ラブライブ!サンシャイン 黒澤家長男の日常   作:アドミラルΔ

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黒澤銀と究極の選択

桜内梨子の日誌

 

中の人?の影響で私が料理できないキャラ認定されてる…

 

「冬はポトフや鍋を作ったりしてるんだけどなぁ…あとハンバーグとか」

 

────

 

「私と理亞が崖から落ちそうになっていて2人の手を銀は掴んでいます。銀は引き上げるにしても1人しか助けることが出来ません。さあどちらを選びますか?」

 

ふと私は彼に意地悪な質問をしました。私を選んでほしいという気持ちと理亞を助けて欲しいという気持ちがせめぎ合っていて私自身もすごく複雑な気持ちです

 

彼は口を開くとこう言いました

 

 

「それなら俺は────」

 

 

────

 

「ねぇねぇわたしと曜ちゃんならどっちがいいお嫁さんになると思う?」

 

調理実習終わりに上機嫌なのかそう話しかけてきたおバカ1号。ここ浦の星元女学院には俺以外に男がいないので必然的にこういう“男なら”という質問は俺にしか回ってこない。はぁ…これがこいつらなら気兼ねなく言えるけど他の子なら少し気を遣ってあげないといけないからな

 

「普通に曜だけど。器量いいし」

 

「そーだよね…曜ちゃんかわいいし、何でもできるもん…」

 

選ばれなかったのがショックなのか少し俯きがちになった千歌はすこし目に涙を浮かべていた。いやそれならなんで質問したんだよ

 

「じゃ、じゃあ!わたしと梨子ちゃんなら?」

 

その涙に少し胸を痛めたのもつかの間、勢いよく机を乗り出し迫真の顔で迫ってくる千歌。三角巾を頭に巻いた千歌の顔が今にも触れあいそうでものすごく近い…俺はその千歌の近い顔(爆笑必至ギャグ)から少し距離をとるようにやれやれと腕を上げてみせた。まったく…愚問も愚問だな…もう聞かなくても分かってるだろ?俺たちは泣いた時も笑った時もずっと一緒にいたはずだ。いわゆる絆というものが俺達の間には通いあってる。なら俺の答えはきっとこうだ

 

 

「梨子で」

 

俺は迷わずAqours随一の常識人を選ぶ。美人でおしとやかで料理が趣味の女の子を選ぶのは順当すぎると思う。都会の人だからという安直な理由ではない。決して憧れがあるとかそういうことではない

 

「なんで!?曜ちゃんとわたしは一緒だけど、梨子ちゃんとならわたしの方が梨子ちゃんより“胸大っきい”のに!」

 

千歌の叫びが教室に響き渡る。別の班の梨子は笑顔でこちらを見ている…その包丁はなんだい?なんで笑顔でこちらに歩み寄ってくるんだい?

 

「雑誌にかいてたもん!男の人は胸が全てだって!」

 

千歌はきっと読む雑誌を間違えたのだろう。それじゃないといつの間にか俺の後ろに包丁を持った梨子が立っているなんてことはないのだから…梨子さんよ包丁の切っ先で背中をつつかないでくれ。何?モールス信号?チカ チャンニ ナニヲ フキコンダノ

 

俺は何もしてねぇよ。あいつが勝手に自爆しているだけだ

 

後ろにいる梨子にだけ聞こえる声でそう話す。 梨子も全体的に細くてスタイルはかなりいいと思うけど…と言うと

 

「(胸が)全体的に細いって言いたいの?」

 

何故かキレ気味でそう言われた。最近怖いよこの人

 

 

「あー千歌もいいお嫁さんになると思うから大丈夫だって!」

 

俺は千歌にもフォローを入れておく。かなり苦し紛れだがどうだろういけるか?

 

 

「えへへほんと?じゃあこのたまごやき味見してみて?」

 

良かった機嫌戻ったわ。けど千歌が俺にこれみよがしに見せてたこれは卵焼きだったのか…てっきり備長炭か何かと思ったよ。箸で掴むとはらはらと崩れて吹き飛んでいきそうなのですぐに口に放り込む…

 

うっ…焦げの層が幾重にも重なって…やばい。素早く水で喉奥に押し込んでなければリバースすらありえるブツだ。けどウマカッタヨと千歌には言っておく

 

 

ふと後ろから声がかかる

 

「ねぇねぇ銀ちゃん!良かったら私のも食べてくれない?」

 

そう言うと曜は“卵焼き”を持ってくる。箸で掴んだ感じは焼き目の通り少し固めに焼いてある感じだった。いただきますと口に入れると塩味を感じる。スポーツした後に食べたくなる味でいかにも曜らしい卵焼きだった。

 

「美味いなこれ…さすが曜」

 

「じゃ、じゃあ私のも持ってきていい?」

 

「梨子のやつも貰っていいのか?超嬉しいよ」

 

梨子の“卵焼き”は焼き目のついた曜とは違い薄黄色のものだった。持ってみた感じも違い柔らかく思わず割りそうになる。これも感謝の気持ちをこめていただく。口の中に甘みが広がる感じはお正月のだし巻き玉子を彷彿とさせる。料理が趣味というのはどうやらマジだったらしいな。美味すぎるぞこれ

 

 

「「「どれが一番美味しかった?」」」

 

3人揃って身を乗り出し感想を求めてくる。少なくとも千歌ではないことは分かる。曜か梨子か俺的に好みだったのは…

 

「曜の卵焼きかな。俺しょっぱい卵焼き好きだし」

 

「イェーイ!銀ちゃんの話覚えててよか……な、何でもないよ。美味しいって言ってくれてありがと」

 

礼を言うと足早に曜は去っていった。2人のふくれ顔の少女を残して…

 

 

百歩譲って梨子は分かるけど千歌は無理だからな。なんで選ばなかったんだみたいな目でこっち見てるけどさすがに贔屓目で見ても軍配上げるにはあまりに炭だったし…

 

 

梨子のは美味かったけど俺は塩の卵焼きの方が好きだったってだけだからごめんよ

 

 

────

「俺の答えは────」

 

 

「2人を引き上げて俺が落ちるが正解かな。2人を選ぶなんて俺には出来ない。俺に“光るもの”はないからさ」

 

彼の瞳はどこか寂しげで…私は本当に意地の悪い質問をしてしまったと後悔します。それでも彼の手を引き私はこう言います

 

「銀がそれで落ちるというのなら今度は私たち2人で銀を引き上げますから!絶対に私たちを命懸けで助けて終わったなんていう美談にはさせませんから!」

 

言葉が少し強くなってしまいましたがそれが私の本心です

 

 

偽りのない本心

 

 

「そっか…ありがとな」

 

そう言うと彼は微かに笑みを浮かべました

 

 

そんな顔のままにさせてはおけません。私は銀の満面の笑みが見たいんですから

 

「そんな顔しないでください銀。今日は大好きな肉じゃがですから元気をだしてもらわないと!」

 

「マジかよ!生きる希望が湧いてきたわ」

 

またそんな冗談を言って…でも良かったです。私が見たかった顔がかえってきましたから。そうです私が見たかったのはあなたのその笑顔なんです

 

 

 


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