今回は独自設定・独自解釈が多いです。
皆様、感想や評価ありがとうございます。
ピッコロ大魔王が飛行機で西の都に向かう寸前に、ヤムチャはキングキャッスルに到着した。
「ピッコロ!下に降りてきな!オレがとんでもない目に合わせてやるぜ!」
こうして…ついにヤムチャはピッコロ大魔王と対峙する。
ヤムチャの胴着姿や立ち振舞いから、武道家だと看破するピッコロ大魔王。
「すこしは腕に覚えがありそうだが…その中途半端にかじった武道のおかげで命を落とすことになるのだ」
「気の早いヤツだ…もう勝った気でいやがる」
「近頃のヤツは口の聞き方を知らんな。それが国王に言うセリフか?」
「…そんな国王様に面白いものを見せてやるぜ」
そう言ってヤムチャが乗ってきたジェットフライヤーの座席から『あるもの』を取り出し、ピッコロの待つ大地へと飛び降りた。
そしてその『あるもの』を地面へと置く。
その瞬間…先程まで余裕のあったピッコロ大魔王の顔が、驚愕と恐怖に支配された。
「そ、それは…ま、ま、まさか…」
「ご存知の通り…貴様を封印する為の電子ジャーだ!!」
「ば、ば、バカな…」
震えて後退るピッコロ大魔王。
「貴様が先日戦った老人は俺の師匠だ!そして貴様の部下に殺された仲間も……ここで皆の仇を取らせてもらう!!」
「あ…あ……」
二度と現れる事のないと思っていた魔封波の使い手の登場による驚きと長年電子ジャーの中に封印されたトラウマや恐怖から、棒立ちのまま動けずにいるピッコロ大魔王。
それは、魔封波を仕掛ける絶好のチャンスであった。
だが…ヤムチャもまた動けなかった。
なぜなら……
「(そ…そんな……電子ジャーに…穴が!!)」
目の前のピッコロ大魔王に集中しすぎたあまり、魔封波で封印する為の電子ジャーに小さなひび割れによる穴が出来ていた事に気付かなかったのだ。
「(お…恐らく、何度も繰り返した魔封波のトレーニングが原因だろうが…)」
幸いにして…ピッコロ大魔王には気付かれていないようだが、これでヤムチャは勝利への手を失ってしまった。
…だが、ヤムチャは考える。
「(待てよ…電子ジャーに貼ってあるお札と何か壺や瓶のような蓋を閉められる物があれば、魔封波は使える筈だ……電子ジャーよりはコントロールが難しいだろうが、やるしかない…)」
いっこうに魔封波を仕掛けてこないヤムチャに、ピッコロ大魔王も落ち着きを取り戻し疑問を抱いた。
「(こやつ…なぜ魔封波を仕掛けてこない?認めたくないがさきほどまでの私は隙だらけだった筈だ…なにか、魔封波を仕掛けるのに必要な条件があるのか…?)」
実際は電子ジャーが使えないだけなのだが、まさかこの大一番でそんな事があるものかと思い付きもしないピッコロ大魔王はひとつの考えに辿り着く。
「(魔封波とは、カウンター技なのではないか?先日戦った老人は何もせずただ技を掛けられた私を封印することが出来なかった……魔封波とは、相手の動きや攻撃に合わせて発動するべき技なのかもしれん…)」
実際は全然違うのだが、魔封波に対する恐怖とその技を使えるというヤムチャに対する過大評価からそう推理するピッコロ大魔王。
そうなると自分から攻撃を仕掛けるのは危険だと判断する。
「……ならばこの手がある」
「な!?」
隙を見て電子ジャーからお札を取ろうとしていたヤムチャの目に、恐ろしい光景が見せ付けられた。
ピッコロ大魔王の喉が膨らみ、口から巨大な卵が排出されたのだ。
どんっと地面に落ちた卵の中から、ヤムチャの目の前で1人の魔族の戦士が生まれた。
「…貴様なぞこの国王自ら手を下すまでもない。私の新しい部下を紹介しよう…ドラムだ」
「ケケケ」
「ば…化物め…!」
こうしてヤムチャ対ドラムの戦いが始まった。
「カリン様!!」
「おお!戻ったか天津飯!!」
俺は大急ぎで神様の神殿からカリン塔へと戻ってきた。
最初は如意棒を使おうと思ったのだが、悟空が持って行ったのか既に無くなっていたので舞空術だ。
思っていた以上のスピードが出せて、精神と時の部屋での地獄の1ヶ月の成果を実感させられる。
「カリン様、それで今の状況は…」
「てめー天津飯!!今までどこにいやがった!!」
突然ランチに突っ掛かられる……そういえばこの人の事を忘れていた。
「ま…待て!今はそれどころじゃないだろう!?か、カリン様!俺に筋斗雲をください!」
「なに?筋斗雲じゃと?」
俺はカリン様に神様の言っていた話をする。
「うむ…たしかに筋斗雲なら…」
「はぇ~神様がこの上にいんのかよ…」
唸るカリン様と上空を見上げるヤジロベー。
「なんだよ。んなとこ行ってたなら一言くらい声をかけてからにしろよ」
「いや、ホントにすまんかった 」
そしてなぜかランチに謝る俺。
そんな中、カリン様が巨大な筋斗雲を呼び寄せた。
「…まぁ試してみてからじゃな」
そう言って悟空のより大きめな筋斗雲がカリン塔の縁、俺の目の前に止まる。
「それでは、行ってきます!」
そう言って俺はその筋斗雲に飛び乗った。
ズポッ!!
だが、俺の身体は雲を突き抜けフライアウェイしてしまった。
「ぬあああああぁぁぁぁ…!!?」
叫び声と共に地上へと落ちていく俺こと天津飯。
「な、なんだぁ!?」
「天津飯!!」
「あー…やっぱりダメじゃったか…」
驚いて落ちていってしまったが…途中で舞空術で踏み止まり、カリン塔の天辺へと戻って来た。
「ま、まさか…乗れないとは…」
「そんな気はしてたんじゃ…」
「孫のヤツは普通に乗ってたけどなぁ…天津飯、お前って心が綺麗じゃないんだな」
「お前に言われたくないわ!!」
思わずヤジロベーに怒鳴ってしまう。
こっちは筋斗雲に乗れなかったの結構ショックだったんだよ!
「おいどうすんだ?オレのジェットフライヤーで行くか?」
「ううむ…その飛行機では間に合うか…」
カリン様の話によると、先ほどヤムチャがキングキャッスルに到着したらしい。
事態は刻一刻と動いている。
何とかして筋斗雲に乗らなくては…
「一応『黒筋斗雲』という誰でも乗れるものがあるんじゃが…あれはそこまでスピードが出んからな…それならお前たちのいうジェットフライヤーと変わらん。わしがこのカリン塔から離れたら筋斗雲は制御が利かなくなるし…」
「そ、そんな設定が…」
「孫が向かってるから大丈夫なんじゃねぇのか?」
「それは悟空1人で勝てたらの話じゃろう」
「………」
そこで、黙って何かを考えていたランチが意を決したようにカリン様に言った。
「なぁ、この筋斗雲ってやつは好きな形に変えられるのか?」
「ぬ?まぁ雲じゃしな。大まかになら変えられるが…」
「…なら、こーいう形にしてくれ」
そうして、ランチの言葉通りにカリン様が筋斗雲を整える。
出来上がったのは…小さな車くらいの大きさの筋斗雲で、中央に底が抜けないくらいの人が二人ほど座って入りそうな穴が空いていた。
「…これでどうするんじゃ?」
「これなら…この穴ん中に筋斗雲に乗れるヤツが入って、そいつを天津飯が掴めば移動出来るんじゃねーか?」
ランチの提案にカリン様の顔が明るくなる。
「それなら可能性があるかもしれん!」
「でもよぉ、乗れるヤツなんているのか?天津飯は無理だったしオレも無理らしい。お前はどっからどう見ても無理そうだしよぉ」
「筋斗雲を使う以上、カリン様はここから離れられないし…」
俺とヤジロベーの指摘に、ランチはドヤ顔で答えた。
「誰が乗れないだって?」
「そりゃ!!」
「無念!!」
ヤムチャとドラムの戦いは殆ど一方的で、遂にヤムチャがドラムに殺される……その時であった。
何者かがドラムを突き飛ばし、ヤムチャを救ったのだ。
「な!?」
ドラムを突き飛ばし、ピッコロ大魔王の前に立ったのは……超神水に耐え潜在能力を開放させた、孫悟空であった。
「き…きさま…!」
「悟空!!」
「やっぱヤムチャだったのか!」
再開を喜ぶ二人。
その後…一撃でドラムの頭を木っ端微塵にした悟空と、ピッコロ大魔王の戦いの火蓋が切って落とされた。
ランチさんヒロイン計画の為、黒筋斗雲には消えて貰った。まぁ原作にあるかわかりませんですし。
そして適当な理由をつけてカリン様にも動かないでもらう。
ヤムチャが電子ジャーの穴に気付かなかったのは、ピッコロ戦前にテンションが高まって周りが見えなくなっていたのと、原作の天津飯より魔封波の威力が少なかった為ひび割れと穴が小さかったからです。