だが戦闘描写はまだ。
いつになったら戦うんだろうか。
南の島…パパイヤ島。
ここで、第22回天下一武道会が行われる。
俺は鶴仙人とチャオズに連れられこの島にやって来た。他の弟子達は置いてきた。
ユーリンなど血気盛んな奴らはごねたのだが、あまり大人数で行っても他の観客に迷惑だろうしな。
だが、この大会の記録を撮って貰う為に何人かに録画用のカメラを持って来てもらっている。
折角の天下一武道会だ。
映像を残さない方がどうかしてる。
俺達は受付終了1時間前には武道会場に着いたので、早速受付を済ませたのだが…
「遅い…亀仙人のヤツはまだ来んのか!?」
「予選会場にもそれらしい人は居ませんでしたからね…」
「天。しめきり、あと10分切った」
鶴仙人は予選開始前に亀仙人にイヤミを言おうと思っていたみたいなのだが、当の亀仙人が姿を見せずイラついていた。
そんなこんなで待っていると、参加者受付の前に老若男女、しまいには人種までバラバラの一団がやって来た。
「おおっ!やっと来おったか!」
言葉とは裏腹に偉そうな足取りでその一団にゆっくりと向かう鶴仙人の後ろを、俺はチャオズと二人して着いていく。
「よう!誰かと思えば亀仙人ではないか」
「え?」
黒い帽子にスーツ姿でサングラスをかけた髭の長い爺さんに、頭の上に鶴を象った帽子をかぶったグラサンちょび髭の爺さんが絡んでいった。
うちの爺さんと同じレベルで言い争っているこの爺さんが…孫悟空の師であり、武術の神と言われる亀仙人…いや、武天老師か。
…そして、その後ろに控えている黒髪で長身の男がヤムチャで、小さくて鼻の無いのがクリリンか。
その他の面子は…髪が青いショートヘアの女がブルマで、金髪で赤いリボンをした女がランチ、豚の獣人がウーロンで浮いてる猫みたいなヤツがプーアル…それとウミガメか。
悟空はまだ来てないみたいだな。
…受付に間に合うのか?
プーアルってどうやって飛んでるんだ?とか、ブルマもランチもやっぱ美人なんだな…とか、クリリンってホントに鼻が無いのか…いやまぁチャオズも無いんだけどな!とか色々思うところはあったが、老人同士の言い争いが一段落ついたようで鶴仙人が捨て台詞を残して去っていく。
俺とチャオズもそれに着いていった。
「なんですか、あのイヤなクソジジイは…」
「ふんっ!!鶴仙人っちゅうかつてのライバルじゃよ!」
「ちょっとランチさん。後ろにいた三つ目の人、なんかあたし達の事見てなかった?」
「そ、そうか?」
「ボクはなんか鼻の辺りを三度見くらいされたような…」
俺達が去った後、無事に悟空がやって来て参加受付を済ませたようだ。
そしていよいよ…第22回天下一武道会が始まろうとしていた。
先ずは予選だが。
鶴仙人は既に表の武舞台の観客席に場所取りに行ってしまい、残ったのは俺とチャオズだけだ。
「…チャオズ、取り敢えず俺達とさっきの亀仙流の弟子達は予選で当たらない様にしておけよ。奴等が勝ち上がれるレベルでなければ戦う必要は無いし、戦うのなら本選で叩きのめすんだからな」
「天、突然悪役ぶってどうした?」
「……ちょっと雰囲気に流されただけだ…」
悟空は俺の事に気付いていないみたいだ。
下手したら覚えていないかもしれないが。
予選の途中で顔を見せに行こうかと思っていたのだが、さっきみたいに変に悪役ぶった応答をしそうだったので止めておいた。
それにしてもなんだったんださっきの変なテンションは?
歴史の修正力か!?(違う)
その後…予選は悟空とチャパ王の戦い以外特に見処は無く、何の問題もなく終わった。
勝ち残ったのは原作と変わらぬメンバーだ。
「あ!天津飯じゃねーか!」
予選が終わり勝ち残った8名が武舞台裏に集まった時、悟空に声をかけられた。
覚えていてくれたようだ。
正直忘れられていたら恥ずかしかったので、声がかけづらかったんだ…
「よ、よお悟空。約束通りまた会えたな」
「ああ!」
俺と悟空の会話に周りが反応する。
「な、なんだよ悟空。お前この人と知り合いだったのか?」
「まぁなぁ~」
「あんたは鶴仙人のとこの弟子じゃなかったか?」
「ああ。俺は鶴仙流の天津飯だ。もう1人の方が…」
「チャオズ」
弟子同士の会話に、1人の老人が参加してきた。
「ほぉ。あの鶴仙人の弟子だというのに、礼儀正しい者じゃな。奴の弟子とは思えんぞ」
「貴方は?」
「知らないのか?前回の天下一武道会で優勝した、ジャッキー・チュン殿だ」
俺の質問にヤムチャが答える。
やはりこの人がジャッキー・チュン…亀仙人が変装した姿か。
カツラとサングラスで、こうも印象が変わるとは。
「オラは孫悟空だ」
「か、亀仙流のクリリンです」
「同じく、亀仙流のヤムチャだ。正直、さっきの鶴仙人の態度からその弟子もまたイヤミな奴等かと思っていたよ」
「なに、師は師、弟子は弟子だ。わざわざ喧嘩腰になる必要もないだろう。だがまぁ、優勝するのは俺達鶴仙流だがな」
「ふっ。そいつはどうかな」
「おめぇも鼻が無ぇんだな」
「鼻は無いけど毛はある」
「1本くらいなら無い方がいいんじゃないか…?」
師匠達とは違い和気あいあいとした弟子達の交流に、ジャッキー・チュンは頬を緩ませた。
次こそは戦闘描写を…
主人公は約2年半はカリン様とウパ親子、その後の半年は鶴仙流の同門以外とは殆ど会話をしていなかったので、元々の自信の無さも相まって身内以外と話すのは苦手です。
あと、脳内と会話文とで呼び方や喋り方が違うのは、天津飯らしさを出すために若干キャラ付けしているからです。