「暴走したネフィリムをサクッと殺した2人はドクターウェルに叱られた」
「弱いのが悪い」
「だってよドクター。そんでフロンティア浮上のタイミングは決まっているんだろうな」
「えぇ、3日後よ。 上手くいったら…マムの毒を」
「わかってるわかってる……上手くいけば…な」
「「「どうなる第17話!」」」
「ちっ、先を読まれていただと?」
目まぐるしく変わる戦況にエボルトは珍しく悪態をつく。 フロンティアの浮上の為に移動した矢先、特機部二のシンフォギア3名による奇襲を掛けられた。 迎撃にはマリアとエボルト、ミソラが出ているがなんという事か、こちらが押され始めている。
「随分とボトルの扱いが上手くなりやがって…誰に教わった?」
「誰が教えるかよっ!!!」
タンクボトルをイチイバルに組み合わせたクリスは大火力でミソラを一切寄せ付けずにエボルトと他2人を爆撃で完全に分断している。
各方面から降り注ぐ弾丸ミサイルの雨霰の中をラビットボトルの力を得た天羽々斬が縦横無尽に駆け回りマリアをその場に釘付け。 そして響がエボルト相手にその拳を奮っている。 消滅毒を完全に抑え込んだか…融合症例第一号の出来は完璧だな。 暴走も近いだろうがこのまま成長を促せば………ふふ、フハハハハ!!!!
「いつもと…だいぶ違うじゃないか。えぇ?」
「内緒…っ! らァッ!!!」
パイルバンカーめいた一撃はゴリラモンドにビルドアップした
こいつ、ハザードレベルも上がってやがるな…? 一体何をしたってんだ…!
上空に一度逃げるか? ダメだな、イチイバルに撃ち落とされる。 後ろに逃げればガングニールが追撃してくるし離脱もできない…となるとこれは。
耐えるしかないか。
「あんま、使いたくなかったんだがなぁ…」
『アンコントロールスイッチ!』
『ブラックハザード!』
『ヤベーイ!』
黒一色のボディが鈍く輝き、正面から突っ込んできたガングニールの拳を掴み取ると攻守は逆転した。
圧倒的な腕力で抑え込むとそのまま蹴り上げ2本ほど肋骨をへし折る。 まだシンフォギアは解除されないか…と呟けばそのまま強引に浮いた彼女の体を地面に叩きつけ引きずっていく。
スパークリング以上、ハザード未満ってところか…だが立花響、雪音クリスの伸び代はまだまだ先だろう…
「ま、だまだァ!!!」
両足のアンカーを地面に突き刺し動きを止めると地面を殴り割りこちらを引き剥がしてきた。
揺らりと立ち上がりその瞳から闘志が消えていない響の手にはボトルではない何かが握られていた。
アレは…!
ガングニールの腕部のパーツがスライドし格納部分が現れるとその手に握った容器を押し込みガチンッッッ!!!!と音ともに…その容器を潰す
『ロボットゼリー!』
『潰れる! 流れる! 溢れ出る!』
『ロボット over coat ガングニール!!』
『ブラァァァァァァ!』
野太い音声と共にゼリー容器を装填した腕から『ヴァリアブルゼリー』が噴出。響の全身にまとわりつき黄金のクロスアーマーを形成してく…その姿は以前の世界で敵対した仮面ライダーグリスに瓜二つの姿と化す。
俺が以前持っていったのはドラゴンゼリーだったはず…まさか解析してロボットゼリーを作ったってのか?
「おいおい、オマエさんそいつを何処で手に入れたんだ? ン?」
「内緒だってば…!!」
両肩に新たに現れたアーマーからゼリーを噴射し高速で迫ってくるとガングニールの突破力にスクラッシュゼリーの効果が加わった連撃がオレのカラダへ次々と叩き込まれてくる。 ハザードでも追いつけないとは…!!
「ぐぅ…新しい玩具を手に入れてはしゃいでるな!!」
オレのハザードレベルが5ちょいまで落ちてるとはいえ、これ程までの勢いで追い付かれるとは万丈を超える逸材かもしれないな…立花響。 それともあちらの世界ではなかったフォニックゲインがハザードレベルに密接に関わっているか…ちっ、洗い浚い吐かせてから始末するべきだったかフィーネは。
シンフォギアの装甲に加えて表面に展開されているアーマーのお陰かゴリラモンドハザードでさえ打ち抜けない仕様…何ともまぁ、ご丁寧に改良してくれている。ニンニンコミックにビルドアップし分身で立花響と風鳴翼を妨げマリアから距離を置かせる。
「マリア、退け! オマエさんは起動の準備をするんだ。起動さえしちまえば8割がた計画は遂行だろうっ」
「アナタに言われるのは癪なのだけれど…任せたわ!」
「待てっ、行かせはしないぞ!!」
時限式のシンフォギアもそろそろ限界、しかし援軍の方はどうやら調整が間に合ったようだ。
風鳴翼とマリアを分け隔てるように天から降り注いだのは巨大なギロチン。そしてその頂点には二つの影……バカと煙はなんとやらと言うが本当だな。
シンフォギア共の歌は止まり、その歌声は自らの首を賭けているとも知らずに紡がれる。
「真打、登場デス!」
「邪魔はさせない。」
ボトルの力とネビュラガスを
「パワーアップしたイガリマに敵はない…っデス!」
バンダナを巻き、髑髏があしらわれた巨大なフラッグを振り回した暁は風鳴翼に向かって疾駆。
そして…シュルシャガナはなんだありゃ?
電車にノコギリが付いてんのか…?
複数の車体が飛び回り特機部二のシンフォギア共を下手に動けなくしていくのでパワーアップはしているのだろう。
フラッグと天羽々斬が激突し劈くような音が海面を波打たせると一方的な力で押し始めた。 踏ん張っても押し込まれアームドギアには亀裂が入っていく。
「力が上がってる…!?」
「ぶっ飛んじまえ…デス!!」
両腕に込めた力でアームドギアを粉砕するとそのままガラ空きのボディに柄が叩き込まれ海へと軽々と飛ばされていく。
「翼さん!? …おねがい調ちゃんやめて!!」
「お断り…っ。」
シュルシャガナは電車ボトルの効力により回転数が上がった丸鋸はグリスアーマーを抉りながらも完全には押し込めていないようだ。 まぁ、そもそもパワー型のガングニール+グリスに対して手数重視のシュルシャガナでは無理な話だ。
だが1人ぐらい犠牲になった方が……くくくっ。
「マリア、こっちの首尾は上々。 オマエさんはどうだ?」
『えぇ、高度はOK。 リフレクターも展開済み…アナタが持ち込んだ装置も稼働してあとはシェンショウジンによるフロンティアの起動だけ』
「そいつはいいニュースだ! よぉし、そのまま起動しろ…こいつは面白い事になるぞ!!」
上空に姿を隠していた輸送機から光が放たれ海の底へ降り注ぐ……
さァ、ドクターウェル。オマエとネフィリム、オレの糧となってもらおうじゃないか。
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「なんだアレ!? 気になるなぁ…っ、風鳴司令、俺達も早くフロンティアに行こうじゃありませんの!」
「まぁ待ちなよ、確かに気になるがシンフォギア達のバイタルチェックがボク達の仕事だろ? タダでさえ即席のスクラッシュゼリーをガングニールが使用してるんだ。 目を離すわけにはいかないよ」
1人はモニターに映った巨大な浮遊大陸に嬉嬉として興味を示し寝癖が立った頭を掻きむしり。 もう1人はそんな彼を見てややゲンナリしている。
「わーかってるって。 そもそもスクラッシュゼリーを渡したのは彼女が融合症例第一号だからだ。 彼女の異常な回復力は今後身体を壊すだろうさ…その前に取れるデータは取って限界の手前で侵食しているガングニールをなんとか除去する…それでいいんだろ巧」
「そう簡単に言うけどキミは…はぁ、毎度毎度付き合う身にもなってくれないかな戦兎」
彼らの名前は桐生戦兎、葛城巧。
フィーネの屋敷から手に入れたデータベース内で最も隠蔽されていたブラックボックス的な科学者。
RN式回天特機装束…つまりはシンフォギアの、開発に関わっていたとされる最重要人物達。
「にしてもウェル博士ねぇ…なーんかきな臭いと思ってたけど英雄願望をお持ちだったか」
「キミもなかったかい? 英雄願望」
「バッカ、俺のはラブアンドピースですよ。お分かり?」
軽口を叩きながらも手の動きには淀みが無く解析作業を藤尭朔也、友里あおいと共に凄まじい速度で行っている。
「…あらら、これはちょっと酷いな」
「桐生君、なにか分かったのか?」
「えーと良くないニュース。 ガングニールのお嬢ちゃん聴こえる?」
『はいっ! もう稼働限界ですか!?』
「そんな感じ。 でもそれはガングニールではなくシュルシャガナの方だ。 このまま放っておけば自壊して下手すれば装者の命も危険になる。イガリマもそう遠くないうちに同じ状態になる」
葛城巧がモニターに表示したのは適合係数が急速に下がっているシュルシャガナのバイタル。 しかし下がっているのにも変わらず、シンフォギアのセーフティが働かずに無理矢理何かでつなぎ止めてられていた。
『っ! どうすれば!?』
「何とか動きを拘束してこれ以上の戦闘は避けるんだ。 こちらに連れてきてさえくれれば…まっ、このてぇんさいが何とかしよーじゃありませんの」
「キミ、物理学者だよね?」
「てぇんさい物理学者は単なる物理学者とは違うだって」
『わ、わかりました! 調ちゃんを止めますっ』
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ガングニールの歌声は戦場を支配していたザババの二重奏を一瞬で塗り替え自らを、仲間を鼓舞する。
「こっちはエボルトの口車にも乗ったんデス…負けられるかァ!!」
「私達は…戦っている場合じゃないんだ! 」
釘付けにされているクリスちゃんの援護は望めない。敵を剥き出しにこちらに襲い掛かってくる2人をたった1人で抑え込まないといけない…そんなの無茶だろう。だけど、それで目の前の2人の命を見捨てる理由にはならない。
「エボルト! 勝負はお預けだよ!」
「…ふっ、わかったわかった。 せいぜい止めてみろよあの2人を」
先程まで殴り合っていた『敵』は身を引き見物を決め込んでいる。 何を企んでいるか分からないけれど…今は有難い。
「ぐっ……ま、だ!」
中距離からこちらを攻撃し続けている調ちゃんが苦悶の表情を浮かべながら膝をついている。
ダメージは与えてないはずなのに…やっぱりキツいんだ!
「切歌ちゃん、このままじゃ2人とも死んじゃうんだよ!?」
「なっ…デタラメ言うなっ! 調は、調は絶対に死なせないデスから!!」
振り下ろされた一撃をその脳天で受け止める。いくらヴァリアブルゼリーが衝撃を吸収してくれるとはいえ全てを抑えてくれるわけじゃない。
グラりと体勢を崩すも大地を踏みしめ瞳を見開く。
「なっ!?」
「この…分からず屋ァァァァ!!!」
肩のアーマー、背のブースターを全開で吹かしての突貫。 切歌ちゃんの身体を掴むとそのまま地面へ叩きつけた。
「調ちゃんを護るなら…まずは切歌ちゃんが無事じゃなきゃダメでしょ!?」
「そ、それは…だってだってアタシの中にはフィーネが……」
歯を食いしばりながら涙を流す切歌ちゃんと膝から崩れ落ち意識を飛ばした。 調ちゃんも最早限界なのか膝をついている。
「…っ、切ちゃんをどうするの」
「安全なところ、治療ができる所に連れていく…調ちゃんも行こう」
「………マリアを、マリアを助けてあげて」
そう言い残して彼女もまた意識を失った。 緒川さんが2人の回収を行ってくれるらしい。
響はエボルトの目の前に立ちながら空へ浮かぶ大陸を見据えている。
「あれが…フロンティア…」
海面を盛り上げ姿を現したのは島というより大陸だろうか。 この海の底にそんな質量のものがあったなんて…
『響くん、翼は運が良かったと言うべきか吹き飛ばされた故に先行してフロンティアに上陸している。 申し訳ないが…』
「私とクリスちゃんで行けばいいんですね!!」
『あぁっ、頼むっ』
「簡単に言ってくれるぜオッサン!! コイツ、しつこいんだよ…っ」
クリスちゃんと正面切ってぶつかり合っているフルフェイスの人物は突然動きを止めて両手を挙げた。
「さっさと行けよシンフォギア共…マリアから通信が入った。ドクターウェルがアレを使って碌でもない事をするらしい」
「はぁ!? エボルトとお前もそれに加担してたんだろうが!」
「オイオイ、フロンティアの浮上はお前達……いや、人類を救う為の行為だったんだよ。 今後、宙からやって来る生命体からの侵略に対してのな」
侵略…?
いや待て、その言葉はおかしい。だって現に人を沢山殺していたのは彼らじゃないか。
「フィーネやドクターウェル…そしてオレはとある研究にてその事実を知り…対抗するための手段、撃退する為の兵器シンフォギア、カ・ディンギルをフィーネが。 生き残る為の手立てフロンティアをドクターが…と、それぞれ対策を立ててきた」
「だったら何でノイズを使って人を殺したんだよテメェ!」
「間引きだよ。 フロンティアに乗り込める人間はせいぜいウン万がいい所だろう。 だがこの世界には70億という数の人間が居るんだぞ? 誰かがやらなきゃフロンティアに乗り込む前にいざこざで人類皆仲良し小好しで死んじまうだろうが」
「だからって…!!」
「言い争いも結構だがこのままだとドクターが何かしらやらかすぞ。オマエさん達はそれでもいいのか?」
クリスちゃんは歯噛みして私と共に特機部二の輸送機へと駆け出した。
悪意の笑みに気が付かず。
「さーて、次回の戦姫絶唱シンフォギア G EVOLは?」
「マリアよ、マムが人質に取られ調と切歌にも連絡が付かずにドクターの謀反。私の胃はどうなるのかしら」
「ドクターウェル散る」
「70億の…」
「この瞬間を待っていたァ!!」
「の3本でお送りするわね。既に不吉だわ…」