俺は千聖に呼ばれてカフェにいた。
もう一人呼んでいるらしいがまだ来ない。
その間も千聖と俺は話すことはなかった。
千聖「はぁ割り切れない感情なんてこの業界で持っていても仕方ないのに……。はぁ」
ため息ばかりついていた。
薫「やあ千聖!とどちら様かな?遅れてすまない」
夕日「楠 夕日です。よろしく」
薫「瀬田薫だ。よろしく」
千聖「遅いわよ」
千聖は俺たちの会話を叩き切った。
薫「すまない。さっきまでバンドの練習があってね。熱が入ってしまって、つい出るのが遅くなってしまった。
それにしてもどういう風の吹き回しだい?
千聖からお茶に誘ってくれるなんて」
千聖「別にたまにはいいかなと思っただけよ」
薫「どんな理由であれ、千聖が声をかけてくれたという事実……。
なんて儚いんだろう……!」
何言ってんだこいつ?
千聖「夕日くん気にしないで。
それと薫あなたさっきバンドの練習があったと言っていたわね。
もし……もし大切な演劇部の公演と、バンドのライブが重なったらあなたはどっちをとる?」
薫「とてもむずかしい質問だね。だが、私はどちらもやるさ。子猫ちゃんたちも、ハロハピのメンバーも悲しませたくはないからね」
千聖「はぁ、あなたにこんな質問をした私がバカだったわ」
千聖ってこんなに言うやつだった?
薫「フフ……やる前から無理だと思いたくないだけさ。私は常に夢を追いかけていたいからね。人に夢と書いて儚い……人は常に夢を追いかける生き物なのさ。ああ、儚い!」
千聖「本当にあなたっていつからそうなったのかしら?やっぱり、私の知っている薫じゃないわね」
薫「そうかい?私は昔からこうさ。……千聖。君も昔からそうだったね。君は小さい頃からおとぎ話のお姫様になりたいと、夢を語ったことはなかった。君は『お姫様になる。そのために、一生懸命頑張る』と、目標をいつも私にくれた。それからしばらくして君は本当に学芸会でお姫様の役を射止めたんだ」
千聖「私はひとつひとつ、目標を叶えて行きたいだけ。
夢なんて、ふわふわしたものにしがみつきたくないのよ。
こう言う業界にいたら当然のことでしょう」
薫「目標を叶え続ける君は本当に強く、素敵だと思う。でも……君もそろそろ夢を見てもいいんじゃないかな」
千聖「夢……」
薫「君がどんな夢を見るのか楽しみだよ『千聖』」
千聖「あなたって本当に余計なことしか言わないわね、薫」
その後薫は帰った。
千聖「夕日くんは夢ってあるかしら?」
夕日「俺は夢ね。夢かどうかはわからないけど俺は親父と同じ舞台に立つよ」
千聖「確かお父さんは世界一になった時のエースよね?」
夕日「ああ、あの親父が何を見てどう感じたかを俺は知りたいんだよ。この感じだと親父の跡を追ってるだけだけどな」
千聖「……………」
千聖は何も答えなかった。
あの感じだと自分はどうしていいのかわかっていない。
そして薫はよく千聖のことを見ている。
千聖「そろそろ出ましょうか」
夕日「そうだな」
外に出ると既に暗かった。
夕日「送るよ」
千聖「ええ」
そこから駅前に行くまで一言も話さなかった。
駅前
千聖「夢を見るか……(小さいころから安全な道しか歩いてこなかった。そこにほとんど自分の意思はなかった。ただ成功するためだけ。
それだけ)………こんな私でも夢を見てもいいの?」
夕日「いいんじゃないかな。夢なんて自由だし」
千聖「そう」
そこから千聖は電話をかけた。
千聖「はい。映画の件お引き受けします」
そこで電話を切り千聖と家に帰った。
その頃美沙希side
私は今レッスンスタジオに向かっている。
なんでも夕日は用事があってこれないみたいだから私だけでも来た。
彩「活動休止か……(バンドを結成した直後に、活動休止になっちゃったときはみんなで一緒に練習してこれたけど……今はそれすらできない)どうしたらいいんだろう…美沙希ちゃんはわかる?」
美沙希「私にはわからないかな。というか私に聞くの?」
彩「そうだよね。ごめん」
美沙希「ううん。悩んでるのはよくわかったから」
レッスンスタジオに入るとイヴがいた。
イヴ「アヤさん、ミサキさんおはようごさいます!」
彩「イヴちゃん!来てたんだね。……って手に持ってるのはモップ?」
イヴ「はい!トックンの前に掃除をしてました。このスタジオにいつでもみなさんが来て、すぐに練習ができるように……と思いまして」
彩「イヴちゃん……」
イヴ「掃除して見て思ったんですけどこのスタジオってとっても広いんですね。モップがけしただけで、すっごく汗をかいてしまいました。もっともっと狭い場所だと思っていたのに………なんだか不思議です」
彩「そうだね。二人だと広く感じちゃうね」
まぁ私は演奏しないから数には含まれません。
あんまり気にしないけど………
イヴ「きっとまた五人揃ったら狭いって思えますよね?」
彩は答えなかった。
イヴ「アヤさん!何か言ってください」
彩「パスパレがなくなっちゃたらさ、どうなるのかな……」
イヴ「え?………」
彩「スタッフさんの話を聞いてからずっと考えてる。パスパレがなくなったらどうなるのかなって。けど想像もつかないや」
イヴ「……なくなりません。パスパレは、なくなったりしないです」
彩「イヴちゃん………」
イヴ「どうしてなくなった時のことを考えるんですか?アヤさん、パスパレがなくなって欲しいんですか?」
彩「そ、そんなこと思ってないよ。思うわけないじゃん。
私だってパスパレ、これからもずっと続けたいよ……
でも、どうしたら続けられるのか考えても考えてもわからなくって」
イヴ「だったら一緒にそれを伝えましょう!なくならないように頑張りましょう!
思ってるだけでは伝わりません!
ちゃんと伝えなくちゃ……それがブシドーです」
彩「ブシドーって……」
イヴ「ファンの方たちがケンカしてしまった時もきちんと私たちのお話をしたらファンの方たちに伝わりました。
そ、それから……そうです。アユミさん!
アヤさん。アユミさんの言葉を思い出してください!」
彩「あゆみさんの……?
あっ………!」
イヴ「めげない、諦めたりしない………
一生懸命なアヤさんでいてくださいっ!!
自分を貫き通して、キラキラする素敵なアヤさんでいてください!」
彩「そっか。イヴちゃんありがとう。
思い出したよ。私、アイドルになりたかったんだ。
自分を貫き通してキラキラ輝くあゆみさんみたいなアイドルに……それが私の夢」
イヴ「アヤさん!」
彩「私パスパレを続けたい。五人みんなで続けたい。ううん。続けよう」
イヴ「ううっ………アヤさん、よかったです。私また一人になっちゃうのかもしれないって不安で……」
彩「イヴちゃんごめんね。不安にさせて……
私らしくなかったよね、反省!」
イヴ「モデルをしていた頃はいつも一人でお仕事して来ました。一人ってとっても寂しいんです。お仕事で苦しいことがあっても誰とも分かち合えない。嬉しいことがあっても分かちあえない。自分と同じ気持ちの人がいないって、すっごい寂しいんです」
彩「今は私たちがいる!嬉しいことも苦しいことも五人で一緒だよね!
イヴちゃんみんなに一緒に伝えよう、今のことパスパレを続けたいって。」
イヴ「う、うぅ〜!アヤさ〜〜〜ん」
イヴは彩に特大のハグをかましていた。
彩「わ!イヴちゃんにハグをしてもらったらやる気出て来た!二人で掃除したら一緒に練習しよう!」
イヴ「はい!」
そこから掃除をして二人で演奏をしていた。
私はずっとそれを聞くだけしかできなかった。
なんとか終わり家に帰ると既に夕日はいた。
自宅
夕日「おつかれ」
美沙希「ほんとに大変だったよ。何より私が何もできないのが悔しい」
夕日「ちょっと詳しく聞きたいからどっかの部屋行こっか」
俺たちは移動して俺の部屋に行くつもりが美沙希の部屋に向かった。
夕日「それでどういうこと?美沙希が何もできないって?」
美沙希「今日はイヴと彩の二人だけだったんだ。それでも練習してたんだけど私はそれに対して夕日みたいにアドバイスもできない、二人を支えることすらできなかったんだよ」
確かに今までの練習も美沙希は俺についてきてくれていて自分からは何も言わなかった。
けど俺自身もあってるかと聞かれたらそこまでの自信はない。
夕日「なら今度から練習してみようか。俺も一緒に行くからさ」
美沙希「うん。そうして欲しい」
俺たちの話は終わりそのまま飯を食べて眠気に意識を預けた。
アフターエピソードはいるか?
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いる
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いらない
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どっちでも