旋律は風に乗り、翼と共に銀河を翔る   作:新郷遊佐海

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どうも、ビビビビットンです。今回も少し短めですそれでも楽しんで頂けたら幸いです。


それでは物語へどうぞ。


No.06-1 決断オーバーロード

次の日、朝早く起きた蒼也は朝食の準備と入浴の準備を済ませるとカナメが寝ている部屋に行き、カナメを起こした。

 

「カナメさん、起きてください」

 

「ぅん、蒼也くん?此処って………そうだ。私昨日、蒼也くんたちとお酒を飲んでそれで」

 

「はい、そのまま寝てしまって夜遅かったので家に泊めました。カナメさん、お風呂の準備はしてありますから入ってきてください」

 

「そうね、ありがとう蒼也くん」

 

カナメは蒼也に言われるがままお風呂場に向かった。そのあと蒼也はリビングに戻り朝食を机に並べ、みんなが集まるのを待っていた。しばらくしてメッサーや美雲も二階から降りてきた。

 

「おはようございます。メッサーさん、美雲さん。今、カナメさんがお風呂に入っているので顔を洗うのは少し待ってください」

 

「おはよう、蒼也。そうなのか、それじゃあ少し待たせてもらう」

 

「おはよう、蒼也」

 

メッサーと美雲は蒼也に挨拶を済ませると椅子に座りカナメを待った。数分後、お風呂場から上がって蒼也が用意した服を着ているカナメがリビングにきた。そのあとメッサーと美雲は順番で顔を洗い、四人で朝食を取った。朝食後はカナメとメッサーが家に帰るとのことで玄関で見送っていた。

 

「それじゃあ、お世話になりました。ありがとうね蒼也くん。着替えはまた洗って後日返させて貰うわ」

 

「はい、お待ちしてます。また来てくれればいつでも歓迎しますよ。メッサーさんもまた後で」

 

「あぁ、本当に世話になった。蒼也、ありがとう。」

 

ゆっくりと扉を閉めてカナメとメッサーはそれぞれの家に帰っていった。

 

「メッサーは本当に丸くなったわね、昨日は何かあったの?」

 

「特に何もありませんよ。少しお酒を飲んで喋ってただけですから」

 

そんな会話をして蒼也と美雲はそれぞれの部屋に戻りケイオスの制服に着替えてから一緒にエリシオンに向かった。

 

 

 

それから少し時が流れる。時刻はお昼に近いが蒼也は今、Δ小隊メンバーと一緒に宇宙戦闘に慣れるためアイテールに乗ってラグナ星より少し離れた宇宙域で三回の戦闘訓練をしていた。

 

「蒼也!お前その機体、空中戦の時よりも速くなってないか!?」

 

「当たり前ですよハヤテくん。センチネルは元々、宇宙戦闘を想定して作られた機体なんですから」

 

「それにしても速すぎだろ!」

 

「全くです!私たちが3人で束になっても全く歯が立ちません!」

 

蒼也の言葉にハヤテが申し立てチャックとミラージュが文句を言う。訓練は無事終わりアイテールに戻ったアラドを抜いたΔ小隊メンバーはメッサーを前に訓練結果の報告をしていた。

 

「あれを戦闘訓練と呼んでいいのか、俺には分からなかったがチャック少尉。シザース起動時のエネルギーロスに気を付けろ」

 

「ウーラ・サー……」

 

「ミラージュ少尉、右後方の警戒が甘い。アラド隊長のフォローが無ければ落とされていた」

 

「はい」

 

「蒼也准尉は気にする程度では無いが少しだけ右に旋回するのが遅い」

 

「分かりました」

 

そしてメッサーはハヤテの方に向くが何も言わない。

 

「以上だ、解散」

 

そう言ってメッサーは格納庫の出口を目指した。

 

「ちょっと待てよ!呼び止めておいて俺には何にも無しかよ」

 

「論外だ、話をする価値もない」

 

「ぐっ!」

 

「いや、一つだけ忠告しておこう」

 

メッサーはハヤテの方に向く。

 

「実戦では躊躇うな、確実に敵を落とせ。この三回の戦闘でお前は敵の翼しか狙っていない。ミラージュ少尉、お前もだ」

 

メッサーはミラージュに目線を向けて言い、それにミラージュが反論しハヤテが付け加えてくる。

 

「空中騎士団はともかく新統合軍のパイロットは操られているだけです」

 

「隊長やチャック、蒼也だって新統合軍とやる時は翼だけ狙ってるぜ」

 

再びメッサーは出口の方に向く。

 

「隊長たちにはその技術がある。だがお前たちは違う、今のままでは確実に死ぬ」

 

「中尉!私のミスについてもう少し詳しく」

 

ミラージュの言葉にメッサーは振り向いた後言う。

 

「お前の操縦は正確だ、ミスも敢えて言えばと言うように過ぎない」

 

「では」

 

「それがお前の欠点だ。お前の動きは教科書道理、だから次の動きがすぐ読める。歴戦の勇者を相手にすればすぐに撃ち落とされるだろう」

 

そう言ってメッサーは再び、格納庫の出口の方を振り向く。

 

「ハヤテ准尉は未熟だが時々予想もしない動きをする…………インメルマンダンスか、出鱈目だが操縦センスだけは認めてやろう。いずれ死ぬことには代わり無いが」

 

メッサーはハヤテとミラージュにそう言い放ち出口を目指した。

 

「あっ、待ってくださいよ。メッサーさん」

 

蒼也も後を追いかけた。メッサーと蒼也は着替え室を目指して一緒に通路を歩いていた。

 

「メッサーさん、ハヤテくんにアドバイスの一つでもあげたらどうなんですか?」

 

「あいつはまだ戦いというのを知らない。それに人に教えられて気づくのと自分で気づくのとでは全く違う」

 

「それは分かりますけど貴方が皆と距離を置いているのが気になって仕方無いんですよ。」

 

「・・・」

 

「貴方が何を隠しているのかは分かりませんが自分に素直になって、もっと僕を、僕たちを頼ってください。何時でも相談に乗りますので。」

 

蒼也はメッサーに笑顔で言った。それに救われたのかメッサーは少し笑顔になった。

 

「ありがとう」

 

「いえいえ、同じ隊の仲間としても飲み仲間としても大切ですからね。当たり前のことですよ」

 

そんな会話をしていると着替え室に到着した。蒼也たちの着替えが終わる頃にはアイテールはラグナ星に到着し、エリシオンとドッキングしていた。更に時は流れ、時刻は夕方になり外は暗くなっていた。アラドとカナメはアーネストと一緒にウィンダミアが今までどの惑星を占領したか確認していた。

 

「惑星リスタニア、エーベル、そして今回のアンセムⅢ、既に三つの星がウィンダミアに占領された」

 

アーネストの言葉と共に空中に表示されてる資料が変わっていく。

 

「連戦連敗か」

 

「なーんの、逆転こそがゲームの醍醐味」

 

アーネストはアラドの言葉に何処か楽しんでいるように言った。

 

「アラド隊長、中央の新統合軍から援軍は来ないのですか?」

 

「さぁな、辺境の小競り合いと軽く見ているのか、まっ色々と面倒が多いのさ政治ってやつはな」

 

 

 

その頃、蒼也と美雲は仕事も終わったため一緒に家に帰っていた。

 

「美雲さん、今日の晩御飯は何がいいですか?」

 

「そうね、昨日はパスタを食べたしお米がいんじゃないかしら」

 

「いいですね、そうしましょうか」

 

蒼也と美雲はそんな会話をしながら歩いていた。すると、美雲は蒼也の方を向き話しかけた。

 

「ねぇ、蒼也」

 

「なんですか?」

 

美雲は足を止め、蒼也も止め振り向く。

 

「早くこの戦争を終わらせて、私たちの歌を銀河を越えたその先のステージで響かせましょう」

 

「はい、必ず」

 

蒼也と美雲は互いを見つめ合いそして笑っていた。二人は再び歩きだし家に帰っていくのであった。

 

 

 

一方、メッサーは明日の訓練メニューを考えるため居残りをしていた。

 

「あれ?メッサーくん?」

 

偶々通り掛かったカナメがメッサーに話しかけ、メッサーはカナメの方を向く。

 

「メッサーくんは居残りなの?」

 

「はい、明日の訓練メニューを考えていました」

 

「そうだったんだ、ごめんね邪魔しちゃって」

 

「いえ、もう終わりましたので帰るところでした」

 

メッサーはタブレットを鞄にしまい歩きだし、カナメも後を追う。

 

「ねえ、メッサーくん。これからご飯食べに行くんだけど一緒に行かない?」

 

「いえ、自分は・・・」

 

メッサーはその続きを言おうとしたが蒼也との会話を思い出した。

 

【貴方が何を隠しているのかは分かりませんが自分に素直になって、もっと僕を、僕たちを頼ってください。何時でも相談に乗りますので】

 

【ありがとう】

 

そこで回想が終了してメッサーは目を閉じてほんの少しだけ笑っていた。

 

(素直に、か)

 

再び目を開けるとカナメの方を向き話しかけた。

 

「分かりました。一緒に行きましょう」

 

それを聞いたカナメは一気に顔が明るくなり笑った。

 

「本当?!それじゃあ早く行きましょう、メッサーくん!」

 

「は、はい」

 

カナメはメッサーの手を握り笑顔で言った。メッサーはいきなり手を握られて驚いたのか少し戸惑っていた。その後カナメとメッサーは手を繋ぎながら通路を走っていった。

 

 

 

場所は変わってウィンダミア王国、時の神殿。

 

「♪~~」

 

ハインツは現在、ロイドの元で風の歌で惑星エーベルにある遺跡との共鳴を調べていた。

 

「共鳴率が下がっている」

 

その言葉と共にハインツの歌声が止まり、ハインツは倒れ込む。

 

「「ハインツ様!」」

 

ロイドの傍にいたメイドたちが駆け寄る。ハインツを遺跡から下ろした後ロイドがハインツに話し掛ける。

 

「ハインツ様、しばらく歌はお控えに」

 

「それは困ります」

 

突然、ハインツの後ろから声が響き振り返る。するとそこにいたのはパイロットスーツを着たキースの姿があり、ロイドが尋ねた。

 

「キース、その格好は」

 

「敵の偵察隊が制風域に近づいていたので排除してきた」

 

「そのような報告は受けていない」

 

ロイドはそう言うがキースはそれを無視して膝をつきハインツに言った。

 

「ハインツ様の歌声なくして、制風圏の確立はあり得ません。何卒我らの胸に翼をお与えください」

 

「しかし」

 

ハインツはロイドを止め、立ち上がる。

 

「構わない、それが僕の責務だ。その代わり一刻も早くこの戦争を終わらせてほしい」

 

ハインツはキースの方を向きながら言う。

 

「必ず、大地に受けた傷跡に駆けて」

 

キースはハインツの言葉に忠義を誓い、その場を後にするのであった。




はい、今回はここまでです。少しだけカナメとメッサーのイチャイチャが書けてほっとしています。これからも頑張っていくのでよろしくお願いします。
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