転生したら天津飯だった件   作:せまし

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超での天津飯の扱いの悪さや、天津飯はホントは強いんやという気持ちから思わず書いてしまいました。
なんとか完結めざして頑張りたいと思います。


01.天津飯に、転生す

 

俺は、身体が弱く殆ど病院で寝たきりの少年だった。

そんな俺の娯楽は、漫画やアニメだけだった。

俺は身体を鍛え拳で戦う作品が好きだった。

自分で自分を鍛えられない俺は、作品の中で己の身体を鍛え強くなっていくキャラクター達に憧れていた。

中でも俺は、作品の主人公よりもそのライバルよりも、端の脇役達が好きだった。

 

それは、自分は決して主人公にはなれないという諦めもあったのかもしれない。

だがそれでも、どれだけ主人公の圧倒的な強さに置いていかれようと、それでも強くなろうとする脇役達はとてもかっこよくて………その姿に憧れた。

 

そして…俺は、ある日なんの前触れもなくポックリと死んだ。

 

最期の時…俺は病院のベッドの上で薄くなっていく意識の中、ふと思った。

 

「生まれ変われるのなら…脇役でも何でもいい。…強くなりたいなぁ」と。

 

 

 

キュオォーーーーン

瞼の向こうで赤い光が輝いた気がした。

 

 

 

 

 

そして…

 

「天!天!」

 

誰かが俺の身体を揺すっている。

 

「う…うん…?」

 

ここは一体…俺はどこかの道場の様なところで寝ていたらしい。

俺は病院で死んだんじゃなかったのか?なんでこんなところに…え?

 

「どうした?天」

 

小さな身体に大きな瞳、白すぎる肌に真っ赤な頬。

な、な、な、な…なんで目の前にチャオズが居るんだ!?

 

 

 

どういうわけだか、俺は死んだ後…転生したらしい。

それも、漫画の世界に。

作品名は『DRAGON BALL』…国民的大人気作品だ。

そして、俺が転生したキャラクターは…

作中の強さインフレに置いていかれながらも、黙々と修行を続けていたストイックキャラ…

多分、おそらく、もしかしたら、『地球人最強はクリリン』という事実を作る為に『実は宇宙人・三つ目人の末裔』という設定が追加された男…

天津飯になっていた。

 

確かに死の間際、「生まれ変われるのなら…脇役でも何でもいい。…強くなりたいなぁ」

なんてことを考えたが…まさか本当にこんな漫画とか小説みたいなことになるとは…

 

俺は、死ぬ前にそういった転生ものの小説をいくつか読んでいたので殆ど慌てることなく現状を受け入れていた。

まぁ実際は衝撃が大きすぎて逆に冷静になっているだけなのだが…

いや、もしかしたらこれは寝たきりになった俺のただの妄想という可能性の方が大きい。

だが…顔をつねるとちゃんと痛みがある。

 

あぁ、これが夢なら永遠に覚めないでくれ。

身体が好きなように動く。

少し歩いただけで息切れしない。

なんて素晴らしいんだろう。

 

そして、今の俺は天津飯…俺の願いが叶ったのだ。

 

「これから鍛えに鍛えて強くなる!目指すは地球人…じゃない、宇宙人最強だ!」

 

俺は超えてみせる!悟空を!ベジータを!

魔人すら倒せる男になってやるぞ!

 

「ハーッハッハッハッハッハ!!」

 

 

「チャオズ。天津飯のヤツ、どうしたんじゃ…?」

 

「あ、鶴仙人様…さ、さぁ…」

 

 

 

 

なんて意気込んだのは良いがひとつ問題があった。

 

この度俺はこのドラゴンボールの世界に天津飯として転生したのだが、丁度俺が死ぬ前に「転生したらヤムチャになった件」なんて公式二次創作みたいな漫画が話題になっていたのだ。

 

これはネタバレになるのだが、その漫画では主人公がヤムチャに転生したのは破壊神ビルス様達のお遊びに付き合わされたからだった。

もし、今回の俺の件もビルス様達のお遊びだったとしたら…ハッキリ言ってやってられない。

いつビルス様が飽きて元の世界に戻されるか、なんて事を永遠と恐怖し続けるなんて勘弁してほしいのだ。

 

というわけで俺は今、鶴仙流の道場から離れた岩場で片手に中華まんをいくつか包んだ袋を持ちながら一人空を見上げていた。

 

「ウイスさーーーん!!聞こえたのなら此方に来ていただきませんかーーーっ!!」

 

大声で空に向かって叫んだ。

もし周りに人が居たら俺はだいぶヤバいヤツと思われるだろう。

だが、俺の悩みを解決するにはこれしか方法がないのだ。

アニメでブルマが似たような方法でビルス様の付き人、ウイスさんを呼んでいたのでこの方法でいけないこともないと思うのだが…

 

「あら?私を呼んだ貴方はいったい誰ですか?」

 

やったぜ。

 

 

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