インフィニット・ロックマン 宿命の対決!   作:赤バンブル

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IS12巻の追加設定を本作なりにアレンジ(弱)。

スーパーロックマンとスーパーフォルテの戦闘。


フォルテ対ロックマン

ワイリーキャッスル

 

「一夏・・・・・・一夏!!」

 

チフユは、配置されている防衛メカを破壊しながら城の中を進んでいた。未だにライトの一言が頭に過っていた。

 

 

 

 

 

 

 

『おそらくだがフォルテは、ワイリーがイチカ君にサイボーグ手術をして生まれた存在なのかもしれん。』

 

ライトの一言でチフユは、沈黙する。

 

『そんな馬鹿な!?私がこの世界に迷い込んだのは一夏が行方不明になった一年後だ。それにこの世界に流れ着いたとしても私は、一度幼児ぐらいにまで体が退行していた・・・・だとしたら一夏も・・・・・・。』

 

『チフユ、お前がこの世界に飛ばされた現象・・・・・わしは“ワームホール”と呼んでいるがまだわからないことの方が多いのだ。それだけに誰もが同じ現象が起きるとは限らん。お前のように体が子供に戻る現象も起きれば、イチカ君が当時の姿のまま飛ばされるという可能性も十分にあり得るのじゃ。』

 

『・・・・・・一夏が・・・・・・フォルテ?』

 

チフユは、ポケットから紐が切れたロケットを取り出す。蓋を開くと自分と幼き日の一夏が寄り添い合った写真が嵌められていた。幼い頃に自分が教えた「過去に側に誰がいたのか、ちゃんと覚えておけ」という言葉を覚えていたのか自分の誕生日、写真を入れてプレゼントしてくれたのだ。それ以来、誘拐されるまで首に付けていたのだが拐事件時、試合後に何故か紐が切れてしまった。以降は弟を見殺しにした自分への戒めとして持ち続けていた。

 

『もし、フォルテがイチカ君だとしたらお前は彼に攻撃ができなくなってしまう・・・・・幸いワイリーはそのことに関しては気づいて・・・・・・』

 

チフユは、ライトの言葉を最後まで聞かずにビッグエディから出ていく。

 

『待つんじゃ、チフユ!行ってはいかん!!』

 

『行かせてください!もし本当に一夏だったら、私の言葉を聞いてくれるかもしれません。』

 

『じゃが、彼は、ワイリーに記憶操作された可能性がある!!もう、お前が知っている弟ではないのかもしれんのじゃ!!』

 

『それでも行きます!ロックは私のもう一人の“弟”です!!二人の弟を戦い合わせるなんてことは私にはできません!!』

 

『チフユ!!』

 

ライトの制止を無視してチフユは、ロックマンが転送したポイントを確認して転送される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワイリーキャッスル

 

ロックマンは、フォルテを一旦撃退し、さらに奥へと向かっていた。

 

「ワイリーめ・・・・・どうして、何度もこんなことをするんだ・・・・・・何回も何回もロボットたちを使って世界征服をしようなんて・・・・・」

 

防衛に付いているスナイパージョーを倒しながらロックマンは第二の大部屋に辿り着く。中に入ると足場はあるもののかなり天井が高い造りになっていた。

 

「待っていたぜ、ロックマン!!」

 

そこへまたもやフォルテが姿を現した。

 

「フォルテ!?どうして、君は僕と戦うんだ?同じロボット同士が戦うなんて・・・・・」

 

「うるさい!俺は、お前を倒すために作られたんだ!さっきはお前を甘く見てやられたが今度は本気で・・・・・倒す!!来い!ゴスペル!!」

 

フォルテが叫ぶと相棒のゴスペルが現れ、彼と合体する。その姿は翼を生やした悪魔に見える。

 

「それは!?」

 

「これがお前のパワーアップ設計図を利用してパワーアップした俺の姿だ!!行くぞ!!」

 

スーパーフォルテはレーザーでロックマンに攻撃を開始する。

 

「くっ!ラッシュ!!」

 

ロックマンもラッシュを呼び出す。

 

『ワン!!』

 

「僕たちも合体だ!!」

 

『ワオォンッ!!』

 

ラッシュも変形し、ロックマンと合体する。

 

それは前回のワイリーとの戦いで使用した「ジェットロックマン」「パワーロックマン」のそれぞれの性能を掛け合わせたスーパーロックマンだ。

 

「行くぞ!フォルテ!!どうしても僕と戦うというのなら僕は君を倒す!!」

 

スーパーロックマンはバーニアを吹かしてスーパーフォルテとの戦闘を開始する。

 

「喰らえ!!」

 

「ロケットバスター!!」

 

双方のロケットパンチが飛ばされ、両者の顔面を掠る。ロックマンは何ともなかったがフォルテの方は頬から血が出る。

 

「ちぃ!!」

 

(血っ!?どうして、ロボットから血が?)

 

「まだだ!!」

 

フォルテはロックマンに向かって「フォルテアタック」を仕掛ける。

 

「うわぁあ!?」

 

ロックマンは勢いよく床に叩きつけられる。そのロックマンに向かってフォルテはバスターを連射する。

 

「これで終わりだ!ロックマン!!」

 

「うぅ・・・・・・ブルースシールド!!」

 

ロックマンは咄嗟にブルースから譲り受けたブルースシールドで攻撃を受け止める。元々防御力が低いブルースが自分の体を守るために作ったものだけにフォルテの攻撃からロックマンを守り切った。

 

「くう!!だが、これからが本番だぁ!!」

 

フォルテは上空から一気に加速してロックマンへ体当たりを仕掛ける。先ほどのフォルテアタックとは違い加速力も加わっているためロックマンは壁に叩きつけられた。

 

「うぅ・・・・・・」

 

ロックマンはラッシュとの合体が強制解除され、跪く。

 

そこへ遅れて、チフユがようやく到着する。

 

「ロック!?」

 

チフユは、驚きながらもロックマンに駆け寄る。

 

「大丈夫か?」

 

「ね、姉さん・・・・・」

 

「くっ!邪魔者が入ったか!」

 

フォルテは、着陸して二人に向かってバスターを向ける。

 

「ロックマンは、俺の獲物だ!!そこを退け!!」

 

「やめろ!一夏!!」

 

「!?」

 

チフユの言葉にフォルテは一瞬手を止める。その様子を見てロックマンは一体何がどうなっているのか理解できなかった。

 

「・・・・・一夏だと?誰のことを言っているんだ?」

 

「お前は、私の・・・・・織斑千冬のたった一人の弟、織斑一夏だ。わからないのか?」

 

チフユは、フォルテの顔を見て言う。

 

「馬鹿な・・・・・・・俺がお前の弟だと?俺はフォルテ!Dr.ワイリーが作った史上最強のロボット・・・・・うっ!?」

 

フォルテは一瞬脳裏に映った光景に頭を押さえる。

 

「な・・・・・なんなんだ?今の光景は?何故、あの女がいるんだ?」

 

「お前はロボットなんかじゃない、人間だ。」

 

「俺が人間?ふざけるな!!」

 

「じゃあ、なんでお前の顔から血が出ている?」

 

「!?」

 

チフユに指摘されてフォルテは、ビクッとする。

 

「お前はワイリーに操られているだけなんだ。私と一緒に帰ろう。完全とはいかないかもしれないがお前の体を元に戻せるかもしれない。」

 

「うるさい・・・・・・うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!俺はお前の弟なんかじゃない!!」

 

フォルテは、徐々に見えてくるフラッシュバックに苛立ちを感じて二人に向かってバスターを発射する。ロックマンとチフユは、急いで攻撃を回避する。

 

「俺は・・・・・・俺はフォルテだぁ・・・・・・・なのに・・・・・・なんなんだ?何なんだよ?この俺の中に映るあの光景は・・・・・・・」

 

フォルテは頭を押さえながらも二人に向かって攻撃を再開する。

 

「ロック、すまないが私に協力してくれないか?」

 

「・・・・・うん、さっきの話で何となくだけど分かったよ。」

 

ロックマンは再びラッシュと合体し、フォルテと交戦する。

 

「フォルテ・・・・いや、イチカ君。もう、やめるんだ!!」

 

「うるさい!!俺をその名前で呼ぶんじゃない!!」

 

否定しながらフォルテはロケットバスターを放つ。ロックマンはそれを回避するとフリーズクラッカーを発射する。

 

「何っ!?」

 

回避したにもかかわらず壁に衝突して拡散した氷の結晶がフォルテの体に纏わりつく。動きが鈍ったフォルテに対してチフユは、サンダーストライクのエネルギーを雪片に回し、サンダーブレードとしてフォルテに向ける。

 

「しまっ!?」

 

「一夏!!目を覚ましてくれ!!」

 

サンダーブレードがフォルテに直撃する。凄まじい電流がフォルテを襲い、勢いよく地面に激突した。

 

「・・・・・・」

 

チフユは、ロックマンに支えてもらいながら床に着地する。

 

「・・・・・・・加減はしておいた。ショックを与えれば、記憶が戻るかもしれないが・・・・・・・」

 

しばらくするとフォルテがゆっくりと起きあがる。

 

「・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・一夏?」

 

チフユは、フォルテに対して言う。対するフォルテは、ロックマンを一瞬見るとすぐに視線をチフユに戻す。

 

「・・・・・・・」

 

「・・・・・・私のことがわかるか?」

 

「・・・・・・・あぁ。今の攻撃ではっきりと思い出したよ、千冬姉。」

 

「「!?」」

 

フォルテの言葉に二人は驚く。

 

「よかった・・・・・一夏・・・・・」

 

「それ以上近づくんじゃねえ!!」

 

「!?」

 

バスターを自分に向けるフォルテに千冬は思わず口を開く。

 

「・・・・・・・・・やっぱり、俺の事なんかどうでもよかったんだな。」

 

「な、何のことだ?」

 

「しらばっくれるんじゃねえ!!俺のことを見殺しにしやがって!!」

 

フォルテは、怒りの眼差しで睨みつけた。

 

「てめえ一人のために俺がどんな目に遭ったかわかっているのか?周りから『出来損ない』『劣等品』『恥さらし』と言われ続け、てめえと比べられて肩狭い思いをしたことを。」

 

「・・・・・」

 

「それだけなら、まだいい。だが、一番許せなかったのは俺が誘拐された時だ。てめえが決勝に進出したことを知って俺は犯人に半殺しにされ・・・・・・なんとか逃げ出せたものの隠れた先が火薬庫で犯人と一緒に・・・・・・・・・じじいが助けてくれなかったら・・・・・・今頃お陀仏だった。その結果がこれだ!!」

 

フォルテはメットを外す。頭髪は、灰色に変色しており、顔のあざのようなものは手術跡だった。

 

「てめえのおかげで俺の体はこの様だ!!元の体がほとんど残っちゃいねえ!!てめえが平和に過ごしている間に俺はじじいの治療でどうにか生き延びた。・・・・・・・そして、今凄まじく裏切られた・・・・・・」

 

顔をあげるとフォルテの目から血の涙が流れていた。それは憎しみなのか、または、悲しみなのか。

 

「何なんだよ、てめえは・・・・・・・俺が死の境界線を彷徨っているときにこの世界で幸せそうに生きていやがって・・・・・・・」

 

「ち、違う!!お前を忘れていたわけじゃない!!私は・・・・・・」

 

「それにわかっちまった・・・・・・俺たちにはどうして親がいなかったのか・・・・・何故てめえが俺を見殺しにしたのか・・・・・・」

 

「何を言っているんだ!?」

 

「プロジェクト・モザイク。」

 

「!?」

 

フォルテの言葉を聞いてチフユは硬直する。

 

「プロジェクト・モザイク?」

 

「別名『織斑計画』。遺伝子操作によって意図的に『最高の人間』を造り出すために亡国機業が計画した一大プロジェクト。その中で1000体目でようやく成功したのがそこにいる織斑千冬、そして、そのデータを基により量産に適して生み出されたのが俺。」

 

「そ、そんなことが・・・・・」

 

フォルテの話を聞いてロックマンは言葉を失う。

 

「あの時、俺をさらった連中の真の目的はオリジナルの成功体である織斑千冬を回収することだった。だが、万が一、失敗した場合最低限の保険として俺を確保するのが目的だった。表では大会出場の棄権が目的としか知らされていないが。」

 

「な・・・・・何故、お前がそんなことを・・・・・・」

 

「廃棄処分が決まり、組織から脱け出すとき、計画のとん挫を機に俺を人間とし生かそうと考えた教育係の少し変わった女が兵器として学習中だった俺の記憶を消去させて、織斑千冬と一緒に報告では処分したことにして逃がした。だから、俺の家族写真には、2人しかいなかった。」

 

「・・・・・・・」

 

「さっきの攻撃で消去された記憶も戻った。俺は、てめえの劣化コピーに過ぎない。だから、あの時切り捨てられたんだ・・・・・・」

 

「わ、私はそんなこと・・・・・・・」

 

「もういいだろぉ!!家族ごっこは終わりだ!!俺もてめえも同じ遺伝子から遺伝子操作して生み出された作り物なんだぁ!!俺とてめえとの間に本当の家族愛だか姉弟の絆なんてもんは最初っからなかったんだよ!!」

 

フォルテは、吐き捨てるように言う。するとダメージの影響なのかゴスペルと分離し、膝をついた。

 

「一夏!」

 

「近づくな!!所詮、偽りの情なんて受けたところで俺に対しての裏切りが消える訳じゃねえ・・・・・・・くっ。戻るぞ、ゴスペル。」

 

『ガウガウ!!』

 

フォルテとゴスペルは、転送装置を使ってその場から離脱する。

 

「一夏・・・・・・・・」

 

チフユはその場で立ち尽くす。

 

何処で道を間違えたのだろうか?

 

自分がやってきたことは全て苦しめるだけだったのか?

 

今までの思い出がまるでガラス細工のように砕け散ってしまった。

 

「・・・・・博士。」

 

ロックマンは、チフユにかける言葉が思いつかずライトに連絡を取る。

 

『・・・・・・そうか。やはり彼がイチカ君じゃったか。』

 

「はい。」

 

連絡先のライトはしばらく黙るが次の言葉をロックマンに告げる。

 

『ロックマン、お前は先に進んでワイリーを止めておくれ。チフユは、こちらから転送して戻す。』

 

「しかし、博士・・・・・」

 

『わしもあの子の気持ちが分からないわけじゃない。だが、人の心の傷は本人が向き合うしかないんじゃ。』

 

「・・・・・・」

 

その直後、チフユが動き出した。

 

「・・・・・姉さん?」

 

あまりのショックで自分の知っている千冬ではなくなってしまったのではないかとロックマンは恐る恐る声を掛ける。

 

「・・・・・・大丈夫?」

 

チフユは、ゆっくりロックマンの方を向く。

 

泣いてはいたもののいつものチフユだった。

 

「・・・グスッ、だ、大丈夫だ・・・・・・・・・目から汗が出ているがな・・・・・グスッ。」

 

「姉さん・・・・・・」

 

「分かってはいたんだ・・・・・いつか気づいてしまうんじゃないかという事は・・・・・それが早まってしまっただけのことだ・・・・・・・でも・・・・・でも!私は一夏を・・・・・アイツを本当の家族として愛していたんだぁ!それには何の偽りもない!!だから、そのことをわかってもらわなければならないんだぁ!」

 

チフユは、涙を拭いながらも言う。その姿を見てロックマンはチフユがまだ諦めていないことを悟る。

 

「だが、今はワイリーを止めるのが先決だ。・・・・グスッ、行くぞ。」

 

「うん。」

 

2人は部屋から出てワイリーキャッスルの奥へと歩き始める。

 

「・・・・・姉さん。」

 

「ん?」

 

「僕やロール、ライト博士やカットマンたちは・・・・・・家族・・・・・だよね?」

 

「・・・・・フフッ、あぁ。血が繋がっていなくて体が機械でもみんな家族だ。」

 

チフユは、ロックマンの手を引いて進んで行く。

 

必ず一夏・・・・・フォルテを説得してみせると。

 

そして、今度は三人で手を繋いで歩けるようになれることを。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




フォルテが何故、プロジェクト・モザイクを知ったのかは、計画がとん挫する以前の洗脳教育の一環で自分の存在意義を教えられていたため。

次回はやっとワイリーの土下座が拝めそう。
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