旋律は風に乗り、翼と共に銀河を翔る   作:新郷遊佐海

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どうも、ビビビビットンです。今回は前回の続きです。今回も少し長めですそれでも楽しめて頂けたら幸いです。



  それでは本編へどうぞ。


No.02-1 覚悟のオーディション

 センチネルダイバーは何事もなく無事に地上に着陸。そして蒼也と美雲は、ハッチを開いて地上に降り立った。

 

 その後、蒼也はセンチネルを指輪に戻し、美雲の迎えが来るまで側にいることにした。

 

「そういえば、美雲さん。センチネルに乗ってる時何処か怪我とかしてませんか?」

 

「えぇ、大丈夫よ。何処も怪我はしてないわ」

 

「それは良かった、美雲さんに怪我があったら仲間の人たちが心配しますからね」

 

「ふふっ、優しいのね貴方は」

 

「そんなことないですよ。あくまで当然のことを聞いたまでです」

 

 蒼也はそんな当たり前な会話をしていたが美雲との会話が弾んでしまい、喋り込んでしまう。そして、いつの間にか美雲は蒼也のことを名前で呼び、意気投合してしまった。

 

「美雲!」

 

「クモクモ!」

 

「美雲!」

 

 話している途中に名前を呼ばれた美雲は、呼ばれた方に顔を向け走り出す。

 

「カナメ!マキナ!レイナ!」

 

 そこにいたのは3人の女性。

 

 一人目は、美雲と似ている赤のシュトラールを着ており、カリスマ性を感じさせる赤髪の女性。

 

 二人目はピンクのシュトラールを着ており一言でいえばセクシーと感じさせるピンク髪のツインテールの女性。

 

 そして最後に、大人しめの雰囲気が漂い、緑のシュトラールを着ている小柄な緑髪の女性。

 

 相当心配していたのか、彼女たちは走って近づいてくる美雲を抱きしめてた。

 

「美雲、貴方大丈夫だったの?」

 

「ええ。蒼也が、彼がずっと私を守っていてくれたわ」

 

 美雲は赤髪の女性に大丈夫だと伝えると、蒼也の方に向いた。赤髪の女性も蒼也に顔を向けると足を進めて近付いてきた。

 

「ワルキューレチームリーダーの『カナメ・バッカニア』と申します。本日は美雲を、彼女を救って頂き、本当にありがとうございました。何かお礼出来れば良いのですが………」

 

カナメはそう言いながら頭を下げる。蒼也はそれに驚き声を上げてしまう。

 

「そんな、頭を上げてください!.......それに、お礼なんてとんでもない。僕はただ、危険に巻き込まれている人をほっとけないだけですから。あっ、自己紹介が遅れました。『音波 蒼也』と言います。好きに呼んでくだい」

 

「ありがとう。そう言ってもらえて、とても助かるわ、それじゃあ私は蒼也くんと呼ばせてもらうわ。私もカナメでいいわよ」

 

「じゃあ、次はマキマキの番だね~、私の名前は『マキナ・中島』気軽にマキマキって呼んでね、ソウソウ♪」

 

「………『レイナ・プラウナー』。レイナでいい、よろしく。ソウ」

 

 蒼也にいつの間にか近づき、割り込んできたマキナとレイナに、蒼也は戸惑いつつも挨拶を交わす。

 

「こ、こちらこそ、よろしくお願いします。カナメさん、マキマキはいきなりすぎるからマキナさんって呼ばせてもらうよ。最後によろしくねレイナさん」

 

 挨拶を済ますとカナメが蒼也に一緒に来てほしいとのことで、蒼也は三人と離れてカナメに着いていった。すると、そこにはガォークモードとなっている4機のVF-31が並んでいた。

 

「おっ、カナメさん。その様子だと美雲さんは無事だったみたいですね」

 

 赤のラインの入ったパイロットスーツを着ている赤茶色の髪をした男性が近づいてきた。

 

「アラド隊長。こちら美雲を救って頂いた、音波蒼也くんです。蒼也くん、こちらのパイロットスーツを着た男性がΔ小隊 隊長『アラド・メルダース』さんです」

 

「紹介に預かった、アラド・メルダースだ。コールサインはΔ1。階級は小佐だ。よろしく」

 

「はい、よろしくお願いします。アラドさん」

 

 アラドは手を前に出して蒼也と握手を交わす。

 

「それなんだが、蒼也。折り入って話がある、一緒にラグナ星に来てくれないか?詳しい事情は向こうに行ってから話したいんだが……」

 

 蒼也は、もしかしなくてもセンチネルダイバーの事だろうと少し考える。危険は伴うが新統合軍よりかはマシだと結論に至った。

 

「……わかりました。行きましょう」

 

 蒼也は、そう言って頷くとカナメとは一旦別行動となり、アラドの愛機であるVF-31Sに乗りこんで地上を飛び立っていく。後ろから3機のVF-31とワルキューレが乗っている輸送機が近づいてくる。成層圏を突破して宇宙域に入っても呼吸が出来る事に、蒼也は一先ず安心した。そして何よりコックピット内でも会話ができたため、蒼也はアラド話を聞いていた。

 

「面白い奴?」

 

「あぁ、偶然見つけたんだがな。VF-171で踊ってやがったんだよ」

 

「へぇ~、そんなこと出来るんですか?」

 

「やろうと思えばやれると思うが、相当な技術がないとできないだろうな」

 

 蒼也はアラドの話をもっと聞こうとする。しかし、目の前に大きな空母艦が現れ、蒼也は息を飲んで見いってしまった。

 

「ようこそ、アイテールヘ」

 

 アラドが蒼也に歓迎の挨拶をすると発進カタパルトに着陸し、アイテールの中に入っていった。Δ小隊の機体が次々に発進カタパルトに着陸していき、格納庫へ入っていった。全機収納完了したところで格納庫の入り口が閉まった。

 

 機体を収納し終わるとキャノピーを開けて、アラドがコックピットから降りる。蒼也も続いて降りた。キャノピーを降りた蒼也は、目の前の常識の範疇を容易く越えた光景に口を開き、驚きが隠しきれずに呆けてしまう。

 

「蒼也、こっちだ」

 

 アラドは少し声を上げて蒼也の名を呼ぶ。呼ばれた本人は、声のする方に振り向くとそこにいたのは、アラドの他に男性2人と女性1人が集まっていた。

 

「隊長、彼は誰ですか?」

 

 赤紫色の髪で耳の尖った女性がアラドに向かって言う。

 

「その質問を答える前に、俺はこいつに質問しよう」

 

 そう答えるとアラドは、腰に手を当てると真剣な顔つきで蒼也に見る。

 

「お前は、あの青い機体(バトロイド)のパイロットだろ?」

 

 その一言で場が一瞬にして静まり返り、蒼也にあちこちから視線を送られる。Δ小隊のパイロットの他に、機体の点検を行っていた整備士や他の小隊のパイロットたち。

 

「……」

 

 蒼也はやはりと自身の推測が正しかったと認めるが、流石にあの戦いの後で自分ではないと嘘がつけるわけでもなく、素直に白状した。

 

「……その通りです。僕はあの青い機体、センチネルダイバーのパイロットです」

 

「やっぱり」

 

蒼也がそう白状するとアラドは納得の声を上げて、周りは一気に騒がしくなる。

 

「あれを見れば、な」

 

 蒼也は、アラドのその一言ですべてを理解した。そう、アラドはセンチネルの着陸光景を見ていたのだ。そして、未だ混乱しているΔ小隊メンバーはアラドの指示によって自己紹介が始まった。

 

「Δ小隊メンバー副隊長を兼任している『メッサー・イーレフェルト』だ、コールサインはΔ2、階級は中尉だ。よろしく頼む」

 

「次は俺がΔ小隊メンバー『チャック・マスタング』だぜ、コールサインはΔ3、階級は少尉。よろしくな」

 

「最後は私です。Δ小隊メンバー『ミラージュ・ファリーナ・ジーナス』です、コールサインはΔ4、階級は少尉です。よろしくお願いします」

 

「ご丁寧に皆さんありがとうございます。改めて、センチネルダイバーのパイロットをしています。音波蒼也です」

 

 自己紹介が終わり、少し雑談をしたあとアラドたちは着替えに行ってくると何処かに行ってしまった。

 

 その間にアイテールはフォールド航行に入った。蒼也は一人、格納庫で待っていると微かに歌が聞こえ、声のする方に足を運んだ。近づくに連れ歌声は大きくなっていき、ひとつの扉の前に立ち止まった。

 

 そこには『展望デッキ』と書かれており扉を開け中に入った。

 

 そこにいたのは美雲だった。

 

 蒼也のお気に入りである『GIRAFFE BLUES』を歌っている。蒼也は目を閉じ、静かに美雲の歌を聞く。暫くして、歌が止まり不思議に思った蒼也は目を開けると顔ギリギリまで美雲が近づいていた。

 

「うぁーー!、なっ、なにやってるんですか美雲さん!」

 

「そんなところで突っ立ってないで、一緒に歌いましょ?」

 

「だったらもう少し普通に呼んでください」

 

「ふふっ、ごめんなさい、少しからかってみたかったの」

 

 美雲は小さく笑いながら蒼也に謝罪してきた。

 

「全く、いいですよそれくらい」

 

 蒼也は少し呆れながら笑った。

 

「早く行きましょう」

 

「分かってますから、そんなに急かさないでください。転んじゃいますよ?」

 

 蒼也と美雲は展望デッキの先まで歩き、たどり着くと二人はゆっくりと息を吸って歌う姿勢を取る。

 

 

『GIRAFFE BLUES』

 

 

「言葉だけじゃ……伝わらないよ~♪この胸にある……真実たち~~♪」

 

 

 蒼也は軽く息を吸うと胸に手を当てて歌い上げていく。その歌声は今までと違い、透き通るような声で、何処か暖かみもあり、美雲はそれを瞬時に理解すると嬉しさを感じて笑みを浮かべていた。

 

 

「いつの間にか~♪近づきすぎた~~♪あの頃のように……歌が聞こえない~~♪」

 

 

 美雲もそれに答えるかのように歌うアル・シャハルで蒼也と一緒に歌った時よりかは弱いがそれでも、互いが互いを高め合っている。

 

 

「愛しい~♪君よ~♪今、何処にいるの~♪」

 

 

 美雲は蒼也の歌をまるで包み込むかのように歌う蒼也もそれに負けじとその壁を乗り越えようとする。そうしている内にいつの間にか勝負事変わっていたが、蒼也と美雲も嫌な顔をせず、むしろ清々しいくらい、いい笑顔だった。

 

 

「夢は~♪君が~♪一人描くんじゃなく~♪」

 

 

 一方、蒼也と美雲が競いあっている中、密かに見守っているものたちがいた。

 

「蒼也の奴、何処に行ったかと思えばこんな所で歌ってたのか」

 

「隊長、もう少しこのままでいいんじゃないでしょうか」

 

「しっかし、美雲さんと蒼也があんな関係だったとはな」

 

「綺麗……」

 

「美雲何処に行ったかと思ったら」

 

「競ってるクモクモ、ん~~、キャワワ♪」

 

「胸がドキドキ、すごい」

 

 正面入り口、向かって右の扉、上から順にアラド、メッサー、チャック、ミラージュ。

 反対の左の扉。上から順にカナメ、マキナ、レイナが覗いていた。

 

 アラドたちは蒼也を、カナメたちは美雲を探しに来てたのだ。途中で合流した彼らは展望デッキから聞こえる声に駆け寄り、今の状態に至る。

 

 

「繋ぐ~♪この手、離さずにいて~~♪……」

 

 

やがて、曲の終盤に差し掛かると蒼也と美雲は見つめ合いながら歌う。しばらくして伴奏が流れ終わり曲は終了した。歌い終わった蒼也と美雲は再び顔を合わせると、

 

「プッ、…アハハハハハハハハハ」

 

「ふふっ、…ウフフフフフ」

 

二人は同時に笑いだし、蒼也は盛大に笑い、美雲は口を手で押さえて笑った。

 

「ふ~~、結局競っちゃいましたね」

 

「そうね、でも楽しかったわ」

 

 蒼也は美雲の前に手を出し、

 

「また、一緒に歌いましょう。美雲さん」

 

「えぇ、次もいい歌声を期待してるわ」

 

 二人は硬い握手を交わした。

 

《まもなく、ラグナ星に到着します。職員の皆さんは衝撃に備えてください》

 

 アナウンスの声が鳴り響き、蒼也は展望デッキから外を覗いた。するとデフォールドしたアイテールの下には青く輝く水の惑星がそこにあった。蒼也は少年のように目を輝かせながらその惑星を見つめた。

 

「Welcome to Ragna」

 

 隣で見ていた美雲は左手でWの文字を作りながら蒼也を歓迎していた。

 

「お~い、蒼也、そろそろ降りる準備するぞ~」

 

「美雲~、私たちも準備するわよ~」

 

 アラドとカナメの声が聞こえ後ろを振り向く蒼也と美雲、そこにはΔ小隊の面々とワルキューレメンバーが揃っていた。

 

「行きましょうか、美雲さん」

 

「ええ」

 

 二人は彼らのあとを追うように歩き出すのだった。




はい、という訳で今回はここまでです。いつも通りでしたねあの二人、もうちょっと戦闘シーン多くした方がいいのかな?


次回  No.02-2 覚悟のオーディション
   ~物語は飛翔し加速する~
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