それでは物語へどうぞ
ロイド・ブレームによるウィンダミア王国宣戦布告は瞬く間に銀河中に知れ渡った。その後ウィンダミアが誇る空中騎士団は惑星ランドールから去っていく。その光景を見ていたΔ小隊とワルキューレは一安心した。
今、Δ小隊とワルキューレは惑星ランドールから帰還した後ミーティングルームでウィンダミアのことについて話していた。
「ウィンダミア、ラグナから800光年の距離にありその周囲を次元断層に囲われた惑星だ。そして、新型機『Sv-262 ドラケンⅢ』」
アラドの説明と共に何もない所からウィンダミアの資料が映し出され、アーネストが説明を続けた。
「こいつを操るのがウィンダミアの空中騎士団、王家に仕える翼の騎士たちだ」
そしてアーネストの説明が終わるとメッサーとある者の飛行記録が映し出される。
「動きから見てこいつがダーウェントの『白騎士』だな」
「白騎士?」
アラドはフライト記録と金のラインが入ったドラケンⅢを見て白騎士だと言い放ち、ハヤテはそれに疑問を抱きアラドに尋ねる。
「ウィンダミアに代々伝わるエースの称号だ」
アラドがそう言うと白騎士に関する資料が映し出される。
「白?黒じゃねーの?」
「昔は白銀の機体に乗っていた」
「へぇ~………ん!?」
チャックが色に関することを言うとアーネストが答え、チャックは『昔』と言う言葉に驚いていた。
「もしかして、ウィンダミアに居ったんかね」
「あぁ、7年前。独立戦争の時にな」
フレイアがアラドとアーネストにウィンダミアに居たのか尋ねるとアラドはそれを肯定する。するとメッサーが会話に参加した。
「新統合軍のパイロットが操られていたのもウィンダミアの…」
「恐らく」
カナメはメッサーにそう答えると、メッサーは目を細めた。
「じゃあ、これまで起こったヴァールの暴動は全部?」
「いいえ、彼らが関与していたのはその一部強力な生体フォールド波が探知されたものだけと本部は見ているわ」
チャックの質問にカナメが答える。
「今までのは」
「実験」
マキナとレイナが続いて言い、アラドが話を続ける。
「そして今回ただの暴徒としてではなく、統制の取れた行動を取れるまでになった。推測に過ぎんがな。だか惑星ヴォルドールでも新統合軍の多くの者が操られ、ほぼ無血降伏だったらしい」
アラドの言葉と共に資料が変わり敵に占領されたヴォルドールの写真が映る。
「戦わずして一つの星を?」
「でも、一体どうやって?」
疑問に思ったミラージュとチャックが質問すると、今まで黙って聞いていた美雲と蒼也が話始めた。
「歌が聞こえたわ」
「はい、確かに聞こえました」
美雲と蒼也の言葉にハヤテは驚きチャックは、歌?。と不思議がっていた。
「うん、誰かが歌っとった」
「綺麗な歌声だったけど」
「ヒリヒリ、痛かった」
どうやらワルキューレ全員にもその歌が聞こえ、フレイア、マキナ、レイナの順で感想を言っていた。
「あれは…男の子の声」
「男の子……うん、そうかも」
美雲が声の主を男だと言うとフレイアはそれに納得した。
「カナメさんにも聞こえたのか?」
「はい」
アラドは隣にいたカナメに質問すると、聞こえたことを認めた。
「でも、勿体ないわね。あれだけのヴァールを魅了する力を持っているのに兵器としてしか使わないなんて」
美雲はミーティングルームの窓ガラスに手を添えて外を眺めながら言った。
「歌、聞こえたか?」
チャックはミラージュの方を向き尋ねた。
「いえ、ワルキューレメンバーと蒼也だけ聞こえたのでしょうか?」
「俺にも聞こえたぜ」
ミラージュの言葉の後、ハヤテが自分も聞こえたと言う。チャックはそれに驚きながらハヤテの方を向く。
「でも、聞こえたと言うよりも感じた…かな」
ハヤテの言葉にアラドとカナメは驚き互いを見合う。するとフレイアが顎に手を当てて、呟いた。
「光よりも速く、時空を越えて届く歌声……何だか風の歌い手みたいやね」
「なんだそりゃ」
ハヤテはフレイアの言ったことが分からず質問した。
「伝説だ。ウィンダミアに伝わるな……」
アラドはハヤテに分かるように説明した。
「そっ、ルンに命の輝きを。っちゅうてね」
フレイアは笑顔でハヤテにそう答えた。
「風の歌い手……」
美雲がそう呟く、それをずっと黙っていた蒼也は美雲の方を見てしっかりと聞いていた。やがて話が終わり、蒼也たちは家に帰るのであった。
場所は惑星ウィンダミアに変わり、宣戦布告を終えた白騎士たちは故郷に帰還した。
「星を二つ、解き放ったか」
ロイドと白騎士は床に膝をつきグラミアに敬意を示していた。グラミアの言葉にロイドが口を開く。
「はっ、風の歌によるヴァールの制御に成功、制風圏確立に向けての一歩を無事踏み出しました。ハインツ様には予想以上にご負担を掛けてしまい時の神殿を含む遺跡の能力解明にもまだ時間がかかるかと作戦の見直しが必要かと」
ロイドの言ったことに納得出来なかったのか白騎士はロイドにそっと顔を向ける。
「案ずるな風は必ず吹く。地球人どもに滅びをもたらす風が………必ず」
グラミアはロイドにそう言った。その後ロイドと白騎士はロイドの書斎に移動し話をしていた。
「ああは仰っていたがハインツ様のお体のことも…」
「作戦を見直すだと?」
ロイドはハインツの心配している中、白騎士は意義を申し立てロイドは白騎士の方に向いた。
「陛下やハインツ様に案ずれば尚のこと時間は掛けられないはずだ。止めを刺すべきだったのだ」
ロイドは白騎士にため息を吐き、こう言った。
「キース、我々は血を見ることが目的でやっているのではない。プロトカルチァーの正当な後継者として球状星団を正しく導く。そのための戦いだ」
白騎士ことキースは窓の外を見ながら言った。
「お前の剣は錆び付いてしまったようだな」
更に場所は変わりウィンダミア王国宮殿の庭には二人のの男性が景色を眺めながら話していた。一人は金髪にえシワが見え始めていて橙色のルンを持っている男性と、もう一人は黒髪に高身長で顔に黒く四角い翼の刺青をした赤のルンを持っている男性がいた。
「いよいよだな、カシム」
「はい、ですが我々は翼を繕えるのに7年も掛かってしまった。私は今年で23です。最後まで飛び続けられるかどうか」
ウィンダミア人は身体能力が高い変わりに短命。平均寿命は約30年と言われている。カシムは自分が最後まで飛び続けられるかどうか心配していた。
「おいおい、俺は今年で33だ……。!?」
突然二人の上から剣を持ち飛び降りてくる赤髪の青年。青年はカシムではなく金髪の男性を追い剣を振り続ける。金髪の男性は済ました顔で剣を避け続け大きくジャンプし青年の後ろにある階段に着地する。
「お見事です!マスターへルマン!」
「もう、マスターじゃない。ボーグ、この遊びいつまで続けるんだ」
「勿論!マスターから一本取るまでです!」
金髪の男性とこへルマンと赤髪の青年ボーグはそんな会話をし、カシムは二人の隣で静かに笑った。
「あぁ、そう言えばこれを見てください」
ボーグは懐から電子端末を取り出しへルマンに見せた。
「これは…………ルン?」
へルマンが見ていたのは惑星ランドールでライブをしていたフレイアが写っていた。
「裏切り者の臭い風です」
「はぁ、いい年をしてルンを抑えんか」
へルマンに指摘されたボーグは真っ赤になっていたルンを見て驚いていた。
「ワルキューレに…ウィンダミア人」
へルマンはフレイアを見ながら呟くのであった。
はい、今回はここまでです。かなり短かったですかどうでしたでしょうか。これからも頑張っていきますので宜しくお願いします!
次回 No.05-2 月光ダンシング