旋律は風に乗り、翼と共に銀河を翔る   作:新郷遊佐海

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どうもビビビビットンです。遅くなりました、すみません。この物語を楽しんでいただけれは幸いです。



それでは物語へどうぞ。


No.08-2 脱出レゾナンス

 行く手を阻まれたボーグは急いで遺跡の外へ向かった。外に出ると5機のVF-31とセンチネルが遺跡から離れているのを見ていた。あと一歩という所で邪魔が入り出し抜かれた事にボーグは苛立ちを覚える。

 

「くそ!!」

 

 ボーグはそう言って自分の愛機が置いてある滑走路へと向かった。そのすぐ後からキースとロイドが落ち着いた様子で出てくる。

 

「ロイド……」

 

「分かっている。ハインツ様の、風の歌い手の力を明日の風のために」

 

 ロイドがそう言うと時の神殿にいるハインツが歌い出す。

 

 

『ザルド・ヴァーザ!~決意の風~』

 

 

「♪~~」

 

 突如聞こえた歌声にΔ小隊メンバーは驚く。

 

「何だ?なんか聞こえるそ?」

 

「これがハヤテと蒼也の言ってた」

 

「あの歌だ」

 

「間違いありませんね」

 

「風の歌」

 

「う~、くっ!?」

 

 上からチャック、ミラージュ、ハヤテ、蒼也、アラド、メッサーの順で言っていくがメッサーは胸を抑えて何処か苦しそうにしていた。一方、ワルキューレはΔ小隊に安全な所に降ろされ歌う準備をしていた。

 

「来たわね」

 

 メンバーの一番上の位置についた美雲が声のする方に振り向く。続けてレイナ、マキナ、カナメの順で話していく。

 

「あの時と同じ、ヒリヒリ痛い」

 

「でもこの前よりも全然強い」

 

「まさか、遺跡と呼応して」

 

 そして、フレイアは自分のルンを抑えながら話し出した。

 

「風の歌い手、でもこの歌……色がない」

 

 突如聞こえた風の歌によってチャックが慌て出す。

 

「歌が聞こえるってことは俺たちもヴァールになっちまうのか?」

 

「落ち着け、ワルキューレがいる。必要にな情報は手に入れた、とっととラグナに帰るとしよう。戻ったらクラゲラーメン奢ってやるぞ、ラグナ海老も乗せてな」

 

「了解」

 

「月光アワビもな」

 

「僕は生クラゲがいいですね」

 

「毎度あり!」

 

 アラドの言葉にミラージュ、ハヤテ、蒼也が声を弾ませて言い最後にチャックが喜んでいた。すると、アラドたちの正面奥から洗脳された新統合軍パイロットたちのVF-171や空中騎士団も現れた。

 

 

『NEO STREAM』

 

 

「♪~~」

 

 曲が始まるとアラドが指示をした。

 

「全機フォーメーション、エレボス!」

 

 アラドの言葉でΔ小隊各機散開して洗脳させた新統合軍と空中騎士団との戦闘が始まった。そして蒼也はVF-171の翼を撃ち抜き次々と落としていく。

 

「良し、次!…!?」

 

 センチネルにロックオン警告が鳴り銃弾が降ってくるそしてセンチネルは急いで避ける。センチネルの後ろからヘルマンの乗るSv-262ドラケンⅢが追ってきた。

 

「あれは……ふふっ、成る程貴方ですか。良いでしょう受けて立ちます!」

 

 蒼也はそう言うとセンチネルの出力を上げて加速する。

 

「勝負だ!!」

 

 ヘルマンはそう言いながら機体を旋回し加速させた後にセンチネルへドッグファイトを持ちかけ、蒼也もそれに応じる。そして二人は激しい戦闘を繰り広げ、何度もクロスオーバーする空中では激しい閃光と爆発が起こっていた。

 

 

 

 一方、ワルキューレは今も尚歌い続けているが頭に違和感を覚える。

 

「なっ、なんね?」

 

 フレイアは頭を抑えて言った。

 

「モヤモヤ、ズンズン音が重い」

 

 レイナは胸を抑えて服を強く握りしめながら言う。

 

「フォールド波が乱れちゃってる」

 

「もしかして、遺跡が私たちの歌に反応を……?」

 

 マキナとカナメは何も無いところから画面を出してフォールド波を確認しながら言った。

 

「何?この感じ」

 

 美雲も胸に手を置いて違和感に気づく。

 

「!?ミサイル接近!!」

 

 カナメがミサイルの接近に気付きミサイルがマルチドローンを盾にする。

 

「不味い!」

 

 ワルキューレが襲われたことに気づいたハヤテは急ぎワルキューレの元まで向かった。ハヤテは一機のVF-171の羽を撃ち抜き不時着させ少し離れたところでバトロイドモードになり降り立った。

 

「ハヤテ、その機体はあの子達の!」

 

 フレイアの言葉にハヤテはVF-171の肩のエンブレムを見る。そこに描かれていたのは虎のエンブレムだった。ハヤテはそれを見て木の上で呼び掛けていた子供たちの父親であることに気づいた。

 

「そんな……!?」

 

 VF-171はハヤテに向かってマイクロミサイルを発射。ハヤテはそれを両腕のピンポイントバリアで守るが衝撃が強すぎて後ろに倒れる。

 

「ハヤテ!!」

 

「フレイア!…!?」

 

 カナメはハヤテの元に行ったフレイアを止めようとしたがミサイルが近づいていることに気付きマルチドローンに指示を送る。

 

 バトロイドモードになって大きく飛んだVF-171は銃をハヤテに向けるがしかし、

 

「やめろ!!」

 

 ハヤテは飛んでいるVF-171の足を狙って破壊し地上に落とす。その後通信を外にも聞こえるようにした。

 

「目を覚ませ!ララ・サーバル大尉!ガキたちが寂しがってただろ!?アンタの帰りを待ってんだろ!!帰ってやれよ!」

 

 ハヤテの言葉に耳を傾けることなくララ・サーバルは倒れたまま銃を向けて撃ち放つ。ハヤテは急いでピンポイントバリアを展開するが顔の一部が破壊されてしまう。

 

「ハヤテ!!」

 

 フレイアは急ぎハヤテの元に行く。

 

「くそ、だめか……!」

 

 ハヤテはVF-31Jの顔の一部が破壊されたことにのよって画面に乱れが生じ照準が定まらなくなっていた。

 

「くそ!狙いが定まらねぇ。」

 

「いけん!撃っちゃいけん!撃っちゃいけーーん!!」

 

 フレイアはハヤテの前に立ち両手を広げる。

 

「フレイア?」

 

「歌はきっと届くから!私を信じて!!」

 

 フレイアはハヤテにそう言うとララ・サーバルの方を向いた。

 

「フレイア………お前」

 

 ハヤテがそう言うと音楽が流れ始めた。

 

 

『GIRAFFE BLUES Freia solo』

 

 

(届いて私の思い、届け!私の歌!)

 

「♪~~」

 

 フレイアはルンを今までにないぐらいに輝かせて歌っていた。ララ・サーバルはフレイアに銃を向けるが何処か苦しそうにしていた。それでもララ・サーバルは引き金を引いた。

 

「フレイア!」

 

 ハヤテの乗るVF-31はフレイアに覆い被さった後ピンポイントバリアを張りララ・サーバルの攻撃から守っていた。それでもフレイアは歌い続ける。

 

「♪~~」

 

 それは周りの人たちもフレイアの思いを感じ取った。

 

「感じる!」

 

 美雲はフレイアの方に振り向く。

 

「フレフレ」

 

「チクチク…来た」

 

 マキナは耳にレイナは胸に手を置いた。

 

「フォールドレセプター上昇!これは……」

 

 カナメはフレイアの生体フォールド波を確認しながら驚いていた。

 

「フレイア?」

 

「来ましたか、フレイアさん」

 

 そして現在戦闘中のミラージュと蒼也にもフレイアの歌を感じた。フレイアの歌でララ・サーバルの攻撃が止みヴァールの状態から正気を取り戻していく。

 

「……レオン、ミーア」

 

「♪~~」

 

 フレイアの歌でララ・サーバルは正気を取り戻しVF-171の中で気絶する。

 

「くっ!汚れた歌を止めろー!!」

 

 ボーグはフレイアの歌を邪魔しようと向かった。

 

「邪魔はさせねー!!」

 

 ハヤテはボーグが向かってくるのに気づき、バトロイドからガウォークモードに切り替え空高く舞い上がった。そしてボーグはビームガンボットをフレイアに向けて放つがハヤテの乗るVF-31Jはガウォークモードで左手のピンポイントバリアを張り破壊されるがフレイアを守った。

 

「くっ!!うぉぉぉおーーー!!」

 

 ハヤテはVF-31Jを再びファイターモードに切り替えボーグを追い掛ける。更にはフレイアの歌に反応してハヤテは機体が金色の光を纏い加速させる。

 

「なにこの反応?……ハヤテくん!?フレイアと共鳴して」

 

 カナメはハヤテとフレイアが共鳴していることに気付き驚いていた。

 

「ふふっ、やっと来たわね。フレイア」

 

「僕たちのステージに辿り着きましたか。フレイアさん!」

 

 美雲は片手でWを作りフレイアに向けた。蒼也はヘルマンと戦いながらフレイアが自分たちがいるステージに辿り着いたことを喜んでいた。

 

「だったら僕も早く終わらせないと行けないですね!」

 

 蒼也はセンチネルを加速させてヘルマンの後ろに付く。ヘルマンは冷静な判断を下した。

 

「これならどうだ!」

 

 ヘルマンは機体をガウォークモードに切り替え、急停止させる。そうやってセンチネルが右隣に来るとヘルマンの乗るドラケンⅢはミニガンボットをセンチネルに向けた。

 

「終わりだ!…!?」

 

 だが、センチネルは既に両手に持つGNソードⅡを向けておりミニガンボットを破壊した。

 

「くっ!!まだだ!」

 

 続いてヘルマンはビームガンボットをセンチネルに向けたがそれも呆気なく破壊されてしまう。そして蒼也はガウォーク状態であるドラケンの片足を狙って破壊した。落ちていくドラケンを見ながら蒼也はヘルマンに通信を繋げて言った。

 

「貴方は強い。だから、また戦うときはもっと強くなって僕に挑んでください」

 

「あぁ、必ず。君を越えてみせよう騎士の、いや私の誇りにかけて!」

 

 蒼也はその言葉に笑みを浮かべセンチネルと共にその場を後にした。

 

 

 

 一方、ハヤテはボーグを追い掛け攻撃していた。

 

「くっ!しつこい奴め、ならば!」

 

 ボーグもヘルマン同様機体をガウォークモードに切り替え、急停止させる。やがてVF-31Jが右隣に来るとボーグの乗るドラケンⅢはミニガンボットとビームガンボットをVF-31Jに向けた。

 

「ふっ、グローズ…なっ!?」

 

 しかしハヤテも蒼也と同様、既にミニガンボットを構えておりミニガンボットとビームガンボットを破壊した。

 

「ぐっ!!こいつ風を!?」

 

 一方ボーグの乗るドラケンの武器を破壊したハヤテはロックオンを操縦席からガウォーク状態であるドラケンの右足を破壊し地上に落とした。

 

「うぉぉぉおーーー!!」

 

 ハヤテは雄叫びを上げながら機体を空高く飛ばしていった。

 

「ハヤテ……」

 

 ミラージュはハヤテの変わりように唖然としている。

 

「たくっ、風に乗りやがった。よく似てるよあの人に……」

 

 アラドは誰かと照らし合わせているのか懐かしんでいた。

 

 やがて空中騎士団も撤退していき、Δ小隊メンバーは隊列を組みワルキューレの乗る輸送機を守護しながらアイテールに戻ろうとしていた。

 

「リーダー、ワルキューレは全員無事か?」

 

 アラドはカナメにワルキューレが全員無事か確認を取った。

 

『はい。みんな、クラゲラーメンを楽しみにしてますよ。』

 

「上等だ、良し!ずらかるぞ」

 

 アラドがそう言うとΔ小隊各機、ワルキューレ輸送機、センチネルは空高く飛び上がり惑星ヴォルドールを後にした。

 

 

 

 一方、地上ではロイドが自身の手に持つ調査端末の結果に驚きパラガナール遺跡に目を向けて言った。

 

「遺跡の力が蘇りつつあるのか……」

 

 一頻り遺跡を眺めたロイドはマントを靡かせその場から去っていった。

 

 

 

 そしてアイテールに無事着艦することができたΔ小隊とワルキューレは任務達成を祝すため食堂へ向かった。しかし蒼也は一人展望デッキに来て星を眺めながらあることを考えていた。

 

(あの記憶、恐らく僕があの方から記憶を与えられた時よりももっと前の記憶。これは早く帰って聞く必要があるな。)

 

「「蒼也(さん)」」

 

 二人の女性の声が聞こえ蒼也は後ろを振り向く。そこにいたのは美雲とフレイアだった。

 

「二人ともどうしたんですか?」

 

 蒼也が尋ねるとフレイアは今にも泣きそうな顔で話始めた。

 

「私!諦めずに歌い続けて私の思いがみんなに届いて、みんなをヴァールから救うことができて!美雲さんと蒼也さんのいるステージに立つことができてムッチャ幸せです。美雲さん!蒼也さん!お待たせしました!このフレイア・ヴイオン、お二人の隣で一生懸命歌いますので宜しくお願いします!」

 

 フレイアの隣にいた美雲は蒼也のところまで歩き隣に立ったところでフレイアの方に振り向き、右手でVを作りながら言った。

 

「フレイア」

 

 美雲の意図が分かった蒼也は左手でVを作ったあと美雲の右手のVと重ねてWを作りこう言った。

 

「これからも一緒に」

 

「「頑張りましょう」」

 

 蒼也と美雲から送られたエール。これだけでフレイアはとてもいい笑顔で両手でWを作り返事をした。

 

「はいな!!」

 

 それを言ったフレイアは二人を残して展望デッキから出ていった。

 

「フレイアさん、見違えるほど成長しましたね……」

 

 蒼也は頬笑みながら言った。

 

「そうね……」

 

 美雲は何処か悲しそうな声で返事をすると、蒼也の胸元に正面から抱きついた。

 

「え!?ちょっ、ちょっと!?美雲さん!?」

 

「……無理しすぎよ」

 

 慌てふためいていた蒼也だが、美雲の言葉で一気に正気に戻った。

 

「貴方が次元兵器の話を聞いてから変だったのは知ってる。それに遺跡にあった祭壇の上で苦しんでた貴方は何処か悲しそうな顔をしていたのも知ってるわ」

 

 蒼也は美雲の言葉に笑みを浮かべ深呼吸をしたあと美雲を抱き締めながら言った。

 

「美雲さん、心配かけて本当にすみません。もう大丈夫です」

 

「本当に?」

 

 美雲は抱き締めた状態で顔をあげる。

 

「はい、おかけで気が楽になりました」

 

「なら良かったわ」

 

 そう言って美雲は蒼也から離れるとある事を思い付いた。

 

「ねぇ、蒼也?」

 

「どうかしま(チュッ)……」

 

 美雲は蒼也が聞き終わる前に彼の頬にキスをした。突然のことで蒼也は口を少し開いてただ呆然としていた。その姿を見ていた少し頬を赤くした美雲は笑った。

 

「ふふっ、これは今までのお礼よ。みんな食堂で待ってるわ、行きましょう」

 

 そう言って美雲は少し駆け足で展望デッキから出ていった。

 

「やっぱり敵わないなぁ。美雲さんには……」

 

 次第に頬が熱くなるのを感じながら蒼也は美雲のあとを追った。




はい、今回はここまでです。久しぶりの美雲とのイチャイチャを書きましたが以下がでしたでしょうか。これからも頑張っていくので宜しくお願いします。

次回  No.09-1 限界アンコントロール
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