IS/Drinker   作:rainバレルーk

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第43話

 

 

 

学園に在籍する一年生生徒達が、今か今かと楽しみにしている臨海学校。

そのイベントがもう指折り数える頃まで差し迫ったある日の事。

 

「阿”ァッ~~~・・・解らねぇー・・・!!」

 

放課後の図書室の一角で、数多の参考書に囲まれながら、ゾンビのような唸り声を上げる春樹がテーブルへ突っ伏していた。

 

何故に彼がこのような状況に置かれているのか。

それはやはり、今まさに組み上げている簪の専用機『打鉄弐式』関連に他ならない。

 

春樹が実質的な助力ではなく、ガンダールヴによるアドバイスとサポートに廻ってから、打鉄弐式の完成は着々と進行していた。

しかし、それが残りのあともう少しの所で躓いてしまったのである。その躓いた部分というのが、打鉄弐式の推進ブースターの出力問題であった。

こればかりは、ガンダールヴで出力調整をしようにも簪が望むような形にならなかったのだ。

 

「阿~・・・なんじゃーな反重力とか、流動なんちゃらって・・・小難しい事ばっかりで意味わからん。しかも活字ばっかりの説明ばっかりじゃけん、目が回るでよ。・・・だいたい俺ぁ文系じゃし、理系工学とかは喧々諤々で顎が外れるっちゃに」

 

その問題を解決する為、春樹は四方八方へ知識を求めた。

元日本代表候補生であった一組の山田教諭に意見と解決案を求め、IS整備科に属する職員へ話を聞きに行ったりした。

だが、これと言って決定打になるモノがこれと言ってないのが実情である。

 

「ラウラちゃんや布仏さんらぁにも手伝ってもらったけんど・・・中々なぁ。こういう時は無力じゃなぁ・・・俺も”お前”も」

 

溜息を漏らしながら、春樹は左手の甲へ刻まれたルーン文字に愚痴を垂れる。

そんな意気消沈している彼の背後へ、獲物に狙いを定めた猫のように足音を隠した人物がゆっくりと近づいて来た。

 

「・・・なんじゃーな、会長? また、首に扇子はご免じゃで」

 

「あら、それは残念ね」

 

そう言って楯無はニコリと笑みを溢す。

・・・目と雰囲気は全く穏やかではないが。

 

「珍しいわね。君が図書室でIS関連の参考書を読み漁るなんて。いつもは推理小説や文庫本なのに」

 

「あー、ちょいと壁にぶつかっちまいましてね。それの解決策を目下探索中でして。・・・つーか、なして俺の本の趣味を知っとるんで?」

 

「清瀬君、私は生徒会長なのよ。察しの良い君なら・・・解るでしょう?」

 

「あぁ、はいはい。職権乱用ですね」と呆れたように溜息を溢す春樹の前席へ楯無は腰を据える。

そして、広げた扇子で口を隠しながら、彼へ「・・・で、どこが解らないの?」と聞いて来た。

 

「そうじゃね~・・・って、言うかとお思いで?」

 

「なら、生徒会長命令よ。簪ちゃんの機体にどんな不備があるのか教えなさいッ」

 

「それこそ教えるとでも? だいたい・・・俺を中間に立てて簪さんとコミュニケーションをとろうとすんじゃねぇ。自分で聞け、自分でぇ。つーか、こういう会話は何度目なんじゃ? 俺ぁ、間男じゃーねぇんじゃぞ」

 

「む、むぅッ・・・」

 

「それが出来たら、こんなに苦労はしないわよ」と言いたげな楯無のむくれた表情に、春樹は再び溜息を漏らす。

 

ここ最近・・・正確には簪の専用機組み立てに関わるようになってから、一人になった春樹へ楯無は頻繁に接触していた。

その度に彼は『専用機の状況はどう?』だの、『あの娘、無理してない?』だの、『簪ちゃんに手を出したら・・・解ってるでしょうね?』だのと色々な小言を彼女から聞くハメとなる。

「・・・面倒臭い」と、春樹は『鯉登少尉』に絡まれる『月島軍曹』の気持ちをほんのちょっぴり理解出来たような気がした。

 

「・・・と言うか、なして二人は喧嘩しとるんですか?」

 

「・・・それは君に関係のある事かしら?」

 

この何気ない素直な疑問に楯無は冷淡な声色とゴゥッと放たれた殺気で返した。

これに対して春樹は「ハァ・・・ッチ」と、舌打ちを混ぜ合わせた溜息を不機嫌そうに吐露する。

重苦しい二人の雰囲気に当てられ、図書室にいた無関係な生徒達の呼吸が徐々に重くなっていくのだった。

 

≪その血の運命ェエ~!!≫

 

「ッ!?」

「あッ、ヤベ」

 

そんな重苦しい空気の中、春樹の胸ポケットに入っていた携帯電話が大音量で鳴り響いた。

「しーッ!」と眉間に皺を寄せて注意する図書委員へ平謝りしながら、春樹は電話をとる。

すると・・・

 

≪大変なんだよ、きよせんッ!!≫

「五月蠅ッ!?」

 

鼓膜をつんざくように携帯から聞こえて来たのは、悲鳴にも似た本音の叫びであった。

 

「うるさいわね、清瀬君。一体どうしたのよ?」

 

「いや、知るかよ。どーしたんなん布仏さん、そねーに慌てて? なにが大変なんじゃ?」

 

≪かんちゃんが・・・かんちゃんが!!≫

 

「・・・阿? 簪さんがどねーしたんなら?」

 

「ッ! 本音、簪ちゃんに何かあったの?!!」

 

電話から漏れた本音の声に反応した楯無は携帯を奪い取ろうとするが、そうはさせまいと春樹は携帯電話の通話をスピーカーモードにした。

 

「とりあえず、落ち着け布仏さん。それで簪さんがどーしたって言うんなん?」

 

≪ふぅーッ、ふぅーッ・・・えっとね、かんちゃんがブースターのテストをやるってッ!≫

 

「ッ!!」

「えッ、ちょっと清瀬君!!?」

 

深呼吸し、それでもテンションが高めな本音の言葉を聞いた春樹は、突如として図書室を走って出て行く。

彼の行動に楯無は訳が解らなかったが、とりあえず後を追うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「ぬぉおおおおおッ!!」

 

俺は今、懸命に全力疾走で簪さんがいるであろう第二アリーナへと向かっている。

突然走ったもんじゃけん、わき腹がでぇーれぇー痛いが・・・そねーな事を今は言っとられん。

 

「ちょっと清瀬君、一体どうしたって言うの?」

 

俺の行動に何かを察したんか、シスコン会長が追って来る。

いつもならこーいうんは、ご免じゃが・・・今は”都合がええ”。

 

「簪さんは、自分の設定した出力のブースターでテスト飛行する気なんじゃ!」

 

「それの何が大変だって―――「大変なんじゃって、シスコン会長ッ!!」―――シ、シスコンって!?」

 

おおっと、つい本音がポロリしちまったでよ。

じゃけど大変なんじゃ、それが。

 

ブースターの設定出力は各々にあった出力でないと幾らISスーツを着とっても、何らかの形で身体へ異変をきたす。

加えて、そのブースターにあった出力でないとコストオーバーで故障の原因にもなる。

じゃけん―――――

 

「簪さんの設定した出力でブースターを飛ばしたら、飛行中に機能停止する可能性があるんじゃ!」

 

「そ、それって!」

 

「あぁッ。いくらISで身体を守っとる言うたって、高い所から落ちたら色々とおえんじゃろうがな!!」

 

「・・・簪ちゃん・・・ッ!」

 

「えッ、ちょっと会長ッ? なにやりょうるんなん?!!」

 

事の重大さに気づいた会長はISを身に纏いやがった。

そんでそのまんま、最大出力でブースターを吹かして俺を追い抜こうとする。

つーかアンタ、専用機持ちだったのね。

 

「そうは烏賊の金時計ッ!」

 

「きゃぁッ!? ちょ、ちょっと清瀬君ッ!!?」

 

俺は、そんな会長の右足にダイビングしてとっ掴まる。

なんか会長が喚きょうるが、そんなの知らん。

 

「行けや、会長ッ! 最大速じゃッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆

 

 

 

「・・・ッ・・・」

 

第二アリーナ、A出撃ゲート射出口。

地面から結構な高さにあるこの場所に未だ完成されていない打鉄弐式を纏った簪がいた。

 

≪かんちゃ~んッ! 危ないよ~!!≫

 

「・・・・・」

 

アリーナ外部の放送室から本音がマイクで声をかけるが、簪は聞こえないふりをする。

加えて、本音が救援に呼ぶであろうラウラの対策の為でゲートの入場口にバリケードを設置する念の入れようだ。

 

「・・・大丈夫・・・きっと、きっと上手くいく」

 

まるで自分に言い聞かせるように何度もそう呟く簪。

何故に彼女がこのような暴挙に打って出たのか。それは数日前に遡る。

 

その日、簪は授業を受け終わるといつものように作業場と化していた格納庫に向かっていた。

その道中の事だ。

 

「ねぇ、聞いたあの話?」

「なになに~?」

「なんでも、あの問題児が格納庫に入り浸っているって噂よ」

 

「・・・?」

 

格納庫に向かっている途中、通路にたむろしていた生徒達が春樹の事を噂していたのである。

いつもならそんな噂などを気にしない簪であったが、なにぶんと作業場になっている格納庫の話が出て来たので、興味を引かれた。

しかし、彼女はよく知らなかった。なにぶんとVTS事件の全容を知る生徒はごく一部であり、大半の生徒は春樹の悪い噂ばかりを面白おかしく掻きたてている事を。

 

「やっぱりISを使える”だけ”の男だから、部屋も与えられなくなったんじゃないの?」

「そうだよ、きっと。織斑くんに突っ掛かるだけの能無しなんだから、さっさと解剖されちゃったらいいのに」

 

「・・・・・ッ!」

 

春樹を悪く言う彼女等に簪は何やら胸の奥がムカムカとした。

彼が格納庫に泊まるようになった理由は知らないが、春樹のアドバイスやサポートの御蔭で打鉄弐式の製作が軌道に乗り、自分の体調が以前よりも良くなった事を簪は理解していた。

 

「そう言えば・・・格納庫って、四組の代表候補生が使ってたんじゃない?」

「そうそう、確かそうだった」

「最近、サングラスかけて余計に怖くなったあんな能無しの問題児と一緒だなんて・・・可哀想ー!」

 

「キャハハハッ!」と楽しそうな彼女たちのお喋りで、更に簪の胸の奥のムカムカが込み上げて来る。

 

そこで簪は考えた。

彼と行動を共にする内に、春樹が噂とは似ても似つかない優しい人物であるという事をどうやって他の生徒に証明するのか。

 

「そうだ・・・打鉄弐式を一刻も早く・・・そうすれば!」

 

大方の作業全般を簪が一人で制作した専用機。

それに問題児のレッテルを貼られている春樹が生活サポートという形で関わっているのなら、他の生徒達は彼を見直すのではないかと言う考えに行きついた。行きついてしまった。

 

・・・別段、彼はそんな噂などお構いなし。

しかも、良くも悪くもこのIS学園は外界と隔離されている為、彼が各国から喉から手が出る程のとんでもない人間に成ってしまった事を大半の生徒は知らなかった

 

そんな事など露とも知らない簪は、間違った認識のままに打鉄弐式の完成を急いだ。

そして、あとはブースターの設定を完了させれば完成と言う状況まで行きついたのであった。

 

≪かんちゃ~ん!!≫

 

「・・・本音、大丈夫だから・・・よし・・・!」

 

覚悟を決めた簪は推進力をONにする。

そして、火の入ったブースターをと共に大空へと駆けだす。

 

「おッ・・・おぉー・・・!」

 

簪は代表候補生になる前から、量産機である打鉄にはよく搭乗していた。しかし、この自分で組み上げた打鉄弐式は今まで乗って来たISとは違っていた。

まるで自分の肌にピッタリと張り付くかのような心地良さが感じられたのである。

 

「これッ・・・これなら・・・!」

 

「ふふ・・・ふふふ・・・ッ」と簪の気分はドンドン舞い上がって行く。

貸出用の訓練機のように予約をとり、順番待ちをする訳ではない自分だけの専用機。そのISで大空を自由に鳥のように飛んでいる事のなんと嬉しい事か。

 

・・・だが、そんな舞い上がった気分はすぐに蹴落とされる事となる。

 

ビィーッ! ビィーッ!!

「え・・・!?」

 

突如として警告を発する危険アラートが騒がしく鳴り響く。

原因は、やはり主要ブースターのオーバーヒート。簪が設定した出力に本体の熱排出量が間に合わなかったのである。

 

「ッ!?」

 

急いで主要ブースターの出力を下げ、副ブースターの切り替えを行う。

しかし、メインコンピューターが主要ブースターの熱処理演算の対応に追われ、上手く起動しなかった。

その内、ブスブスと嫌な音がブースターから聞こえ―――

 

ボォオッン!

「きゃッ!?」

 

≪かんちゃん!!≫

 

―――オーバーヒートしたブースターは酷く嫌な爆発音を響かせる。

その上昇する推進力を失った機体がどうなるか。それが解らない彼女ではない。

 

「きゃぁあああ―――ッ!!」

 

飛行能力を失い、重力に導かれるように打鉄弐式は真っ逆さまへ落下する。

打鉄弐式には『不動岩山』という広範囲防壁を展開できるシールドパッケージが装備されているのだが、墜落によるパニックで簪の身体は硬直してしまう。

 

≪かんちゃ―――んッ!!≫

 

本音の悲鳴が放送室に轟いた・・・その時!

 

ドグォオオオーッン!!

 

「ッ・・・え・・・?」

 

出撃ゲートに設置していたバリケードを難なく木端微塵にして、突撃してきた機体が現れた。

その期待に登場している人物は簪が良く知る人物であったから、余計に彼女は驚いた。

 

「簪ちゃん!!」

 

「お姉、ちゃんッ・・・?!」

 

楯無は下から上へと救い上げる様に落下する打鉄弐式をキャッチ。

 

「おおおおおッ!!?」

 

「き、清瀬君ッ!?」

 

その瞬間、何故か楯無が搭乗するISの右脚部分へへばり付いていた春樹が打鉄弐式へ飛び付く。

そして、雄叫びを上げながら左腕を焦げ付いたブースターパックへ押し当てた。

 

「うぎぎぎぁッ阿”ッ!!?」

 

肉の焼ける音が微かに聞こえた後、何故か緊急停止していたメインコンピューターが復活し、副ブースターが点火。

落下を食い止めたのだった。

 

「熱ッ、熱ッ!! 水、水!!」

 

副ブースターを点火させる為とは言え、やはり熱を帯びたものに手を当てた事に春樹は大きな後悔をしながら―――

 

「―――あッ・・・!」

 

「「あッ!?」」

 

―――ヒュー、ドンッ・・・と、バランスを崩して地面に落下してしまった。

幸いにも、それほど高い場所からの落下ではなかったので、背中を強打し痛みに悶える位で済んだのだった。

 

「ぬぉおおおおお・・・痛ぃいい・・・ッ!!」

 

「清瀬君!」

「あッ・・・」

 

背中の痛みに悶える春樹へ楯無の腕を振りほどいて駆け寄る簪。

勿論、打鉄弐式を待機状態である指輪にし、彼を介抱するのだった。

 

「ごめん、ごめんなさい・・・清瀬君・・・私ッ・・・!!」

 

「痛々・・・構んちゃに、それより・・・無事で良かった。怪我ねぇか?」

 

「ッ・・・う、うん!」

 

「・・・・・」

 

春樹と簪のやり取りに自分の出る幕が無いと悟った楯無は、少し寂しそうな表情をすると、この場を後にしようと後ろへ一歩下がろうとする。

・・・だが、それを許さない人物がいた。

 

「オラァァンッ! 何を逃げようとしとるんじゃ、このシスコン女郎ッ!!」

 

「え、えぇッ!?」

 

簪が無事な事を確認した春樹は、何事もなかったかのように立ち上がると浮かない顔をする楯無に突っ掛かっていったのだ。

 

「オメェちゃんと操縦せぇやッ、このスカタン! おかげで地面に叩きつけられたがろうがな!! それでも生徒会長か?!」

 

「なッ・・・だ、だってしょうがないじゃない! 君が右足に引っ付いてたからッ・・・ショ、ショーツが見られると思って・・・ッ」

 

「阿呆かッ、このおわんご! こねーな緊急時に誰もオメェの色気のねぇパンツなんか見るか、このエセ『峰 不二子』が!!」

 

「え、エセって・・・あなたねぇ!!」

 

「ウガーッ!」と怒鳴り立てる春樹に負けじと、「キーッ!」と反論する。

そのやり取りが余りにも突拍子であり、まるでギャグマンガのようなやり取りだった為、ついつい簪は「・・・ぷッ」と吹いてしまった。

 

「阿”ァ”ッ! なに笑っとるんじゃ、簪さん?!!」

 

「ご、ごめんなさいッ・・・」

 

「ちょっと清瀬君ッ! 別に簪ちゃんに怒鳴らなくたっていいじゃない!!」

 

「喧しいんじゃッ、このシスコン会長ッ!! 何があったか知らんが・・・素直になりゃあええのに、心配だからって一々俺に簪さんの近況報告を聞いてくるなや!!」

 

「あッ、ちょっと清瀬君! それは言わない約束じゃ―――「・・・そうなの?」―――か、簪ちゃん・・・」

 

勢い余った春樹の発言にあわあわと慌てる楯無と疑問符を投げかける簪。

 

「あぁッ、そうじゃ! この女、簪さんが心配じゃけんって、一々俺に様子を聞いて来るんじゃッ! 鬱陶しいったら、ありゃせんでよホントに!!」

 

「ちょ・・・ちょっと・・・」

「そ・・・そうなん―――「だいたい、簪さんも簪さんじゃ!!」―――わ、私・・・ッ?」

 

もう勢いに乗った彼は止められない。

今度は簪へ”口撃”の対象が移った。

 

「君も君で「お姉ちゃんなら、こうした」だの、「お姉ちゃんなら、どうする」だのって・・・君、お姉さんの事ホントは大好きじゃろうがな!!」

 

「なッ・・・なな・・・ッ!」

「か・・・簪ちゃん・・・ッ」

 

今度は自分の事を暴露され、慌てふためく簪。そんな彼女を楯無は何処か嬉しそうな表情で見据える。

一方の春樹は、制服の上着からスコッチウィスキーの入った愛用のスキットルを取り出すと、コクリッと一口飲んだ後に其れを消毒の為に火傷した左掌にかけた。

 

「阿”阿”ァあああッ!! めっちゃんこ奔るッ! 糞痛ぇええーッ!!」

 

「「き、清瀬―――「狼狽えるな、おわんご共!!」―――は、はい!!」」

 

「とりあえず、二人は反省と仲直りをする事ッ!! あと、打鉄弐式ちゃんとアリーナの修繕費は生徒会持ちの事!!」

 

「き、清瀬君・・・そ、それは流石に―――「阿”ァッ?」―――は、はい・・・解りました」

 

「あとなぁ―――――ッ!!」

 

其処から始まったのは、春樹の独壇場の説教。

口と傷口からスコッチウィスキーを飲んでいる為、若干の絡み酒のような感覚で、彼は二人を叱り飛ばす。

 

「うわ~・・・きよせんって、怒ったら怖いんだ~。・・・って、どうしたのお姉ちゃん?」

 

本音から騒ぎを聞きつけ、駆けつけた彼女の姉である『布仏 虚』は楯無と簪を叱る春樹を見て、「うーむ・・・生徒会に欲しいわね」と呟いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 





・・・・・はい。という訳で今回は此処まで◆◆◆◆◆
・・・思ったより長くなった。
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