最初は、世界をごっちゃ混ぜにするつもりだったけどあんまりやり過ぎるときりがないのでこのぐらいにしておくことに(一応)
「・・・・・・・ここは?」
箒が目を覚ますと見覚えのない場所で辺りを見回す。どうやらどこかの洞穴に運び込まれたようで、自分の衣服は吊るし干しになっていた。自分の体を見ると誰かが着替えをさせてくれたらしい。四つん這いになって移動してみると奥でワイリーが何やら作っていた。
「おのれ、ロックマンめ・・・・・・・今度会った時は絶対に後悔させてやるぞい!」
ワイリーは新しい基地を建設しているようだった。近くでは、武装を外されたジョーやメットールたちが作業を行っている。これまでに見たことがない光景に箒は唖然とする。
「・・・・・・」
「そこで何をしている?」
「!?」
箒は思わず振り向く。そこにはシールドとバスターを装備したスナイパージョーが銃口を箒に向けていた。
「ひいぃい!!」
「ん?なんじゃ?」
箒の悲鳴を聞いてワイリーは彼女のいる方を見る。逃げようにも肝心の両足がないため、箒はジョーに掴まれてワイリーの目の前に連れてこられた。
「はあ・・・・・・・はあ・・・・・」
「ほう、小娘。目が覚めたか、調子はどうじゃ?」
ワイリーは、自分なりに箒に気を遣う。しかし、箒は震えたままだった。
「ん?なんじゃ、そんなに震えて?」
「わ・・・・私は・・・・・・」
「そうか!ワシが“悪の天才 Dr.ワイリー”だと知ってビビっておるのか!そうかそうか!なら仕方ないのう!ガッハッハッハッハッハ!!」
「・・・・・・・Dr.ワイリー?」
聞いたこともない名前に箒は首を傾げる。
「なぬ!?お前、まさかワシのことを知らんのか!?」
「・・・・・私はてっきりまた日本政府の元に帰されるかと思って・・・・・・」
「・・・・・・詳しく聞かせてみろ。」
ワイリーは、箒を適度な岩場に座らせると自分の淹れたコーヒーを飲みながら彼女の話を聞く。
天才な姉の発明したIS.
ISによって家族から引き離されたこと。
姉が自殺し、それからすぐに自分もすべて失ったことを。
話を聞いてワイリーは、しばらく同情の目をした後にこれ以上聞くと悪いと思い話を中断させた。
「・・・・・すまん。余計なことを聞いてしまったな。」
「・・・・・・」
「しかし、妙に引っかかるのう。つまり、お前は、死ぬために入水自殺を敢行したというわけじゃ。じゃが、ここは日本からはるか遠い無人島。どう見てもお前がここに流れ着くとは考えられん。」
「じゃあ・・・・・私はどうやって・・・・・・」
「うむ・・・・・おそらくワームホールに呑まれたんじゃろう。」
「ワームホール?」
聞いたこともない単語に箒は首を傾げる。
「ワームホールとは、ここ最近ワシがタイムマシンを研究して発見したいわゆる時空の歪みじゃ。そこは一種の極めて不安定な空間になっていて、どこに飛ばされるかは誰にもわからん。それにその歪みに体がついて行けず、老化・退行化することもあり得る。」
「どうして、そんなことまでわかるんですか?」
「実際、体験した奴を知っておるからじゃよ。それに現に荒治療までしてやったからな。」
「つまり・・・・・私と同じようにこの世界に来た人が?」
「うむ。おっ、丁度晩飯の時間じゃ。」
ワイリーは、ジョーに箒を座らせる車いす・・・とは言ってもホバー式の箒の世界ではあまりにも現実離れしたものを用意させる。
「いい匂いじゃ。フォルテの奴め、口と態度は悪い癖に飯を作るのはうまいからのう。」
「フォルテ?」
「ワシが付けてやった名前じゃ。ワシが助けたときは記憶喪失になっておったからな。今は記憶が戻ったらしいが元の名前に戻るつもりはないらしい。」
「・・・・・・」
2人が外に出てみるとフォルテが焚火で調理をしていた。
「あぁ?じじい、飯はまだだぞ。」
「何言ってんじゃ。出来とるではないか。」
「まだ、パンの実がうまい具合に焼けてねえんだよ。この間のようにバスターで無理矢理焼いて焦げこげの奴を食いたいのか?」
「ゲッ!?そんなもん堪ったもんではないわ!」
フォルテの言葉にワイリーは思わず身震いする。フォルテは、焚火の火加減を見ると箒の方を見る。
「あっ・・・・・・」
「おう、目が覚めたか。足がねえからてっきりくたばったかと思ったぜ。まあ、生きててよかったな。」
フォルテは、皮肉そうに箒に言うが口が開いた彼女を見て不思議がる。
「ん?なんだよ?俺の顔になんか付いてんのか?」
「お前・・・・・・・一夏か?」
「はあ?」
フォルテは、不機嫌な顔になる。一夏という名前は千冬と決別する時に捨てた。なんで自分の知らない人物が知ってんのか分からないがあまり面白くない気分だった。
「お前・・・・・・まさか、チフユとロックマンのスパイじゃねえだろうな?」
「えっ?千冬さん!?」
「もしそうだとしたらこの場で・・・・・・・」
「そいつはお前の同類じゃよ。」
フォルテが本格的に暴れそうになった時、ワイリーが言う。
「同類だぁ?」
「コイツもお前と同じくワームホールに乗ってこの世界に飛ばされたんじゃ。もっとも本当は死ぬつもりだったらしいがな。」
「ふ~ん・・・・・・・・!」
箒の顔を見てフォルテは何かを思い出した。
「・・・・」
信じられないのか彼女の顔と足を二度見する。
「お前・・・・・・・まさか、箒じゃねえのか?」
「・・・・・・・」
箒は泣きそうな顔になって頷く。フォルテは、思わず彼女の足の方を見る。
「どうしたんだよ、その足?それに死ぬつもりだったって・・・・・・・・束がなんかしたのか?おじさんたちとは・・・・・・・」
「・・・・・・・死んだんだ、みんな。」
「はっ?」
「う、うぅう・・・・・・・私一人になっちゃったんだぁ・・・・・・・・」
泣き出してしまった箒を見てフォルテはいつもらしからぬ態度になる。
「お、お、お、おい!?」
「一夏と千冬さんがいなくなったから姉さんは自殺して・・・・・・・父さんと母さんは私を庇って・・・・庇って・・・・・・あ、あぁああああああ・・・・・」
「おい、泣くなよ!?」
大泣きする彼女を泣き止まそうと必死になる。
「フォルテ、飯・・・・・・・」
「うるせえぇ!!食いたきゃ自分で取りやがれ!!」
そう言われてワイリーは焚火の中で焼かれている貝と魚、パンの実を見る。
「・・・・・・これ、ワシどうやってとればいいんじゃ(´;ω;`)。」
十分後(´・ω・`)
「落ち着いたか?」
「う、うぅ・・・・・うっ・・・・・」
しばらくしてようやく箒は泣き止んだ。
「そうか・・・・・おじさんたち、テロに巻き込まれて死んだのか。」
「うん。」
「それで学校では『悪魔の妹』・・・・・・・・昔の俺よりひでぇんじゃねえか?」
フォルテは、焼きあがったパンの実の皮を剥ぎながら言う。
「まさか、姉さんが自殺してあそこまで事態が悪化するとは思わなかった・・・・・・・・」
「フン、あの兎も最後まで碌なことをしなかったようだな。」
フォルテは皮を剥ぎ終えるとナイフで切り、皿に添えて彼女に渡す。
「ほらよ。」
「えっ?」
「どうせ、政府の連中の元でまともな手料理食ってなかったんだろ?俺の手作りだ。最もゲテモノが多いけどな。」
そう言いながらフォルテは、自分の分も剥き始める。すぐ近くでは無理に焚火から取り出して手を水で冷やしているワイリーがいる。
「・・・・一夏。」
「あぁ?」
「ずっと気になっていたけど、一夏はなんでそんな格好しているんだ?」
「ん?これか?」
フォルテは箒の顔を見ながら自分の右手を取り外して見せる。
「!?」
「生憎俺は、お前以上に重傷だったんでな。ほとんど体が機械だ。」
「き、機械?」
「誘拐されたとき、運悪く爆薬庫に逃げ込んでな。犯人の銃弾が俺の心臓を撃ち抜くついでに爆薬を引火させちまって大爆発さ。じじいが見つけたときはほぼ死んでるも同然だったしな。まっ、どうせ俺はどうなろうと関係なかったが。」
「どういう事なんだ?」
「俺はな・・・・・・・『最高の人間』のレプリカなんだよ。」
フォルテは苦笑しながら自分の事を話す。箒は最初は信じられないと思っていたがフォルテの顔を見ているうちに本当の事なのだと理解できた。
「っつうわけだ。俺は、元々あの女の姉弟でもなければ家族でもねえ。みんな仮初めの日常で生きてきたんだよ。」
「・・・・・・・本当にそう思うのか?」
「ん?」
フォルテは、ふと箒の顔を見る。
「一緒にいた時間も・・・・・私を助けてくれたことも・・・・みんなお前にとっては仮初めでしかなかったのか?」
「・・・・・・・」
「私は、あれが本当に一夏だと思っている。私と姉さんとは違って、一夏と千冬さんは仲のいい兄妹に見えた。」
「・・・・・でも、アイツは、俺を切り捨てて新しい姉弟たちを持った。一人取り残され、もがき苦しんでいた俺のことを忘れて・・・・・」
「私がその役割じゃ・・・・・・ダメなのか?」
「・・・・・・・・はっ?」
フォルテはキョトンとした顔で言う。
「私も何も残っていない・・・・・いや、一夏しか残っていないんだ。だから・・・・・・傍にいさせてほしい・・・・・」
「・・・・・・おい、箒。お前、じじいが何やろうとしているのか知ってんのか?」
フォルテは、手を冷やしているワイリーを指をさしながら言う。
「確かに俺たちの前では大したことない大馬鹿老人に見えるかもしれねえけどな・・・・」
「お、大馬鹿!?」
フォルテの暴言にワイリーは思わずギョッとする。
「だがな、この俺をこんな風に魔改造した挙句、世界征服をするって言っているんだぞ。そんなじじいと一緒にいる俺と居られると思っているのか?」
「で、でも・・・・・・」
「それに今のお前じゃ戦力にならねえ。却って俺の足手纏いになるだけだ。」
「うぅう・・・・・・・」
フォルテに痛いところを突かれまくられ、箒は涙目でしょぼんとする。
「フォルテ。お前、女に対して情けというものはかけんのか?」
「あぁ!?9歳ぐらいの金髪のロリガキを人質にとったじじいに言われたくねえよ。」
「なっ!?なんじゃと!?」
「やるか・・・・・・ん?」
構えを取ろうとしたフォルテを箒が後ろから抱きしめた。
「・・・・・・・・なんだよ?」
「・・・・・・きだ・・・・・」
「あぁ?なんだって?」
「・・・・・・・好きなんだ。」
箒は、ぐしょ濡れの顔で答える。
「・・・・好きだから傍にいたいんだ。それに私は、お前のことを愛しているんだ。別れてからずっと、忘れたことなんか一度もない。」
「・・・・・・・箒。」
「・・・・・・お願いだ・・・・・・・私を傍にいさせてくれ。」
箒は、フォルテに口づけして言う。
その光景を見てワイリーは唖然としていたが、そんな箒に対してフォルテは軽くデコピンをした。
「痛っ!?」
「なっ!?」
「へっ!まさか、あの暴力女にそんな風に見られていたとはな。」
フォルテは、にやけながら言う。
「い、一夏・・・・・」
「その気持ちに答えて傍においてやるよ。だが、車いすじゃ不便だからな。じじい、義足でも作ってやってくれ。」
「な、何っ!?」
一方的に頼んできたフォルテにワイリーは鼻から鼻水を垂らす。
「あ、後箒に手を出すなよ?手を出したら俺があの2人よりも先にこの世から消し飛ばしてやるからな。」
「ぬう~!言わせておけば・・・・・」
ワイリーは不満そうに言いながらも満更でもない様子だった。
(・・・・・フッ、まともな人間じゃない俺に傍にいてほしいか。ほんと、俺の身近な奴らって変わっているぜ・・・・・)
フォルテは、箒をワイリーに任せて夜空の輝く海辺へと歩いて行った。
「・・・・・・おじさん、おばさん。あと兎。箒は俺がしばらく預かっておく。だから、安心して向こうから見守っててくれ・・・・・・・」
フォルテがそう言って夜空を見ると流れ星が落ちて行った。
モッピーも魔改造しようかな?
それはあんまりだからやらないとは思うけど。