僕紅!   作:ゆっくり翼

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これは明久達が中学二年生の頃の話です。


僕と紅魔郷とスカーレット姉妹
ハロウィン


「…………んぁ?」

 

……もう朝?

今日は……確か日曜日だね。

まだ寝てたいけどそろそろ起きなきゃな……

僕は欠伸を噛み殺しながらベッドから降りた。

そしてカーテンを開けると

 

「…………」

 

「…………」

 

窓に魔女の格好の魔理沙が張りついていた。

 

「……さて、顔を洗いに行くか」

 

完全に目を覚ます為に。

そうして僕が部屋から出ようとすると、突如、ガラスが割れるような音がした。

 

「…………」

 

何だろう、とてつもなく嫌な予感がする。

後ろを振り返ると、窓が割れていて、部屋のそこらじゅうにガラスの破片が落ちていた。

そして、部屋の中央には魔理沙が立っていた。

 

「……って僕の部屋が見るにも耐えない大惨事に!?」

 

最悪だ! 折角昨日掃除をしたばかりなのに!

僕はそんな最悪な状況に直面して、思わず膝をついてしまった。

そんな絶望している僕を見かねたのか、魔理沙は僕に手をだして言った。

 

「トリックオアトリート!」

 

「他に言うことあるよね!?」

 

 

 

 

 

「と、言うわけで、トリックオアトリート!」

 

「……何をやってるのさ?」

 

あれから大惨事になった部屋をある程度片付けた後、魔理沙が改めて言った。

因みに魔理沙は一切手伝ってくれなかった。

 

「おいおい明久、今日はお菓子を無償で貰うことが出来るハロウィンの日だぜ。私が動かない訳無いだろ」

 

「それは知ってるけど……」

 

てかその認識はどうかと思う。

 

「何で僕のところに? 他の人のところとかの方が良くない?」

 

僕の部屋にはお菓子とかは全然無いし。

 

「まぁ何となくだ」

 

「その何となくで僕の部屋が大惨事になったんだけど……」

 

あとで窓を直さないとなぁ……

 

「あきひさー、ごは……って何この惨状!?」

 

僕が窓について悩んでいると、フランが入ってきた。

 

「よっ、フラン、トリックオアトリート!」

 

「いや、持ってるわけないでしょ」

 

魔理沙がここに来るのは初耳だろうし。

 

「言いきるのはまだ「ごめん、無いや」早い……ぜ……」

 

ほら、やっぱり……ってあれ?

 

「何で驚かないの?」

 

普通家に招いた覚えもない友人がいたら驚くと思うけど……

 

「……何でまりさがここに!?」

 

気づいてなかっただけ!?

 

「……突然窓を割って入ってきたんだよ……」

 

「あぁ、だからこの惨状なんだ……」

 

「照れるぜ」

 

「今のどこに照れる要素があったの!?

……まったく、ここならともかく他の家でやったら犯罪だからね」

 

「大丈夫だ。この家以外の窓は割る気は無いからな」

 

「この家の窓も割らないでよ……」

 

そのうち、壁を壊して入ってくるような気がする……まぁ多分無いけど。

 

「あ、あきひさ、ご飯」

 

「えっ? あっ」

 

そういえばこの部屋に入ってきた時に言ってたね。

皆を待たせているだろうしすぐに行かなきゃ。

……と、その前に魔理沙に朝食をここで食べるかどうか聞こう。変な入りかたで来たけど一応客……客かなぁ……まぁいいや、聞こう。

 

「魔理……あれ?」

 

魔理沙に朝食について聞こうと振り向いたら当の本人がいなかった。

一体どこに―――

 

「とりゃっ」

 

「きゃっ!?」

 

唐突短い悲鳴が聞こえたからその方向を見ると、バランスを崩してこっちに倒れかかってくるフランの姿が―――

 

「ってちょちょちょぐぇ!?」

 

突然のことに対応出来なかった僕はそのまま巻き込まれて倒れた。

倒れる直前に上手く受身を取れたから怪我はないけど……

 

「全く、何を……ん?」

 

何だろう、右手にあるこの柔らかい感触?

ちょっと気になったから少しだけ握る力を強くしてみた。

……物凄く柔らか―――

 

「ひゃ…………ひゃあぁぁぁぁぁっ!?」

 

「ごはぁっ!?」

 

突然誰かに勢いよくぶっ飛ばされた。

僕はそのままの勢いで転がって

 

「ぐほっ!?」

 

壁に激突した。

せ、背中が…………多分僕はぶっ飛ばしたのはフランだな。

何でぶっ飛ばされたんだろう……?

 

「痛たたた……」

 

僕は背中が痛むのを我慢して立ち上がり、フランの方を見た。

 

「あぅあぅあぅ……」

 

そこには胸を両腕で隠しているフランが……

 

「え?」

 

胸を隠す?

つまりさっきまで触ってたのはフランの胸?

……あぁだから柔らかかったのか……

 

「……ごごごごごめんフラン!」

 

僕は直ぐ様土下座の体勢に入った。

てか何で気づかなかったんだよ僕の馬鹿ぁ!

 

「あぅあぅあぅ……」

 

フランはさっきから同じセリフを繰り返しながら固まったままだ。

てかこの状況どうしよう……。

 

「ハハハッ、明久も健全な男なんだな」

 

「魔理沙、何て事するのさ!?」

 

僕は思わず元凶である魔理沙につっかかった。

 

「お菓子を貰えなかったから悪戯をしたまでだぜ」

 

うわっ、全然悪びれてないよこの人!?

 

「と、とにかく魔理沙もちょっと手伝―――」

 

「じゃ、そろそろ私は退散するとするぜ」

 

僕が最後まで言う前に、魔理沙は窓から飛び降りた。

 

「って逃げた!?」

 

てか本当にこの惨状どうしよう!?

……と、とりあえずフランを元に戻そう!

話はそれからだ!

僕はフランの肩を掴んで―――

 

「明久様、朝食の時間……」

 

と、そんな時に咲夜が来た。

咲夜は僕達を見たあと部屋を見渡して、

 

「……すいません、またあとで呼びに来ます」

 

そう言ってその場を去った。

……え? 何で?

……ちょっと今の状況を整理してみよう。

 

・フランの肩を掴んでいる僕

・胸を隠して顔を赤くしているフラン

・どちらの格好も少し乱れている

・散らかった部屋

 

…………うん…………。

 

「ご、誤解だぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

その後、皆の誤解を解くのに丸一日掛かった…………。




……ハロウィン要素、ほとんど無くね?
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