日本には『清姫伝説』なる伝承があります。
調べてみると・・・その・・・・・男女の関係って昔からアレだなって思います。
もうちょっとサクサク作品を書きたい今日この頃。
織斑 一夏は激怒した。
本来ならば今日この時は彼にとって・・・いや、
思いを通じ合わせた初めての大切な
・・・・・
「お前っ・・・お前は!
お前だけはぁあああああッ!!」
自らのIS白式の白鎧を纏うや否や、一夏は憤怒の感情を猛り狂わせて幾多の修羅場を共に駆け抜けた愛刀たる雪片弐型を抜刀する。
その青白く光り輝くエネルギーに包まれた
「
周囲には雪片弐型のエネルギーによって蒸発した血が鉄臭い。
「サラ!
おいッ、サラ!!
しっかりしてくれっ!!」
「目を開けてくれ!」と、「大丈夫か!!」と、一夏は自分の恋人であるサラを抱き寄せた。
それと同時に刀によって刺し貫かれた彼女の下腹部を圧迫止血するのだが、無情にも流れ出す鮮血は白式の装甲版を伝って床へ落ち続ける。
「―――――・・・あははははっ!」
「ッ・・・!!」
その嘲笑いの正体は、焦燥感と悲壮感にさいなむ一夏へニッチャリと生温かな目を向ける赤いIS紅椿を纏う
「あはは!
ざまぁみろ・・・ざまあみろ!!
それみたことか!!
あははははははははっ!!」
周囲全体へめいいっぱい響き渡る警報に負けじとばかり、箒は四白眼に目を
人間は喜・怒・哀・楽の四つを持つと言うが、今の彼女は心の底から
出会った当初から癪に障り、あろう事か自分の長年の想い人を横から搔っ攫った
「―――・・・ゴッフ・・・ケほッ・・・・・!」
「ッ、サラ!
良かった、まだ息が!!」
咳と共に血を吹き出しつつも自分の開けられた刺し傷を抑え込む一夏の手をサラは掴む。
どうやら幸いにも首の皮一枚は繋がっている様で、今からすぐにでも治療を行えば未だ助かる見込みがある事に一夏は僅かばかりの安堵を見せる。
・・・しかし、その事実が気に食わない者が一人。
「な、なんで・・・どうして?
どうして、死んでいないんだ!?
刺したのに・・・刺したのにぃい!!」
砕けんばかりに歯をギリギリ食い縛って涎を垂らしながら箒は地団駄を踏む。
まるで癇癪を起した幼児の如き様子は、こんな状況下でも冷静さを有す者達の目には気味の悪い異様な姿に映った事だろう。
「あぁ・・・ころさなきゃ・・・・・殺さなきゃ!
一夏をたぶらかす・・・悪い女を殺さなきゃ!!」
ひとしきり喚いて頭を掻きむしった後、箒は再び四白眼に目を開いて刀の切っ先をサラへ向ける。
然れどもこの凶行を黙って見過ごす一夏ではない。
「・・・千冬姉!!」
「ッ、一夏!?」
少しばかり俯いたと思えば、いくら緊急事態であろうともあろう事か彼は瀕死の恋人を振り向く事なく背後へ放り投げたのである。
必ず・・・必ずや自分の背後にいた姉・織斑 千冬が放り投げられたサラを取り抱えてくれると信じてだ。
「サラを頼む!!
ウォオオオオオッ!!」
そして、見事に重傷者を
「い、一夏!?
なにを・・・!!」
瞬時加速によって一気に距離を詰めた一夏から放たれた斬撃を箒は
それもその筈、彼女にとって
頭の上にいくつもの疑問符が浮かぶが、箒はすぐに
「そうか・・・大丈夫、大丈夫だぞ一夏!
すぐにお前を
「箒・・・ッ!
お前、何言ってんだよ?!」
「それにしても・・・不甲斐ないぞ、一夏!
あんな・・・あんな泥棒猫に容易に
「ッ、うわ!?」
一合目の壮絶な鍔迫り合いを征したのは、第四世代の基礎能力をゴリ押しした箒だった。
彼女は斬撃を弾き返すや否や、二振り目の刀を顕現させると共に斬撃を繰り出せば、その繰り出された斬撃はどれも攻撃的で高出力エネルギーを纏っているではないか。
その一振りの斬撃なれども必殺の一撃と差し支えぬ一閃だったが、これ一夏は紙一重の僅かな差で回避する事に成功するのだが、行き場を失った
「うわぁあああああ!?」
「ほ、崩落するぞ!!」
凄まじい衝撃力は建物基礎を崩壊させ、地震の如き揺れを引き起こす。
これに益々現場へパニックが更に蔓延する事で、早くこの場から脱出しようと出入り口に我も我もと人が殺到してしまい、終いには将棋倒しとなってしまう。
こんな状況でなければパニックになった人々を颯爽と助ける気概を見せる一夏だが、今はそれどころではない。
「逃げるな!
正々堂々と戦わんか一夏!!」
「ま、待てよ箒!!」
「問答無用ッ!!」
そして、周囲の状況などお構いなしに射撃を最大出力で慣行してしまう。
・・・ただでさえ飛ぶ斬撃によって建物基礎に亀裂がはしったところに並みのIS機体なら軽く吹っ飛ばす威力を誇る射撃武装をこんな閉鎖空間で遠慮も躊躇もなく使用するとどうなるか―――――
「―――・・・ど、どうして・・・!
どうして、こんな事に・・・!?
一体どうして!!?
私の・・・私の
崩落によって降り注ぐ瓦礫の雨の中で呟いた篝火 ヒカルノの
◆◆◆
「ワルキューレ部隊、緊急出動だ!」
『『『応ッ!!』』』
学園全体を揺らす地震の如き揺れに何かを察したラウラ・ボーデヴィッヒは、所要によって不在である部隊大隊長に代わってワルキューレ部隊各員へ呼びかけを行った。
部隊創設以前からIS学園は幾度となく短期間に
「な、なによアレ!?」
「ピンク色のゴン太ビームだぁ~!」
すると地表を食い破って天高く伸びた桃色の光の柱が遠目からでも視認する事が出来た。
この異常事態にラウラは再び何かを察するや否や、シャルロット・デュノアに広範囲にハイパーセンサーをかける様に指示をした。
「ラウラ
それにたぶんビームの射撃位置だと思う!」
「(どうしてそんな場所に生命反応が・・・?
いや、今はそんな場合ではないな。
あんな高出威力に地下施設の耐久が耐えられる訳がない!)
シャルロットに本音、普通隊員達を率いて地下施設へ向かえ!
先程見たビームによって崩落が起こる・・・いや、もう起こっているかもしれん!
救助を頼む!!」
「了解!」
「りょ~か~い!」
普段から使われていない地下整備室で第四世代IS紅椿の
ハイパーセンサーで感知した生命反応の救助を自身の専用ISを纏うシャルロットと訓練ISを纏う布仏 本音を筆頭としたISを装備していない普通部隊員に任せたのである。
そして、残りの専用機所有者達と随伴する訓練機体を纏う部隊員達は光の柱を立ち昇らせた
・・・しかし―――――
「まさか、この反応って・・・!?
ラウラさん!!」
「セシリア、こちらでも確認した!
これはどういう事だ、楯無会長!!」
センサーに映った機体の識別番号は二つ。
一つは色々な
然して、問題はもう一つの機体反応だ。
そのもう一つの機体反応というのが、その帰属を巡って各国の争いの火種にもなりかねない存在となっている第四世代型IS紅椿である。
けれどもこの紅椿、機体専属パイロットが大変な
しかし、その保管されている機体が学園内で動いているという事は、紅椿の専属パイロットが期待を動かしているという事なのである。
「わかんないわよ!
少なくとも生徒会には通達されていない事を地下でやってたみたいね!
鈴ちゃんは何か聞いてないの?!」
「知るわけないでしょ!
でも・・・ワンチャン、無人状態の暴走って事は!?」
「・・・鈴、その可能性はどうもゼロだ」
見ずとも解る苦悶の表情を浮かべるラウラの声に凰 鈴音は「えッ?」と素っ頓狂な声を上げるが、すぐにラウラと同じ様な苦渋の顔色を晒した。
「ッ、織斑先生!?」
編隊をとるワルキューレ部隊の前に現れたのは、数ある緊急避難脱出口から出てきたであろう避難者を率いる千冬だった。
そんな彼女が抱えていたのは、応急治療が施された一人の女生徒。
「織斑先生、血が!!」
「私は大丈夫だ。
それに・・・これは私の血ではない。
早くウェルキンを搬送してくれ!
応急処置は施したが、意識もなく出血がひどい・・・!」
「・・・了解しました。
速やかにウェルキンを医療塔へ搬送!
鈴、頼めるか!!」
重体状態のサラの搬送に指名された鈴だったが反応がない。
見ると未だ刺し傷から血を滲ませるサラを見て鈴は目を見開いて
まるで「ざまぁみろ」と嘲笑う様にだ。
「―――凰 鈴音!
貴様、何をボーっとしているか!!」
「ッ、つ・・・!」
ラウラはそんな鈴の頬を一括すると共にピシャリ平手打つ。
その平手打ちによって彼女はハッと我に返ると渋い表情を晒す。
「ごめん、私・・・!」
「集中しろ!
ハミルトンを始めとする訓練機隊員達は避難者の護衛にまわれ!!」
「織斑先生も今すぐ避難を!
あとは私達が!」
「いや、私もあのバカどもの鎮静に向かう。
これより指揮権は私が―――――
「その必要はありません」
―――・・・なんだと?」
指揮権の行使を発言しようとした千冬にまたしてもラウラがピシャリと一括する。
まさかかのブリュンヒルデに意見するとは思わなかった周囲は彼女の発言にギョッとした。
「ボーデヴィッヒ・・・貴様、今なんて言った?
聞き間違いでなえれば、私は必要ないと聞こえたが?」
「はい、必要ありません。
今は後方作戦指揮官を求めている場合ではない。
このまま前線部隊たる我々が対処します!
むしろ・・・ISを持たぬ織斑
「ちょ・・・ら、ラウラちゃん!?」
「いったいどうしたと言うのですか、ラウラさん?!」
今まで幾度もの戦場を共にした未だ世界最強のブリュンヒルデと称えられる千冬へ対して「邪魔!」と、あのラウラがハッキリ宣った事に皆は驚きを超えて背筋を凍らせる。
然して、ISを持たず生身で専用機所有者達と行動を共にするというのは支障をきたす事は明白。
誰かが言わなければならぬ事なのだが・・・
「はぁッ・・・!
ラウラ、
「今は毒された、毒されていないの話はしていません!
ここから先は前線。
ISを持たぬ者は
「お前は、私があの二人に後れを取ると思っているのか?」
「織斑先生!
あなたがいくらブリュンヒルデと称されるパイロットだとしても生身では・・・我々が
「ッ、ラウラ!!」
過去に千冬へ対して狂信的感情を抱いていたとは思えぬ程、ズバズバとモノを言うラウラ。
その反抗的態度が気に入らなかった千冬は思わず声を荒らげてしまう。
我がままを押し通そうとする幼子に痺れを切らした親の様にだ。
「
つべこべ言わんと
「ッ、な・・・!?」
『『『えぇぇッ!!?』』』
だが、千冬の前へ居るラウラにいつかの自分にべったりだった面影はない。
そこに居たのはワルキューレ部隊総隊長代行として学園の秩序を守る責務を果たそうとする一人の
そして、まさかこんなにもハッキリ拒絶されるとは思ってもみなかった千冬は思わずフリーズしてしまう。
そして、その刹那のフリーズ状態を逃す彼女ではない。
「よし!
行くぞ、各員は私に続け!!」
「りょ、了解!」
「わかりましたわ!!」
「あっ、おい貴様ら!」
ラウラは一気にブーストし、これに楯無とセシリアも追従。
あっという間に距離をとる事で千冬の声など届かなくなった。
「よ、よかったのですかラウラさん?」
「・・・構うものか!
今の私は私にできる事をするだけだ!」
「ふふ・・・何だかとってもかっこいいわよ、ラウラちゃん!」
◆◆◆
「や・・・やめろ箒!!」
学園地下施設からブラスタ―ライフルによって開けられた貫通孔を通り、一夏と箒の戦いは冬空の下で繰り広げられる。
然して戦況は一夏が不利に強いられていた。
これは一夏が纏う専用機たる白式が敵ISからのエネルギー兵器による攻撃を無効化したり、シールドバリアーを斬り裂く事で相手のシールドエネルギーに直接ダメージを与えられる対IS兵装にして白式の単一使用能力『零落白夜』が原因だ。
この単一能力はIS自身のシールドエネルギーを消費して稼動する為、使用すれば使用する程に自身も危機に陥ってしまう
その一撃必殺の諸刃が中々に当たらぬ。
「一体なんだそのざまは!
不甲斐ない・・・あまりにも不甲斐ないぞ、一夏!!」
更に言えば、敵として対峙する相手も悪かった。
激情を込めた刃を向ける相手は、今まで何度も共に戦場を疾駆した
無論、機体と搭乗者の
「遅い・・・遅い遅いッ!
何もかも遅すぎる!!
それに踏み込みも甘いぞッ!
一体今まで何をしていた!!」
自らに向かって振り下ろされる必殺の刃を難なく回避した箒はガンッ!と白式の機体表面を喝を入れるが如く刀で
その一振りに大した攻撃力はなく、精々「あぅっ!?」と一夏に情けない声を出させるくらいの威力だ。
「あんな
この私がお前を改めて鍛えなおしてやるぞ!!」
喝の声と共に刀を振るう彼女の顔には恍惚が伺える。
その表情から箒の手に握られる得物は刀よりも
「い・・・いい加減に・・・!
いい加減にしろ!!
調子に乗るんじゃねぇッ!!」
いつまでも続く
主武装の雪片弐型を振り回し、左手へ発言した多機能武装腕『雪羅』の荷電粒子砲をぶっ放す。
さすれば雪片から飛び出した斬撃や荷電粒子砲弾は辺りを焼き尽くして破壊した。
しかし、箒を撃墜させるには及ばない。
冷静さを少しでも取り戻せば状況は好転するだろうが、今の彼にあるのは瞬間湯沸し器で沸かされた熱湯の様な憤怒のみ。
「一夏!
私を失望させるな!
もっとお前は強かったはずだ!
それなのにあの女のせいで!!」
「うるせぇ!
箒、お前のせいで・・・お前のせいでサラは!!」
「ッ・・・どうして?
どうしてだ?
どうしてなんだ一夏?
どうしてあんな女の名を呼ぶ?
お前には・・・お前には、
それなのにどうして!!?」
「・・・・・―――――は?」
箒の発言に今の今まで一心不乱に振り回していた手が止まり、今の今まで眉間にしわを寄せて三角にしていた目を真丸にする一夏。
けれどもそれは一瞬の事で、すぐに彼は歯をむき出しにして怒りの声を上げる。
「何が、何が幼馴染だよ!!
幼馴染
「ッ!!」
ガキィインッ!と刃と刃がかち合った事で火花が散った。
しかし、鎬を削る中、憤怒の形相を浮かべる一夏の一方で箒はフルフル体を震わせて僅かばかりうつむいたではないか。
「な、なんか・・・
い・・・言わない・・・!」
「えっ・・・―――――?」
「
その輝きが意味するものとは、紅椿の単一仕様能力『絢爛舞踏』の発動だ。
本来ならば燃費が悪い白式を支える為の無尽蔵エネルギーの供給能力の筈だ。
・・・だが、今は
「やはり全てあの女のせいだ!!
お前は、一夏はあの毒婦にたぶらかされておかしくなってしまったのだ!!
お前を・・・お前を
ザキィインッ!
「ッ、ぐぁあああああ!?」
紅椿の単一能力を発動させた箒は四白眼に目を開けば、一夏を荒れ地と化した地表へ推し切り飛ばす。
さすれば凄まじいドグォオッン!と大規模な土煙が舞い、地面へ叩き付けられた一夏の体へ衝撃が奔る。
「ぅぐッ・・・!!?」
即座に一夏は何とか体勢を立て直すが、今の攻撃が背部に効いたのか苦悶の表情を晒してしまう。
更に言えば、今までの戦いで白式はガス欠寸前のオーバーヒート間近。
僅かに攻撃が出来たとしてもチャンスはたったの一回。
孤軍奮闘する一夏に果たして勝機はあるのか?
ビキュゥウウンッ!!
「ッ、ぐァあああああ!!?」
「え・・・?」
奥歯をかみしめて絶望に顔を染めていた一夏が見たものは、彼方から飛んできた光の粒子に撃ち抜かれる箒の姿。
そんな彼女に攻撃を加えた光の流星が来たであろう軌道をたどると―――――
「―――さて、もう一発おかわりはいかがですか?」
ズキュゥウ―――ンッ!
「ッ、セシリア!」
「セェシィリアァアアアアアア―――!!」
ビーム攻撃によって体勢を崩した箒に向けて再び的確な精密射撃を行うセシリア。
だが、二度目の攻撃は箒の斬り払いによって弾け退けられてしまう。
しかし、そこに居たのは別にセシリアだけではない。
「あら、だったら私のはどうかしら?」
「ッ・・・!!」
セシリアから放たれたビーム攻撃とは別方向から飛来したのは、超高周波振動する水を螺旋状に纏ったランス。
そのランスに搭載された四門のガトリングガンがズガガガッ!と火を噴いた。
「後輩のピンチに颯爽と登場よ!」
「楯無会長!」
「くっ・・・!
こっのぉ!!」
箒は自分に向かって火を噴く楯無の蒼流旋の邪魔くさくしゃらくさい攻撃を防がんと二振りの刀を振るう。
・・・そこが狙い目だ。
「な、なぁッ!!?」
突如として動きが鈍くなる箒。
いや・・・
「・・・もう終わりだ、箒」
苦悶に歪む箒の目に映ったのは、白銀の髪を揺らしてこちらをキロリと睨む灼眼と金眼が握り掴む様な仕草で腕を上げていた。
「ら、ラウラ・・・!
ラウラ、貴様ぁ!!」
箒はギリギリ歯噛みをしてラウラを睨み付けて怨嗟の声を漏らす。
最早その表情は
「・・・おい、さっさと後ろに下がれ。
邪魔だ、グズめ。
さっさとしないとボコボコにするぞ」
「ボーデヴィッヒ・・・」
対するラウラは箒から視線を外す事なく、ぶっきらぼうに冷淡な口調で一夏に退避を進言する。
そして、ラウラが使用するAICによって動きが止まった箒に向けてセシリアと楯無は自らの得物を向けた。
「ラウラぁ!
さっさとAICを解除しろ!!
私には・・・私にはやる事がある!!
一夏を、いちかを正気に戻す必要があるのだ!!」
泡を吹く勢いで喚き散らす箒。
だが、そんな彼女に対してラウラは
飽き飽きと呆れた大きな大きな溜息を吐いたのだ。
「お前の・・・お前の負けだ、箒」
「・・・は?」
「今は認められないだろう。
悔しかろう、悲しかろう。
だが・・・歌にもあるだろう?
そんな時代もあったねと・・・いつか笑える日が来ると。
だから・・・もう観念しろ」
「な・・・なにを言っている?
やめろ・・・やめろ、やめろ・・・やめろやめろやめろ!」
箒は自分を見る赤と金の目が嫌で嫌で堪らなかった。
祝福を持たぬ
「わたしをそんな目で見るなぁああっ!!」
怯えと怒りと悲しみと悔しさが混ぜ合わされたドドメ色の感情を喚き散らす。
おもちゃを取られた子供の様に。滑って転んだ幼子の様に。親と引き離された赤子の様に喚き散らす。
―――――〈・・・あぁ、なんて不憫かわいそうな箒〉
「む!?」
ラウラの視界へ突如として一人の人物が現れた。
AICの停止結界によって
そんな赤毛の人物は、ラウラが知る者によく似ていた。
顔という訳ではない。
その人物が纏う雰囲気が似ていたのだ。
彼女が愛し愛される男が纏うISに宿る
「あぁ、あぁ・・・
みんながひどい、ひどいんだ・・・!
私からいちかをとろうとするんだ!!」
〈まぁ、ひどい!
それも寄って集って・・・卑怯な人たちね!〉
「そうだ!
そうだろう、そうだろう!!」
「な・・・なにを言っているんですの箒さん?」
「誰かと通信?
でも、チャンネルを開いてる様子はないわよ?」
どうやら謎の赤毛の少女が見えているのはラウラだけの様だ。
つまり、あの赤毛の少女はラウラの予測通り―――――
〈なら・・・こちらも
「何?
何だと?
そろえる・・・
箒へ持ち掛けた赤毛の少女の提案を耳にしたラウラはギョッと目を見開いた。
非常に
「そうだな!
でも・・・どうやって?」
〈大丈夫よ、私の箒。
私の
「ッ・・・おい、貴様―――――」
ラウラは思わずAICの出力をさらに上げるが・・・もう
赤毛の少女・・・紅椿に宿った
・・・・・はい。という訳で今回は此処まで◆◆◆◆◆
コメントを頂くと大変喜ぶ調子のよい人間という事を改めて自認した今日この頃。
…ワンサマー氏と和解すべきだと思う人ー?
-
はーい!!(^^)/
-
えー!?(・_・;)