旋律は風に乗り、翼と共に銀河を翔る   作:新郷遊佐海

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皆さん、大変お待たせしました。どうも、ビビビビットンです。最初に言っておきます。最後の方は凄く手抜き感があります。それでも楽しんで頂けたら幸いです。



それでは物語へどうぞ。


No.10-2 閃光のAXIA

 クラゲ祭りから四日が経過した。

 

 蒼也を含むΔ小隊メンバーとワルキューレメンバーはメッサーの出発式を行っていた。Δ小隊以外にもα小隊、β小隊、γ小隊も集まり整列していた。

 

「敬礼!」

 

 一番前にいるアーネストの指示により集まった全員がメッサーに向かって敬礼をする。メッサーもそれに答え敬礼をする。その後メッサーとVF-31Fを乗せた輸送船はラグナの空へと飛び上がっていくのだった。

  

 

惑星ウィンダミア 

 

 キース率いる空中騎士団は惑星アル・シャハルを占領するためドラケンⅢの元に向かっていた。しかし、大広間に到着すると二本の剣を手にしたロイドが現れる。

 

「ロイド様?」

 

 ボーグはロイドに呼ぶが反応しない。そして、ロイドはキースに向かって剣を投げつけ、キースはそれを片手でキャッチする。

 

「何のつもりだ。ロイド」

 

「ハインツ様には休息が必要だ」

 

 ロイドはそう言いながら鞘から剣を引き抜く。

 

「ふっ」

 

「キース……」

 

 ヘルマンは剣を抜きながら前に出るキースを止めるが、キースは止まらない。

 

「久しぶりだな」

 

「私に勝ったことがあったか?」

 

「昔の話だ。……ふっ!」

 

 そうしてキースとロイドの勝負が始まった。剣と剣がぶつかり合い激しい金属音が鳴り響く。テオ、ザオ、ボーグは二人の力量に驚いていた。 

 

「す、すごい……」

 

「白騎士様と互角……」

 

「なんて凄まじい戦闘だ」

 

 すると、キースが低い体制をとり、ロイドの剣を弾き上げる。弾かれた剣はそのまま天井に突き刺さる。キースはロイドに剣を首に当てたまま話を始める。

 

「陛下に逆らうつもりか?」

 

「しかし、ハインツ様のお命が……」 

 

「その時は俺の命も大いなる風に差し出そう。この戦いに勝利した後、俺の命も……」

 

 剣を首に当てたままキースはロイドを睨み付ける。

 

「翼を納めろ!!」

 

 キースとロイドは声のする方に顔を向ける。大広間にある階段の先にいたのはハインツだった。 

 

「ルンに二人の風を感じた。……歌って僕も死のう……キース」

 

 ハインツの言葉にキースは剣を納めて膝をつき、敬意を示した。しかしロイドはなにも言えずただ悔しそうにしていた。 

 

 

惑星アル・シャハル

 

 ヴァール発生と風の歌が聞こえメッサーを抜いたΔ小隊とワルキューレが出動することになった。

 

 

 

『ザルド・ヴァーザ! ~決意の風~』 

 

 

 

「♪~~」

 

 

 

「アル・シャハルにヴァール発生!新たに配備された部隊も一瞬で敵のコントロールかに落ちた。気を付けろ!あの歌が響いている!」

 

 アーネストはアル・シャハルにある遺跡の近くを飛んでいるΔ小隊に通達した。 

 

「くそ!何なんだよ!」

 

「前よりもハッキリと聞こえやがる!」

 

 チャックとハヤテは少しだけ苦しそうに訴えている。 

 

「!!プロトカルチャーの遺跡が敵の歌に反応しています!」

 

 ミラージュは青く光っている遺跡を見てΔ小隊メンバーにそう伝える。そして空中騎士団が現れΔ小隊は戦闘を始めた。 

 

 

 

 アイテール指令室では三人のオペレーターとアーネストが現在の状況を確認していた。

 

「Δ小隊、敵と交戦を始めました」

 

 一人目のオペレーターがそう言うと通達音がなり、二人目ののオペレーターが報告する。 

 

「惑星リスタニアの遺跡にも、反応を確認しました」

 

「なんだと?!」 

 

 アーネストが驚いていると三人目のオペレーターも報告する。

 

「惑星エーベルも風の歌の影響で反応しています」

 

「惑星イオニデスもです」 

 

 一人目のオペレーターが追加でアーネストに報告する。

 

「待て、イオニデスに遺跡はないはずだ」

 

「ですが歌が聞こえてくると」

 

 オペレーターの言葉にアーネストは考える。

 

「星図を」

 

 アーネストの指示で画面に星図が映し出される。

 

「こいつは……」 

 

 アーネストは何かに気づいて驚いていた。

 

 

 

『Walkure attack!』

 

 場所は戻ってアル・シャハル遺跡前。遺跡から少し離れた上空からワルキューレの乗る輸送機が飛んできてワルキューレメンバーと蒼也が飛び降りる。

 

 

「♪~~」

 

 

 歌いながら飛び降りたワルキューレメンバーの服はシュトラールに切り替わり砂の上を滑り降りていく。一方、蒼也はセンチネルを出した後美雲たちを守るために遺跡の前に降り立つ。そして美雲と一緒に歌う。すると、遺跡は強く光だし風が吹き荒れる。

 

「何、この感じ……危ない!!!」

 

 カナメがそう叫ぶと何かが弾けとんだ音と共に遺跡の光が強くなり、衝撃波で歌が途絶える。

 

「な、何だ!? ぐっ!!」

 

 蒼也は胸を強く抑え込む。美雲とフレイアも意識を失い、倒れてしまう。しかし、蒼也は今までにないぐらいの激痛に襲われていた。蒼也が前世で死ぬ直前に起こったあの胸の激痛よりも遥かに上の痛みが彼の胸の内側を襲う。蒼也は痛みを耐えきれず意識を失い、センチネルは両膝をついて機能停止した。

 

「蒼也くん! 応答して!!」

 

 カナメはインカムを使って、蒼也に呼び掛けるが返事がない。ワルキューレの歌が止んだことに気づいたヘルマンは総攻撃を仕掛けるため指示を送った。 

 

「敵の歌が止んだ。一気に片付けるぞ!」 

 

「ダー!」

 

「大いなる!」

 

「風にかけて!」

 

 ヘルマンの言葉にカシム、テオ、ザオが反応する。そして四機のドラケンⅢからリル・ドラケンが切り離され、自立稼働していく。

 

「くっ!囲まれた!」

 

「防戦一方かよ! メッサー無しじゃ」

 

「!!このままだと」

 

 ミラージュ、チャック、アラドはそれぞれ二機のリル・ドラケンに追われ攻めることが出来なかった。一方、カナメ、マキナ、レイナは気を失った三人を目覚めさせようと必死に呼び掛けていた。

 

「クモクモ、目を覚まして!」

 

「フレイア! 起きて!!」

 

「蒼也くん! お願い返事をして!!」

 

 三人は返事をせず、依然気を失ったままである。カナメは蒼也を外に出そうとセンチネルのコックピットに入ろうとするが全機能が停止しているため中に入ることが出来ずにいた。

 

 しかし、蒼也は最近見るようになった記憶よりも更に前の記憶を見ていた。

 

 

 少年と少女が手を繋ぎながら何処かの遺跡の屋根に座り満天の星空を眺めていた

 

【ねぇ。貴方はどうして、私を守ってくれるの?】

 

【それが、僕の役目だから】

 

【それだけ?】

 

【……】

 

【それだけ、なの?】 

 

【…………君のことが………好き……だから】 

 

 少女は少年の言葉に嬉しくなり笑顔で言った。

 

【うん!私も貴方のことが大好き!!】

 

 少年はその言葉に頬を赤らめて顔を逸らした。

 

【これからもずっと一緒にいようね!!】

 

【うん……】

 

 すると少女は少年の肩に頭を乗せる。

 

【ふふっ、絶対……に……まも………って…ね】

 

 少女は少年の肩に頭を乗せたまま眠ってしまった。少年は少女の顔を見て笑ったあと星空を見上げていく。

 

【うん、例えどんな敵が来ようと君だけは守ってみせる。それが僕の………『守護者』としての役目だから】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………守護……者……」

 

「蒼也くん!! 聞こえる?!」

 

 蒼也はインカムを通して聞こえてくるカナメの声に反応して、急いで回線を繋げる。

 

「こちら、ガーディアン」

 

「蒼也くん!! 良かった目が覚めたのね」

 

「すみません、気を失ってたようです。カナメさん、これからセンチネルを起動を試みます。時間が掛かりますからなるべく安全な所に移動しておいてください」

 

「でも、起動させた後はどうするの?」

 

「僕はセンチネルを起動させたらΔ小隊と合流した後に、戦闘に入ります」

 

「分かったわ、気を付けて」

 

 蒼也はカナメとの回線を切るとタッチパネルに手を伸ばし、センチネルの起動を試みた。

 

 

 

 

 

 

 一方、Δ小隊メンバーは危機に瀕していた。特にミラージュの乗るVF-31Cは追っていたリル・ドラケン二機を倒したあと、テオの乗るドラケンⅢに右前進翼を撃ち抜かれ速度が落ちていた。

 

「くそ!!」

 

 ミラージュはテオに振りきることが出来ずにいた。しかし、その後ろからハヤテのVF-31Jが加勢しに現れてきた。

 

「うぉおおおおおーーー!!」

 

「Δ5!!」

 

 ハヤテはテオをミラージュから離させるとその後ろを追っていった。咄嗟のことでテオも焦っており、VF-31Jから放たれる弾が当たってしまう。

 

「コイツ、風に乗っているッ?!」

 

「落ち着け」

 

「白騎士様!」

 

 しかし、そこで白騎士がテオの援護に回ってきた。

 

「白騎士ッ!?」

 

 白騎士の介入によって、今度はハヤテが白騎士に追われる事となり、マニューバを使って振り切ろうとする。しかし、一枚上手のキースは直ぐさまハヤテの手を見抜いた。

 

「ぐぉぉおおあああーーーーッ! もらった!!」

 

 前進に掛かる重力に耐えながらキースの機体の後ろに着いて照準を定め引き金を弾いた。しかしその直前にキースの機体は宙返りしてハヤテの後ろに着き反撃する。反応が遅れたハヤテは機体の右翼に甚大な被害を受けてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Δ5!ぐっ!?」

 

 ミラージュは、白騎士に追い詰められているハヤテを見て援護に回ろうとしたが、後ろから来ていたボーグが右前進翼を狙い撃たれた。

 

「よーし、雑魚はあとだ。今こそワルキューレをぶっ潰す!」

 

「「ダー!」」

 

 ボーグの言葉にテオとザオが反応して返事をするとワルキューレのもとへ向かっていった。

 

 一方、ハヤテは白騎士に追われており逃げようと機体を加速させるが白騎士は難なく後を追う。

 

「振り切れねぇーッ!!」

 

「ふん、この程度か。ッ! …………来たか!!」

 

 キースは何かに気づいたのか笑みを浮かべるとドラケンⅢを反転させ、ハヤテの乗るVF-31Jから離れていき上空へと上がっていった。

 

「何が起こって……、あれは?!」

 

 ハヤテは後ろを振り向くとキースが離れていった理由を理解した。それは遥か上空から降りてくるいるはずのないVF-31Fの姿があったからだ。

 

「Δ2……エンゲージ!!」

 

「メッサー?! 何のつもりだ!!」

 

 メッサーの通信を聞いたアラドは驚き急いで尋ねた。

 

「状況は聞きましたッ」

 

「勝手な真似を!」

 

 メッサーの体からは血管が浮かび上がりヴァール化の兆候が現れ始めた。操縦桿を力強く握りしめて暴走の一歩手前まで押さえ込んでいるメッサーにとって、これ以上の戦闘は不可能に近かったが、それでも諦めなかった。なぜなら、彼もまた一人の戦士なのだから。

 

「俺はまだ、Δ小隊の隊員ですッ!!!」

 

「………!!」

 

 メッサーの言葉に、覚悟に、圧倒されたアラドは何も言えずただ自分の無力さが、悔しさが、込み上げて顔を歪め、操縦桿を強く握った。

 

「メッサーくん………、!?」

 

 通信を聞いていたカナメはよろけながらも歩き出したが、三機のドラケンⅢが近づいて来るのに気付き立ち止まってしまう。カナメは蒼也の方を向くが未だにセンチネルは動く気配がない。

 

 

 

「うぉぉぉぉおおおおおおーーーーーー!!!」

 

 

 

 メッサーは雄叫びを上げてビームガンボットで三機のドラケンⅢの右翼を狙い撃いていく。三機のドラケンⅢは撤退し、そのすぐ後にメッサーのVF-31Fがガウォーク状態で着陸した。

 

「カナメさん無事か!!」

 

「メッサーくん!」

 

 カナメはマイク越しに聞こえたメッサーの声に嬉しさが込み上げてVF-31Jに駆け寄った。キャノピーが開いてメッサーが立ち上がるとヘルメットのバイザーを開けた。

 

「歌ってくれカナメさん、俺がヴァールになりきる前に」

 

「!!」

 

 カナメはメッサーの状態を見て歩みを止めた。顔の血管が浮き出てめも血走っている。それなのにメッサーはそっと笑みを浮かべる。動揺しきっているカナメは不安や恐怖が彼女の体を支配していく。

 

「カナメさん」

 

 メッサーの呼び掛けは、彼女の不安や恐怖が消し去っていき、カナメは覚悟を決めて頷いた。

 

「……分かったわ、メッサーくん!!」

 

 

 

『AXIA~ダイスキでダイキライ~』

 

 

 

「今見た……笑顔が~♪ 最後の笑顔かもしれない~~♪」

 

 

 

 カナメが歌い出すと共に、メッサーは笑いながらキャノピーを閉じてVF-31Fが大空に飛翔していった。

 

 メッサー目で捕らえた先にはリル・ドラケンが六機おり、機銃を向けられていた。しかしメッサーは、それを全て撃破した後、勢い良く上昇していく。今までのメッサーとは違い、操縦性能が段違いに上がっている。

 

「こいつ!!」

 

「異邦人か!!」

 

 ヘルマンとカシムがメッサーの操縦技術に驚いていると、キースのドラケンⅢが勢いよく通りすぎる。

 

「白騎士!?」

 

 白騎士は、メッサーの後を追い掛けていく。やがて二機の機体が交差すると壮絶なドッグファイトが始まった。

 

 

 

「羽よりも命が~♪ 軽くなる世界で~~♪」

 

 

 

 メッサーの機体からマイクロミサイルが発射されるとキースは両翼のリル・ドラケンを後方に向け、ビーム弾を乱射して誘爆させていく。

 

「ふっ……。!?」

 

 メッサーは笑みを浮かべると、今度はキースの機体からマイクロミサイルが発射される。メッサーは機体を加速させ曲技飛行やバレルロールを繰り返しミサイル同士を誘爆させていき、ガンボットをキースに向けて撃っていく。

 

 

 

「切なさは~♪ この胸のAXIA~~♪」

 

 

 

 遥か下の大地では、メッサーとキースのドッグファイト見ていたカナメはどんな状況でも決して歌うことを止めていなかった。それはメッサーのお願いだけではない。

 

(届いて。メッサーくんに私の歌を………このお想いを!!)

 

 カナメの思いが、お想いへと激情していくと共に体から赤色の光が現れた。その光はカナメが歌に力を入れていくごとに輝きが増していった。

 

「!!……カナメさん」

 

 カナメの思いを乗せた歌が、メッサーの体に衝撃を走らせ、血液中にあるフォールド細菌が変化を遂げていく。

 

 体の変化と共にメッサーのVF-31Fは光の筋を引いて一気に加速する。それは模擬戦の時、限界突破した蒼也のようだった。

 

 

 

「悠遠の君が~♪ ダイスキでダイキライ~~♪」

 

 

 

 カナメの歌がメッサーに更なる力を与える。それは女神の祝福を受け、傷付いた鳥が大空に羽ばたくように。

 

(カナメさん。俺は貴女が側に居てくれたから、ここまで戦うことができた。貴女の歌が俺に力を与えてくれるッ!!理屈なんてどうでもいい。俺は、俺はッ!!)

 

 カナメの歌に背中を押され、覚悟を決めたメッサーはゆっくりと操縦桿を握りしめ、強敵(ライバル)である白騎士を見る。

 

「貰ったーーーー!!!!!」

 

 メッサーの雄叫びがVF-31Fの機銃と共に放たれ、キースの機体の右翼にあるリル・ドラケンを撃ち抜き、破壊する。

 

「死神! やはりお前も、風に乗るかッ!!」

 

 キースは笑うとルンの輝きが増していく。キースのドラケンⅢの左翼にあるリル・ドラケンを切り離して、急旋回するとVF-31Fのビームガンボットコンテナを撃ち抜いた。メッサーは直ぐさまコンテナを切り離すが機体の直ぐ下で爆発する。

 

「っ!!」

 

 メッサーは対峙するドラケンⅢを睨んだ。その瞬間、メッサーの視界に移る全ての時間が減速し、力強く髪を揺らしていく。

 

「風……。っ!!」

 

 メッサーは一瞬の出来事で脳の処理が追い付かなくなるが、それでも操縦桿の引き金を絞る。

 

 機銃から発射された弾は、先程キースが切り離して飛ばしたもう一機のリル・ドラケンがそれを防ぎ、爆発する。煙の中から現れたキースのドラケンⅢから高出力のビームが発射される。

 

 真っ直ぐと向かってくるその光線を防ぐことは不可能と判断したメッサーは諦めかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くぅぁあああーーーー!!!」

 

 蒼也の雄叫びと共にセンチネルがメッサーの前に立って盾となり、高出力ビームがセンチネルの左肩を直撃して爆発する。

 

「蒼也ッ!」

 

 メッサーはすれ違い様に叫ぶと煙の中から左肩から下が無くなったセンチネルが落ちていく。蒼也は落ちていく中、メッサーに向け叫んだ。

 

「止まるなッ!! 進めーーッ!!!」

 

 その言葉はメッサーの体の奥底から何かが強く呼び掛けてくる。メッサーは操縦桿を握りしめた。

 

「……ありがとう」

 

 メッサーはそう言うと、優雅に上空を飛んでいる白騎士の後を追っていった。メッサーの機体は先程ほどよりも、強く輝き、光の尾を引いた。

 

「気高き風に、気高き歌。まさかこれ程とは……!!」

 

キースは、メッサーの変わりように笑みが止まらず胸の期待が最高潮まで達していく。止まることを知らないメッサーを引き離そうと、キースはフットペダルを押し込み機体を加速させる。しかしメッサーはそれでもキースを逃がしはしないと後を追う。

 

 

 

「もう君を~♪ 思い出したりしない~♪ だって一度も、忘れることないから~~♪」

 

 

 

 カナメはクラゲ祭りのあの夜の日にメッサーから受け取った腕輪を取り出して、涙を流しながら一心不乱に歌い続ける。自身の歌が(メッサー)に力を与え、側に居続けてくれるこの幸せを、もう手放したくないと願がって。

 

「白騎士ッ!!」

 

 メッサーの叫びは機体を加速させる切っ掛けになり、更にスピードを上げていく。

 

 本来、人間が耐えられる重力は『9.5G』と聞くが、それ相当の重力がメッサーの体に襲い掛かる。EXギアも悲鳴を上げて所々破損していく。

 

 たがそれでもメッサーは止まらない。自分を信じて待ってくれている仲間や大切な人のために。

 

 

 

「ダイスキデ~♪ ダイキライ~~♪」

 

 

 

 曲の終盤。メッサーはキースの真上に付くとガウォークモードに切り替え、両腕の機銃を構えた。

 

「終わりだ!!!」

 

 メッサーは引き金を引いて機銃の弾を吐き出す。キースの乗るドラケンⅢの両翼を狙い撃ち破壊する。

 

 

 

 

 

 

 

 

「全機撤退!キースを回収した後、急いでウィンダミアに帰還する!!」

 

「「「「ダー!!」」」」

 

 ヘルマンはキースが負けたことを悔やみながら、全員に指示を送り、キースを回収して撤退して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メッサーくん……!!」

 

 声を震わせ、涙ぐむカナメの目に映っているのは、遥か上空を飛んでいる、メッサーのVF-31F。

 

 その背に描かれた死神のパーソナルマークは、所々焼け焦げ、色が剥げている。

 

 しかしそれは、この戦いで誰よりも、勇敢に立ち向かい、命を懸けて大切なものを守り、大空を自由に駆け抜けた証。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、今回はここまでです。メッサーが生き残ったぞーーーー!!!。次回はオリジナル回!!お楽しみに!!


次回  No.11-1 覚醒 フライングアタック
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