旋律は風に乗り、翼と共に銀河を翔る   作:新郷遊佐海

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どうもビビビビットンです。今回のNo.02は3回ぐらいに分けて書こうと思っています。楽しんで頂けたら嬉しいです。


それではどうぞ。


No.02-2 覚悟のオーディション

 惑星ラグナの重力圏に引っ張られながらアイテールはゆっくりと降下していく。その後アイテールが何事もなく安全領域に入った。

 

 すると蒼也は、席を立って近くにあった小窓を覗くと、そこから見える景色を目にして驚愕した。

 

 それはどこまでも青く澄みきった空。豊かな自然。透き通るほどに綺麗な青く輝く海。

 

 中でも蒼也が目を見張っていたのは、山肌を削って作った基地の側に、一際大きく聳え立ち、堂々と佇んでいる。

 

 マクロス級戦艦『マクロス・エリシオン』。

 

 蒼也は子供の頃から巨大ロボに憧れを持ち、夢見てきた。それもあってか、いつになく目を輝かせながら小窓に張り付く。しかし、アラドに呼ばれると、蒼也は少し物足りなさそうな顔でその場を後にした。その後、アイテールがエリシオンとドッキングすると、アラドと蒼也は艦内の通路を歩き、艦長室に向かっていた。

 

「そういえば……アラドさん。惑星ラグナについてから話があると言っていましたが、どんな用件ですか?」

 

「ん?あぁ、それも艦長室で話されるよ」

 

 アラドはそう言って蒼也の質問を流した。そして蒼也とアラドは艦長室にたどり着いた。

 

 アラドが部屋をノックすると、「入れ」と重低音のような声が扉の向こうから聞こえてくる。アラドはその声を聞くと扉を開け中に入り、蒼也もそれに続いて入っていく。扉を潜ったその先にいたのは、緑色の肌で服の上からでも分かるほどの筋肉質。背丈は凡そ2m半。蒼也はあまりの大きさに顔を見上げて、「おぉ……」と声を漏らしてしまう。

 

「よく来てくれた。私が、マクロス・エリシオンの艦長『アーネスト・ジョンソン』だ」

 

 立ち上がって自己紹介するアーネストは、蒼也に近づいて手を差し出した。

 

「センチネルダイバーのパイロットをしています。音波蒼也です」

 

 蒼也は挨拶を交わしながら差し出されたアーネストの大きな手を握る。

 

「あぁ、話はアラド少佐から聞いている。そこでどうだうか。我々と一緒にパイロットとしてここで働く気はないか?」

 

「詳しい説明を」

 

 蒼也は手を離して真剣な表情になる。それにアーネストはニヒル、と笑い返した。

 

「なぁに、簡単なことだ。ワルキューレを守るΔ小隊の人数が少ないのもあるが、一番は君の歌だ」

 

 蒼也はなぜ自分の歌かと疑問を抱いたがアーネストが話を続け、そちらに意識を向けた。

 

「君の歌にはフォールド波が異様なほど高かったのだ。更には美雲との歌の共鳴も確認している」

 

 まさか自分がフォールドレセプターだったとは思わず、蒼也自身、驚きを隠せなかった。

 

「どうかね?」

 

 蒼也は悩んでいた。いつ戦場で死ぬかも分からない。しかし蒼也は、アル・シャハルでの光景を思い出すと答えは決まった。

 

「そのお誘い、是非受けさせてください」 

 

「そうかそうか!よろしく頼む蒼也!!」

 

 アーネストはその時の蒼也の目を大層気に入り、大いに喜んだ。すると、アラドが話の折を見て会話に参加した。

 

「それじゃあ、俺ん所のΔ小隊でいいか?艦長」

 

「あぁ、それでいいだろ。それでは蒼也。君の所属をΔ小隊に置くとする。コールサインは『ガーディアン』、尚ワルキューレメンバーと共に歌うことも命ずる。階級は准尉。これからの活躍期待しているぞ」

 

「了解!」

 

 蒼也はアーネストに敬礼すると声を上げて返事をした。

 

 それから艦長室を出た蒼也とアラドは、アイテールの発進カタパルトに向かっている。滑走路に到着すると二人は、今も機体の確認をしていたメッサー、チャック、ミラージュと合流した。アラドはメッサーたちに蒼也がΔ小隊に入隊したことを知らせると皆、快く歓迎してくれた。

 

「そういえば、蒼也お前機体はどうしたんだ?アル・シャハルに忘れてきたのか?」

 

チャックが蒼也の機体がないことに気付き尋ねてきた。

 

「いいえ、僕の機体はちゃんとここにありますよ」

 

 蒼也はチャックに指輪を見せる。「そんな馬鹿な」と信用していない周りの人たち。仕方ないと言いつつ、Δ小隊から離れていく蒼也。ある程度離れたところで左手を前に向けて機体の名を呼ぶ。

 

「力を貸して、センチネル」

 

 すると指輪が光出す、余りにも強く光ったので周りの人たちは目を瞑る。

 

『!?』

 

 光が収まり、全員が目を開けるとそこにいたのは、ダブルオーダイバーエースの改造機『センチネルダイバー』がいた。

 

 腰には二本のGNソードⅡを装着しており、両肩のバインダーにはGNドライブが無い代わりに二本のGNダイバーソードが備え付けなれている。更に向かって右肩のバインダーにGNソードビットCを二基取り付けられ、左肩のバインダーはGNソードビットA,Bが二基ずつ取り付けてある、それぞれのバインダーにはスーパーGNソードⅡも取り付けられていた。頭に四つのアンテナがあり、二つある緑のカメラアイが光り出す。

 

「驚かせてしまってすみません。でもこうしないと信じてもらえそうになかったので」

 

 蒼也はセンチネルを元の指輪に戻し、アラドたちの元に戻っていった。そのあと蒼也は、何故かメッサーから模擬戦の、アラドがそれを止め、また後日ということになった。

 

 そして町へ降り立った蒼也はアラドたちに連れられ、一件のお店に入っていった。

 

 名前は『裸喰娘娘(らぐにゃんにゃん)』。チャックとその弟妹たち、マリアンヌ、ハック、ザック、エリザベスが営んでいるお店。

 

 ワルキューレメンバーも利用しており、更にはケイオス社員も利用している。アラドは蒼也に「ここはΔ小隊の男子寮でもある」と言ってきた。それに続いてアラドは言っていた「因みに、お前の家はここじゃなくて俺が用意した家がある。感謝しろよ?」と苦笑いながら案内図と鍵を2つ渡した。

 

「レイナさん、それなに食べてるの?」

 

 蒼也は美雲以外のワルキューレメンバーと合流し、裸喰娘娘で夕食をとっていた。しかし、蒼也はレイナが食べているものが気になり尋ねてみた。

 

「クラゲ…………食べる?」

 

「ありがとう、お言葉に甘えて貰おうかな」

 

 レイナは小皿に移した生きたクラゲを蒼也に渡す。

 

「ありがとう、それじゃあいただきます。はむ…………美味しい!!」

 

「「「「「「えっ!?」」」」」」

 

 クラゲを食べた蒼也の言葉に誰もが驚いていた。しかも、あのメッサーでさえも驚いていたのだ。生クラゲを美味しいと聞いたレイナは目を輝かせて聞いた。

 

「クラゲを生で食べる良さが分かるの!!」

 

「うん!アイテールに乗ってた時アラドさんからクラゲのスルメを貰って、食べて美味しかったけど、生で食べるとこんなにも美味しいとは思わなかったよ!」

 

 レイナは、その言葉で更に目を輝かせて二人は手と手を取りあい硬い握手して笑いあっていた。その状況についていけなかった周りは呆れて見ていたそうだ。

 

 夕食を食べ終えると皆それぞれの家に帰っていった。

 

 皆が寝静まった夜。蒼也は一人、アラドにもらった地図を頼りに砂浜を歩いていた。聞こえてくるのは、波の音と優しく吹く涼しい風の音。月の映る海を眺めながら散歩していた。すると、波で削れたのかとても滑らかで座り心地の良さそうな岩を見つける。蒼也はその岩に飛び乗り静かに座った。

 

「今日、一日だけでいろいろなことがありすぎたな~」

 

 蒼也は今日一日のことを思い出していた。アル・シャハルのカラオケシステムで盛大に祝われること。美雲と会い、その美雲とアル・シャハルの空を飛びながら歌ったこと。ワルキューレメンバーやΔ小隊メンバーに挨拶して、アラドにアイテールで惑星ラグナまで連れていってもらったこと。アイテールの展望デッキで美雲を見つけてそのまま歌で競い合ったこと。アーネストからの勧誘を受け、Δ小隊メンバーになったこと。生クラゲは美味しいこと。と今日一日の思い出に浸っていた。

 

「あら、先約がいるなんて珍しいじゃない」

 

 蒼也は、前世から聞き覚えているその声に、振り向くことなく返事した。

 

「僕だって、星空の下で海風に当たって涼みたいときがあるんですよ……美雲さん」

 

 美雲は岩に飛び乗り蒼也が座っている所に近づき、隣に座る。

 

「ここの景色は、とても綺麗ですね」

 

「えぇ、そうね。ねぇ、ずっと気になっていたのだけど、そのイヤリングは何?」

 

 美雲は蒼也にイヤリングのことを尋ねた。蒼也は左耳のイヤリングを外し手に取り眺めながら言う。

 

「これは……大切な()()の女性から頂いた贈り物なんです」

 

「大切な友人……」

 

 蒼也の言っている『友神』と美雲の言っている『友人』は大いに違った。だが美雲は気が付きもしない。

 

「その人のこと、どう…思ってるの?」

 

 美雲はなぜそのようなことを尋ねたのか、自分でも理解出来なかったが、蒼也は答えた。

 

「そうですね、強いて言えば恩人…ですかね。彼女は僕なんかのために笑ってくれたり、泣いてくれたり、怒ってくれたり、心配なんかもしてくれる。そんな彼女に僕は救われたんです。だから、恩人です」

 

 そう言って、蒼也はどこか儚そうに海を眺めながら手に持っているイヤリングを弄る。それを見ていた美雲はズキッと胸の奥が痛んだ、右手で胸を押さえようとしたが痛みはすぐに消え元に戻っていた。

 

「さて、そろそろ時間ですし帰りますか。美雲さん、送っていきますよ」

 

 イヤリングをつけ直し立ち上がった蒼也は美雲を送っていくと尋ねた。

 

「いえ、大丈夫よ」

 

「そうですか?でもこんなに暗いと流石に「貴方の家に行くもの」危険じゃ……………………はい?」

 

 美雲は突然、蒼也の家に行くと言い出し思わず呆けてしまった。

 

「えっと何故か理由を聞いても?」

 

 蒼也は美雲に理由を尋ねると一枚の出して蒼也に見せた。

 

『蒼也へ  今お前がこれを見ているということは美雲さんが家に来てこの紙を見せているか、帰っている途中、美雲さんと遭遇してこの紙を見せているかのどっちかだと思う。レディーMから艦長へ通達があり蒼也と美雲さんを一緒に住まわせ生体フォールド波を向上させよとのことだ。流石にアパートじゃ狭すぎるし問題も多いだろ思って一軒家を用意しといた。これは俺なりの気遣いだから素直に受け取っとけ、鍵はお前に2つ渡したから1つを渡しとてくれ。 アラドより』

 

 アラドからの手紙を読んだ蒼也はため息を吐きつつ了承した。

 

「はぁ~~。事情は分かりましたけど、美雲さんは本当にそれでいいんですか?男と一緒に暮らすなんて」

 

「別に構わないわ。私はただ歌を、私の歌をこの銀河に響かせたい。それだけよ」

 

「まぁ美雲さんが良いならいいんですか………帰りましょうか、美雲さん」

 

「えぇ」

 

 蒼也と美雲は満天の星々たちに照されながら夜道を歩き二人の家に帰るのであった。




はい、今回はここまでです。どうしてコウナッタンデスカネ?
戦闘シーンはもう少しお待ちください。頑張って……書いてます。



次回  No.02-3 覚悟のオーディション
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