戦姫絶唱シンフォギアEVOL   作:夢見969

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前回までの戦姫絶唱シンフォギア!

「ネフシュタンの鎧を纏った雪音クリスが立花響と風鳴翼に襲いかかる! だが、風鳴翼も負けちゃいなかった決死の絶唱が雪音クリスを撃破した。 全く子供のお守りをさせられる俺の身にもなれってんだ」
「テメーだってオッサンの一撃でのされてんじゃねーかブラッドスターク!」

「「どうなる第5話っ」」


それぞれの思惑

ブラッドスタークは甚大なダメージを受けフラつきながら立ち上がるも、まともに二本足で立てるようなレベルではなく近くの木に身を預け自らを吹っ飛ばした弦十郎を睨みつけている。

ノイズ達を特異災害と言っているがこちらからして見れば風鳴弦十郎こそ人間の限界を超えた特異、異常と言えるであろう。 生身のパンチ一つでブラッドスタークを撃破してみせるなど有り得るものではない。あの万丈でさえネビュラガスを身に注がれハザードレベルを上げに上げてやっと届いた域なのだ。

それを風鳴弦十郎は身一つでやってみせた。

 

「コイツは…たまらねーな……ガングニールの嬢ちゃんは今回諦めるとしよう」

「俺がこのまま、お前達を逃がすと思うか」

「オマエさんの相手はコイツらに任せる…ガーディアンだ」

 

片手をあげると周囲の林から風鳴弦十郎、立花響を包囲するように銃剣を装備したフルフェイスヘルメットを被った兵士がゾロゾロと現れ始める。数にして約20程度。弦十郎は近くに倒れていた響を担ぎ上げると地面がめり込むほど踏みしめそのまま跳躍、ガーディアン達を飛び越えて翼の真横に着地した。

 

「響くん、翼を頼んだ。 貴様らの相手は俺だ…!」

 

構えをとると姿が消える程の速さでガーディアンへと迫った弦十郎はたった一度の突きで土手っ腹に風穴を開けた。 バチバチとスパークしながらガーディアンは崩れ落ち機能を停止させ残ったガーディアン達は一斉に射撃を行うがバケモノ染みた身体能力に物を言わせ飛び交う弾丸を避け1体、また1体と潰していく。

 

「いくら試作品と言えどウチの製品をこうも簡単に潰してくれるとはな…そのガーディアンが人間じゃない確信はあったのか? 人間だったら軽く御陀仏だと思うが」

「人の気が感じられなかったからな」

「おー怖っ…いいさ、これからアンタ達とは殺り合う事が増えるだろうからな。 改めてヨロシク頼むよ Ciao」

 

白銀の少女と共に蒸気に包まれ姿を消してしまう。 舌打ちをつきながら未だに包囲網を解かないガーディアン達を一掃するべく、大地を全力で踏み込んだ。

 

「爆震…ッ!!」

 

足踏み一つで地面がめくれたという表現が正しいのだろう。周囲で構えていたガーディアンはことごとく宙に舞い上がり、地に叩きつけられた衝撃で機能不全を起こしていき動かなくなってしまった。

ノイズの影もガーディアンの姿も無くなり張り詰めていた糸が切れたのか響は破顔し涙を流しながら第二課の面々に保護され、翼は予断を許さない状態に陥っている。 不甲斐ない、大人の自分達こそ子を守るために前へ進まなければならないのに年端もいかないこの子達に何もかもを託してしまっている自らに腸が煮えくり返る。

 

「クソったれ…」

 

宙に流れる星々はいつの間にか無くなり、月明かりだけが煌々と現場を照らしていた。

 

 

 

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「いやはや、あの司令があんなに強いなんて俺は知らなかった。 教えてくれたってよかったじゃないかフィーネ」

「身を以て知った方がこの先の苦労は減ると思ったのよ」

 

街外れにある城みたいな豪邸の一室でスタークは勘弁してくれよ、と嘆きながら脚を投げ出し寛いでいた。 フィーネと呼ばれた女性もスタークの態度には気にせず、黙々と何か作業を行っている。 皆目見当もつかないが大方碌でもないモノだろう。

この手の人間…人間と言っていい生物なのかは分からないが俺と同じで自分の欲の為に動き、それ以外の犠牲は気にしないタイプなのだ。

 

「ネフシュタンちゃん頑張ってたのに可哀想なもんだねぇ…」

「うるせぇ、元はと言えばお前が遅れないで最初っから来てれば話はスグに済んでたんだ」

「いいのよ、クリス。 あのガングニールには成長してもらうっていう大事な目的が出来たから」

 

成長…? 回収から成長とはこれまた急に方向性が変わったもんだ。 スターク的には成長してくれた方が後々楽なのでその案には乗るがやはり何を考えているかわからない女だな。 ベルナージュよりも読みにくい。

 

「差し当ってはブラッドスターク。 貴方に頼みたい事があるわ」

「へーへー、奴さんが成長出来やすいようにクリスちゃんとちょっかいを出せってことか? 任せろよ、俺の手に掛かれば何レベルでも上げてやるさ」

「…ちっ、フィーネが言うんだからしゃーない。 それと気安くクリスって呼ぶなスターク」

「俺の事をエボルトって呼んでくれてもいいんだぞ?」

「なんだその名前…つーかよ、テメーの後ろにいるヤツは誰なんだ? 似たようなアーマー着やがって」

 

フィーネを庇うように間に割って入り立つクリスが指差したのはブラッドスタークの背後にずっと控えている黒いアーマー。 スタークが引き連れていたガーディアンとはまた違った出立ちをしていて不気味さを覚える。

 

「コイツか? 俺の組織の幹部…とでも言えばいいか。 名前はナイトローグ、俺と同じトランスチームシステムを使って変身をするがコイツは見た目の通りコウモリの力を使う」

「ナイトローグ…ふぅん? アンタより強そうな名前だな」

「おいおい、名前だけで判断するなよ。 コイツの実力は…クリスと同じくらいか少し上ぐらいだ」

「あたしがアンタより弱いって挑発か? そりゃよ…」

 

ペンダントを握りしめ一触即発な雰囲気を醸し出すがフィーネはそれを手で制しテーブルに置かれた数本のボトルを興味深そうに手に取る。

 

「これに成分を含ませて使うのね」

「あぁ、オマエさんたちが聖遺物の力を使う様に俺達はボトルに回収させた成分を使うのさ。今は順調に集まってる…数にして約40ってところか」

 

パンドラボックスの解放に必要な数は60本のボトル。そもそもこの世界のパンドラの箱は自分が欲しているパンドラボックスなのか自体分からないが用意しておくには越した事はない。それに加えて幾つか面白い成分も集まっているのだから別の方法で星を滅ぼしてやるのも面白いかもな。

ドラゴンフルボトルを選び取るとクリスに投げ渡す。

 

「んだよコレ。ドラゴン…? こんなの貰ってもあたしは使えねーぞ」

「御守りだ。 そいつは持ってるだけで戦闘力を時折はね上げるからな」

「御守りねぇ…」

 

手の上で転がすようにひとしきり眺めたクリスはポケットにねじ込むと肩を竦め、散歩と告げながら部屋を出ていった。

 

「あのぐらいが可愛げがある。 そう思わないかローグ」

「…オレには分からない事だ」

「つれねぇなぁ」

「ところで…貴方は一体誰なのかしら。 そろそろ素顔を見せてくれてもいいんじゃない?」

 

軽口を叩きながら帰ろうとするスタークにフィーネは大した興味も無さそうに、一応聞いとくだけ聞いとこうというレベルで聞いてきた。

 

「さぁてな? 答えるつもりも姿を見せるつもりも無い。 俺は然るべき時に姿を見せるさ…最もその時にアンタが生きてるかは分からないがな…フィーネ?」

「はっ、言ってなさい」

 

フィーネが振り向けば姿は無く、その掴み所の無さには苛立ちを覚えるが無駄な事と割り切り次の計画の調整に入る事にした。

 

 

 

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種は蒔いた。

芽吹くのはだいぶ先だろうが成長を見守るのも楽しみの一つということだ。

立花響、風鳴翼、雪音クリス。

加えて他に4人のシンフォギア装者…敵に回すのには申し分無い!! 今のハザードレベルのままでは困るから若干ヤツらにも肩入れをしなければならないがその程度は手間のうちに入らない。

 

「第一段階のフィナーレといこうか。 楽しみだなぁ…どんな反応、感情を見られるか」

 

nascitaの地下室に設置された棺桶のような機械から聴こえるのは悲鳴。

その悲鳴は止むことなく日が沈んでゆく。

 

「…っと、そうだそうだ。 そろそろ俺はイイヤツだって思わせないとな」

 

 




「さぁて、次回のシンフォギアは?」

「またあたしがやられんのかよ!? だけどタタじゃやらせねぇ…この雪音クリス。あと2回変身を残してんだっ!」
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