転生したら天津飯だった件   作:せまし

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書き貯めが無くなったので次からは更新がだいぶ遅くなるかと思います。
よろしくお願いいたします。


03.天津飯、カリン様に弟子入りす

 

チャオズは置いてきた。

ハッキリ言って俺には荷が重い。

 

俺は今、聖地カリンに鶴仙流奥義『舞空術』で飛行して向かっている。

俺の舞空術はまだまだ未熟で、恐らく走った方が速いし疲れないだろう。

だがまぁ、これも修行のひとつだ。

 

そして…鶴仙人の元から旅だって数日…俺は目的の地にたどり着いた。

 

「ここが聖地カリンか…そしてこれがカリン塔…」

 

…静かな所だ。

その中で、目の前にそびえ立つ巨大な柱が神秘的なオーラを発している。

 

「何者だ」

 

後ろから声をかけられた。

見ると、そこには胸に傷のある何処かの部族のような格好をした大柄の男が、槍を持って立っている。

その男の後ろに隠れるようにして、小さな男の子もこちらを伺っていた。

 

「あー、俺の名は天津飯。武術の道を志す者だ。このカリン塔を登れば己の力が何倍にもなるという話を聞いてやって来た」

 

「…そうだったか。わたしの名はボラ。ここ聖地カリンと聖なる塔を先祖代々守ってきた番人だ」

 

おそらく、彼が原作で桃白白に殺された人物だろう。

そして後ろの少年が彼の息子、ウパだったはずだ。

しかし、カリン塔の番人だったのか。

原作のあまり細かい所は覚えていないな…

 

「…番人か。…ならば、お前を倒さなければ俺はこの塔に挑戦することは出来んということだろうか?」

 

「本来なら力試しでもしたい所ではあるが…最近、この地を荒らす者が多くてな。わたしはそちらに対応しなくてはならない。君は見たところ悪人でも無さそうだしな…好きに登るがいい」

 

原作進行度は丁度レッドリボン軍がドラゴンボールを狙ってここカリン塔周辺に来はじめたあたりだったか。

それなら孫悟空がここに来るまでもう少し時間があるな。

先にカリン様に会うことが出来そうだ。

 

え?レッドリボン軍潰しを手伝わないのかって?

その辺の一般構成員の様なザコ共ならボラ1人でも対応できるし、今の俺ではこれから来るであろう桃白白には勝てないだろうからな…

原作改変するにも、今のままでは力が足りなさすぎる。

どちらにせよ早いとこカリン様に修行をつけて貰わないとダメなのだ。

 

まぁこのままではボラは桃白白に殺されてしまうんだろうが…大丈夫だ。

ドラゴンボールがある。(暴論)

 

「その迷惑者退治を協力すべきなんだろうが…すまない。俺にも事情があってな…どうにも、早くこの塔に挑戦したいんだ」

 

「気にするな。ここ聖地カリンを守るのはわたしの部族の使命。君の手を借りるまでもない。君の健闘を祈るよ」

 

「ありがたい」

 

そんなこんなで俺は、いよいよカリン塔に挑戦する事になったのだ。

 

「やっぱ初挑戦で舞空術は使っちゃならんのだろうな…」

 

とりあえずジャンプで行けるとこまで行ってから登っていこう。

 

 

 

 

 

カリン塔に挑戦しはじめて約1日が経過した。

徹夜で登り続けたもののゴールはまだ見えない。

一応まだ体力に余裕はあるのだが、終わりが見えないというのは中々に堪える。

転生前の俺ならもうとっくに諦めていただろうな…

だが、今の俺は天津飯。

転生前の俺の「強くなりたい」という願いと天津飯の元々持っていたストイックさが混ぜ合わされ、今の俺はこんな辛さも耐え、そして乗り越える事ができるようになっていた。

よし、頑張るぞ!

 

 

 

 

「ひぃっ…ひぃっ…」

 

登りはじめてから3日たった。

何が辛さ耐えて乗り越える事ができるだ…バカじゃないか。

もう上を向いて頂上を見ようとする元気もない。

ただ柱の模様だけを見ながら登り続けている。

あぁ、腹が減った…眠い…

今にも気が遠くなりそうだ……

…ゴン…

…痛い…頭が何かにぶつかった…一体何が…

 

「頂上だ!!??!?」

 

なんとか縁を伝って頂上の神殿内に入り込む。

だが、落ちる心配が無くなった事で安心してしまい、俺はそのまま気を失ってしまった。

 

「ほっほっほ。久しぶりに根性のあるヤツが来おったな…とりあえず今は休ませてやろうかの。」

 

 

 

 

 

 

「あ…あなたが、このカリン塔に住むと言われる仙人、武術の神カリン様ですか?」

 

「いかにも、わしがカリンじゃ。まぁ仙人じゃなくて仙猫じゃがの」

 

俺の目の前には、糸目の猫が笑って立っていた。

気絶していた俺を介抱しくれたり、復活した俺に薬膳料理を提供してくれたり、正にカリン様々である。

 

「お、俺は天津飯という者です。貴方様の教えをいただきたく、この地にやってまいりました。どうか…俺に稽古をつけてはくださらないでしょうか?」

 

「ほう?飲めば力が何倍にもなると言われる『超聖水』を求めてはおらんのか?ほれ、あの中央の瓶の中身がその水じゃが」

 

「…いえ、その様な水よりも、俺は武術の神と詠われたカリン様ご自身に稽古をつけていただきたいのです」

 

「…」

 

カリン様は心を読む。

既にウイスさんに話したので、俺が別の次元から来たことやこの世界の未来の事などは知られても大丈夫だとは思うが…

うーん…いや、やはり知られない方がいいのか?

カリン様に知られるとそのまま神様にも知られるだろうし…

正直、神様と界王神様には知られない方が良さそうと思うんだよなぁ…

失礼なイメージなのだが、この二人が未来を知れば歴史改変に動き出してより悪い方向に持っていきそうな雰囲気がある。

 

まぁ歴史改変に関しては俺も人の事は言えないのだが…

俺の目的は強くなりこの宇宙で最強の戦士になること。

この世界の未来を知っているというのは俺にとって最大のアドバンテージだ。

これを1人で有効活用するのが最も目的に近付ける事だろう…

 

知られても大丈夫なのはウイスさんとナメック星の最長老様くらいだろうか?

 

 

「ほほっ、いっちょまえにわしから心を隠すか。流石は三つ目人というところかのう。」

 

「へ!?」

 

カリン様を前に延々と考え込んでいた俺に、驚きの単語が聞こえてきた。

 

「み、三つ目人を知っているのですか!?」

 

「なに、遠い昔に何人かに会った事があるだけじゃが…彼らは特殊な力を使い、取り分け精神的な力が強かったからのう。心に鍵をかける事も可能じゃろうて」

 

思いがけない所で三つ目人の末裔設定が役に立った。

意識はしていなかったのだが、俺は精神的な力が強いのか…

恐らく三つ目人の末裔という事を俺が知っていた事で、無意識に心を読まれないように力を使っていたのだろう。

本来の天津飯にはそんな意識は無かったはずだ…

 

…いや、もしかしてこれが噂の転生特典というヤツか?

それにしてはなんだか微妙だしなぁ…

 

三つ目人の特殊能力…精神的な強さか…その辺も含めて、カリン様に色々と教わりたいところだ。

 

「腹に何を含ませてるかわからんヤツだが…悪人という訳でもない。良かろう。わしが修行をつけてやろう」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

「くっ!はっ!とりゃっ!」

 

「ほれほれ、こっちじゃぞ。」

 

あれから…俺がカリン塔の頂にたどり着いてから約1週間…今日も元気にカリン様と修行中だ。

 

「はっ!!」

 

高速で俺とカリン様が交差する。

 

「ほっほっほ、今のは惜しかったんじゃないかの?」

 

「……はぁ…はぁ…」

 

修行内容は、原作同様カリン様の持つ聖水の瓶を奪い取ると言うものだった。

先ずはこれが出来てから、だそうだ。

 

亀仙人はこの修業に三年かかったと聞く。

だが、原作で孫悟空は3日でクリアしていた。

俺は既に1週間が経過している…

1年以内にはクリアしたいなぁ…

 

 

「む?珍しい事もあるもんじゃ。この短期間に、まさか二人目とはのぉ」

 

 




次回、ついにあの人物と対面!(会うだけ)
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