旋律は風に乗り、翼と共に銀河を翔る   作:新郷遊佐海

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どうもビビビビットンです。更新遅くなりました。今回はかなり短めですが楽しんで頂けたら幸いです。それと余談ですが書き方を更に変えてみました。読みにくかったらごめんなさい。




それでは物語へどうぞ。


No.11-1 覚醒 フライングアタック

惑星アル・シャハルでの戦いを終えたΔ小隊とワルキューレはそれぞれ別にあるアイテールの格納庫に戻った。Δ小隊は操縦席から降りた後、メッサーを含めたΔ小隊メンバーたちで話し合っていた。

 

「メッサー、お前本当に大丈夫なのか?」

 

「はい、ご心配をお掛けしました」

 

「そうか……よく頑張ったな。だが、ちゃんと検査しろよ」

 

「はい」

 

メッサーの言葉に安心したのかアラドは笑顔になっていた。その後もハヤテ、ミラージュ、チャックもメッサーに声をかけて話していた。すると、

 

「はぁ……はぁ……メッサーくん!!!」

 

格納庫の入り口に息を切らしたカナメが現れる。

カナメの呼び声にメッサーは格納庫の入り口の方に顔を向ける。カナメはメッサーの顔を見るやいなや全速力で走ってメッサーの胸に飛び込み、メッサーは飛び込んできたカナメを慌ててキャッチする。

 

「メッサーくん!メッサーくん!!」

 

「カナメさん……」

 

泣いているカナメをメッサーは優しく抱き締めカナメの頭を撫でる。

 

「カナメさん……ただいま」

 

メッサーのその言葉を聞いてカナメは涙を拭き取ると笑顔で言った。

 

「お帰りなさい、メッサーくん!」

 

その後もカナメを追って来たワルキューレメンバーも加わり、メッサーたちの会話は続きとても戦闘の後とは思えないほど笑っていたそうだ。…………ただ一人を除いて。

 

アイテールは無事ラグナ星に帰還した。既に夜とのことでΔ小隊メンバーもワルキューレメンバーもそれぞれの家に帰っていた。

 

「……………」

 

しかし、蒼也はただ一人で格納庫に来ていた。そこで見ていたものは左肩から下が無くなっているセンチネルだった。

 

「………ごめんね、センチネル。僕のせいで君を傷つけて……だけど、この戦争が終わるまで自由に空は飛べない。最後の一瞬まで力を貸してくれ」

 

蒼也はセンチネルにそう言って格納庫から出ていった。しかし、蒼也は気づかない。この時センチネルにある二つのカメラアイが僅かに光っていたことを。

 

 

 

アル・シャハルでの戦闘を終えた蒼也たちは無事にラグナ星に到着した。それから蒼也、メッサー、美雲、フレイアの四名は五日間に渡る精密検査を受けた。そして検査を終えた四人はΔ小隊メンバーやワルキューレメンバーが待つ会議室に向かった。

 

「それじゃあ、四人の検査結果を言う」

 

レイナが全員が集まるのを確認するとホログラムを使いながら説明を始める。

 

「まずはメッサーから、分かったことはメッサーの体の中にあったフォールド細菌が消えてフォールドレセプターにある因子があることが判明。そしてその影響で動体視力、身体能力が大幅に上がっていることが分かった」

 

「それってつまり……」

 

レイナの話を聞いたカナメは驚愕のあまり声が漏れる。レイナはカナメの方を見て頷く。

 

「メッサーは間違いなくフォールドレセプターになった」

 

レイナの一言でその場にいた全員が驚いた。

 

「俺が、フォールドレセプター………」

 

メッサーも自分が今どのような状態なのかを知ると大きく目を見開いて驚いていた。しかし、レイナはそんなことを気にせず話を続けた。

 

「話、続ける。メッサーで分かったことは以上。次は美雲とフレイア。体や脳に以上は見られなかった。精神汚染の心配もない。けど二人の話によると風の歌い手とコネクトしたと聞いた」

 

「えぇ、しっかりと頭の中まで覗かれたわ」

 

「うん、それで私と美雲さんは何処かのデッカイ穴の中にいたの。それでスッゴく寒くてスッゴく辛かった」

 

美雲とフレイアはそれぞれ体感した事を話した。それを聞いたレイナは話を無理矢理切り替えた。

 

「分かった無理に言ってごめん、次にいこう。続いてソウだけど……アル・シャハルの戦闘時、バイタルが一定ラインを超えて危険値に達してた。今は安定してるけどソウ、何か理由は分かる?」

 

レイナは蒼也の方を見ながら言った。

 

「恐らくですが夢を見た影響だと思います」

 

「「夢?」」

 

ハヤテとフレイアが蒼也の発言を不思議に思い、続けて復唱する。

 

「はい、実は………」

 

蒼也はアル・シャハルの遺跡で見たものやイオニデスの遺跡で見たものを話した。勿論、サラと話したことは伏せて。

 

「なるほど……何処かの遺跡に二人の男女、それに守護者か。それが蒼也の見た夢なんだな」

 

アラドは顎に手を置いて少し考えた後蒼也に尋ねた。

 

「はい、今話したことが全部です。ですが夢にしては妙に現実感があったのでもしかしたら誰かの記憶の一部なのかもしれません」

 

「そうか……他に何か見たら俺に報告してくれ。」

 

「はい」

 

アラドと蒼也の話が終わるとレイナが話を切り出した。

 

「ソウの異常が見つかったのはそれだけ。以上で四人の検査結果の報告を終わる。他に何か言いたいことがある人といる?」

 

レイナの言葉にその場にいた全員が首を横に振った。

 

「それじゃあアラド、後宜しく」

 

「はいよ、それじゃあこれからの事を…………」

 

アラドの説明が終わると報告会は終わった。それから蒼也たちはいつも通り訓練と機体整備をして昼休憩に入った。

 

 

 

その後蒼也は美雲の待つ食堂に急いで向かった。

 

「美雲さんお待たせしました」

 

「いいえ、私も今来たところだから大丈夫よ」

 

二人はそんな会話をしながら和食セットの乗ったトレーを持って席に座り食事をとり始めた。

 

「ねぇ蒼也」

 

「はい?」

 

「センチネルは直ったの?」

 

「何とか直せました、整備士の皆さんには頭が上がりませんね」

 

蒼也は苦笑いしながら言った。しかし、美雲は誤魔化されない。

 

「無理してるでしょ。蒼也」

 

美雲の言葉に蒼也は箸を止めてトレーに置く。

 

「………………やっぱり、分かっちゃいますか?」

 

「当たり前よ、私は貴方の事ならすぐに分かる自信があるわ」

 

美雲は胸を張って言った。蒼也は苦笑いしながら美雲に尋ねた。

 

「あはは……、じゃあその理由も分かってますかね」

 

「大方、アル・シャハルの戦闘で自分が足を引っ張ってしまい私たちにも被害が出してしまったことを今も引きずってるってとこでしょうね」

 

「…………本当に凄いですね」

 

蒼也はまさか本当に当てられるとは思わず驚いていた。すると美雲はトレーを持って蒼也の隣に座りトレーを置いた後、両頬に手を置き顔を目の前まで近づける。

 

「み、みみみ美雲さん!?」

 

余りにも美雲の顔が近かったので蒼也も慌てて離そうとするが美雲は離さない。

 

「蒼也、私たちはそんな簡単に死ぬような集まりでないわ。だからもっと私たちを……………信じて」

 

「!!」

 

美雲の言葉に蒼也は目を見開く。そして蒼也は目を閉じ笑い出す。

 

「ふふふ、やっぱり美雲さんには敵いませんね……」

 

「やっとその気になってくれた?」

 

「はい、それと………もう離してくれませんかね…………限界が………近いんで」

 

美雲は蒼也の言葉に今の状況に気付き慌てて手を離す。

 

「ご、ごめんなさい」

 

「い、いえ、こちらこそ」

 

二人は顔を真っ赤にして離れてしまった。その光景をみていた職員は、

 

(((もう慣れたと思ったけどやっぱり慣れねーわ)))

 

と心の中で突っ込むのであった。

 

「二人とも、ここ空いてるかしら?」

 

顔を赤くしている二人のもとにカナメとメッサーがやって来た。

 

「あっ、カナメさんにメッサーさんどうぞ」

 

蒼也はそう言って二人を向かいの席に座らせる。

 

「すまない蒼也、ここしか空いてなかったんだ」

 

「良いですよ、話し相手が増えるのは嬉しいですし」

 

「そうか、それは良かった。それと蒼也に折り入って話があるんだが」

 

「ん?なんですか?」

 

蒼也は話とは何なのかメッサーに尋ねた。

 

「………蒼也、俺と模擬戦をしてくれないか?」

 

「!!」

 

メッサーの言葉に蒼也は驚いていた。しかし、メッサーは真剣な目で見ていたため蒼也は冗談とは考えなかった。

 

「理由を尋ねても?」

 

「今の自分の力を試したい、アラド隊長には許可は取ってある」

 

蒼也は久しぶりのメッサーとの戦闘で嬉しくなり笑顔になった。

 

「良いでしょう。受けてたちます!」

 

蒼也とメッサーは立ち上がり固い握手を交わした。

 

「今から三日後に模擬戦を行う。次こそ勝つぞ。蒼也」

 

「僕もそう簡単に負けるわけにはいきませんよ。メッサーさん」

 

蒼也とメッサーは互いに笑いながらも獲物を狩る猛獣のような目で見合っていた。その光景を隣で見ていた美雲とカナメは、

 

((この二人って意外に戦闘狂よね……。))

 

そんなことを心の中で呟いた後、ため息を吐いていた。

 

 

 

やがてその日の仕事を終えた蒼也と美雲は家に帰り食事を取っていた。

 

「蒼也、メッサーとの模擬戦だけど勝てるの?」

 

「そうですね、多分今のままだと確実に負けます」

 

「だったら、なん「でも。」ん?」

 

「最初から負ける気はありません、僕の全力を持って倒しにいきます」

 

蒼也の言葉に美雲は思わず笑みを溢してしまう。

 

「ふふっ、ごめんなさい。愚問だったみたいね」

 

「全くです。それに美雲さんもカナメさんと何か約束でもしてたんじゃないですか?」

 

美雲はその言葉に驚くがすぐに笑みを見せる。

 

「良く分かったわね、けど当日になってからのお楽しみよ」

 

「そうですか。だったら、これ以上は聞きませんよ」

 

そう言って蒼也は二人分の食器を台所に運び洗い出した。その後二人は各自の部屋に戻り静かに眠るのであった。

 

 

 

それから三日後、いよいよ蒼也とメッサーの模擬戦が始まろうとしていた。その二人はと言うと、パイロットスーツを着た状態でアイテールの滑走路に立っていた。

 

「いよいよだな」

 

「はい、お互い全力で戦いましょう」

 

二人は拳をあわせた後、それぞれの機体に乗り込んだ。

 

蒼也はセンチネルに乗り込んだ後先にメッサーが飛び立つのを待つ。しばらくするとメッサーの乗るVF-31Fが飛び立ちオペレーターから通信が入る。

 

『管制室よりガーディアンへ、離陸許可が下りました。合図は任せます』

 

「了解………センチネルダイバー、ガーディアン!出ます!」

 

合図と共に蒼也はセンチネルの出力を上げて滑走路から飛び立つ。そうしてメッサーの乗るVF-31Fと並ぶと指令室にいるアラドから通信が入る。

 

『これより、模擬戦のルールを説明する。制限時間は30分どちらか一方にペイント弾が当たれば即座に終了する。審判はチャック。各機左右に旋回、すれ違ったところで戦闘開始とする』

 

「「了解!!」」

 

アラドが指示を終えると蒼也は左へ、メッサーは右へ旋回した。二人は離れたのを確認すると互いに向き合って直進する。それと同時に管制室でオペレーターの一人が距離カウントを始める。

 

「距離4000……3000……2000……1000……スタート!!」

 

そうして、オペレーターの合図と共にセンチネルとVF-31Fはすれ違い、熾烈を極める戦いが今、始まった。




はい、今回はここまでです。久しぶりのメッサーとの戦いどんな戦いを見せてくれるのでしょうか。楽しみです。それと次の話は特別回を挟みます。8月17日、なんの日か分かりますよね。それでは!


次回   No.EX-0 ???
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