今回は正直無難な展開になったので「あれ超神水飲んだで良くね?」と思っても心の中にしまいこんで下さい…
とある荒野…そこで、1人の男がある特殊な技の特訓を行っていた。
男の名は『ヤムチャ』。
…かつては荒野の盗賊、ハイエナヤムチャとして相棒のプーアルと共に悪行の限りを尽くした男だった…
しかし、孫悟空やウーロン、そしてブルマと出会い彼の人生は一変した。
それまで裏街道を歩いていた男は、清く正しく明るい道を歩きだしたのだ。
そんな彼に影響を与えたなかに、武天老師という人物がいる。
亀仙人とも呼ばれるその人は、ヤムチャの師であった。
彼は、武天老師の元で同門のクリリンと共に時に辛く、時に厳しく、時に楽しく修行を重ねた。
彼女のブルマとは遠距離恋愛になってしまったが、それでも充実した日々であった。
そんな日々が続くと思われたが…それは、突然現れたピッコロ大魔王によって奪われた。
まずクリリンが殺され…そして恩人である悟空が…師匠である武天老師も、自分を護りピッコロ大魔王と1人で戦い…唯一ピッコロ大魔王を封印する事のできる技、『魔封波』を使うも…失敗し力尽きてしまった。
師が、友が、そして……最後の頼みであった神龍までも殺され、残されたのは自分1人。
「…はぁ…はぁ…くそ…ま、また外れたか…こんな成功率では武天老師さまの二の舞だ…」
…だが、ヤムチャは諦めなかった。
師が最期に見せてくれた…『魔封波』を修得し、必ずや仇を討ち世界を救ってみせると。
たとえ…己の命を失ってしまうとしても…
「待ってろよピッコロ……!!」
カリン塔の…さらに上空に位置する所に、神様の神殿は存在していた。
そこで、二人の男が戦っている。
「お前弱い。自分の力を使いこなせて無さすぎる。神様に会う資格ない。帰れ」
「はぁ…はぁ…お、俺が弱いのは知っている…その力を使いこなせるようになるために…ここに来たんだ」
俺は今、神様の神殿の入口前でアラビア風の衣装を着た謎の男、ミスター・ポポにいじめられていた。
こちらには時間が無いというのに…実力差も明白だというのに…テストと称して俺をボコボコにし、帰れ帰れと心をへし折りにくる。
これがいじめでなくてなんと言う。
「心読めなくても、お前がなにか失礼なこと考えてるのわかるぞ」
「…あんたは性格が悪いと考えていたんだ…」
なにはともかく、神様に話を聞いてもらわなければ話にならない。
…おそらく神様は今も俺とミスター・ポポの様子を窺っているはず…だったら、もうこのまま話をしよう。
俺は神殿に向かって大声で叫んだ。
「聞いて下さい神様!今、地上ではピッコロ大魔王が復活し暴れています!それも、ドラゴンボールを使い若返って!それをなんとかする為に手を貸していただきたいのです!」
「無理。神様にも事情がある」
「…そちらの事情は知っています!別に倒してほしいと言っている訳ではありません!ただ、俺は修行のためにこの神殿にある『精神と時の部屋』を使わせていただきたいだけなんです!」
「精神と時の部屋…だと?」
俺の叫びが通じたのか…宮殿の中から、杖を手にした緑色のどう見ても地球人には見えない爺さんが現れた。
「…あなたが、神様ですか?」
「いかにも…お前の名は?」
「天津飯と申します…」
…そこから先は、思いの外スムーズに話が進んだ。
そもそも、ピッコロ大魔王というのは神様が身体から追い出した悪の心が地上に降りて悪さをしているのだ。
神様自身、自分が事の発端だと理解しているので罪悪感からだろうか…2時間だけ精神と時の部屋の使用を許可してくれたのだった。
結局…俺の邪魔をした最大の敵は、ミスター・ポポだったか…
2時間だけと言っても、2時間は精神と時の部屋の中では1ヶ月にもなる。
俺はまだピッコロ大魔王に直接会っていないので、その実力は原作知識と合わせて大まかにしか予想できないが…1ヶ月でピッコロ大魔王に勝てる…とまではいかなくても、戦闘の邪魔にならずに悟空のサポートが出来るくらいにはならなくてはならない。
そうなれば2人で戦って勝てるだろうしな。
最強になりたいとは言っても、別に俺は戦闘大好きのサイヤ人でもないので1対1にこだわったりはしない。
敵との殺しあいなら尚更だ。
焦りは禁物…先ずは生き残らなくては。
その後、俺は神殿の奥にある精神と時の部屋の入口である扉の前に案内された。
「ありがとうございます。神様」
「いや、なに…許可はすると言っても、お前が精神と時の部屋の過酷な環境に耐えられるかどうかは別問題だしな…それと、1人だけの修行では効率も悪かろう…そこで…」
「ミスター・ポポもお前と一緒に精神と時の部屋に入る」
ずい、とミスター・ポポが前に出た。
「……ミスター・ポポとですか…」
「いやか?」
「い、いえ!滅相もありません!…ありがたい話ですし…」
確かにありがたい話なのだが……ミスター・ポポか……さっきまでの所業で、凄い苦手意識がついちゃったんだよなぁ…
だが、彼に鍛えて貰えるなら1ヶ月で今のピッコロ大魔王と戦えるようになるのは可能だろう。
「時間惜しい。さっさと入れ」
ミスター・ポポが扉を開け催促してくる。
「…誰のせいで時間がなくなったと…」
「なにか言ったか?」
「いえ、なにも」
こうして、俺の『1ヶ月精神と時の部屋生活』が始まった。
「あ…ああう……がああ…う…」
カリン塔の頂上…そこで孫悟空は、飲めば潜在能力を開放出来るという超神水を飲み…その副作用の猛毒によって生死の狭間をさ迷っていた。
「よ…夜が明けて来たぜ…も…もう6時間近く苦しんでるぞ…」
「な…なんという生命力じゃ…!」
「くそーっこんな時に天津飯のヤツはどこに行きやがったんだ!?」
カリン様は、天津飯の行き先を誰にも伝えていなかった。
それは、ちょっとした茶目っ気であり…誰にも言わずに神様の神殿へと向かった天津飯の意思を尊重した結果でもあり…ランチが恐かったからでもあった。
「あいつ…結局オレになにも言わずに消えやがって!…次に会った時は許さねぇ!」
「……て、天津飯のやつは…」
「うっ!!」
カリン様が流石に言った方が良いかな?と思って口を開きかけた時、悟空から想像を絶するパワーが発せられた。
「はっ!?…あ…あああ…」
「な、なんだよ?」
「ど…どうかしたのか…?」
「ぱ…パワーじゃ…い…今、悟空の隠されたとてつもないパワーが見えたような気がした…」
驚愕し震えるカリン様にヤジロベーとランチの二人が気を移していると、キョトンとした顔で悟空が目を覚ました。
「!! 大丈夫か悟空!」
「やったーっ!死ななかったぜ!すげえぞてめーーっ!!」
「見事じゃ…見事じゃぞ悟空よ…!」
ランチにヤジロベー、カリン様の反応で現状を思い出し…自分の両手を見つめ呟く悟空。
「ち…力だ…力が溢れている…!」
こうして夜がふけ…3人の戦士がピッコロ大魔王との戦いに備える。
……決戦の時は近い。
「…それにしても…悟空のヤツがあれほどの力を秘めておったとはな………これなら別に…天津飯は神様の神殿に行く必要はなかったかもしれん…」
カリン様の小さな呟きは、誰にも知られる事なく消えていった。
やめて!魔封波のトレーニングの繰り返しで電子ジャーが壊れたら、魔封波が使えなくてヤムチャの勝ち目が無くなっちゃう!
お願い死なないでヤムチャ!あんたが今ここで倒れたら、ブルマや皆との約束はどうなっちゃうの?悟空がまだ生き残ってる。ドラムの攻撃を耐えれば、ピッコロ大魔王に勝てるんだから!
次回、「ヤムチャ死す」。デュエルスタンバイ!
すんません。1度このテンプレ使ってみたかっただけです。