TSモッピーは大和撫子になりたいようです 作:鉄騎先輩
プロットもないまま一話と二話を書いたので、プロットを考えるため、また期間が空くと思います。
「おじいちゃん!日本舞踊やりたいです!!」
大和撫子になるための第一歩として、原作での、暴力ヒロインを生む下地となったであろう剣道一辺倒な現状を、小学生低学年のうちならまだ他のものを付け込ませることができると思い、私は、このモッピーの祖父で道場の師範にお許しを貰おうと土下座をしていた。
「ほう……何故急に日本舞踊を習いたいと?」
と祖父は厳しいかおでその理由を訪ねてきた。
「より滑らかに体を動かしたいからです!!」
実は大和撫子になるため、女性としての身振る舞いを身につけたいという理由だが、そんなこと、師範に言えるほど、自分のハートは強くない。
ここは小学生ぼでーのモッピーの率直な思いに聞こえるようにこのような理由にしてみよう。
祖父は、少し厳しい顔をした後、こう言った
「……いいじゃろう。おじいちゃんとして、我儘を受けたのは初めてじゃからな。ゆっくりと、己の進む道を見極めるといい。」
意外とあっさりと要望が通ったから、私は少し驚いた。
自分としてはもう少し渋ると思っていたが、篠ノ之流の師範としてではなく、篠ノ之箒の祖父としてこの相談をしたからか、かなりうまく行ったようだ。
それにしても、最後に言っていた、己の進む道……それは良妻賢母で、まさに大和撫子を体現する篠ノ之箒という存在を作り上げること…ただそれだけだ。
それを見極める……当然、自分が目指しているのは、険しい道ということは重々覚悟のうちだ。
何故なら、ISによって、世の中が女尊男卑の形相を描く……それよりも前の現在ですら、自分の目指す「大和撫子」という存在は幻の存在だったのだから。
ましては、篠ノ之箒でなくてもいいわけなのだから。
祖父に対してのお願いが通ったところで、私は母や姉にそのことを伝えた。
母は、「剣道の鍛錬も欠かさないように」と言い、なんとか受け入れることができたみたいだが、姉は、こちらをジト目で見つめ続け、「それがほーきちゃんのやりたいことだったらいいけど」と興が冷めたかのようにこちらに背中を向いて歩き去った。
こちらとしては感づかれてないか心配だったが「ほーきちゃん…」
「いや、ほーきちゃんを乗っ取ってるダレカサン?」
「!?」
私は、私が篠ノ之箒に憑依したまで見抜かれてることにかなり動揺してしまった。
「少し揺さぶっただけでそんなに驚くこと無いでしょ?」
「まあ、そのおかげで確信できたけどね」
「ほーきちゃんの体を乗っ取って、お前は何をしようと思ったのかい?」
そう言ったときの姉の目は、殺意を含んだ目でこちらを睨んでいた。
モッピー大ピンチ。