東京喰種:re 不幸な少女の物語   作:ピークA

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第1話

 

 

20区におけるあんていく戦の二ヶ月後

 

8区

 

朝霧彩は学校で凄惨ないじめを受けていた。

 

上履きに刃物を入れられ、自分の椅子にボンドをぶちまけられ、机には落書きされ、教科書はぼろぼろ、休み時間もいじめっこグループによる謂れの無い罵詈雑言を浴びせられる。

 

そして家でも父親から過大な期待をよせられた兄からの虐待。

 

何処にも休まる場所などなく「死にたい」と思う毎日。

 

その日は学校の帰り道、捨て猫のミャーちゃんに餌を与えていた。

 

「私も同じだよ。学校にも何処にも居場所なんてない・・・帰る場所なんか」

 

携帯に兄からメッセージが届く。

 

「ごめんね。いかなきゃ」

 

彼女は家に帰るため立ち上がり、振り替える。

 

「え?」

 

いつの間にか、彼女の後ろにたっていた人影に腹部を殴打された。

 

「うっ!?」

 

彼女は一瞬呻き、気絶した。その人影は彼女を抱え彩が帰ろうとした方向の反対側に歩く。

 

そして、

 

「あ、あんた・・・」

 

彩をつけていたクラスメイトの少女、貝島えりかが怯えながらたたずんでいた。

 

人影は彩を抱えてないほうの手で彼女の顎に拳を振るい気絶させた。

 

「ふむ・・・カノウのところに運ぶか」

 

その人影・・・小瓶は彼女たちを抱えて何処かに消えた。

 

 

彩side

 

久しぶりに夢をみた。海に浮かんでいる夢。ぷかぷかと浮いて青く澄んだ空を見る。とても綺麗だ。海に潜ると美しい珊瑚礁と魚たちが見える。もっと近くによろうとしていると海が真っ赤に染まる。何事かと思い後ろを振り向くと、冷めた表情の少女がいた。少女と目があった瞬間、手首を捕まれ喉元に噛みつかれた。

 

「いやぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

目が、覚める。

 

灰色の天井と照明が見える。起き上がり周囲を見渡す。部屋にあるのは便所と洗面台と鏡。まるで囚人のような部屋だ。

 

ベッドから降り、立ち上がり鏡に向かって歩く。

 

鏡に写る自分の顔を見て、困惑する。

 

「え・・・?」

 

何故なら、自分の右目の眼球が黒く染まり瞳が赤く輝いていた(・・・・・・・・・・・・・・・・・)からだ。

 

まるで喰種(グール)のように。

 

「なに・・・?なんなの・・・?これ?」

 

「ああ!目が覚めたかい?朝霧彩さん」

 

扉から男の声がする。

 

「誰ですか?私は一体どうなっているんですか!?」

 

「私は嘉納。喰種研究をしているしがない医者だよ。君の体を喰種にかえている」

 

「・・・・・・え?」

 

どういうことだ?喰種に変えている?

 

「嘘だ・・・。信じられない。人を喰種に変えるなんて不可能です・・・。」

 

「これを食べてごらん」

 

扉の下の開け口からトレイにのった食パンとハンバーグ、野菜が入ってきた。

 

恐る恐る手に取り、食べる。

 

「うぐっ!?」

 

舌の上にのった食パンがとてつもなく不味く感じた。いやこんなもの食べらたものじゃない。

 

「どうだい?とても食べられたものじゃないだろう?食パンでさえこれだ。」

 

「あ・・・ぐ・・・」

 

「他のも食べてごらん?」

 

言われるがままに口につける。しかしどの食べ物も舌の上にのった瞬間に吐き出してしまった。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「わかったかい?」

 

「嫌・・・嫌・・・」

 

「これを食べてごらん?」

 

何かの肉が入ってきた。とても食欲をそそられる匂いがした。少し千切って口のなかに入れる。今までの食べ物とは比べることもできない美味しさがあった。

 

「これは?」

 

「人の肉だよ」

 

「・・・うぷっ!?」

 

思わず吐き出そうとする。

 

「君はもう喰種と同じなんだ」

 

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

耳をふさぎ、絶叫する。

 

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。

 

こんなの夢に決まってるそうだ夢だ絶対そうだだって人を喰種にするなんてそんな非人道的な事する人なんているわけ無いだってこんなことしても何の利益にもならないのにそんな事するはずないだからだからだからだから夢なら早く覚めて神様お願いしますこの悪夢から解放させてください何でもしますから。

 

「どれだけ叫んだところで変わらないよ」

 

ピシャリと、嘉納が告げる。

 

「おめでとう、朝霧さん。いや成功例『オウル』」

 

「あ、あぁ・・・」

 

「さて検査の時間だ」

 

扉が開き二名の喰種が私を担ぎ上げ手術室につれていく。

 

「ふむ、Rc値も安定してるし、小瓶くんがつれてきたもう一人の被献体よりいいね。やはりリゼくんと違って本物の赫者にまで至ったヨシムラの成功率は低いな」

 

ヨシムラ?リゼ?だれ?かくじゃ?なに?なにをされるの?

 

「じゃあ始めよう」

 

手術台の上に手足を拘束させた。嘉納先生はメスで私の腹を切り開き内臓を直接かき回す。

 

「ぎゃ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!?」

 

あまりの痛みに絶叫し失禁してしまう。

 

「お前は嗜虐趣味なのか?」

 

視界の端にもう一人男がいた。

 

「違うよ。これはRc細胞の侵食を促すために外傷を加えてるだけだ」

 

「ひやぁ・・・やめて・・・」

 

「喰種化施術は接ぎ木のようなもの。ヒトという台木の上に喰種という穂木を添える。寿命は短くなるだろうがね」

 

「いやぁ・・・もうやだぁ・・・おうちに帰りたいよぉ・・・」

 

「私が知りたいのはね」

 

嘉納は電動の丸鋸を取り出し、そして、

 

「確実なカネキくんの作り方なんだよ」

 

私の腹を切り裂いた。

 

3ヶ月後

 

「オウル、またこんなに残して・・・」

 

嘉納は呆れていた。彼女はこちらが提供した食料をほとんど口につけてなかった。生命維持に必要な量しか食べなかった。嘉納に腹を切り裂いた日以降、この3ヶ月彼女にも変化があった。最初、彼女は体を痛めつけられる度に絶叫していたが、徐々に絶叫しなくなっていた。というより心ここにあらずといった感じでずっと虚空を見つめていた。

 

「嘉納、どうした?」

 

「タタラさん」

 

「オウルに何かあったか?」

 

「いやね、彼女が必要最低限しか食事しないから心配なんだよ70近い被献体の中で彼女が唯一の成功例だからね」

 

「奴と同じ日にさらって来たガキは?」

 

「彼女はRc値が安定してないんだよ。このままいってもフロッピーにしかならない」

 

「ふむ、なら・・・」

 

タタラは表情を変えず。

 

「殺し合わせるか」

 

と言った。

 

一時間後

 

アオギリの木のアジトの広い場所に彩はつれてこられた。そこには沢山の喰種がいた。包帯を全身に巻いた女が愉しそうに嗤う。

 

「失敗作ないじめっ子、成功作のいじめられっ子。どっちが勝つか見ものだなぁ」

 

けらけらと子供のように嗤う。隣にいる歯茎の模様の付いたマスクを被った男は微動だにしない。

 

「えっ・・・なに?」

 

彩は何が起きているか理解できなかった。いきなりタタラと言われている男に部屋から引きずり出されたらここに連れてこられた。

 

するともう一人歩いて来た。その人物は彩に憎悪の目を向けた。

 

「朝霧ィ・・・」

 

「か、貝島さん!?」

 

「何でここにいるかわかってねぇみてぇだなぁ。教えてやるよ。クソ女。それは!てめえがあの高架下の猫に餌なんぞ与えていたからだよ!てめえがあんな場所にいかなけりゃ私はこんな体になってなかったんだよ!!」

 

「え・・・もしかして付けてたの?」

 

「あぁそうだ!てめえが絶望すりゃいいと思ってあの猫を電車にぶつけてしなせようと思ってたのに、喰種なんぞに拐われやがって!お陰で私も拐われてこんな体になったんだ!全部てめぇのせいだ朝霧!!」

 

「そんな・・・私のせいじゃ・・・」

 

「あぁ!?どう考えてもてめぇのせいじゃねえか!?」

 

理解できない。あまりにも身勝手で支離滅裂すぎる主張だった。

 

「だからよぉ。この溜まった鬱憤。怒り。憎悪。てめぇをぶっ殺してはらしてやるよ!」

 

背中から何かガスのようなものが噴出した。そのガスが結晶の刺の様なものを生成して彩に打ち出した。

 

「きゃっ!?」

 

彩は何とかかわす。ゴロゴロと床を転がった。

 

「なにが『きゃっ!?』だ!ノロマ女ぁ!」

 

彼女のガスがさらに増大し刺も鋭く数も多くなる。

 

彩は立ち上がり逃げる。

 

「逃げてんじゃねぇぞ!」

 

彼女が接近し近距離から足を狙った。太ももにいくつも刺が刺さりバランスを崩し仰向けにたおれる。

 

そして彩の腹部を踏みつけた

 

「うぐぅ・・・!?」

 

「捕まえたぞ!朝霧ぃ!」

 

彼女は彩に馬乗りになり何度も顔面を殴り付けた。

 

「あははは!!どうだ朝霧!これが私の痛み!私の怒りだ!」

 

殴り付けられどんどん意識が遠のく。

 

すると声が聞こえた。

 

 

彩の精神世界

 

『このままでいいの?』

 

それは1ヶ月ほど前から彼女の中から聞こえてきた声だった。

 

激痛に次ぐ激痛から何とか逃れるため、彼女は『痛みを与えられている自分』を『客観的』にみるようになった。それと同時期に自分に与えられる理不尽に対する怒りを持った人格が現れた。その人格は喰種であることを受け入れ、力を付けて復讐することを望んでいた。

 

「いやだよ、死にたくない」

 

『なら殺せ。力を使え』

 

「でもそんな事したら・・・」

 

『ふざけるな。この状況なってまだそんな甘えをいうのか』

 

「だって・・・」

 

『相手を傷つけるのが怖いのか?なら自分が傷ついてもいいと』

 

「・・・」

 

『答えろ。無視するな。逃げるな。目を開け。耳を塞ぐな』

 

「だったらどうしろっていうの・・・」

 

『分かってる癖に。奪われる前に奪え、殺される前に殺せ。そうしなきゃお前は幸せになれない』

 

「そんな犠牲の上に成り立つ幸せなんて・・・」

 

『なら不幸なままでいいのか?一生だれかに搾取されるだけの、なぶり者にされるだけの人生を歩むのか?学校の時のように。家で兄の暴力に怯えている時のように』

 

「そんなの嫌だよ」

 

『なら力を使え。喰種であることを受け入れろ。分かってるんだろ。この状況を打破するにはそれしかない』

 

「・・・うん」

 

『よし、なら勝つぞ』

 

『「私は喰種だ」』

 

 

現実

「どうした!?朝霧!眠ってんじゃねえぞ!まだてめぇをなぶり足りないんだよ!」

 

彩の口が動く。

 

「やめて」

 

彩は馬乗りになっていたえりかの太ももの肉を千切りとった。えりかは立ち上がり距離を取った。彩は千切り取った肉を食べる。

 

「不思議な味」

 

「てめぇ・・・」

 

「ねぇ貝島さん。あなたが喰種に為ったのは私のせいなの?あなたの自業自得じゃないの?」

 

「はぁ!?ふざけるな!どう考えてもてめぇの・・・」

 

「あなたが下らない目的で勝手につけてきただけなのに、私のせいにされる謂れはないよね」

 

「・・・ッ!?」

 

「それからあなたは私の気持ちを考えたことある?毎日死にたいと思って、でも死ぬ勇気もない人間の気持ちを考えたことなんてある?」

 

「てめぇの下らねえ人生なんて興味ねえよ!!」

 

「うん、私もあなたの下らない主張なんて・・・」

 

ぶわりと彼女の背中に羽毛のような赫子が巻き付く

 

「興味ないよ」

 

まるでショットガンの弾丸のような威力の結晶がえりかを襲った。

 

彼女は避けることもかなわず直撃した。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

(なんだ!?この威力と量は!?)

 

「どうしたの?貝島さん?」

 

「はぁ・・・あ・・・」

 

全身から血液がこぼれる。再生しているが次あの赫子の連射を食らえば間違いなく唯ではすまない。彼女は彩を見る。まるで機械のような無機質な目をしていた。

 

「見下してんじゃねえぞ!!クソ女ぁ!!」

 

彼女はガス状の赫子を噴出して其を推進力として一気に距離を詰める。

 

「死ねやぁ!!」

 

彼女は右拳を彩に振りかぶる。

 

そして大きく振りかぶった右腕が彩の左腕に生成されたブレード状の赫子に斬り落とされた。

 

「ぎゃぁぁぁぁ!!?」

 

「勝負あったね。貝島さん」

 

「待て、朝ぎ・・・?!」

 

彩は彼女に背を向ける。すると後ろからバキバキと物音がした。目を向けると、彼女の体が赫子に飲み込まれていた。

 

「なに・・・これ・・・?」

 

「A・・・ざ・・・ギ・・・理ぃ!!」

 

彼女だった物は彩に攻撃する。彩は避けるも続けて連撃がくる。

 

「ごろずごろずごろずごろずごろごろごろごろずるぅ」

 

「ぐぅ!?」

 

腹部に剣のような赫子が突き刺さる。バランスを崩し地面に倒れる。

 

(まずっ・・・)

 

彩は死を覚悟した。がそれよりは早く歯茎を持ったミミズみたいな赫子が彼女だった物を補食する。

 

「ぐぴゅ!?」

 

彼女だった物はそのまま補食された。

 

「勝負は君の勝ち。おめでとうオウル」

 

いつの間にか彼女の近くにたっていた全身に包帯を巻いた女が言う。

 

「私はエト。あの歯茎マスクはノロさん。あの白髪の中国人はタタラさん。あそこの白スーツを着たヤンキーみたいなのはナキさん。それから・・・」

 

「おいエト。そいつか?」

 

エトの後ろから声がかかる。

 

「おおいたいた。そうだよ。彼が君の教育係。アヤトくん。霧嶋絢都くん」

 

「アヤトさん・・・?」

 

「オウルだったか?こいよ。いろいろ教えてやる」

 

「え?」

 

「さっさとしろ!ノロマ!」

 

「は、はい!」

 

バイバーイとエトは二人に手を振った。

 

「おめでとう朝霧彩。アオギリは君を歓迎するよ。さてさて彼女はカネキケンに近づけるかしら?」

 

意地が悪そうに彼女はニタニタと笑った。

 

 

 

 




この作品は完全に息抜きのつもりで書いてます

あやっぴのキャラがぶれぶれになってる感が否めない・・・

アヤトくんは守ってあげたくなるような女の子に弱いきがするのは僕だけなのだろうか。



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