東京喰種 「Policy」   作:岐阜喰種 金

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今回は、誰が出て来るか…
サブタイトルの通りです。


第六章 ~董香と巧と研と~

落ち着いた雰囲気とコーヒーの味に定評のある喫茶店「あんていく」

今、その地下では店の雰囲気とは全く合わない事が起こっていた。

タタタタタタッ

トーカ「オォォラアッ‼︎」

タクミの周りを走り、死角に入ったところで跳び蹴りを入れた。

が、タクミはそれをヒョイとかわしトーカの足首を掴んで投げた。

トーカ「クソッ‼︎」

カネキ「凄い…あの、トーカちゃん相手に…」

トーカは、羽赫の喰種という事もあり、手数は多く動きはとても素早かった。

トーカ「ハァ…ハァ…クソッ…」

タクミ「そろそろ体力も残り少なくなってきたみたいだね。それじゃ、僕もそろそろ行くよ。」

今までは、防戦一方だったタクミが、いや、むしろ本気でかかってくるトーカを相手に遊んでいたタクミが動いた。

カネキ(そういえば、トーカちゃんはずっと赫眼状態だったけどタクミくんは違った。

恐らく赫子を出して、本気になったタクミくんにはトーカちゃんでもあっという間に

倒されてしまうだろうなぁ…)

カネキはその時、タクミが好戦的な喰種でなくて良かったと心底思った。

タクミは、走ったりせずまるで通学をするごく普通の学生の様に自然に歩きだした。

ヒュンッ

突風が吹いたのかと思われたその瞬間、20メートルは離れていたはずのトーカの

後ろにおり、トーカの背中にもたれかかっていた。

カネキ(速いっ‼︎)

タクミ「これからどうしようか、トーカさん。」

トーカは、思わぬ出来事が起こったせいで硬直していた。

トーカ「えっ…」

カネキは、そんなトーカを見て

「トーカちゃん‼︎動いて‼︎」

と叫んだ。

トーカ「えっ、あっ、おおう。」

トンッ トンッ パッ

なんとかタクミと距離をとり、やっと我に返ったトーカだったがまだ動揺を隠しきれていない。

タクミ「その様子だと、最近まともな食事をしてないんじゃない?」

タクミは、心配そうに尋ねた。

トーカ「別に、良いだろ。」

ヒュンッ

タクミは、またトーカの背後に回り今度はトーカの腰を両手で掴んだ。

タクミ「ダメだよ、トーカさん。」

「ただでさえ細いんだから、きちんと栄養摂らないと。」

「そうだ‼︎一回、休憩しよっか。」

カネキ(トーカちゃんなら、そのまま戦いそうだな…)

トーカ「する。」

そう言ったトーカの顔は、少し疲れていた。

カネキ(するんだ…)

タクミは、持ってきていたクーラーボックスの中から紙コップとコーヒーの入ったペットボトルを取り出した。

タクミ「ちょっと待っててね。二人共。今、コーヒー出すから。」

「あっ、あとトーカさんにこれ。」

そう言ってタクミは、茶封筒の様な包みをトーカに渡した。

カネキ(あれって…もしかして…)

トーカ「悪ぃ。ありがと。」

トーカは、タクミとカネキに背を向けて包みを開き中の肉を喰べ始めた。

ペリペリペリ カサカサカサッ

ハグッ ブチッ クチャクチャクチャクチャ…

ゴクンッ

トーカは、わずか数分で中の肉を喰べ尽くした。

その間、タクミとカネキはコーヒーを飲みながら談笑していた。

カネキ「へー。タクミくんとトーカちゃんは、昔からこうやって修行してたんだ〜。」

タクミ「はい。僕も最初は負けてたんですけど、ここ数年は勝てる様になったんですよ〜。」

その言葉に、トーカは俊敏な反応を見せた。

トーカ「わざわざそんな嘘、つかなくていい…」

「私が勝ってたのは、アンタが赫子を出す事もままならない時にあのバカと二人がかりでだし。」

タクミ「ハハハ…まぁ、そうだね。」

カネキ(あのバカ?一体、誰のこと事だろう…)

トーカ「よしっ、食事もしたし腹ごなしにもう一戦やろうぜ。」

タクミ「うん。良いよ。」

トーカ「あっ、でも。今度は赫子アリの勝負な。一発入れたら、勝ちの。」

タクミ「えっ…赫子…使うの?」

カネキ(タクミくん、何であんなに動揺してるんだろう…)

トーカ「昔からのルールで、勝った方が一つだけお願いを聞くやつな。」

タクミは、下を向いて何かブツブツと呟いている。

トーカ「よっしゃ、行くぞ!」

トーカは、瞬きをした。その瞬間、トーカの目は赫眼になっていた。

パキパキパキッ バサッ

カネキ(トーカちゃんの羽赫…ん?タクミくんは、まだ赫子を出してないな。何でだろう…)

トーカ「先手必勝だ‼︎くらえ、タクミ‼︎」

バサッ ヒュンヒュンヒュンッ

カネキ「タクミくん‼︎」

タクミは、カネキに呼ばれやっと顔を上げた。

もう、目の前にはトーカの飛ばした羽赫が迫ってきていた。

タクミ「…ッ⁉︎」

 

To be continue


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