旋律は風に乗り、翼と共に銀河を翔る   作:新郷遊佐海

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どうも、ビビビビットンです。今回は初めて戦闘描写?を書きました。初めて尽くしで大変したが、楽しんで頂けたら幸いです。



それでは本編へどうぞ。


No.01-2 戦場のワルキューレ

   戦術音楽ユニットワルキューレ エースボーカル

        『美雲・ギンヌメール』

 

 彼女は突如として姿を現し、ワルキューレオーディションを無視して合格。ワルキューレに加わるとミステリアスな雰囲気と持ち前の甘美で情熱的な歌声で、銀河にいる人々を魅了し、絶大な人気を誇っていた。

 

 その彼女が今、蒼也の目の前にいる。変装してるが、声や仕草でわかってしまう蒼也は最早病気レベルだ。しかし、そんな蒼也も大人の端くれ、気持ちを落ち着かせ、冷静に状況を確認する。周りには人の気配がないことを把握した蒼也は美雲に尋ねた。

 

「それで僕に何のようでしょうか…….....美雲・ギンヌメールさん?」

 

 美雲はサングラスの奥にある瞳で蒼也を見る。そして蒼也を見る終わると魅力的な笑みを浮かべた。

 

「別に大したようではないわ……ねぇ、どうして貴方は歌うの?」

 

 美雲は蒼也に対して何故歌うのか尋ねた。蒼也は苦笑いしながら頬をかく。

 

「何故、ですか。そうですね、僕には憧れの人がいるんですよ。その人といつか一緒に全力で歌いたくて今に至るって所ですかね。」

 

「…………そう」

 

 美雲の質問に蒼也は空に向かって左手を伸ばしながら答えると美雲は少し残念がり目を瞑り歌い始めた。

 

 

 

『GIRAFFE BLUES』

 

「追い付けない……君はいつでも~♪この場所から何を見てた~~♪」

 

 

 

 蒼也は今、感動()していた、憧れの女性の歌を生で聞けて蒼也の一番好きな曲を歌ってくれている。蒼也はその甘美でこのまま心が溶かされてしまうのではないのかと思うほど居心地の良さを感じた。

 

 

 

「その瞳は~♪この世界を……斜めに見ていた~~♪」

 

 

 

 しかし彼女の歌はそれだけではない。心臓を貫くほど真っ直ぐで情熱的な歌声に蒼也は胸を打たれ両手を強く握りしめ、美雲を見つめる。

 

 

 

「夢は君が~♪一人描くんじゃなく~~♪」

 

 

 

 確かに蒼也は歌が上手く歌声で言えば美雲を軽く凌駕するかもしれない。しかし美雲と蒼也の決定的な違いは、思いの丈の差だった。美雲はこの銀河中に自分の歌を響かせること。

 

 

 

「高く……遠く……飛べる気がしたら~~♪」

 

 

 

 そして蒼也は一個人に対して、だけ自分の歌を響かせることしか考えていなかったのだ。伝える思いが大きければ大きいほど自分の成長速度が変わってくる。それを理解した蒼也は美雲との差を感じ涙を流す。

 

 

 

「繋ぐこの手~♪離さずにいて~~♪」

 

 

 

 そうして美雲は歌い終わると、蒼也の方に顔を向ける。

 

「もう一度言うわ。どうして貴方は歌うの?」

 

 蒼也に先程と同じ質問を尋ねてきた。

 

「僕は……貴方に憧れたから。貴方のようになりたいから!貴方のように自分の歌を銀河中に響かせたいから!!そのために僕は歌い続けてます!そしていつか貴方と貴方の歌と一緒に、銀河を越えたその先に響かせたい!!!」

 

 蒼也は覚悟を持った目で美雲を見つめていた。美雲はその回答に笑みを浮かべ満足したのか、

 

「待ってるわ」

 

 たったその一言を言い残し、その場から去っていった。

 

 それからしばらく経ち久しぶりに緊張した蒼也はその場に座り込み、はぁー、と深い溜め息をはく。そして薄暗くなった空を見上げながら自分の新たな目標を胸に誓い、左手を前に掲げて強く握りしめる。すると、

 

 

 

『♪~~』

 

 

 

 突然、何処からか聞こえてくる歌が耳に入り込む。蒼也はそれをとてもじゃないが素敵な歌ではないと感じた。その直後、

 

《ヴァール警報が発令されました。市民の皆様は直ちにシェルターに避難してください。》

 

 とうとう始まったか。と蒼也は覚悟を決め戦場に足を運んだ。

 

 蒼也は戦場にたどり着いた。しかし、その光景は地獄、そう、そこは地獄と呼ぶのに相応しかった。燃え盛る炎。轟く爆発音。恐怖に怯え悲鳴をあげる者。親友や家族を失い呆然としている者。

 

 ヴァールとかしたパイロットが操縦し暴れ回っている104式リガードやクァンドラン・レア。

 

 その攻撃から市民を必死で守ろうと盾になるデストロイ・シャイアンⅡ。

 

 蒼也の周りで次々と物が壊されていく。

 

 

 

「♪~~」

 

 

 

 突如聞こえてくる鼻歌、蒼也は音のなる方へ顔を向けるとそこには、

 

「やっと暖まってきたじゃない?」

 

 美雲がそこにいた。彼女は帽子を脱ぎ捨て、駆け出した

 

「It's show time !!」

 

 その言葉が合図となり、髪の色が緑から紫へと変色し、服が粒子化するとシュトラールに変化した。

 

 

「歌は神秘!」

 

 美雲のそれが合図となり、4機のVF-31が降りてきて、マルチドローンと共に3人の女神たちが飛び降りてきた。

 

「歌は愛!」

 

「歌は希望!」

 

「歌は命!」

 

「聞かせてあげる、女神の歌を!」

 

「「「「超時空ヴィーナス ワルキューレ!!!」」」」

 

 

 

『恋!ハレイションTHE WAR 』

 

「逆上せてScreaming~♪止まらないの~♪〈S〉〈O〉〈S〉上がるサイレン~♪恋!ハレイションTHE WAR~~♪」

 

 

 

 ワルキューレ。それは対ヴァール戦において組まれた戦術音楽ユニット。彼女たち一人一人が『フォールド波』というヴァールを沈静化することができる希少な存在『フォールドレセプター』だ。そのフォールド波を高める方法は『歌』によるものだ。

 

 

 

「ぶつかって銀河級~♪ドキュッ!とでブッ込み~♪デカルチャ―~~♪」

 

 

 

「歌でヴァールを…」

 

 蒼也の近くにいた青髪の青年が呟く。暫くして曲もいよいよフィナーレに近づき彼女たちは歌に力を入れる。

 

 

 

「ほらね、もっと、グッと君に刺され~~♪」

 

 

 

 次々とヴァール化したゼントラーディー人を沈静化していく。いよいよ曲もフィナーレを向かえた。その瞬間、逃げていた人々は歓声を上げてワルキューレの名を叫んだ。

 

 そしてワルキューレは最後の追い込みをかけていく。4人の女神たちはエンジ色のVF-31の折りたたみ式レドームの上に乗り歌う。地上では先程までの爆発音が嘘のように静かになっていた。

 

「フォールドレセプター、Active!」

 

 ワルキューレの一人の赤髪の女性がそう呟き、ヴァールを鎮静化することに成功したワルキューレは2曲目を歌い始める。着実にヴァールと化していた者たちは正気を取り戻しつつあった。

 

「良しっ!ワルキューレの歌が効いてきた」

 

 Δ小隊の赤髪の男性が戦地の中心で歌うワルキューレを見守りながら静かに歓喜の声を上げた。

 

 ワルキューレのライブは終了かのするように見えた。しかし、突如現れたアンノウン6機がワルキューレとVF-31部隊を襲う。VF-31部隊はアンノウン6機とぎりぎりの戦いを強いられた。

 

 その刹那の瞬間にアンノウンを1機取り溢してしまい、それはワルキューレに徐々に接近していった。

 

『くたばれ!ワルキューレーーー!!!』

 

 アンノウン1機から流れ出たその声と共に数十発のマイクロミサイルが発射された。行き先は全て美雲に向けられている。

 

「ギンヌメールさん!!」

 

 蒼也は美雲の元に駆け出し、全速力で走る。

 

 幾つかのマイクロミサイルを新統合軍の機体が落としたが、それでも数発残されて美雲の方に迫る。その時、蒼也はあることを感じながら走っていた。

 

(このままだとギンヌメールさんが死ぬ!………死ぬ?誰が?ギンヌメールさんが?……僕の目標が?死ぬ?…………)

 

「そんなことさせるかぁぁああ!!!!!!」

 

 蒼也は美雲が死ぬと感じたとき初めて怒った。何よりも優しかったはずの蒼也が、いや、だからだろう海よりも深い愛を持っているからこそ、守りたいとに思っている人が傷つくのを嫌うのだろう。

 

 蒼也は左手を前にだし、こう叫んだ。

 

「センチネルーーーーー!!!!!」

 

 蒼也が機体の名前を叫ぶと、強い発光体となって急加速する。発光体は美雲の前で止まると同時にマイクロミサイルが直撃した。

 

「美雲ー!」

 

「クモクモ!」

 

「美雲!」

 

 ワルキューレメンバーは美雲に直撃したと思い彼女の名前を叫ぶ。誰もが美雲に直撃したように見えただろ。しかし、爆煙の中から出てきたのは蒼也が愛機である『センチネルダイバー』がそこにいた。

 

「なっ、何あれ?」

 

「わからない……」

 

「クモクモを守ってくれた……ってことでいいよね?」

 

 美雲以外のワルキューレメンバーは突如現れたセンチネルに戸惑っていた。

 

「青い巨人?」

 

 青く機械的なその背中を見て美雲はそう呟いた。

 

 そしてセンチネルのコックピットに座る蒼也はゆっくりと目を開く。システムは正常に作動して先程のミサイルの損傷は一切見当たらない。

 

「君を作って良かった……。これなら……」

 

蒼也は自分の作ったカンダムに乗れている。その事実に嬉しさが湧き出てきて笑みを浮かべて呟くと、両手に握る操縦捍を見て強く握りしめる。

 

(負ける気がしない!!)

 

そうして蒼也は操縦捍を操作するとセンチネルが後ろに振り向かせ、コックピットの声を外に聞こえるようにした。

 

「大丈夫ですか、ギンヌメールさん」

 

 美雲はその声を聞いて誰がその機体に乗っているのか理解した。

 

「その声………」

 

 センチネルは美雲に近づき、コックピットのハッチが開く、中から蒼也が出てきて美雲に手を伸ばし、こう言った。

 

「歌わないんですか。ギンヌメールさん?」

 

 蒼也は美雲に対し何処か挑戦的な笑みを見せる。

 

「!!……ふふっ、言ってくれるじゃない?」

 

 美雲はその挑戦に乗り、蒼也の手を取りコックピットに乗込む。

 

 

 

『いけないボーダーライン』

 

 美雲がセンチネルに乗り込むとハッチが閉じる。美雲は後方座席に座ると、音楽が流れ出す。するとセンチネルは紫色に光始める。それと同時に美雲の髪も紫の粒子を放ち歌う準備は整った。

 

 

 

「見つめ合って……恋をして~♪無我夢中で……追いかけて~♪だけどもっと知りたくて、メラメラしてる~~♪」 

 

 

 

「行きます!!」

 

 蒼也の合図でセンチネルはGNソードⅡを引き抜いてを大空へ飛翔する。

 

「GNソードⅡライフルモード!」

 

 蒼也の合図でGNソードⅡはライフルに変形してアンノウンと戦闘を始める。アンノウン6機は、突如姿を顕したセンチネルに慌て出していた。

 

「なんだ、あれは!?」

 

「新統合軍の新兵器か!?」

 

「落ち着け!テオ!ザオ!間合いを取って確実に落とせ!」

 

「「マスターヘルマン、ダーー!!」」

 

 ヘルマンの指示でテオとザオは連携を取って、センチネルを落とそうとする。

 

 VF-31部隊はセンチネルの飛んでいる姿を見て、冷静に機体分析をしていた。

 

「あの機体のパイロット、中々いい飛び方するじゃねぇか」

 

「アラド隊長!あの機体から美雲さんの生体反応を確認しました!」

 

「何っ?!……わかった。ミラージュとチャックは美雲さんが乗っている機体の援護を。俺とメッサーは残りのアンノウンを相手にするぞ!」

 

「了解!」

 

「ウーラ・サー!」

 

「すみません、アラド隊長!軍用機が墜落しているので先にそちらを回収します!」

 

「わかった。軍用機の回収後、チャックと合流するように!迅速に動けよ!!」

 

「了解!」

 

 アラドの指示で、チャックはセンチネルの援護に。メッサーはアラドと共に残りのアンノウンの撃破。そしてミラージュは墜落している軍用機の回収に回った。

 

 一方、蒼也と美雲は戦いながら歌っていた。

 

 

「自由も……平和も……望めば、生まれるけど~~♪モタモタしてたら、腐っちゃうよ~~♪」

 

 

 蒼也はテオとザオの攻撃を紙一重で交わしながらGNソードⅡをライフルモードに切り替えで応戦していく。蒼也はチャックが援護しているのに気付き、上手く連携を取りながら飛んでいた。少しずつセンチネル操縦に慣れてきた蒼也は更に加速していく。

 

「もう少しスピードをあげますよ!ギンヌメールさん!!」

 

 蒼也の言葉に挑発的な笑みで頷く美雲。

 

 

 

「ギリギリ愛~♪いけないボーダーライン~♪燃え付きながら、まだ輝いて見せる~~♪」

 

 

 

 美雲はラストスパートになって更に歌に力を入れる。蒼也もそれに便乗して歌う。互いが互いを高め合い限界を超える。

 

 

 

「貴方のために~♪未来のために~♪何度砕け散っても~~♪」

 

 

 

 その影響でセンチネルは、紫から金色の光へと変わり、スピードも、パワーも格段に上がっていた。その光景を見ていたチャックはこう呟く、『光の舞い』と。

 

 そして、援軍であるVF-171部隊が駆け付け、それを見ていた一機のアンノウンのパイロットが目を細めて呟く。

 

「潮時か……。各機帰投。枝に帰る」

 

 男が指示を送ると、6機のアンノウンは隊列を組んで空高く飛び去っていった。

 

 曲の終わり際、蒼也は飛び去っていくアンノウンを見続けた。アンノウンの姿が見えなくなると、蒼也は仕切りに息を漏らしてセンチネルを地上に降下させた。

 

 前世、そして二度目の人生に於て、初となる戦闘を切り抜けた蒼也は、今更震え出した両手を美雲にバレないように静める。

 

「ふぅ……ギンヌメールさん。さっきの僕の声はどうでしたか?」

 

「.....良かったわよ。とても情熱的な声で素敵だったわ」

 

「ありがとう…ご……ざい…ま……」

 

 蒼也はお礼を言おうと後ろを向くと、なんとも魅力的な顔で美雲は笑っていた。それを見た蒼也は頬が赤くなり、顔を背けた。余りにも綺麗すぎて、恥ずかしくなった蒼也は話を切り替えようとした。

 

「そっ、そういえば、ギンヌメ…「美雲」……へ?」

 

「美雲って、読んで頂戴。友人たちからは下の名前で呼んでもらってるの」

 

「えっ、いや、僕たち出会ったばかりですから」

 

「美雲」

 

「いやだから「美雲」……わかりました。美雲さん、これでどうですか?」

 

「まぁ、()()それでいいわ」

 

「あはは……」

 

美雲はどこか不満げな顔してそう言うが、今の蒼也には言い返せるだけの力は無く、ただただ苦笑いすることしか出来なかった。




という訳で蒼也君の初めての戦闘でした。しかし、戦闘描写下手くそでしたね、すみません。もっと上手くかけるように頑張っていきますよ!

次回  No.02-1 覚悟のオーディション
   ~物語は飛翔し加速する~
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