戦姫絶唱シンフォギアEVOL   作:夢見969

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前回までの戦姫絶唱シンフォギア!!!

「フィーネが散り、第二段階へと移った。まぁ、変わったことと言えば駒が増えた程度だが」
「何時になったら活躍出来るんだ父さん」
「オマエさんの真の力が出せるようになるのは…Gのフィナーレぐらいだ。そこまで我慢しろ」

「「どうなる第12話!!!」」


戦姫絶唱シンフォギアG
ガングニールの少女


ソロモンの鍵。

その機能は、バビロニアの宝物庫の扉を開き、ノイズを任意発生させることと、 72種類のコマンドを組み合わせることによって、 複雑で精緻なコントロールを可能とすることである。

 

そしてそれを起動させてしまったのは雪音クリスの歌。

 

「ソロモンの鍵が奪われた…!?」

 

ルナアタックが起きた後、ソロモンの鍵を回収した特異災害対策本部はその特殊性から聖遺物の研究を行っている、Dr.ウェルに預け研究機関にて解析を行う筈だった。

途中、ノイズ達の襲撃に遭うも響とクリスのコンビネーションによりこれを撃退。無事、輸送を終えた後に翼の頼みもあってか響とクリスはライブ会場にて翼の出番を待っていたのだが…突然入った一報に困惑する。

 

やはりと言うべきか、研究機関を襲撃したのは赤、黒の2人組…恐らくエボルトとナイトローグの2人だ。

会場を抜け出し現場へ向かおうとしたのだが司令からは次の狙いはライブ会場ではないかとの推測が上がりそのまま待機というカタチになった。

 

 

「クソ…何の為にアタシ達が無事に届けたんだ…」

「クリスちゃん…大丈夫、私達なら何だってできるよ…!」

「……はぁ、お前はほんとノーテンキだな。……サンキュ」

 

何の根拠もない一言だが、今のクリスには響の純粋さが何よりも嬉しかった。

煌めくスポットライト、鳴り響く歓声…仲間である風鳴翼のステージが今始まる。

 

 

会場に響く重低音、その歌声は人々を魅了し強い勇気を与えている。加えてもう1人、翼と共に歌っている人物が居た。 名前はマリア・カデンツァヴナ・イヴ…新進気鋭のニューシンガー。

 

力強い歌声のユニゾンは会場のボルテージを跳ね上げる。

 

 

立花響はこの感覚を知っていた。

楽しいと気分が高揚した瞬間の感覚を…あの日、地獄と化す一瞬前の感覚と全く同じだ。

 

「…クリスちゃん…!!!」

「はっ? なん………!?」

 

何が何だからわからない。だけどこれから良くないことが起きる。

響が直感したその時、風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴが立つステージに蠢く影が現れた。

 

ノイズ

 

あの日と同じく惨劇が繰り広げられかける。 観客は悲鳴を上げ始め逃げようとする状況の最中、響とクリスは己の胸元に手を当て歌を紡ぐために口を開くが…

 

 

「狼狽えるなっっっっっ!!!!!!」

 

 

雷が落ちたかと思う程の轟音が観客と装者を撃ち、歌を紡ごうと開いた口からは何も吐き出すことは出来なくなるほどの凄まじい圧を身に受けた。

声を張り上げたのはステージに立つマリア

 

「私たちはノイズを操る力を持ってして、この星の全ての国家に要求する!」

「世界を敵に回しての口上!? これはまるで・・・!」

 

大仰な素振りとセリフを語ってみせたマリアのそれは正しく…

 

「宣戦布告…だと?!」

 

クリスは歯噛みし今回のノイズ達を呼び出した犯人の目星をスグにつけた。 ノイズを召喚できる人物、加えてノイズを自在に操る聖遺物を盗み出した人物…エボルト。

 

「おいバカ、既にこの会場にエボルトが紛れている可能性高いぞ…」

「えっ…!?」

「奴が変身する前の姿が分からない以上これだけの人間から探すのは難しい…用心しろ」

「…うん、わかった」

 

ゆっくりと声を潜めながら頷く響とクリスを他所にステージの上では新たな動きがあった。 マリア・カデンツァヴナ・イヴの胸元に輝くペンダント。

アレは見間違えるわけがない物。 何故彼女が持っているか分からない…だけど確かに彼女は歌った。

 

 

「Granzizel bilfen gungnir zizzl」

 

聖詠が紡がれ、ペンダントが輝くとマリアのカラダを光が包み込む。

光が収まるとその中から現れたのは…

 

「「「黒い…ガングニール…!?」」」

 

天羽奏、立花響の白を基調としたカラーリングでは無くその姿は正反対の黒、そして身を包み込む様なマントを靡かせ全世界に向けて高らかに名乗り上げる。

 

「我ら武装組織フィーネは各国政府に対して要求する。差し当っては国土の割譲でも要求しようか…24時間、それ以内に要求が通らないのならば各国首脳機関がノイズによって風前となるだろう」

「正気か、マリア・カデンツァヴナ・イヴ!!」

「さぁ? 驕りかどうか判断してみたらどう風鳴翼…しかしこの状況では戦えないかしら?」

 

大勢の観客がノイズに怯え動けぬ状況下、風鳴翼がシンフォギアを纏って戦ってしまえばどれだけの被害が出るか、考えたくもない結果が見えている。 それを分かって彼女は待っていると悟った。

 

「仕方ない…会場のオーディエンス諸君にはお引き取り願いましょう。 それならば何も考える必要は無い」

 

マリアの腕の一振りでノイズ達は道を開けるように割れ、会場出口への一本道が出来上がる。 困惑する観客達だがすぐさまその場を駆け出し次々と逃げていく様子が全世界に公開されている。

 

(人質を解放して何がしたい…?)

 

真意を計り兼ねる翼にマリアは笑って見せる…がそこに割って入る闖入者が現れた。 最も来てほしくない奴が

 

「よォ、翼。 偶然だな? 今日はオマエさんのライブの日だったのかい。 これまた運命を感じちまうなァ…オレとオマエが初めて出会った日もライブの日だった。 懐かしいだろ?」

「ブラッドスターク…いや、エボルト……!!! またしても貴様か…ではマリアは」

 

エボルトを睨みつけ、その共犯者であろうマリアに視線を移すと彼女も驚愕しアームドギアである一槍を構えていた。

 

「エボルト!? 何故…何故アナタがここに居るのかしら…?」

「何故…とはご挨拶だなマリア。 オマエさんがやらかさないか心配で親心を出して来てやったんじゃないか」

「親心…良く言えたものね…! 調、切歌に手は出させないわよ」

「あのモルモット2人には特段興味ない。 オマエさんのガングニールも不要だ…もう既にガングニールを手に入れる手立てはあるのさ。 オマエさんが気にすることじゃない…クリス、響、オマエさん達も出て来い。居るのは分かってるんだよ」

 

かなり遠く、距離があるはずのステージから2人を見付けているとなると最初からエボルトはこちらの位置を把握していたという事だろうか。

 

舌打ちをしながらクリスは響と目配せしシンフォギアを起動しながらステージへと降り立つ。 ほぼ同時のタイミングで全世界に放映を行っていたカメラを緒川さんが全台停止し翼もようやくシンフォギアを身に纏った。

 

「わざわざあたし達を呼ぶたぁいい度胸だなエボルト! まさか今更3対1を狡いなんて吐かすんじゃねーぞ!!」

「おーぉ、お友達が出来て叩く口もデカくなったもんだクリス。 オマエさん達じゃオレどころかナイトローグにすら勝てないってのに…なァ!!」

 

トランスチームガンにガトリングボトルを滑らせ連射性能を跳ね上げる。 ノーリロードで吐き出される弾丸たちは装者3人に襲いかかるが、翼が最前に立ち、次々と弾丸を弾いていく。 確実に防ぐ翼の背後からクリスが飛び出すと、その手に握ったクロスボウから数発、矢をエボルトに向けて放つが攻撃を早々に切り上げ身を引いたエボルトに当たること無く矢は地面を爆破する。 ステージが砕け端材が舞う中、響が背中のブースターを吹かせエボルトに肉薄し腕のアームパーツが唸りを上げ重撃を放とうとしたタイミングで横槍が入った。

 

「本当は助けるなんてしたくないのだけれど…!!」

 

ガングニールが響を吹き飛ばし白と黒の相対する。 翼とクリスはエボルトに釘付けにされ響の様子を見るのが精一杯だ。

 

「アナタはなんでエボルトの味方をするんですか!? 助けたくない…って事はなにか事情があるんですよね!?」

「ガングニール…そうね、事情はあるわ。 でもそれは貴女達が行う目先の人を助けるだけの様なモノじゃない、大義の為よ」

 

靡くマントはマリアの周囲を高速で回転すると硬質な物に変わり響のガングニールを抉ろうと牙を剥く。 だが物怖じせずに飛び込む彼女は回転するマリアのマントをその両手で無理矢理、押さえ付けシンフォギアを欠けさせながらも徐々に速度を遅らせていく。

彼女の手がシンフォギアを纏っているとはいえ、その手が焼ける可能性だって低く無いのにそれを迷いなくやってのける。

 

「無茶苦茶してくれる…!!」

 

回転が完全に停止する前にマントを開きそのまま回し蹴りを腹へ突き刺す。 止めようと集中していた事で意識が疎かになっていた為、予想以上のダメージが響に残るが知ったことかと立ち上がる。

 

「がはっ…! …は、話し合おうよ、同じシンフォギアを使う人同士…助け合えますよ!!」

「そんな言葉、誰が信じられるの。 そんな言葉、偽善者が吐く言葉。」

 

 

【α式・百輪廻】

 

 

割って入ってきた声と共に天から大量に降り注ぐ丸ノコを紙一重で躱しきり距離を置くが続け様に飛んできたのは緑の斬撃。

 

 

「これは躱せるか…デェス!!」

 

 

【切・ 呪りeッTぉ】

 

背後からの不意の一撃だったそれは避けきる事が出来ずに響は吹き飛ばされ、そのまま倒れ込んでしまう。 見上げた先には黒いガングニールの他に2人のシンフォギアが立ちはだかっている。

 

「シンフォギア…だと!?」

「んだよ、アイツら!? あたしら以外にも居たのかオッサン!!」

 

【解析の結果、シュルシャガナとイガリマの聖遺物と出た。 無茶はするな3人とも撤退も視野に入れて行動しろ!!】

 

新たなシンフォギア達は不敵な笑みを見せながら響を見下ろすがエボルトに気が付いた時、マリアと同じ反応を示した。

 

「エボルト!? なんでここに居るんデス!?」

「……何、しにきたの。」

「嫌われたもんだなァ…オマエさんたちを鍛えてやったってのによ。 まぁ、いい質問の答えはこうだ。 オマエさん達6人を引き合せるために来た…ってところだな? なぁに、特に悪いことは考えてないさ…本日は早々に幕引きにしておこうじゃないか」

 

翼とクリスを軽く遇い飛び下がるとステージのど真ん中で笑いながらスチームガンのトリガーを引き絞ると今までに無いサイズのノイズが会場に解き放たれる。

 

「巨大分裂増殖型ノイズ…こいつを消すには絶唱以上の破壊を一撃で決めないと無限に増え続ける。 限定解除を成し遂げたお前達にはその手があるんだろう? オレに見せてくれよ」

 

マリア達3人を下がらせたエボルトはほくそ笑む。限定解除を行い大幅に機能が上がったシンフォギアの新たな力を見定めるために放った特別製のノイズを彼女達はどう攻略するか…

 

クリス、翼は弾丸に斬撃とスライム状のノイズに向かって放っていくがエボルトが言った通り、切り飛ばされ穿たれた箇所から続々とその質量を増していき肥大化していく。

 

「こ、いつらァ!!」

「やめろ雪音。 奴の言う通り攻撃をすればする程…コイツは増えていくみたいだ…」

「んなっ!? じゃあ、どうしろっつーんだ。 絶唱なんざ反動が…」

「絶唱……」

 

本来ならばエボルトにだけは見せたくなかった技がある、状況が状況なだけにやらざるおえない。 蠢く大型のノイズを前に響は2人に手を差し出した。

 

「翼さん…クリスちゃん…やりましょう!」

「まさかアレを? だが、立花…あれは未完成の…」

「このバカはやろうと言ったことを曲げる様な奴じゃないってのは分かってんだろ? それにコイツはマジでアレじゃねーと無理そうだ」

 

差し出された手をクリスは掴み、翼も苦笑しながらも手を握る。

風向きが奴等に変わった。

 

「いきます!! S2CAトライバースト!!!」

 

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el baral zizzl

 

Gatrandis babel ziggurat edenal

Emustolronzen fine el zizzl

 

 

「絶唱か…いや…これは?」

 

本来の絶唱とは流れが違う。

 

「スパープソング!!!!!」

「コンビネーションアーツ!!!!!」

「セット!!ハーモニクス!!!!!!!!」

 

3人から吹き荒れる膨大なフォニックゲインは立花響を起点とし爆発的なエネルギーへと纏まり彼女が無理矢理束ねていた。そのエネルギーはフィーネが使用した完全聖遺物デュランダルを凌駕し、虹色に輝く波がノイズの分裂、増殖を遥かに上回る速度で蹴散らしていくとそのコアを剥き出しにしていく。

 

「3人の絶唱を立花響が纏めている…これが融合症例第一号の…あの娘のガングニールの力…? いえ、だとしてもあの娘に掛かる反動は通常の3倍よ…どうなっているの」

「無茶苦茶デス…!」

「…綺麗。」

 

慄くマリア達を他所にエボルトは高揚していた。

絶唱を束ねた力、この力がもう少し高まればエボルドライバーは復活する。 エボルドライバーが復活すれば今よりも更にゲームが面白くなるだろう。

 

「見えた! 立花ぁ!!」

「ぶちかませぇぇえええ!!」

「はい…!!!!!!!」

 

両腕のギアを1つのカタチに合体、変形させると虹色の暴風はノイズコアを上空へ巻き上げ、そこに目掛けて響は拳を握り飛び上がった。

 

「これが……私たちの! 絶唱だぁぁぁぁあああ!!!!」

 

天をも貫く一撃は空を覆う雲を吹き飛ばしノイズをチリも残さず消滅させる。

 

欠けた月が照らすアリーナに乾いた拍手が響く。 叩いているのは勿論エボルトなのだが…

 

「いやぁ、お見事と言うしかない。 然しものオレも今のを喰らったら細胞の一つも残らず消し飛んでいるだろうな。 良いものを見せてもらった」

「はっ、だったら駄賃の少しでも置いていけよエボルト…!」

 

凄まじい一撃を放った響はシンフォギアが解除され膝を付いている。 翼とクリスが背に響を隠してエボルトに対峙しているのだがエボルトは興味無さげに手をひらひら振ると背を向けた。

 

「言ったろ。オレはシンフォギア達を引き合せるために来たって。 用事は済んだから帰らせてもらうさ…次会う時はその技を完成させている事だな」

 

蒸気に巻かれ姿を消す4人に響はポツリと言葉を零した。

 

「私って…偽善者…なのかな」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「エボルト、どういうつもり?」

「んん…言ったと思うが? オレは楽しみたいんだ。その為には苦労も厭わず他人の為に働いてみせたりするんだ」

「他人の為…ですって!? だったら何故、マムに毒を盛ったの!」

 

激昂するマリアはエボルトを突き飛ばし凄まじい殺意を向けるが気にした様子もなくヘラヘラとしている。

調、切歌もペンダントを握りしめ怒りを抑えようとしていた。

 

「オマエさん達をコントロールする為…か。一番妥当な答えは。 人間、それもオマエさん達のような甘っちょろい連中なら自分の身内1人、人質に取られればこちらの言う通りにするだろ? だから、毒を盛ったのさ」

「貴方の組織は我々の出資者なのだから私達は最大限従うつもりだったわ。 そこにマムの犠牲は必要なものではない!」

「おいおい、オレはナスターシャを殺すとは言っていないだろう? 結果を残してくれれば奴を殺す事は無いさ」

 

結果を残せば…それはつまり思い通りに動かなければ容赦なく殺すと同義だ。

 

「外道め…」

「スマートに動かしたい紳士なだけだ。 それじゃあ、次の指示まではドクターに従えよ? Ciao」

 

消えるエボルトを無言で見送り歯噛みする。 マム…セレナ…私は無力だ。

 




「次回から私が主人公のマジカルミラクル魔法少女セレナを放送しますっ!」
「次回も普通の戦姫絶唱シンフォギアG EVOLだ。くれぐれも誤解無きように」
「この子は私の仲間の妖精さん! フィーネちゃんっ」
「待て、私まで巻き込むな!?」

「「次回 戦姫絶唱シンフォギアG EVOL お楽しみにっ」」


「フィーネちゃん、妖魔の反応っ! 行こう!」
「変な設定を足すなぁァァァ!!」
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