『恋と戦争においては全ての戦術が許される』
十六世紀から十七世紀イギリスの劇作家であるジョン・フレッチャーは『恋人の遍歴』においてこの様な格言を残している。
意味合いとしては、想い人との恋を成就させる為には戦争に勝利する為と同じ様にどんな手段をとっても構わないという考えを表しているのだろう。
・・・然して、ご存知の様に必ずしも道徳的に正しい行為を推奨する言葉ではない。
倫理的に問題ある物事を正当化する危険性は大いにある。
特に戦争においては顕著ではなかろうか。
戦争結果の『勝利の為』という大義名分の為に一体どれ程のまでの数え切れぬ多くの若い命、無垢なる命、尊い命が業火と鉄の嵐によって―――――
―――・・・いや、色々と長くなるので割愛させて頂く。
ここで議題として上げたいのは『恋と戦争』における『恋』の方である。
一つ上の兄が進学先の中学校で出会った
だが、この男というのが、生まれながらの容姿端麗さを有し、知ってか知らずか異性をときめかせる天然ジゴロな言葉を発する飄々とした掴みどころのない性格をしていたのだ。
おかげで彼に好意を寄せる女子は非常に多かった。
けれどもこの男、蓋を開けてみれば周囲が呆れるぐらい
そんな泣かした女は数知れずな男・・・何処かの
・・・しかし、そんな兄の心配など露知らず、彼女は自分と同じ様に男へ想いを寄せる
ところがある日、その日々は男が
世界初の男性IS適正者として見出された彼が一般校に通う事など無論許される事ではなく、IS学園への
この事は彼女には大変ショッキングな事柄で、正に生肉ドレスを着て
しかもIS学園には中学時代最大の恋敵はおろか、小学校時代に男と泣く泣く別れた幼馴染までいると云うではないか。
けれどもそんな恋敵達と
それ故に大いに危機感を抱いた彼女はエスカレーター式に高等部へ進級する事を取り止め、IS学園へ入学する事を決めたのである。
幸いにも彼女のIS適正は十分であり、中等部在学中は生徒会長を務める程に優秀であった。
更に言えば、前述した通り、彼女の想い人は『唐変木・オブ・唐変木ズ』と呼ばれる程に恋愛事に疎い。
その為、一年のブランクなどあってないようなものだと少女は
・・・・・だが、
別の言い方をすれば、
「うっ・・・うぅ・・・・・い、いちかさぁん・・・!」
五反田食堂の看板娘、五反田 蘭は世界初の男性IS適正者とされる織斑 一夏に恋慕を寄せる乙女である。
されども彼より年下であった故、恋敵達と同じ土俵に立つ為にIS学園への入学を目指していた。
元々、地元でも有名な私立女子校聖マリアンヌ女学院中等部において生徒会長を務める程に優秀で、IS簡易適正試験においてもA判定を出す蘭は悠々とIS学園合格の切符を勝ち取った。
あとは入学式を待つばかり・・・だったのだが、ここで青天の霹靂が巻き起こる。
その霹靂とは、あの一夏に
しかも蘭はそれを人伝に聞いた訳ではない。
よりにもよって彼女の実家である五反田食堂に一夏は自分の恋人、サラ・ウェルキンを連れて来たのである。
誰も彼もが一目見て認める美少女で、尚且つ自分が絶対に持ちえない
幸いにも彼女の兄・五反田 弾の機転により、惨めで情けない姿を想い人に見られる事はなかったが、一夏を
何の前触れもなく濁流の如く襲い掛かって来た無念、悲哀、羞恥、憤怒といった様々な感情は、容赦はおろか躊躇もなく彼女の心をズタズタに引き裂いてしまう。
明るい映画色に彩られた未来を吐しゃ物で汚された例え様のない
その押し殺した悲痛な泣き声は、彼女の家族の心までも曇らせてしまう。
特に蘭を溺愛する祖父・五反田 厳は、目に見えて日々憔悴していく孫娘の姿に心を痛めた。
そのせいかどうかは不明だが、五反田食堂の味が明らかに
これはイカンと食堂は一身上の都合で休業したのである。
まさか蘭の失恋によって五反田食堂存続の危機に陥れられるとは思ってもみなかった弾は、状況打破の為に考えを巡らせた。
その巡らせた結果と言うのが―――――
「―――・・・いや、私にどうしろって言うのよ?」
中学校時代からの友人で、蘭と同じ様に一夏に思いを寄せていた凰 鈴音を頼ったのである。
「頼む!
じーちゃんの声も母ちゃんの声も・・・ましてや俺の声なんて届かなくてさ!
もう何日も部屋にこもったままで・・・心配なんだよ!!」
「あのね、弾・・・私も一応、失恋中の身なんだけど!?
傷の舐め合いでもしろっていう訳ッ?」
「私からもお願いするわ、鈴ちゃん。
お話しようにもあの子ったら部屋から一歩も出てこないし・・・」
「儂からも頼む!
もう鈴坊ぐらいしか頼めねぇんだ!!」
「蓮さんに厳じぃまで・・・!
あぁ、もう!
わかったわよ!!」
五反田一家の懇願に気圧されてしまい、鈴はため息交じりで了承した。
しかし、彼女は弾から電話で五反田食堂で出す試作品の試食という面目でここへ呼ばれたのだが、どうせこんな事だろうと心中察していたのである。
それならば、何かに理由をつけて断れば良かったのだろうが、鈴としては何か思う節があったのだろう。
食堂上階にある生活エリアに上がった彼女は、トントンと蘭の部屋へノックをした。
「蘭、いる?
私よ、鈴」
「・・・・・・・・りん、さん?」
襖の向こう側から聞こえて来たのは、しゃがれた声色。
大方、昼夜と問わず泣いた為であろう。
「どうして・・・りんさんが、ここに?」
「弾から呼ばれてね。
あんたが部屋から出てこないって・・・蓮さんと厳じぃも心配してるわよ?」
「ぐスッ・・・いいです、ほうっておいてください。
ほんと、大丈夫ですから・・・!」
鼻をすする音と共に発せられた強がりに鈴は一つ溜息を吐いた。
そう言えばと彼女は思い出す。そういえば自分も蘭と同じ様に強がって、自分だけで抱え込んでにっちもさっちもいかなくなっていた時の事を思い出す。
―――――「阿ッ破ッ破ッ破ッ!!」
そして、思い出す。
あの奇妙奇天烈で、悍ましくも心地の良い
その声を思い出した時、鈴は思わず片口端を引き上げた。
困った様に、嬉しそうに歯を見せたのだ。
「・・・蘭、これだけは知っておいて欲しいんだけど・・・あんたは一人じゃないのよ」
「え・・・?」
「蓮さんも厳じぃも・・・弾だって、あんたの事を心配してんの。
だけど一人で抱えるのは勝手よ、好きにしたらいいじゃないの。
たくさん泣いてもいいのよ。
でも・・・でもね、あんたは一人じゃないから。
それだけは、それだけは覚えておいて」
「・・・・・」
「あと、これ経験談なんだけど・・・寒くてお腹が減ってると嫌な事ばっかり考えちゃうから。
体を温めてしっかり食べなさい。
いいわね?」
襖の向こうから答えが返って来る事はなかったが、鈴はそれだけ言うとさっさと下の階へと降りていく。
蘭としては、彼女の勝気な性格を知っている故に一体どんなキツい事を言われるのかと身構えていたのだが、意外にもあっさりとした内容に拍子抜けと言えば拍子抜けであった。
然して、彼女は考える。
鈴とて自分と同じ男に懸想し、失恋をした筈なのに・・・と。
「鈴!
蘭はどうだった!?」
「鈴坊!!」
「えぇい!
黙ってなさい、男ども!
大体あんた達は構いすぎなのよ!!」
蘭の部屋から戻って来た鈴に蘭の様子がどうだったかと眉間にしわ寄せた弾と厳が詰め寄るが、これを彼女は一掃する。
「だけど鈴ちゃん・・・!」
「大丈夫よ、おばさん。
今はちょっと元気ないけど・・・私、蘭なら乗り越えられるって信じてるから」
「鈴ちゃん・・・そう、そうよね!
あの子なら大丈夫よね、きっと!!」
心配そうな表情を晒す弾と蘭の母・五反田 蓮は鈴からの励ましの言葉によって幾ばくかの明るさを取り戻す。
「鈴・・・お前って、すげー強いよな」
「は?
何よ、突然?」
「だってさ、お前だって一夏の事が―――――
「コラッ、弾!!」
「このバカ!!」
―――あっでッ!?」
ケロッとしている鈴の様子を不思議に思ったのか、デリカシーのない言葉を吐きかけた弾に対し、蓮は声を上げて、厳は彼の頭へゴチンと拳骨を落とす。
「すまねぇ鈴坊!
うちのバカ孫が!!」
「鈴ちゃんだって辛いのに・・・弾、あんたって男は!!」
「わ、悪い鈴!!
俺、お前の事なんて考えないで・・・!」
「・・・いいのよ、別に。
私は蘭と同じで・・・
少し気持ちがわかるだけ・・・強くなんてないわ、全然」
「え?」
「ううん、なんでもない!」
鈴がつづった言葉を弾は理解する事は出来なかった。
彼女とて一夏がサラと言う恋人を作って大変なショックを喰らい、今の蘭以上に荒んだのだ。
それこそ周囲からは陰口を叩かれた事もあってか、酷く塞ぎ込んで「もうどうなってもいいや」と絶望に飲み込まれてしまっていた。
しかし、そんな時にあの男・・・”
―――――「こんちわーっす!」
「え?」
ガラガラリと食堂の引き戸を開けると共に聞こえて来たのは、聞き覚えのある声。
その声に反応したのは、鈴だけではなかった。
「え!?
清瀬さんじゃないですか!
どうしてここに?」
「応よ、五反田くん。
前に布仏先輩から場所を聞いてたんでね。
IS統合部の近くじゃったけん、こうして食いに来たって訳よ!
阿破破ノ破!」
ケラケラ奇怪に笑う白髪に厳つい眼帯をした男と親しそうに話す息子に蓮は恐る恐る問うてみる。
「ちょっと弾、こちらの方は?」
「あぁ、この人はえーと・・・」
「どうも五反田くんの
私ゃ、清瀬 春樹いうもんです。
五反田くんとは・・・彼の
「あッ、ちょっと清瀬さん!!?」
訛りが強い白髪眼帯男、もとい清瀬 春樹の放った文言に蓮と厳は目を丸くして互いに顔を見合わせた。
「な、なに!?
彼女だと!!?
彼女って事は、恋人って事か?!」
「ちょっと弾!
あなた、彼女って本当なの!?」
「ありゃ?
何か変な事言うたか、俺?」
「どうも弾ってば、虚さんの事を秘密にしてたみたいね」
「あら鈴さん!
何でここ居るん?」
「いや、ちょっとね・・・」
まさか春樹と鉢合う事になると思ってもみなかった鈴は微妙な表情を晒す一方で、彼女がいる事が身内にバレた弾は母と祖父からの「どういう事だ!?」と質問攻めにあっていた。
「おい春樹、何かあったのか・・・って、鈴ではないか!」
「あっ、ホントだ!」
「奇遇ですわね、鈴さん」
「今日は色々な人と会う日です!」
「お姉さま、今日はここでランチをいただくのですか?」
「そのようですわね」
「え!?
みんななんで・・・って、ブランケット先生にエクシアまで!?」
突然現れた春樹の背後からゾロゾロ現れた一団に鈴は目を白黒させる。
実はIS統合対策部の整備室で行われた次世代新型量産IS機体の一件の後、春樹の威光によって
その際、弾の恋人である布仏 虚から弾の実家である五反田食堂の場所を聞いた為、それならば挨拶ついでに昼飯をとろうという事になったのである。
「ありゃまぁ!
五反田くんのお姉さんじゃのーて、お母さんじゃったんですか!
こりゃ失礼しました!
随分とお若いんで、勘違いしちまいましたわ」
「まぁ、お上手です事!
何でも頼んでくださいね!」
「ええんですか?
じゃあ俺、キリンクラシックラガーの瓶を―――――」
「やめんか春樹!
すいません、お店を閉めているにも関わらず勝手を聞いて頂いて恐縮です」
突然の来訪したにも関わらず、快く招き入れてくれた五反田食堂において昼食会が行われる事となった。
「なんだかとっても楽しみですわ!」
「私もこういう所でお昼を頂くのは初めてです」
英国人のエクシア・ブランケットは兎も角、日本の旧華族出身の四十院 神楽にも初めての経験だったらしく、
「春樹、ここではどういうものを頼めば良いのだ?」
「うーん、そうじゃのぉ・・・五反田くんよ、おススメは何があるん?」
「じーちゃんの作るものは何だって美味いっすよ!」
「弾!
答えになってんねぇんだよ、ベケ野郎!
そっちのお嬢ちゃんには、お子様ランチでも良いか?」
「ん?
お兄さまお兄さま、お子さまランチってなんですの?」
「おうエクシアよ、お子様ランチってのは特別で美味しいもんよ!
大将ありがとうございます、サービスして頂いて!!」
「ありがとうございますですわ!」
ニッパーとあっけらかんとした笑顔でお礼を言う春樹とエクシアの二人に厳は照れ臭そうに鼻を鳴らす。
そんなこんなで頼んだ料理が行き渡れば、皆はその味に舌鼓を打った。
ちなみに厳お手製のお子様ランチはエクシアには好評で、後々これがレギュラーメニューとなってテレビ番組で紹介されるのは別の話。
「いやー、ごちそうになりました。
ビール飲めんかったが、美味かったっす!」
「一言余計なんじゃないかな春樹?
君、僕たちと同じく一応未成年なんだから」
「んもぉ~。
一本、二本ぐらい飲みたいんじゃけどぉ?
しっかし、美味いカツ丼じゃったわぁ」
「え・・・清瀬さん、あなた学校の先生じゃないのですか?」
「おばさん、こいつ私達と
っていうか、クラスメイト。
聞いた事ない?
「ッ、えぇ!?
ヴァイオレット・ファフニールって・・・えッ!!?」
「この白髪小僧が、あの暴れん坊だって言うのか!?」
春樹の正体に驚いた蓮と同じ様に厳は目を丸くしてジロジロと彼を見た。
突如として現れたISの登場により、自分達は偉いのだと
当初は一人目の男である一夏の影となって息を潜めていたのだが、年の初めに行われた国際大会において無双の強さでもって優勝を勝ち取ったのだ。
その優勝までの過程というのが実に痛快であり、春樹の活躍を見た世の紳士諸君らは日頃の鬱憤が晴らされる様で爽快であった。
かく言う厳もその一人で、彼らの仲間内でも
そんな今の世の老いも若いもの男性諸君にとってある意味
「あ、あの・・・何か?」
「(・・・なんだ、この老いぼれ?)」
だが、まさか自分が世間の野郎共から自分が思っている以上の羨望の眼差しを向けられている事など露も知らない春樹は、厳から怪訝な目で見られている事に非常に戸惑った。
これは彼の顔が下手なヤクザ者よりも強面であった為、余計に圧迫感が感じられてしまい、春樹の近くにいたラウラは恋人が睨まれているのではないかと警戒心丸出しとなってしまう。
「あっ、あーっと!
うちのじーちゃん、清瀬さんのファンなんですよ!
じーちゃん、折角なんだし清瀬さんにサインもらおうぜ!!」
「このベケ野郎・・・!」
「ッ、なんで!?」
そんな彼女の機微を察してか、弾が慌ててフォローを入れるのだが、照れ隠しの厳の拳骨がガツンと炸裂する。
しかし、孫の頭を揺らした後、厳は厨房へ引っ込むと同時に弾へサインペンを放り投げたではないか。
「え!?
俺のファンじゃってッ?
マジで言ってくれてんの五反田くん!?」
「なんだ・・・そんな事か。
良いではないか春樹。
サインの一つでも書いてやれ」
「そうだよ春樹!
ファンってのは大切にしないとね!」
「えぇ・・・じゃけど俺、サインなんて書いた事ないんじゃけど?
カッコええ筆記体で書けんでよ??」
「構いません!
って言うか、逆にプレミア感が出ますって!
あのヴァイオレット・ファフニール、清瀬 春樹が最初に書いたサインって事で!
サイン色紙なんてものないんで、この作業服に書いて下さい!!」
「お、応。
そねーに言うてくれるんなら・・・」
ファンにサインを求められると言う人生で初めての出来事に戸惑いつつも春樹は慣れぬ手付きで弾から手渡された新品作業着へサインをつづった。
そして、これを羨んだエクシアが自分も欲しいと言ったのがキッカケとなり、それならば自分もとラウラやシャルロットを始めとした面々が彼のサインをねだる羽目となる。
これまた予想外の展開に春樹は再び戸惑うが、悪い気になる筈など全くなく、ニマニマ照れ笑いを浮かべて求められるがままサインを書き綴った。
「いや、何か・・・自分がスターにでもなったみたいで、こっ恥ずかしいのぉ!」
「何言ってんですか!
清瀬さんはスターですよ!!
俺の周りの連中も言ってますよ、ヴァイオレット・ファフニール・・・清瀬 春樹はスゲーって!!」
「破破ッ!
そいつは嬉しいが・・・五反田くんお前さん、そねーな事言うて、あの織斑に反感買わねぇか?」
春樹の指摘に弾は「うっ!?」と眉をひそめて口を僅かばかりへの字にしてしまう。
彼は春樹と一夏が犬猿の仲であるという事を知っていたし、一夏から春樹がどれだけ卑怯卑屈であるかの愚痴を聞いていた。
しかし、弾は実際に会った春樹が自分と虚との仲を取持ってくれていた事も理解していたし、虚から僅かばかりであるものの彼の気立ての良さや武勇を聞いていたのである。
しかもそれに加えて、弾は最近の一夏に
・・・ちなみにこの上記の一件で蘭を泣かした事により、五反田食堂常連客達は日頃から溜め込んでいた見過ごしていた不満感を爆発させ、一挙一転して一夏アンチと成り果ててしまっていた。
そんな事もあってか、一夏の親友を自負していた気まずそうに苦虫を嚙み潰した様な弾へ春樹は奇天烈な笑い声を上げて彼の肩を叩く。
「悪ぃ、悪ぃ。
ちぃとばっかし意地悪な
ごめんなさいよ」
「別に清瀬さんが謝らなくても・・・気にしないでください!」
「ほうかい?
ならええんじゃけど・・・五反田くんよ?
前から気になっとったんじゃけども・・・」
「はい?」
「なして敬語なのよ?
あの俺とお前さんって、タメよ。
俺、鈴さんやお前さんと同じ同世代のティーンエイジャーでよ?」
「えぇ・・・でも俺と違って清瀬さんは、スゲーじゃないですか!
それに一夏に比べても俺は・・・ッ」
弾とて春樹と自分が同年代という事は知っている。
けれども何の取得もない自分と二人目の男性IS適正者で今や世に知られたISパイロットと名高い春樹を前にするとどうしても気が引けてしまう為、無意識に彼との距離をとっていたのだ。
―――――・・・そんな男の
「・・・なぁ、五反田くん・・・・・いや、
「え?
あ・・・は、はい?」
「ちょっとお前さんにピッタリだと思う
耳まで裂ける程にニッカリと口元を三日月にし、金色に燃える焔を瞳へ宿しながら・・・ここへ来た
◆◆◆◆◆
「―――――ッ、ハ・・・!!?」
窓辺から夕日が差し込む仮眠室の簡易ベッドの上でジブリル・エミュレールは目を覚ました。
彼女は意識を取り戻した途端に起き上がるのだが、頭へ響く鈍痛と酷い不快感が胃の腑から込み上げてくる。
自分が成人した際、親戚から飲みたくもない酒を勧められて断れずに飲み干した翌日の様な不快感が体へ圧し掛かって来たのだ。
「うッ、うぅ・・・!
い、いったい・・・なにが・・・!!」
「おや、やっと目が覚めたようですね」
二日酔いの様な症状に苦しむジブリルへ声をかけたのは、気怠そうに口元を歪めるパンツルックスーツに身を包んだ長身の女性。
彼女の登場にジブリルは患部を抑えながらも警戒態勢をとる。
「な、何者・・・!?」
「そう体を強張らせないでください、ルクーゼンブルクの近衛騎士さま。
「あの男?
毒気・・・?
ッ、
ジブリルは自分の身にあった出来事を思い出した。
異様な熱狂が支配した部屋に存在した禍々しく悍ましい程に輝いていた
その悪夢の様な現実をフラッシュバックさせた彼女は、すぐさま自分の主君ルクーゼンブルク公国第七王女アイリス・トワイライト・ルクーゼンブルクの安否を察する。
「大丈夫です。
王女様は貴女よりも大分早く目覚めて、他の
「は、はぁッ?
き・・・貴様、何を言って・・・!?」
「兎に角、貴女の主君は無事って事です。
あぁ、ご紹介に遅れました。
私はIS統合対策部で広報と諸々をやっている金城 沙也加ってもんです」
未だ動揺に身を震わすジブリルに金城はお構いないで彼女の前へパイプ椅子を展開して腰を据えると気怠そうな目を向けながら尋問の様に単刀直入で
「答えられる範囲で構いません。
ですが、答えて頂こうか。
どうしてあのキチガイうさぎ・・・もとい、ISの発明者である篠ノ之 束博士がルクーゼンブルク公国に長い間滞在していたのでしょうか?」
・・・IS統合対策部において
・・・・・はい。という訳で今回は此処まで◆◆◆◆◆
小池ルパンの集大成・・・面白かった!
特に先代次元と今代次元に感動ッ!!
…ワンサマー氏と和解すべきだと思う人ー?
-
はーい!!(^^)/
-
えー!?(・_・;)