食事・・・それは地球上の生物が生きていく上で絶対に必要とされる行為。しかし、人は食事をするとき群れを作ろうとする・・・誰かと一緒に食べるとおいしいから?馬鹿馬鹿しい、誰かと一緒に食べたところで味がしたりはしない。なにより、人と喋りながら食べるなど作ってくれた人にも、食材にも失礼ではないだろうか?しっかりと食材に感謝し、吟味して静かに味わうことが食材に対する礼儀ではないかと俺は考える・・・長々と考えたが最終的に言いたいことはこれだ。
「やはり俺の店の方針は間違っていない。」
今日も居酒屋【ぼっち】に光が灯る。
居酒屋【ぼっち】・・・千葉のとある街の人通りが極端に少ない場所で開店した居酒屋。店長は俺、比企谷八幡。高校卒業後、文系大学に進む予定だったが、専業主夫志望の俺は料理スキルをマスターすべく千葉でちょっと有名な調理師学校に進むことにした・・・が、数学が苦手な俺は本当に苦労した。奉仕部の奴らに助けられたり、戸塚や三浦・・・あと川なんとかさんにも手伝ってもらった・・・リア充とか思った奴はあいつらのことを知らないからそんなことを言えるんだ!あいつらのお陰で財布に氷河期が何度訪れたことか・・・・
まぁ、何とか調理師学校に入学したわけだが・・・そこからは思い出したくもない。料理ということもあって女子が多いだろうと予想していたが、まさかクラスに男子3人とか。しかも、俺以外の2人はトップカーストにいる絵に書いたようなイケメン・・・女子の黄色い声援が未だに耳に残っている。俺は相変わらずぼっちをしていたが、高校の頃のような奴らはいるはずもなく、卒業まで平穏なぼっち生活を送ることができた。
んで、卒業後大学中バイトで貯めた貯金を元手に小さい居酒屋を設立・・・それが【ぼっち】である。
「うっし、独白終了!」
「はっ?」
独り言を呟くと後ろから反応が返ってくる。やめろよ、危うく驚いて変な声出すとこだったじゃねえか・・・・
「川崎、来たなら挨拶しろよ・・・」
「一人でブツブツ呟いててキモかったから無理。」
「すいませんでした。」
従業員に頭を下げる店長がいるとか・・あ、俺でしたねテヘペロ。
【ぼっち】のもう一人の従業員であり最後の一人でもある川なんとか・・・すいません、ちゃんと紹介するんで睨まないでください。俺が店が安定してもう一人ぐらい雇えるようになったので求人をだしたのだが、最初に応募してくれたのが川崎沙希なのである。本人曰く、ちょうど前の会社をやめて求人を探していたところここをみつけたらしい。まぁ、川崎のお陰で料理のバリエーションも増えたし、バーテンの経験を活かしてカクテルも店で出せるようになったし、顔見知りで同じぼっちだから気楽でいい事づくめなんだけど・・・最近、俺の扱いが雑すぎる気がする。俺店長で雇用者のはずなんだけどなぁ・・・。
「まぁ、いいや。店開けるから厨房頼んだ・・・あ、今日魚届くはずだから、そしたら表出てくれ。」
「ん、了解。」
基本的に、和食と中華は俺の担当。洋食とつまみ、カクテルは川崎の担当になっている。お互いに手が離せない時はカバーするが基本的には自分の担当をこなす。ん?なんで居酒屋に和洋中があるのかって?そりゃあお前、この店に来るのなんて俺と同じぼっちくらいだからな。ここで何でも食えるようにしとけばレストランや定食屋といったぼっちの地獄のような場所に行かなくて済むからだろ!なんせこの店は、完全個室もあり!さらにカウンター席は仕切りが立っており隣の人の顔は分からない!
さらに!団体客はお断り!暴力団もお断り!リア充?爆発しろ!がこの店の原則ルールである。どうだこの、ぼっちの、ぼっちによる、ぼっちのための店は!
「誇らしげなとこ悪いけど魚届いたから、あんた厨房ね。」
・・・うん、何かすいませんでした。
今日届いた魚はマスと金目鯛だ。マスは煮魚や焼き物として使われることが多い。特に旬の6月には油ものり焼き物としては高級魚とも引けをとらないと思っている。次に金目鯛、これはテレビなどで見ることも多いだろう。こちらは基本的には煮付けだが、金目鯛の頭は炊き込みご飯や、吸い物の出汁に使われたり、金目鯛のキモや目玉は珍味である。
さて、中で魚を水洗いしていると表から川崎の声が聞こえる。
「いらっしゃい、お好きな席どうぞ。」
「あ、はい。」
声の高さからするに女性だろうか?カウンター席に座ったようだが・・・ん?川崎の様子がおかしいB連打しなくては・・・はい、すいませんでした直ぐ行きます。目で人が殺せるのではないかという目力で睨まれれば、そそくさと水洗いを済ませて業務用冷蔵庫に魚を閉まって、手をよく洗って表に出る。
「ったく、なんだよ・・・って、おまっ」
川崎が厨房に戻り、カウンター席に目を向ければ・・・・
「あっ?・・・・・ってヒキオ!?」
高校での呼び名は獄炎の女王・・・由比ヶ浜の友人でありトップカーストに君臨しているはずである三浦優美子がカウンター席に座っていた。
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後書き
はい、今回初めてキーボードを打たせて頂きましたいろはすです。
現在、自分は調理師見習いとして働いていますが、こんな店開けたらいいなーという夢と、それをもし八幡だったらという妄想で組み合わせてみました。料理やお酒に関しては徐々に詳しく書いていければと思います。
あーしさん可愛いよあーしさん・・・さっきに言っときますが葉山君は出番なしです。
葉山「え?」
ではではー!次回お待ちくださいませー!