それと新しくタグに不定期更新を追加しました。夏休みは予定が立て込んでいるのでもしかしたら更新できないかもしれません。気長に待っていてください。それと今回はかなり長めですので、目を痛めないようにゆっくり読んでください。
それでは物語へどうぞ。
翌日、カナメとアラドはワルキューレがラグナ星の海の奥底にある遺跡で歌っている映像と調査の結果を見ていた。
「アーグルパトラ、この星にあるプロトカルチャーが残した遺跡からは私たちの歌への反応は確認できませんでした」
「だが、ヴォルドールでは反応があった」
アラドは席に座りながらカナメが手に持つタブレットで出していくホログラムの資料を見ながら言った。
「はい、占領された幾つかの星にも存在しているプロトカルチャーの遺跡。いずれも惑星の中心に向けてエネルギーシャフトが伸びてますが歌との関係は勿論、どんな働きをしているのか未だに解明できていません」
「ん~」
アラドはカナメの説明を聞いた後腕を組み、難しい顔をしながら悩んでいると部屋の自動扉が開き、メッサーが入ってきた。
「メッサーくん!?」
カナメはメッサーの姿を見ると急いでホログラムの資料を消して髪を整えた。
「メッサー」
アラドは席を立ちメッサーの方に近づきながら名前を呼んだ。メッサーはアラドたちに裸喰娘娘で思いを告げてスッキリした顔で立っていた。
「メッサー・イーレフェルト中尉、ただ今より任務に復帰させていただきます!」
「もう体は大丈夫なんだな」
そう言ってアラドは敬礼しているメッサーに大丈夫か尋ねていた。
「はい、怪我の方はもう動いて言いと医師から聞きました」
「そうか、だが無理だけはするなよ」
「分かっています。でももし、自分がヴァールになったときは止めてください」
「あぁ、必ず止めてみせる。だから俺たちΔ小隊とワルキューレを信じろ」
「はい!」
メッサーとアラドは握手をした。それをアラドの後ろから見せていたカナメは優しい笑顔でメッサーを見ていた。
やがて、メッサーは愛機であるVF-31Fに乗りハヤテ、ミラージュ、チャック、蒼也たちと共に模擬戦をしていた。不意をつくためにわざと離れていたチャックはミラージュに追いかけられているメッサーにペイント弾を放つ。がメッサーは軽々と避けて機体を加速させ逃げていく。
「当たらねーのかよ!」
「この模擬戦もしかして!」
「あぁ!メッサーのやつ、俺たちを白騎士に見立ててやがる。まだやるのかよあいつと!」
「……」
チャック、ミラージュ、ハヤテの順でメッサーに文句を言っている中、蒼也は一人黙って考え事をしていた。
(サラ様が言っていたことがどうしても気になる。何でだろ?これから嫌な予感が……!?)
蒼也はサラに昨日の夜に言われた事が胸に引っ掛かり考えているとロックオン警告が鳴り響き蒼也は急いで機体を加速させ、ペイント弾を避けていく。避けたところでメッサーから通信が入った。
『考え事とは、随分と舐められたものだな。なぁ、蒼也』
センチネルの前にVF-31Fがガウォークモードになって空中に止まった。
「いえいえ、メッサーさんが余りにも成長していたので驚いていたんですよ。それよりあの三人は?」
『ふん、あの三人なら俺に負けてアイテールに先に戻った。以前の俺とは違う』
「それでだったらやりますか?」
『挑むところだ!!』
メッサーはそう言うとVF-31Fをガウォークからファイターモードに切り替えて空高く飛翔した。蒼也もメッサーの後に続いてセンチネルの出力を上げて空高く飛翔した。
「まさか相撃ちとは、歌っていないとは言え僕もまだまだですね。流石はメッサーさん、これからも宜しくお願いしますね」
「あぁ、だがあそこで撃たれるとは思わなかった。こちらこそ宜しく頼む、蒼也」
模擬戦を終え相撃ちという結果に終わった二人はアイテールの発進カタパルトに降り立ち会話をしていた。すると、
「お疲れさん、蒼也、メッサー」
私服に着替えていたハヤテとミラージュがやって来た。
「ハヤテ!蒼也は言いかもしれませんがメッサー中尉は年上で我々よりも階級が上なんですよ!敬語を使いなさい!」
ハヤテの言葉にミラージュが注意するがハヤテはそんなこと聞かない。
「うっせーな、ミラージュは別にいいだろ?」
「だめです!!」
ハヤテとミラージュの喧嘩が始まってしまった。
「はぁ、こいつらは………」
「アハハ、しょうがないですよメッサーさん。二人は火と油みたいなもんですから」
メッサーはハヤテとミラージュを見てため息を吐きながら頭を抱えた。二人をみていた蒼也はメッサーにしょうがないと言って諦めていた
「あの二人は放っておいて行きましょう」
「あぁ、そうだな」
そう言って蒼也とメッサーは喧嘩しているハヤテとミラージュをおいて着替え室に移動した。着替え室に行くため廊下を歩いているとメッサーがハヤテとミラージュのさっきの続きを話し出した。
「あの二人は一生あんな感じだろうな」
「そうですね、案外今も喧嘩してたりして」
「まさかな。」
「ですよね」
その頃、置いていかれたハヤテとミラージュはと言うと、
「なんだよ!結局は俺のせいだって言うのかよ!」
「当たり前でしょ!?折角二人にアドバイスをしてもらおうと思ってたのに着替えに行ってしまったではないですか!?」
「知るかよそんなこと!」
「何ですってー!!」
「何だよー!!」
「「ぐぬぬぬぬぬぬ……ふん!!」」
蒼也の言った通り今も尚、喧嘩をしていた。
そして、時は流れて時刻は夜を指す。みんなが寝静まった頃の美雲はお気に入りの岩の上に立って夜の海を眺めていた。
「あの時感じた、あの風は」
「やっぱり、ここに居ましたか。美雲さん」
美雲はその声が聞こえると後ろを振り向いた。するとそこにいたのは、
「蒼也」
少しだけ息が切れていた蒼也の姿があった。
「帰って来なかったので心配しましたよ」
「ごめんなさいね、少しだけ考え事をしてたの」
美雲は夜空に見上げながら言った。
「考え事?」
「えぇ、あの遺跡での事よ。あのときあの遺跡で風を感じたの。何処か懐かしく、何処か切ない風を。蒼也は何か感じたの?」
「そうですね。感じたと言うより、『見た』ですかね」
「見た?」
蒼也が見た記憶の一部はノイズが入り聞こえなかったため話の部分は伏せて風景だけについて話始めた。
「はい、何処かの神殿で二人の男女が手と手を取り合い寄り添っていたそれが誰なのか分かりませんが何処か懐かしく感じたんです。話している内容も聞こえたんですが一部ノイズが入って聞こえない所があるのでハッキリしたら話しますね」
「えぇ、わかったら教えてちょうだい」
「はい、必ず」
その直後、空襲警報が町中に鳴り響き、遥か遠い空から六機のSv-262ドラケンⅢが飛んでくる。
「あれは空中騎士団。美雲さん、行きましょう!」
「えぇ!」
蒼也と美雲は急いでエリシオンへと向かった。
一方、エリシオンではアーネストとオペレーターたちがΔ小隊が来るまで持ちこたえていた。
「どうやら、防空システムの内側にデフォールドされたようです」
オペレーターの一人が侵入された原因をアーネストに伝えた。
「そうか………風の歌は」
「反応なし、今のところヴァールは発生していません」
アーネストの問いにもう一人のオペレーターが答えアーネストは頷く。
「よりにもよってヘーメラーが留守の時にか。」
アーネストの言う通りエリシオンの右腕兼母艦のヘーメラーは現在パトロール中でラグナ星にはいない。そのため残っている戦力はΔ小隊のみである。
そして突如現れた空中騎士団は隊列を組んでいた。
「見ていろよ。ワルキューレとΔ小隊」
ボーグの言葉と共に各機のドラケンから白色の発煙筒が放たれウィンダミアの象徴である四枚羽の鷲が映し出された。
「空中騎士団、見参!!!」
「ふっ、やりすぎだぞボーグ」
へルマンがボーグにそう言って注意した。
ギリギリ間に合い発進準備をしていたΔ小隊メンバーと蒼也はその光景を見て不愉快に思っていた。
「嘗めやがって、こんなときに」
「メッサー中尉」
ハヤテとミラージュはメッサーの事が心配になりメッサーの方に向く。その頃メッサーは祈りを捧げるように左手首に着けているブレスレットを右手で握りしめ目を閉じた。暫くするとメッサーは目を開けて操縦桿を握る。
「Δ小隊、発進!!」
アラドの指示でΔ小隊各機が発進カタパルトから射出され空高く舞い上がる。やがて隊列を組んでその上を蒼也の乗るセンチネルが飛ぶ。
「アラドさん、僕は先に行きます!」
蒼也はそう言って機体を加速させ先に飛んでいく。それを見てしまったへルマンは気持ちが高ぶり仲間全員に指示を送った。
「全員、先に来るあの機体は私が相手をする!誰も邪魔をするな!!」
「「「「ダー!」」」」
「了解した」
へルマンは仲間全員の返事を聞くと機体を加速させ蒼也との戦闘が始まる
「来ましたか!ウィンダミア人!」
「今度こそ勝つ!地球人!」
蒼也とへルマンはお互いそう言うと機体を加速させて壮絶な戦いが繰り広げられた。線を織り成し合いながら戦い、二人の機体が重なるところでは爆発が起こっていた。やがて蒼也はへルマンの後ろを取り、両手に持つGNソードⅡをソードモードに切り替えて右に大きく振りかぶって斬りかかった。
「もらった!」
「させん!」
へルマンもすかさずバトロイドモードに切り替えてドラケンⅢに備え付けられている。アサルトソードで対抗する。二人は互いの剣を押し付け合いながら飛んでいる。一旦離れるとお互い対峙するように向かい合っている。蒼也はそこで通信を繋げてへルマンと会話を試みた。
「どうも、そっちから来てくれるとは思っていませんでしたよ………ウィンダミア人」
「ハッハッハッ、わざわざ私に通信を繋げてくれるなんてな変わっている地球人だよ君は」
「言っておきますがこの機体にあらゆる手段でジャックしようとしても無駄ですからね」
「それは残念。だが、そんなことはどうでもいい。私はただ君に勝ちたいという思いしかない」
蒼也はその言葉に笑みを浮かべて喋りだした。
「そうですか。けど、今の貴方では僕に勝てない。さっきの戦いで嫌ってほど分かったでしょう」
「あぁ、分かっている。だがそこで諦めたら騎士の名折れだ。こんなところで諦める訳にはいかんよ」
へルマンはドラケンをバトロイドの状態で剣を構えた。
「いいでしょう。ならもう一度、貴方には負けてもらいます」
蒼也もセンチネルの両手に持つGNソードⅡを構える。
「「勝負!!」」
二人はその掛け声と共に機体を加速させ距離をつめ、剣と剣がぶつかり合い凄まじい金属音が鳴り響いた。
一方、ヴァールになりかけているメッサーは何とか自我を保って白騎士ことキースと戦っていた。始めはメッサーが白騎士に追いかけられていたがメッサーは機体をガウォークに切り替え小さく上に反転し、そして素早くファイターに戻し急加速をして白騎士の後ろを取った。
「くぅっ、うぉぉおおおお!!!!」
「ほぅ、やるではないか」
キースはメッサーのやった技術に称賛を送った。
それに対してメッサーは今日隊に復帰したばかりで体力が底をついていた。それにヴァール化の兆候も現れ始めた。
「はぁ……はぁ……はぁ……うっ、くっうぅぅ」
『Δ3、七時上方!敵!』
『ウーラ・サー』
『Δ5右に回って!』
『OK』
メッサーには仲間の声がどんどん遠くなっていくのが分かり耐えきれず叫んだ。
「はぁ…はぁ…くっ、うぉぉあぁぁぁああああ!!!!!」
メッサーの叫び声を聞いたΔ小隊メンバーは全員メッサーの方を向く。
「中尉!!」
「メッサー!」
ミラージュとハヤテは今追いかけているリル・ドラケンを破壊してメッサーの元に行こうとしたが次のリル・ドラケンが現れ行く手を阻まれた。
「メッサーさん!まずい早く歌の準備をしないと」
蒼也もメッサーの叫び声を聞いてへルマンと戦いながらワルキューレと歌うための準備を始めた。
「メッサー!どうした!?くそ、来ちまったか」
アラドはそう言うとアーネストに通信を繋いだ。
「艦長!ワルキューレの出動を要請する!」
「ん!?どうした!?」
「急いでくれ!メッサーが!」
その言葉にアーネストは察してワルキューレの出動の命令を出した。
「!?メッサーくん!行くわよワルキューレ!」
「「「「了解!」」」」
すると、ワルキューレメンバーの服はステージ衣装に切り替わる。
『僕も手伝います!』
インカムを着けた蒼也が画面を通じて現れる。
「助かるわ蒼也くん」
『僕らの戦場 with souya』
「♪~~」
音楽が流れ始めると強化ガラスで覆われたドーム型のステージが現れ、美雲と蒼也が歌い始める。すると、美雲と蒼也が遠く離れているのにも関わらずセンチネルは金色の光を纏った。へルマンはそのセンチネルの姿に見惚れてしまった。
「美しい……………!?」
「急遽予定が変わってしまったのでこれで終わりにします!!」
そう言って蒼也は正面でへルマンの乗るドラケンⅢの両腕とビームガンボットを両手に持つGNソードⅡで破壊した。その後蒼也はへルマンを置いてワルキューレの元まで戻っていった。その後ろ姿を見ていたへルマンは負けた悔しさと生かしてくれた感謝の気持ちで溢れていた。
「♪~~」
蒼也は無事ワルキューレのいるステージに到着してワルキューレを守護しながら一緒に歌う。メッサーも正気を取り戻し、戦線を離脱した。暫く戦いが続いたがヘーメラーから漸く援軍が到着した。
「潮時だな、全機撤退。枝に戻る」
「「「「「ダー!」」」」」
そして、空中騎士団は撤退していき、再び平和が訪れた。
空中騎士団の撤退を確認した後、蒼也たちはアイテールに帰艦した。蒼也はセンチネルを指輪に戻すと格納庫の扉を開け外に出ると、そこには美雲が待っていた。
「美雲さん……待ってて…くれたんですか?」
「えぇ、酷く疲れているようだけど大丈夫?」
「大丈夫…ですよ、ぐっ!?」
蒼也は両手で頭を抑えて倒れ込んでしまう。
「蒼也!」
美雲はギリギリで蒼也を受け止めるが蒼也は目を開けない。
「蒼也!お願い目を開けて!蒼也!!」
「………」
返事のない蒼也を心配して美雲は蒼也を背負って急いで医務室まで運んで医師に見てもらった。
「恐らく過労でしょう。無理ばかりして疲れが貯まってしまったのでしょう。大丈夫ですよ明日になれば良くなりますから」
美雲は医師の話を聞いて一安心した。
「でも驚きましたよ。まさか美雲さんが蒼也くんを背負って連れてくるなんて、やっぱり愛の成せる技ですかね」
「わ、私と蒼也は別にそんな関係ではないわ」
美雲は医師の言葉に少し照れてしまう。
「あれ?そうなんですか?だったら今度行われるクラゲ祭りに一緒に行かれてはどうですか?そうすればよりいっそ中が深まりますよ」
「考えておくわ」
「ハハハ、素直じゃありませんね。それじゃあ自分はこれで失礼します貴方は此処に残りますか?」
「えぇ」
「それでしたら、何かあったときはそこの非常用ボタンを押してください。僕が駆け付けますから」
「分かったわ」
医師は、それでは。と言って医務室から出ていった。美雲はベッドで寝ている蒼也の左手を両手で握りしめ話しかけた。
「蒼也、貴方はたまに自分のことを犠牲にしてまで誰かを救おうとしていることもあるけど貴方の事を心配している人がいることも分かりなさい。私だって貴方が怪我をするの黙って見ていられないもの。明日になったら、ちゃんと起きなさい。お休みなさい、蒼也」
そう言って美雲は蒼也の額にキスをして手を繋ぎながら一緒に寝るのであった。
はい!今回はここまで、どうでしたか?楽しんで頂けましたか?もっと美雲とのイチャイチャを見せてくれよという方安心してください。次回はあの祭りがあります。言いたいこと、分かりますよね?それではまた。
次回 No.10-1 閃光のAXIA