ファンの方はすぐに帰りましょう。
・・・・・・運命というのは時に残酷なものを味合わせる。
それはほんの10年前。
私の姉 篠ノ之束がISを世間に公表したことから始まる。
これによって私たち家族の運命が大きく狂った。これによって、社会はかの女尊男卑の社会と化した。
それからしばらくして、姉が突如ISコアの生産をやめ、逃亡した。理由についてはよくわからない。私は愚か父さん、母さんにも何も告げずに姿を消したのだ。これが原因で私たち家族は日本政府から重要人物保護プログラムによってバラバラにされてしまった。
寂しく、辛く、孤独な日々の中で私はいつか両親に会えることを願った。
そして・・・・・・・私の想い人・・・・・っというより初恋の人・・・・・・一夏に会えることを信じて堪えてきた。
でも・・・・・・一夏との再会は永遠に不可能となった。
私が中学の時、新聞に一夏の死亡の知らせが載っていた。
あまりにもショックだった。
しかし、これは私の人生を大きく狂わせるほんの序幕に過ぎなかった・・・・・・・
その一年後、一夏の姉であり、姉の友人であった千冬さんが行方不明になった。
そして、その僅か数か月後・・・・・・・姉は自分の発明したISと共にこの世を去った。
それからが地獄の始まりだった。
姉の自殺から一か月後。
私と両親の重要人物保護プログラムが解除された。理由は姉の死亡とISが二度と使えなくなったことにあった。
久しぶりに両親に再会した私は母の勧めで一緒に買い物に行くことになった。
世界各国が混乱している中、日本でも不穏な空気が包んでいたが私は久しぶりの両親との時間に胸が一杯だった。それに父とこういう時間を過ごすのはある意味で初めてだった。
大手のデパートで買い物をし、レストランで昼食を取ろうとしたところで事件が起きた。
爆破テロだ。
女尊男卑社会の崩壊により、かつてISが女性しか使えないことにより、男性を迫害。更には無実の罪を着せたりした輩に対して被害者、又はその配偶者や遺族が弾圧を始めたのだ。
日本ではまだ起きていなかったため大丈夫かと考えていたがまさか自分たちの目の前で起こることになるとは。
レストランが元々女尊男卑傾向の女性が多く利用していたという事もあって時限爆弾は、私たちのすぐ近くにセットされていたのだ。
爆発の一瞬、父は私と母を庇うかのように盾になった。私は爆発の衝撃に呑まれて意識を失う。
次に気がついたのは病院のベッドの上だった。両親のことが気になった私は、起き上がろうとすると両足に激痛と共に違和感を感じた。太ももまでは感覚があるのだがその先が激痛と同時にいつもと何かが違うと感じた。
足の方を見ると私の両足は、なくなっていた。看護師の話によると病院に運び込まれたときからすでになかったのだという。ちなみに両親は即死だった。
私はこの時全てを失った。
不安定な情勢の中、私は再び政府の管理下の元で暮らすことになった。
だが、そこにはもう希望も未来もなくあるのは一方的な迫害だった。
『篠ノ之束の妹だ!』
『てめえの姉貴のせいで俺の親父は自殺したんだ!どうしてくれるんだ?えぇ!?』
『ここにてめえの居所はねえ!!さっさと姉貴の跡を追ったらどうだ?』
『悪魔!悪魔!』
『篠ノ之は、悪魔の妹だ!』
『死ね!死ね!悪魔の妹は消えろ!』
学校に行けばクラス全員が私の敵となる。昔のようにやり返そうにも両足のない私はただ地面を這いつくばることしかできない。
車いすから引きずり降ろされ、教師のいないところへ連れてかれ、危うくは衣服を剥がされて犯される寸前にまでなった(私がいなくなったことに気づいた教師が探し始めたおかげで未遂に終わったが)。
・・・・・・何故だ?
何故、姉はISなんて作ったんだ?
ISさえ作らなければ家族がバラバラになることはなかった。
一夏と両親が死ぬことはなかった。
私がこんなにまで辛い思いをすることもなかった。
憎い。
姉が憎い。
自分勝手に動き回った挙句、私からすべてを奪った姉が憎い。
そして、私は海に来た。
監視をしていた人が気を遣ってくれたのか気分転換のために目立たない海岸沿いのホテルで数日泊められるよう手配してくれたのだ。
世話をしてくれる人は本当はどう思っているのかわからないが私に優しく接してくれた。
それまでならよかった。
でも
『あの子、いつまでここに置いとくのかしら?』
『最近聞いたんだけどあの子、周りでは「悪魔の妹」って言われているそうよ。』
『嫌ねぇ・・・・・・・早く出てってもらえないかしら?』
陰でこっそり本音を聞いてしまった。もう、この世界に私の居場所はどこにもないのだなとこの時悟った。
ある雨の夜、私はホテルの裏口から気づかれないように抜け出し、崖の方へと行った。
遺書も書こうかと思ったが読む相手もいないため描く必要はなかった。
「・・・・・もう、私は生きていてもしょうがないんだな。」
私は、車いすごと崖から海へ飛び込んだ。剣道を続けていた頃の私なら運が良ければ助かるかもしれないがもう体力は随分落ちている。おそらく助からないだろう。
「お父さん・・・・お母さん・・・・・・・」
私は泣きながら両親を呼ぶ。そして、最後に
「さよなら、一夏。」
もう会う事のない初恋の人の名を呼んだ。
???
「クッソー!!じじいの奴、一体いつまでこんな無人島に隠れるつもりでいやがんだぁ!!」
上空から見ると髑髏に見える島の海岸でフォルテはイライラしながら手あたり次第石を投げていた。
「ったくよ!家はねえ、金もねえ、飯は俺の釣った魚・・・・・・・どこのサバイバル番組だよ!!後なんだよ、主食はパンの実って!?コロンブスじゃねえぇんだぞ!!くっそたれ!!」
フォルテは、ストレスを発散させようと上空にバスターを発射する。すると空を飛んでいた野鳥に命中する。
「あっ。」
フォルテは唖然としながら野鳥が落ちていくのを見る。それを確認するとゴスペルが口に咥えて持ってきた。
『ガウ!』
見る限り、即死のようだった。
「・・・・・なんか悪いことしたな。まあ、久しぶりの肉にありつけるからいいけどよぉ・・・・・・」
フォルテは申し訳なさそうにゴスペルから野鳥を受け取ると今夜の汁物に入れる具材を求めて海岸の岩礁で貝やカニを採取する。
「おぉ・・・・あったあった。思っていたよりもこの島の貝は、でけえな。これなら焼き貝にしても余るぜ。」
持ってきた網に貝をある程度入れると今度は、魚を取りに持ってきた釣竿を担いで砂浜へ行く。
「あぁ・・・・・・どっかにウミガメでもいねえかな?ウミガメのスープって飲んだことねえし・・・・・・・ん?」
愚痴を言いながら砂浜を歩いて行くとフォルテとゴスペルは砂浜に何か漂着しているのを見つける。
「占めた!ウミガメかもしんねえぞ!!」
『ガウガウ!!』
彼らは急いでその何かへと走って行く。しかし、近くに来てみたら残念ながらウミガメではなかった。
「ちっ、なんだ。ウミガメじゃねえのかよ・・・・・・」
よく見ると少女だった。どうせ窒息しているだろうと思い、彼は誰にも見られていないことをいいことにまた海の方へ押し返そうとする。
「!?」
しかし、スカートの辺りに触れた瞬間、フォルテはゾッとする。
足がないのだ。
「な、なんだ!?この女は!?」
「う・・・・・うぅ・・・・・・」
確認してみると息もあった。
「・・・・・・・はあ。これじゃあ、海に返して泳がせて帰らせるのは無理だな。ゴスペル、コイツをねぐらに運ぶぞ。取り敢えず、小舟ぐらいはやらねえと帰れねえだろうし。」
『ガウ!』
ゴスペルはフォルテに少女を背中に背負わされると落とさないようにゆっくりと島の中へと入って行った。
「さて、俺もパンの実でも取って、さっさと帰るか。」
フォルテは釣りをするのをやめ、ジャングルの中へと姿を消した。
「・・・・・・それにしてもあの女・・・・・・・どっかで見たような顔だなぁ・・・・・・・」
箒可愛いからええやん!!
鈴でも構わないけどさぁ・・・・・・・