転生したら天津飯だった件   作:せまし

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戦闘描写が全く無い。
でもまぁいいか!


04.天津飯、孫悟空に会う

 

「おっす!オラ孫悟空だ!」

 

その日、カリン塔にやって来たのは一人の少年だった。

ツンツンに跳び跳ねた真っ黒な髪、小さな身体に見合わぬ力強さ、そして腰のあたりから揺れる猿のような尻尾。

 

…俺はついに、「ドラゴンボール」の主人公、孫悟空と対面したのだ。

あの憧れのヒーローが目の前に居る。

感動で身体が震える…あれ?おかしいな。

目から汁が出で来たぞ…

 

「なぁ、なんでコイツ泣いてんだ?」

 

「わしもわからん…」

 

 

 

 

「ご、ごほんっ」

 

少々取り乱しすぎたようだ。

今の俺は天津飯。

孫悟空は憧れのヒーローではあるが、今の俺にとってはライバルでもあるのだ。

ここは対等に挨拶をしよう。

 

「お、おっしゅ!俺天津飯!」

 

「…何を言っとるんじゃお前は…」

 

「ははは!お前おもしれぇなぁ~」

 

盛大に自爆して物凄く恥ずかしい思いをしてしまった。

だがまぁ孫悟空はそんなに気にしていないみたいだし、俺も気にしないことにした。

気にしないったら気にしない!

 

「と、ともかくよろしくたのむ。悟空」

 

「あぁ、よろしくな天津飯!」

 

悟空は、やはり打倒桃白白の為にこのカリン塔に登ってきたようだった。

カリン様と何やら話をしたあと、早速超聖水の入った瓶を取るための修行を行っている。

 

本来なら悟空はこの3日後にカリン様から超聖水を奪い取り、その後すぐに桃白白との戦いがあるはずだ。

イレギュラーな俺がいるせいでそれが遅れる事になるわけにもいかんだろう。

たしか悟空が桃白白と再戦するのはウパが殺される寸前だったはずだ。

ちょっとのズレでウパが死にかねない。

 

という訳で、俺は基本的に悟空とカリン様の動きを見ているだけだ。

だが、これがまた修行になる。

 

悟空の素早い動きは勉強になる。

なんとかこの天津飯特有の三つの目で動きを追うことは出来るのだが、見えるだけで身体は反応できていない。

多重残像拳なんかは今の俺ではとても真似できそうになく、むしろ感動すら覚えた。

…これが、孫悟空か。

 

まぁ今後試合用の本気と戦闘用の本気で力配分を分けるようなヤツだ。

やはり、今の時点では俺は悟空に数歩劣っているのだろう。

悟空に着いて行ってレッドリボン軍と戦うのも良いかもと思っていたのだが…まだまだ俺は、ここでカリン様と修行をする方が良さそうだな…

 

修業の途中で悟空に

 

「オラと手合わせしねぇか?」

 

と誘われたが、今は止めておいた。

今の俺では手の内を晒すだけになりそうだったし…正直言って戦いになる自信が無かった。

 

「…悟空、俺は次の天下一武道会に出場するつもりだ。勝負はその時にしよう。」

 

「そうか?わかった」

 

 

その後悟空は、本当に3日でカリン様から超聖水を奪い取り、カリン塔を飛び出して行った。

それから数日後、空が突然夜になったので恐らくドラゴンボールが使われたのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「これまでよぉやった、天津飯。」

 

悟空が去ってから2日後、俺はカリン様から超聖水を奪い取ることに成功し、それからは色々な修行に励んだ。

 

そして月日は流れ…俺がカリン様の元にやって来てから、二年半が過ぎていた。

 

「わしがお前に教えることはもう当分ないじゃろう。だが、武道とはまだまだ先は長く奥は深い。己の限界を決める事なく更に上を目指し自ら鍛練を行うことじゃ」

 

「ありがとうございますカリン様」

 

カリン様からは本当に様々な事を教えていただいた。

今の俺なら楽に当時の桃白白を倒せるだろう…と思う。

ここに来てからの二年半、カリン塔周辺でしか生活していなかったので俺は対人経験が極端に少ないのだ。

あるのはカリン様との組手かカリン塔の下、聖地カリンに住むドラゴンボールで生き返っていたボラとの組手ぐらいか。

 

「次の天下一武道会まであと半年…これからどうするつもりじゃ?」

 

「…一応、古巣の鶴仙流道場の方に顔を出しに行こうかと思います」

 

そう…天下一武道会まであと半年。

俺は二度と戻るつもりの無かった鶴仙人やチャオズ達のもと、鶴仙流道場に帰ろうかと思っている。

チャオズに会うのは正直気まずいが、鶴仙人相手に俺の実力を試してみたいという事もある。

それに鶴仙流道場には他にも弟子が居たし、稀に道場破りの様な奴も来ていた。

対人経験が少ない俺にはちょうど良い修行になるだろう。

 

まぁ鶴仙流と決別するにしても、天下一武道会会場でするよりその前にキチンと話をつけておきたいというのもあるが。

 

「そこで何をするつもりなのかは敢えて聞かんが…天津飯よ、お前の人生はお前の物だ。誰かに遠慮なぞすることなく、思うままに生きるのじゃぞ」

 

「…はい、カリン様。今までお世話になりました」

 

俺は手土産として今はまだ沢山あった仙豆を巾着袋いっぱいに貰い、約二年の付き合いになるボラとその息子ウパにも挨拶をし聖地カリンから飛び立った。

向かうは鶴仙流道場だ。

 

 

 

 

 

 

舞空術で既に見えなくなった三つ目の弟子の背中を思い、塔の上で仙猫が呟いた。

 

「行ったか…天津飯、お前の弱点は何かに遠慮した自信の無さじゃ。過ぎた謙遜は毒とも同じ。お前がその殻を破った時こそ、お前の本当の意味での戦いが始まるのじゃ」

 

 




意味深なカリン様(特に意味はない)。
主人公は原作の天津飯に比べてだいぶ自信が無いです。
まぁ自分より強いヤツがゴロゴロ居ることを自覚してるので仕方ないんですが。
早くサイヤ人編に入りたいなぁ。
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