恋人・・・いや、もう今は俺の
〈ハァッ・・・わかっている、わかっているとも。
だから・・・この件に関してもう口を開くな。
だらしなくて見ていられん〉
ンもぉー・・・そっちから話を振っておいて、そりゃなかろーがな。
まぁ、ええわ・・・・・それよりもどーしたら良いと思う?
〈まったく・・・・・君のボス、長谷川代議士は何と?〉
「もう出てくれるだけでいいから!
スピーチの質とかがどーのとか言わないから!!」・・・って、言うとった。
〈ふむう・・・ならば、出るだけでは
芹沢技術員も「好きにしろ」と言っていたし・・・それならば、
存分にやる?
やるって・・・何をよ?
〈決まっているだろう。
闘いを征した勇者が、宴席の場で存分に
―――◆◆◆◆◆―――
「―――――お・・・おい出て来たぞ!!」
ヴァルキリー・アプレンティス大会出場者の健闘を讃える晩餐会の乾杯の音頭を任されたのは、同大会の優勝者にしてISバトル大会史上初の男性出場選手である清瀬 春樹。
その彼が満を持して登壇すれば、会場に居た全員の視線がそちらへ注がれるのは勿論。
現場の一部撮影が許されたカメラレンズも春樹へピントを合わせた。
「しぃー、よっしゃあ・・・!」
”丸に抱き柊”の紋付にすみれ色の羽織袴姿に意気揚々とした意気込み。
それにアップバンクにした雪の様な白髪と素顔を隠す金眼四ツ目の仮面が合わさり、尚余計
そんな春樹が、映画『椿 三十郎』の三船 敏郎が演ずる主人公・椿 三十郎の様に両腕を着物の中へ入れ込んで肩を怒らせた状態で現れた。
最早、異国情緒どころか
しかし、日本側・・・バックアップのIS統合対策部面々は特に周囲の反応に困惑した。「あの野郎・・・一体何を
・・・されどもこれは
『『『ッ!?』』』
「・・・・・えッ?」
「おいおいおいおいおい・・・!!」
なんとなんと春樹は招待客全員から見える場所へ立った途端、少し腰をかがめ、右手を前に左手を背後に回した昭和初期の任侠映画の
これには日本側のみならず、各国の招待客も口をあんぐりポカーン。
だが、当の本人は会場の空気など知るものかと続行する。
「手前、粗忽者ゆえに前後間違いましたる節は真っ平ご容赦願います。
向かいましたる御兄いさん、御姐さんには初のお目見えと心得ます。
手前、生国は日本国、作州美作で御座います。
稼業縁持ちまして、身の親と発しますは、日本国八州武蔵に住まいを構えます日本国政府所属の長谷川 博文に従います若い者で御座います。
持ちる姓は清瀬、名は春樹。
人呼んで、『ヴァイオレット・ファフニールの
稼業、昨今の駆出し者で御座います。
以後、万事万端お願いなんして、ざっくばらんにお頼申します!!」
晩餐会をサボろうとしていた者とは思えぬ程、春樹は用意周到にツラツラ言葉を並べ立てた。
その容姿の異様さとペラペラ次から次へと口から飛び出す勢いに周囲は唖然。
生演奏のBGMを奏でていたオーケストラも彼の口上に圧倒されて手を止めた為、会場はシーンと静まり返る。
そんな静寂を
御蔭で、否が応でも彼の声が大衆の鼓膜へダイレクトに轟く。
そして、再び自分に注意を向けさせれば、春樹は耳まで裂けるくらいに
「―――――さて、私の
それでは、皆様どうも初めまして。
御紹介に預かりました、今大会ヴァルキリー・アプレンティスにて栄光ある優勝を頂く事に相成りました日本代表の清瀬 春樹で御座います。
どうぞ良しなに」
誰も彼もを一瞬にして驚嘆させた春樹は、背中へ光り輝く
見る者からすれば、その光景は
そして、一連の彼の行いは、
―――◆―――
晩餐会会場へ響き渡る
その笑い声の発生源たる希代ISパイロットの清瀬 春樹の周囲には、彼と一言でも言葉を交わそうとワラワラ集まった各国政府関係者や各界の大物達。
彼等は春樹が壇上で垣間見せた不可思議な神経毒の様なカリスマに
そんな角砂糖に集る蟻んこの如き目の色を変えた人間達を春樹は妖しげな笑みを浮かべながら応対していく。
しかも
「
「えぇ、正にその通り!
「あなたこそ、
自分へ向けられる
「は・・・ハハハ!
こ、これは手厳しいですな!」
「も、勿論ですとも!
我々は胸襟を開いて、Mr.清瀬・・・ヴァイオレット・ファフニール殿を歓迎いたします!」
「・・・・・阿破破!
そりゃそうっすよねぇ。
本人を前に・・・
「あぁ、今のは勿論
まぁ、彼等もまさか極東アジアから遠路遥々
・・・だが、その
そして、それは
「―――――
「・・・阿”ッ?」
何も春樹の元へ集まったのは、各国政府高官や企業重役達だけではない。
煌びやかで
そんな美少女達の中から抜け駆けせんと飛び出し、春樹の腕を掴んだハーフツインのブロンド髪の少女。
「あぁ、オメェさんは・・・一回戦の」
「流石はハルキ・・・いえ、ヴァイオレット・ファフニールね!
それに私の事は、特別にセリーナでいいわ」
ヴァルキリー・アプレンティス大会第一回戦において彼と対決したスペイン代表にして前大会優勝者、”鋼の雌狼”の異名を持つセリーナ・アルバ・デ・エスコバルだ。
彼女は何ともフレンドリーに春樹の名を呼びながら彼の腕へ自身の豊満な胸を圧し付けていく。
しかもセリーナが着用している専用機と同じ黒銀の
こんな視覚的にも触覚的にも嗅覚的にも
かく言うセリーナも自身の抜群のプロポーションに確固たる自信があり、自分の今までの経験上こんな事をして喜ばぬ男はいなかったのである。
・・・然れども、彼女が相手にしている男は、とても一筋縄ではいかぬ
「・・・・・あぁ、そうかい」
「えッ、ちょっと・・・!?」
春樹は口端を吊り上げてはいるものの自分に纏わり付く
この今まで経験した事のない態度に彼女は呆気にとられてしまうのだが、「あぁ、きっと照れてるのね!」と再び春樹の腕を掴もうと手を伸ばす・・・・・その時―――――
ザシュッ!
「ッひィ・・・!?」
自分の伸ばした白魚の様な手が
その異常な衝撃に思わず手を引っ込めた彼女は、強張らせた表情と共に四白眼を目の前の男へ向けた。
「随分と気安いのぉ?
口角を上げてはいるものの糸切り歯をカチカチ鳴らして不満を露わにする春樹。
無論、明確な
春樹としては彼女の気安い態度にムカッ腹が立ったのもあったろうが、何よりも彼の癪に障ったのは、他の連中と同じ様に掌返しを決め込んだ態度であったろう。
何とも
それ故に彼はちょっとした
そして、この異様にリアリティのある殺気に耐える事が出来れば、彼女を許す事も考えていたのだろう。
されども・・・
「きゃッ・・・キャァアアアアアッ!!?」
自分の命を
この突然の絶叫と気絶に現場は騒然となるが、すぐさま駆け付けたスタッフによって迅速な搬送が行われたのだった。
「・・・ちょっと、アンタ。
あの女に何したのよ?」
担架で運ばれるセリーナを尻目に今の騒ぎで話題の渦中から抜け出す事に成功した春樹の袖端を抓んで引っ張るのは、虎の刺繡が施された薄桃色のチャイナドレスを身に纏う台湾代表にして第二回戦試合で彼と対戦した凰 乱音だ。
「ッ、ありゃ・・・!?」
「・・・アンタ、もしかして
「・・・・・破ッ!
冗談じゃ。
そう毛を逆立てるんじゃねーよ、”小猫”」
「ッ・・・だーかーらーアタシの事を小猫って呼ぶなぁ!
アンタのせいでアタシ、ネットで小虎猫って呼ばれるようになったのよ!!」
「なしてよー?
可愛いがん」
「ッ、か・・・かわいいって言うな!!」
「ムキー!」と怒りを露わにする乱音だが、気にせずに春樹は彼女を嘲笑う。
どうも乱音は、彼にとっては
そんな妹を揶揄う兄の様なやり取りを乱音とする春樹のすぐ傍隣へいつの間にか
「・・・・・楽しそうだね、春樹」
「ありゃ、シャルロットでないの」
「ふふふ♪」と
「とても表彰式の後で、ちょっといなくなった人とは思えないよ」
「まぁ、あのまんまバックれるつもりじゃったんじゃけどな。
美味い料理はあるが・・・それに合わせて
「・・・ほんと、春樹ってば
日頃から飲み過ぎて、脳内神経が数えるくらいしかないのかなぁ~?」
「・・・悪かったよ、ごめん。
サマードレス、似合うとるよ。
やっぱりシャルロットは品が良いのぉ」
春樹は平謝りと共に猫撫で声を発するが、シャルロットは「ぷんッ!」とそっぽを向いてしまう。
・・・だが、そっぽを向いた先の彼女はニマニマ「えへへ♪」と嬉しそうに両頬を掌で抑えた。
こうは言うては何だが・・・何とも
「・・・・・ちょっとアンタ、この女、誰よ?」
そんな二人のやり取りが、
「んぁ?
あぁ・・・ここに居られる御方は、あのかの有名なIS関連製品シェア世界第三位を誇る大企業デュノア社は社長令嬢のシャルロット・デュノア様であらせられるぞ!
控え居ろう!!」
「ちょっと春樹!
なんでそんなに仰々しいのかな!?」
「そんでもって、こっちゃあ二回戦で俺と戦った台湾代表の凰 乱音さん。
鈴さんの従妹なんじゃと。
でぇれー似とると思わん?」
「ちょっと!
何でアタシはおざなりなのよ!!」
紹介に預かられた二人は春樹へ文句を言うのだが、すぐに彼を間に挟んで互いを観察し始めるシャルロットと乱音。
「(鈴と同じ『凰』って苗字だったけど・・・そうなんだ、従妹なんだ。
だからこんなにも似ててるんだ。
それに・・・・・可愛い!
アジアンビューティーって感じがする!)」
「(あのデュノア社の社長令嬢ですって!?
ま・・・まぁ、そんなのどうだっていいんだけど!
でも、肌も白くて綺麗でアタシより胸も・・・こいつもこんなのが・・・・・って、どうしてこいつの顔色を窺わなくちゃならないのよ!!)」
「んぁ?
何ならな小猫?
腹でも痛いんか?」
二人の読み合いなど露も知って知らずか。
晩餐会の三ツ星料理を立ったまま「酒が欲しい。今の気分は芋焼酎じゃな」と呑気にオージーローストビーフを頬張っている。
けれども、ここで仕掛けたのは乱音であった。
「・・・ねぇ、アンタ。
アンタ、このシャルロットって子と
「ッ、ぅグ!?」
思わぬ発言によるのものか、はたまた肉にかけられた山葵ソースが思ったよりもワサビが強かったのかは知らぬが、口籠ってしまう春樹。
これにはシャルロットも「え!?」と動揺するが、すぐに気を取り直して「フフン」と鼻を鳴らす。
「そ、そうだよ!
ボクと春樹は
「説明すると長うなるような関係なんじゃよな」
「は・・・?
えっ、ちょっとどういう事?
つまりは・・・付き合ってないって事?」
「違うよ!
ボク、春樹が好きなんだ!!
それに何度もキ・・・キスだってしてるし!!
だ、だけど・・・えっと、その・・・・・うぅぅッ、はるきぃ!!」
色々と説明が居る関係の春樹とシャルロット。
然れども簡単には説明できぬ状況にシャルロットはヤキモキと春樹の袖を掴んだ。
「泣くなやぁ。
まぁ・・・
「ッ、部外者って・・・・・!」
春樹はべそをかくシャルロットの頭を撫でつつ何の気なしに述べた
そして、凰家の血筋からか湧き上がる自分でも意味不明な激情が心から湧き上がり、彼女はそれを目の前の男に―――――
「―――ッ、阿”!!?」
「・・・春樹?」
爆発寸前の乱音を強制停止させる様に彼女の前へ自分の掌をやった春樹は、その手とは反対方向へ顔を向けて表情を
「・・・・・破破阿ー!!」
「え・・・!」
「ッ、そんな・・・!?」
Smile like mean itともSmile like ”meanit”とも見受けられる口角の吊り上がりと金眼四ツ目の仮面から零れる金の焔に乱音は驚き、彼の様子からこの会場へ居る筈のない人物が居る事をシャルロットは察した。
そんな二人を尻目に春樹は駆け出す様に、
「―――・・・やはりお前は鼻がいいな、Mein Betrunkener」
するとどうだろう。
彼が足を向けた先には、小柄ながらも今宵の夜空の如き銀の星を散りばめたサマードレスを身に纏い、露出であろう素肌部分をレースタイツで覆った一人の貴婦人が佇んで居るではないか。
その貴婦人は、上記の煌びやかではないものの人目を惹くサマードレスに加え、流星の様に輝く長く美しい”銀髪”を有していた。
しかし、何よりも特徴的だったのは、春樹が装着しているものと酷似した
この異様な仮面姿の御蔭で、周囲の紳士達は彼女に声をかけるのを躊躇っていたのであるが―――――
「―――勿論よ。
君からは美酒にも似たとても甘美な香りがするからね、私の
そう気障な台詞を吐くと共に春樹は仮面の貴婦人・・・ラウラ・ボーデヴィッヒの手の甲へ唇を落として自分の腕を出せば、彼女はその腕を掴んだ。
噂の伊達男と突如として晩餐会に現れた謎の淑女が示し合わせた様に手に手を取り合ている。
この仲睦まじい二人の金眼四ツ目の仮面紳士淑女のカップリング姿に周囲が静かなれども確実にザワつくのも無理はなかった。
そして、必ず今宵のこの一幕は話題になるであろう。
「・・・・・どうしてここに君が居るのかな、ラウラ?」
ムスッと眉を潜ませるシャルロットの疑問符にラウラは少し口端を吊り上げて答えてみる。
「コイツ・・・春樹が晩餐会へ出席する様に浅沼さん達に説得されてな。
その対価として、私も晩餐会へ出席できるように取り計らってもらったのだ!
しかし・・・まさか、こんなにも美麗なドレスを着させられるとは思わなかったがな。
やはりこういう場は、私は軍服の方が・・・・・」
「何を云よーるんでぇ!
めちゃんこでぇれー・・・綺麗じゃ。
じゃけども・・・なして、レースのタイツみたいなもんを着とるんなん?
しかも俺のスペアのマスクまで被ってからに。
俺としちゃあ周りの下郎共に君の素肌が見られんで安心じゃけども」
「そ、それは・・・・・それは、お前が・・・ッ!」
「阿ん?」
「春樹ッ・・・お前が私の体のあちこちを
それにこのマスクは、お前に
頬を朱鷺色に染めてラウラはポコポコ春樹へラッシュを叩き込むのだが、彼女の言った言葉の意味を理解した春樹は「阿破破破ッ!!」と嬉々として奇天烈な笑い声を響かせた。
それはシャルロットも同じだった様で、予想はしていたが、表彰式と晩餐会の間の時間に春樹とラウラの二人が
「ちょ、ちょっとラウラ!
ず、ズルい・・・ズルいよ!!
今は
「ズルい?
シャルロット、私はお前が春樹の
それに・・・春樹の方から私を
断る理由がない」
「ッ、ラウラ!!」
「ふふん♪」と鼻を鳴らすラウラにシャルロットはハラワタが煮えくり返る思いがしたが、すぐにラウラは彼女と距離を詰めてそっと耳打ちをする。
「その代わり・・・
それで構わないか?」
「ッ、ラウラ・・・!!」
口端を吊り上げつつラウラは「上手くやれよ!」と云わんばかりにシャルロットの肩を叩くのであった。
「・・・・・ねぇ、ちょっと」
「「「え?」」」
「いつまでアタシを蚊帳の外にするつもり?
誰よ、このチンチクリンは?」
目をやれば、不満を露わにする猫の様にしたーんしたーんと尻尾を揺らす様子がうかがえる乱音が腕組みをして三人を睨んでいるではないか。
そんな彼女に対し、春樹とシャルロットはそれぞれ指をラウラへ差して言い放つ。
「俺の可愛い
「私の頼りになる
「・・・・・・・・・・・・・・・はッ??」
二人が何を言っているのか乱音には意味が理解できず、宇宙ネコの様に目を点にしてポカーンと呆ける。
そんな彼女に対し、ラウラはしたり顔で胸を張ったのだった。
「むふーん!
まぁ、そう言う事だ鈴のそっくりさん!!」
「あぁ、ラウラちゃん。
こちらその鈴さんの従妹の凰 乱音さんじゃ」
「そうか。
二回戦では、私の
「・・・・・・・・は??」
・・・当分の間、乱音の宇宙ネコ状態は続いたと言う。
・・・・・はい。という訳で今回は此処まで◆◆◆◆◆
…ワンサマー氏と和解すべきだと思う人ー?
-
はーい!!(^^)/
-
えー!?(・_・;)