あと、ほんのちょっとだけヤムチャの株を上げました。
ほんのちょっとだけ。
天下一武道会は進む。
男狼は無事に催眠術とクリリンの満月頭のおかげで人間の姿になり、第二試合は終了した。
次は第三試合、チャオズ対クリリンだ。
「チャオズ。亀仙流は今まで戦ったどの流派より強い。油断するなよ。それと、鶴仙人様が試合中に殺せと言うかも知れんが、ホントに殺すなよ。この大会では殺人は失格だからな」
「わかった」
俺はチャオズにアドバイスをおくる。
その様子を窺う亀仙流の3人。
「おいおい…アイツら物騒な会話してるな…」
「がんばれよクリリン!」
「おう…!」
こうして第三試合が始まった。
はじめはチャオズの舞空術の応用によるトリッキーな動きに翻弄されていたクリリンだったが、基本的なスピードやパワーはチャオズに勝るようで段々と押し返してきた。
だが、接近戦を嫌って空中に逃げたチャオズが鶴仙流のとっておきの技、『どどん波』を放った事で戦況は逆転する。
「どどん波だって…?桃白白ってヤツとおんなじ技だ!」
「桃白白だって!?」
悟空の言葉にヤムチャとジャッキー・チュンが反応した。
「ご、悟空!お前、あの世界一の殺し屋と言われる桃白白を知ってるのか!?」
「ああ。前にドラゴンボールを探してた時に戦ってやっつけたんだ。すっげぇ強ぇヤツで苦労したけどさ」
「あの時って…3年前じゃないか!」
ヤムチャが驚愕の声をあげる。
ジャッキー・チュンも同様に驚いていたが、ふと此方に視線を向けた。
「天津飯とやら…あまり驚いていないようじゃが…桃白白は鶴仙人の弟。おぬし達はこの事を知っておったのか?」
「え!?弟って兄弟って事だろ…」
「桃白白は鶴仙流だったのか!」
ジャッキー・チュンの言葉に驚く二人。
二人を無視して俺は質問に答える。
「…いや、知っているのは俺だけだ。鶴仙人様にはその事を話していない」
「な、なに?どーいう事じゃ?」
「3年前、俺と悟空は悟空が打倒桃白白の為に修行に来た時に知り合ったからな。そして、今ここに悟空が居るということは桃白白に勝ったという事だろうと思っていた。あの桃白白が殺しに失敗したということは、敗れた以外に考えられないからな」
いやまぁホントは、悟空が勝ったことを原作で知っていただけなんだが。
「3年前じゃと?お前達、一体どこで知り合ったんじゃ?」
「オラが最初に桃白白ってヤツに負けちまったあと、カリン様のところで修行させてもらってよ。天津飯とはそこで会ったんだ」
「か、カリン様のところじゃと!?天津飯!おぬしもカリン塔を登ったのか!?」
「そ…そういえば以前、武天老師様もおっしゃっていたが…その『カリン様』とは一体?」
話についてこれず、ヤムチャが質問する。
「カリン様とは、カリン塔の頂上におられる武術の神と呼ばれる仙人じゃ。いや、正確には仙猫じゃが……その昔、武天老師も彼に師事したと聞く」
「む、武天老師様も!?…悟空も天津飯も、そんな方のところで修行していたのか…そりゃ勝てん訳だぜ…」
「オラは3日で出てっちゃったけどな。そーいや、天津飯はどんだけ居たんだ?」
「俺は2年半くらいお世話になったぞ」
ちょっとホッとするジャッキー・チュン。
いや、この場合は亀仙人か。
自分が3年かかった修行を悟空は3日で終らせたからなぁ…俺が2年半と聞いて安心したんだろうか。
だが残念かな、超聖水の修行自体は俺も9日でクリアしたんだよなぁ。(ゲス顔)
「とまぁその話は置いといてだ。俺が鶴仙人様に桃白白の事を教えていないのは、その事を知れば鶴仙人様が暴走するのは確実だからだ。あの人は頭に血がのぼると面倒だからな」
「あ…あいつ、弟子に嫌われとるんかの…」
ちょっぴり同情する亀仙人であった。
「…だがまぁ、その判断は正解じゃろう。特に亀仙流の悟空がやったとわかれば、最悪両流派の殺し合いにすら発展しかねん」
「そ、そこまでですか…」
「その通りだ。俺は鶴仙流の武術には敬意を払うが、別に殺し合いがしたい訳ではないからな」
俺達がそんな会話をしている間にも試合は進む。
武舞台では空中からのどどん波に手も足も出ないクリリンがだいぶ不利になっていた。
「クリリン!さっき教えただろう!かめはめ波を使うんだ!」
ヤムチャが叫んだ。
いつの間にそんな事を…だが、さっき教えたばかりのかめはめ波でチャオズのどどん波に対抗出来るとは思えないが…
…結論から言って、クリリンは俺の予想を上回った。
チャオズが試合を決めに威力を高め放ったどどん波を、ギリギリで空中に飛び上がって避け、そのまま無防備のチャオズにかめはめ波を直撃させたのだ。
そーいえば原作にこんなシーンあった気もするなぁ。
チャオズは場外に落下しそうになるもなんとか持ち直し舞空術で武舞台に戻る。
その後の戦いはチャオズが超能力を使いクリリンを追い詰めたのだが…算数の問題の前に敗れた。
…これからの鶴仙流は基本的な勉学も教えるようになっていくことだろう…
「残念だったな、チャオズ…」
試合が終わり武舞台裏でチャオズに声をかける。
「天さん…」
「!? ど、どうしたんだチャオズ!?急に『さん』付けだなんて!?」
「? ボク、どうかした?」
あ…あの主語の無い無機質な受け答えをしていたチャオズが…
…あ、頭を強く打ったのかな?
クリリンに観客席の壁に蹴り飛ばされてたからな…
「チャ、チャオズ。一応医務室に行ってから、武舞台裏で試合を見ておくんだぞ」
「うん?わかった」
その後行われた第四試合は、パンプットが可哀想なくらい悟空に圧倒的な実力差を見せつけられ終了した。
…次はいよいよ準決勝第一試合、俺対ジャッキー・チュン…いや、武天老師の戦いだ。
胸を借りるつもりで挑ませて貰おう。
必殺「話さない」発動!!
鶴仙人は桃白白がサイボーグ化して戻ってくるまで、彼と悟空の戦いを知ることはありません。
知らない方が良いって事は世の中沢山あるんだ…
そしてチャオズ…急にキャラが変わったのは悟空と同じく頭を強くぶつけたからなのか…?