山中さん家の君麻呂くん。   作:ピザポテト辺境伯

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少年君麻呂編 第2話 将来に悩み、己を知る。

 

 

 

 

 

 

「う~~ん」

 

 

2歳児からの大好き発言で、新たな扉を開きかけた俺こと君麻呂5歳は現在悩んでいる。

 

 

 

 

事の始まりは今朝だ。

山中家の決まりで朝7時に起き、朝食を食べるためにリビングに行くと、いのいちから俺の手続きが完了した事を告げられた。と言う事はだ、今日から俺は自由に外に出て、里の住人と接触する事が出来ると言う訳だ。

 

 

 

これは非常に嬉しい。何故ならいのを伴って散歩に行く事や、いのと公園で遊ぶ事、いのと買い物に行く事が出来るようになるからだ。

 

ちょっ、ほんと、マジでロリコンじゃないですって、妹みたいな感情なんです、マジで。妹居たことないけど。

 

 

 

 

 

冗談はさておき、木の葉の里に来てからの一週間は、君麻呂として産まれてからの五年間とのギャップに適応するのにいっぱいいっぱいで、他の事にまで考えが及ばなかった。と言うよりも、正直未だ夢見心地な部分が若干ある。余りにも違い過ぎるからな。

 

 

 

脱走ハイが治まり、心が不安定な状態になっていた俺を、いのいちやママさんは穏やかに、包み込むような優しさで接してくれ、いのはその愛らしさで俺の心を癒し、また「キミちゃん」と呼んで慕ってもくれる。

 

 

 

そんな山中家の優しさの力で冷静になった俺は、気付く。

 

 

この里、命の危険度クソ高くね?と。

 

 

 

 

 

 

戦闘狂民族かぐやに産まれ英才教育を受けた俺だ。多少の事はこれまでの戦争で切り抜けられる事を学んだ。

 

 

しかし、原作のストーリーによれば、この10年後に木の葉崩しがあり、その3年後にはまた里壊滅の危機がある。前者は大蛇丸と砂隠れの精鋭。後者は六道ペインとか言うほぼ不死身の化け物。

 

 

そしてこれを回避しようものならストーリーが変わってしまい、ナルトが世界を救えなくなるかも知れない。八方塞がりだ。

 

 

 

それに、例え13年猶予があろうが、自分が大蛇丸やペインに勝てるビジョンが全く見えない。マダラなんてもっての他だ。近付く事すら無理だろう。

 

 

 

かと言ってこのまま何もしなければ、13年後のペイン襲来、下手すりゃ10年後の木の葉崩しで死ぬ可能性も出てくる。

 

 

 

これは非常に悩ましい。原作を変えないように細心の注意を払いつつ、防衛の為に自己の戦闘能力を上げるのが1番ベターな選択だが、自己流での修行やモブからの指導で強くなれる気がしない。

 

 

差し迫る命の危機が無くなったんだ。元々真面目と言う訳でも無いのに一人で自分を律しながらの厳しい修行など続けられない。

 

 

それならばと原作キャラに教えを乞おうとしても、自来也や綱手は行方不明、三代目や日向は立場的に無理だし、いのいち含む猪鹿蝶トリオは基本的に秘伝忍術メインで俺には合いそうにない。イタチやヤマトには未だ関わりたくない。唯一何とかなりそうなのはカカシとガイか。

 

 

だが今のカカシは暗部に在籍中のブラックカカシな筈だ。近寄りたくない。一番現実味のあるガイは面倒臭そうだからパス。

 

 

はてはて、どうしたものかと縁側でぼ~っとしていると、我らが姫様がいつものようにトテトテとやって来た。また遊びの誘いかな?

 

 

「おはようキミちゃん、なにしてるの?」

 

「おはよういのちゃん、今はね、ぼ~っとしてるんだ」

 

2歳児にこの悩みを打ち明けても無意味なので、それとなく流す。

 

 

さぁ、いつものように俺を遊びに誘いたまえ、とおねだり待ちをしていたら、急にいのが不安げな表情をし、心配そうな声音で俺に聞いてきた。

 

 

 

 

「キミちゃんは、いつもぼ~っとしてるけど、なんでしゅぎょうしないの?がっこうも、おしごともないのに」

 

 

 

 

ぐはっ!!

何と言う忍の世界…………

修行をしないとニートのような扱いを受けるなんて…………

 

 

しかも2歳児にだ。

 

 

「しゅっ、修行しないと変なのかな?」

 

 

ショックのあまり声が震える。

 

 

「へんじゃないけど、しゅぎょうをしないとつよくなれないってパパが」

 

 

いのいちの糞野郎め………

幼い娘になんて事吹き込みやがる。

 

 

いやしかし、何故そんな事を俺に聞いてくるのか。別段強くなりたいなどと発言していないのに。はっ、これはもしや、

 

 

「いのちゃんは、強い人が好きなの?」

 

 

いのは、うん!と良い返事をしながら、手をグーにして、俺の質問に答えた。

 

 

 

 

 

 

 

「つよいひと、かっこいい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうか……オレはようやく理解した…オレは転生者…たとえ悪魔に身を委ねようとも力を手に入れなきゃならない道にいる…

 

 

 

 

 

 

「こうしちゃいられねぇっ!!!ママさん、いのちゃん、修行に行ってきますっ!!!」

 

 

 

久しぶりに全力で、青空の下を飛ぶように駆けた。

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