「翼さんが命の危機! 私は師匠と特訓を行って戦闘力が上がった!」
「そして私も一命を取り留め、立花と言葉を交わしたのだった…」
「そんなシーンありましたっけ?」
「ご都合主義というやつらしい、気になる方は戦姫絶唱シンフォギアのアニメを視聴してくれ。 デュランダルの行も展開上今回は無いらしいからなっ」
「え、私の暴走もなしですか!?」
「「どうなる第6話!!!」」
「どんくせーのが…やってくれる!!」
「どんくさいなんて名前じゃないッ!」
林の中を駆け抜け市街地からクリスを遠ざけた響は叫ぶ
「私は立花響ッ!15才ッ!誕生日は九月の十三日で、血液型はO型ッ!身長はッこないだの測定では157cm!体重はッ…もう少し仲良くなったら教えてあげるッ 趣味は人助けで好きなものはごはん&ごはんッ!あとはッ…!」
すぅぅ…と大きく息を吸いこみ胸を張った響に対してクリスはたじろぎながら続きを待つように動かない。
「彼氏いない歴は年齢と同じィッッ!!!!!」
「何をとち狂ってやがんだテメーは!?」
「私たちはッノイズと違って言葉が通じるんだから、ちゃんと話し合いたいッ!」
「悠長なこと…言ってるんじゃァねェ!!!」
鞭を叩きつけ響を潰そうとするが一撃目、二撃目…三、四…ッ!! 何度潰そうとするも難なく攻撃を躱していく。 果てには拳で鞭を殴られ明後日の方向へ向かっていってしまう。
「こいつ…何か…変わった…?! 覚悟か…!!?」
躱しながら右に左にステップを踏み近付いてくる響にイラつきを抑えられない。
「話し合おうよ…っ!! 人間同士、分かり合えるよっ!!」
ブチリ… 堪忍袋の緒が切れた。
「分かり合えるものかよ人間がッ…!そんな風に出来ているものかッ…!気に入らねェ…気に入らねェ…気に入らねェ…気に入らねェェッ!!!!!わかっちゃいねえことをベラベラと知った風に口にするお前がぁッ!!!!」
鞭を振り払いながら先端に光球を作り出す。 翼を苦しめた一撃を今まさに響が移動しようとしている地点に打ち込む。
『NIRVANA GEDON』
着弾する瞬間に響は両手で光球を押さえ込み逆にクリスに向かって押し返そうと試みるがスグに考えを察したクリスは二つ目の光球を発生させると身動きの取れない響に放たれた。
仕留めた、確信を持って口角を上げ笑ったが光が凝縮されている。 あのどんくせーのは自分の力を無理矢理アームドギアにしようとしている事はすぐに分かった。
なんつーデタラメをしようとしやがるんだ!?
力は暴発し奴は吹き飛ぶが…ヤバイ、奴はヤバイ!!!
凄まじい速度で成長を遂げるガングニール……立花響に恐怖を覚えた。 同時にこんな奴がフィーネに期待されてる事に嫉妬をした。
「させるか……よォォォオオオオオ!!!!」
怒号とともに振るった鞭は形を変え龍となり立花響に牙を剥いた。
蒼く輝くドラゴンは身を焦がすような熱を発しながら響に襲いかかっていき、響は新たに解除された機能を用いて宙に舞い上がり回避していく。
ドゥン…ドゥン……!!!! 大気が揺れる音の原因は響のガングニールの機能、脚に付いたバンカーの衝撃音だ。 極限まで伸ばしたバンカーを引き戻す衝撃で彼女は跳躍し宙でドラゴンと戦っている。
「その身で受けて焦げ死んじまえガングニール……!!!」
2本から更に分裂した龍の鞭が上下左右、響を挟撃するように迫る。
「エネルギーはあるんだッ…!アームドギアに形成されないのならッ…その分のエネルギーを!ぶつければいいだけッ!!!!!!!!」
両腕のパーツの部分がスライドし煙を吹きながら唸りあげ、力の限り龍を殴りつける。 インパクトの瞬間スライドしたパーツが戻りパイルバンカーの要領で威力が上がったパンチがドラゴンの鞭を打ち砕く。
「んなっ!?」
「雷を……ッ!!」
空中に残った鞭の残滓を蹴り飛ばし宙を走りながらクリスへと向かい、背中のブースターが火を噴き上げる。
最速で、最短で、真っ直ぐに、一直線に
「握りつぶすようにィィィイイイイ!!!!!!!!」
急接近する響に対して対処が間に合わないネフシュタンの鎧の腹へハンマーパーツを全開まで引き上げた拳が突き刺さり…
ガションッ!!!!
スライドが戻るとネフシュタンの鎧はヒビ割れそのまま爆発四散するかの如く破片をばら撒きながら転がり飛んでいく。
「はぁ…はぁ…はぁ……!!!」
息を切らしながらもネフシュタンが吹き飛んだ方から視線を逸らさず警戒し続ける響。 そんな彼女の耳に聞き慣れた、だけど何処か違う歌が聴こえた。
「Killter Ichaival tron」
重低音の音楽が鳴り響き、一気に場を支配していく。 ここは既に女王のテリトリーへと塗り固められた。
「見せてやるよ…雪音クリスの、イチイバルの力を…あたしに歌わせた代償は高いぜ…!!!」
歌とともにクリスの手にはボウガンが2丁現れ、番えられた5本の矢を躊躇いもなく掃射し響は走って躱していくが地面に着弾した矢は爆裂し響の背を脅かす。
ギリギリ回避し終えた響に向かって追撃の矢を放ち爆炎で視界を封じた上で接近からの回し蹴りを脇腹に蹴り入れダメージを与えながら自らが最も有利な距離を再び作り上げる。 転がりながらも何とか体勢を立て直した響が目にしたものは巨大なガトリングガンを両脇に構えたクリス。
『Billion maiden』
砲口が火を噴き上げ弾丸の雨霰が林を薙ぎ倒し逃げ場を徐々に抉りとっていく中でも歌は止まずに次なる一撃、腰のアーマーが左右に展開し片方12発、両門合わせて24発のミサイルが響に向かって一斉に放たれる。
『MEGA DEATH PARTY』
絨毯爆撃の如く降り注いだミサイルは周辺を更地にしていき、クリスは尚も射撃を緩めることなく打ち続ける。
砲身から煙が上がる音と共に歌は止み息を荒らげながら炎の中を睨みつける。
自分と立花響が居た場所を隔てる壁が煙の中から現れる。
「盾…?」
「剣だ…ッ!」
地面に突き刺さった剣が全ての爆撃と銃撃を防ぎ響に届かぬように反り立つ。その頂点には予断を許さぬ筈の風鳴翼が髪を靡かせ立っていた。
「…はっ、病人が足でまといの子守でもしに来たのか?」
「足でまとい? あぁ、私の事か。 立花、分かってはいると思うが私は十全の力を振るえん。 貴女に行ってきた振る舞いを許せとは言わない…が、今この時のみでも構わないっ。 私に力を貸してくれ」
憎しみを込めた言葉ではなくただ一人の、風鳴翼としての言葉で響を頼りにした。 だとすれば響の答えは一つしかない。
「勿論ですっ。 今回だけなんて言わずこれから、ずっと!」
「仲良しごっこは…他所でやりなァ!!!」
ボウガンを構え直したクリスは舞い降りてきた翼に向かって撃ちまくる。 翼は宙に居ながらも自らを射抜こうとする矢を尽く切り落とし逆に天から千ノ落涙を降らせてみせ、瞬く間に攻守が逆転した。 上空を舞う剣に気を取られ意識を外した瞬間、槍はクリスのカラダをブチ抜く為に懐へと潜り込む。
ガシャンッ!!!! という機械音は腕のパーツがスライドした音。 気がついた時には既に拳は腹に当てがわれ、このままでは2度と立ち上がれなくなる事が簡単に予想できた。
「いっけぇぇえええええ!!!」
ガングニールの全身全霊の一撃が炸裂しクリスは為す術もなく吹っ飛ばされる。
何回もバウンドしながら転がり起き上がろうと必死にもがくが力が入らず吐きながら呼吸も安定しない。 シンフォギアも解除され完全な無防備状態だ。
「………」
倒れ込んだクリスの近くに誰かが歩いてくる気配。 ヤツらか…と目だけで音の方向を向けばナイトローグが立っていた。 フィーネがあたしを助ける為に使いを出してくれたのか…
しかし、考えに反してローグはクリスに銃口を向けていた。 駆け付けた風鳴翼と立花響も状況を理解出来ていない。
「新しい敵…だと?」
「ナイトローグだ、覚えておくといい。 クリス、フィーネからの伝言を受けてきた… もう貴様は用済みだそうだ」
「な…っ!?」
「クリスちゃん…ッ!!」
引き金を引くよりも速く響がローグを突き飛ばしギリギリクリスが撃たれるのを防いだのだが、彼女の信じていたモノに裏切られた怒りは限界を超えポケットにねじ込まれたドラゴンフルボトルが感情に呼応するかの如く蒼く燃え上がった。
ゆらり…と幽鬼ような異様な気を纏ったクリスは満身創痍なカラダを引き摺り起こし胸元のペンダントを握りしめ…
「どいつも…こいつも……あたしをっ!! あたしを舐めやがってぇぇえええええ!! 許さねぇ…アンタら全員生きて帰れると思うなよ………っ!!!!」
「…… Dragon Ichaival tron ……」
蒼炎が身を包み絶叫しながらも憤怒の炎にカラダを焼かれ続ける。 戸惑いを隠せない装者2人、興味深そうに見つめるナイトローグ。
絶叫が止むと炎は掻き消され中から現れたのはイチイバル本来の赤色が暗めになったことに加えて蒼いファイヤーパターンが隅々に入ったシンフォギア。
通常ならば301655722通りのロックが成されているシンフォギアなのだが今の雪音クリスには半分のロックもかかっていないのだろうか。シンフォギアが悲鳴を上げ炎に焼かれているように見えた。
【翼、現場はどうなっている!! イチイバルの出力が限界値を超えかけているぞ!?】
「分かりません、ただ気を抜ける相手ではない…という事です」
「あたしを前にお話たァ、余裕かまし過ぎだろっ!!!」
両腕に構えたのは先程まで使用していたガトリングガンとは違う大きな砲塔。 武装の質も格段に変わっているのか銃口に光が収束すると蒼白いレーザーが地を溶かしてゆく。
翼、響、ナイトローグ共に飛び上がり事なきを得るがそれは誘い。 24連のミサイルは翼に防がれてしまったが…ニヤリ、獰猛な笑みを見せると背のアーマーが羽根のように展開し小型のミサイルがぎっしりと積み込まれている。 片翼に24発、つまり防がれた時の倍。
「出血大バーゲンだ。 持ってけ泥棒ォ!」
『GIGA DEATH PARTY』
空一面を焼くほどの大火力は夜空を夕焼けの空と同じく色に染めあげ黒煙の中から二つの影が地面に向かって真っ逆さまに落ちていく。 シンフォギア装者の2人だ。
ナイトローグは羽根を広げ、より上へ上へと飛んでいた為に被害を免れていた。
「歌わずに…この威力……っ!?」
「クリスちゃん…っ」
「気安く呼ぶんじゃねェ!! フィーネもてめぇらも大嫌いだっ……消えて無くなれェエエ!!!」
間髪入れずに両腕の大口径レーザー砲が変形し大型のミサイルが片腕に2基ずつ配置されている。 爆裂に呑み込まれ地面に叩きつけられた2人が防ぐ術はない。
「ナイトローグ、テメェもコイツらの後にじっくり料理してやるよ…逃げるんじゃねーぞ」
空から現状を見守るローグに怒鳴りながら、まずは2人、仕留めにかかった。
『GIGANT DEATH FUGA』
「翼さん…ッ!!!」
「立花…任せたぞ…ッ!!!」
向かい来る4つのミサイルに2人は肩を合わせ横並び走り、翼はミサイルを両断し響は有り余るパワーぶん殴り2人の背後で爆散する。
「火力が足りねぇのか!? だったらもう1度聴かせてやるよ…あたしの歌ァ!!!!」
蒼に燃えるイチイバルの背中にはウェポンラックが出現しミサイルコンテナやガトリングガンなどが陳列し次々に乱射され最早狙いも付けずに暴れ回っているだけだった。 それでも防戦一方になってしまう程の大火力に攻め手を完全に失う。
地形が形を変え、焼け野原になっていく中でナイトローグは上空を旋回しつつ状況を撮影し分析をしていく。 ドラゴンフルボトルはやはり手に余るものだったか…が実に面白い実験になっている。このまま雪音クリスを使い潰しても構わないぐらいに有用なデータだ。
「このままじゃクリスちゃんが!」
「分かっている! だが今は自分の身を案ずることだっ…私とて彼女を見捨てるつもりは毛頭ない!」
「ドラゴンフルボトルに飲まれて本当の自分を見失ってる」
声がした。 聞き覚えのない声がゆっくりとクリスの背から聞こえてきた。 土煙と爆炎で姿は良く見えない。
「火事と暴れん坊を相手にするなら…これだっ!」
ハリネズミ! 消防車!
ベストマッチ! Are you ready?
「変身!」
レスキュー剣山!ファイヤーヘッジホッグ!
イエェイ!
「貴方は…?」
響の間の抜けた質問に白と赤のボディを持った謎の人物は指で角をひと撫でし、高らかに名乗った。
「ビルド。 仮面ライダービルドだっ!」
「あっという間に3回ものされてしまったクリスちゃん!」
「あたしの扱いが気に食わねぇ! ナイトローグにブラッドスターク許さねぇからな!」
「と言うことは仲間フラグ!?」
「ば、バカッ。それとこれはまた別だ!」
戦姫絶唱シンフォギアEVOL 次回もお楽しみにっ