戦姫絶唱シンフォギアEVOL   作:夢見969

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前回までの戦姫絶唱シンフォギア!!

「えっと…新たな敵、スマッシュの出現! 応戦に出るシンフォギア達!身近な人間をバケモノに変えるなんて…許さないんだから! と意気込む響に対してナイトローグは!?」
「身近な人間、その理論で行くとオマエも危なさそうだな小日向未来?」
「え、え…もしかして私も化け落ちフラグ…立ってます?」


「「どうなる第8話!!」」


(お気に入り、感想等々ありがとうございます。励みになります嬉しいです…)


正義の味方…?

「ハァァァァッッ!!!!!!」

 

気合の掛け声と共に剣撃を繰り広げる風鳴翼は終始、スマッシュを圧倒していた。 始めての手勢ではあるが先の雪音クリスなどと比べると稚拙な動きをしているので苦戦はしない。 気掛かりとしては背後に怯え動けなくなっている母子達だろうか。

スマッシュの高速の剣技を掻い潜りアームドギア、両脚のブレードが速度を上げスマッシュのボディを切り刻んでいきながら市民から距離を離していく。

 

 

かつての戦場は己が身、一つで戦っていた…だけどここ数日で全てが大きく変わった。 護るべきと考えていた奏の置き土産は自らの力で立ち上がり、彼女は彼女自身が誰かを守るために戦うと覚悟を決め今も別の場所で戦っている。 仲間とは頼もしいものだな…っ!

 

 

自然と心が昂り、剣は淀み無くスマッシュの装甲が薄い場所を斬り付ける。

腹部への一線が決まり大きくよろけたスマッシュに対してアームドギアを上段に大きく振りかぶった時、背後から悲鳴が聴こえ振り返ればノイズが市民の周囲に現れ始めていた。

 

斬りつけるのを中断し身を翻すと最速でノイズ達を斬り捨て、逃げ遅れた彼女達の退路を確保し誘導する。

 

彼女達が退避したのを確認したその時、ぞわり 悪寒が背に走り、振り向こうとするがそれよりも先に斬撃が翼のカラダを傷つけた。 スマッシュが肉薄し先程までの反撃とばかりに翼に手を出させず一方的な嬲りに変わる。 先の絶唱の後遺症と言うべきか身体的なダメージも有り反撃に転じる事が出来ずに歯を食いしばりダメージに耐えるが、このままではいつシンフォギアが解けるか分からない。

 

 

BANッ!!!!!!

 

 

弾ける音がした。 攻め立てていたスマッシュの頭に弾丸が直撃し猛攻も止まる。勝機を見出した翼はその場から跳び上がりアームドギアを巨大化させ技を放つ。

 

『天ノ逆鱗』

 

鋭く重い一撃がスマッシュに叩き込まれると力なく倒れ伏す。 的確な射撃による援護…飛来してきた方向へ目を向けるればビルの屋上に真っ赤なシンフォギアを纏った人影が見えた。

 

「まさか…抜け出してきたのか雪音!」

 

そんな言葉は聴こえるはずも無いのだが雪音本人は吐き捨てるように独り言を呟いた。

 

「動けなかったあたしを回収してくれた…お前への借りは返したぜ。 やり慣れねぇことをやるもんじゃねぇなホントに…はぁ」

 

ライフルに変形したイチイバルを担ぎ上げその場を去ろうとした時、最後のスマッシュが上空から突撃してきた。

 

翼が相手にしていた昆虫…クワガタの様な敵とは違う、空を飛ぶまさに鳥タイプの敵だった。 風を切り舞う敵を一度は回避するも全身の激痛から身動きが取れずに2発目を躱す事が出来ず質量の爆弾がクリスの身体に叩き込まれる。

 

「…あァ…っ!!!」

 

息を吐き、何とか痛みを忘れようとするもズキズキと痛み身体は思う程、言う事を聴いてくれない。 歯を食いしばりながらボーガンを構え狙いを定めるが素早い動きに翻弄され中々当てる事が出来ずにいた。

 

クリスの危機を察知したのか遠方から風鳴翼が向かってくるのが見えたのだが間に合わないだろう。 連射性の高いガトリングに切り替え上空に弾幕を張るもぶ厚い装甲をしたトリのボディが多少の弾丸なら弾いてしまっている。

 

ミサイルを撃つには距離が無い、ボウガンでは速度が足りない、ガトリングでは威力が足りない…八方塞がりか。

 

「万事休すかよ…クソッタレ……」

「大丈夫だ、何たって俺が来たから…っ!」

 

ボルテックフィニッシュッッッ!!!!!!

 

迫っていた鳥野郎は真横から蹴り飛ばされビルの上にバウンドしながら不時着をする。

動けなくなったクリスの前には赤と青のツートン男が背を見せながら立っていた。 キザなポーズを決め倒れたスマッシュを踏みつけながら空のボトルを向け成分をあっという間に吸い取りその場に残って倒れているのはスーツ姿の男…見覚えの無い男だった。

 

「テメェ…何者なんだ…ブラッドスタークの仲間か…?」

 

痛みに襲われる身体を起こし構えるが仮面の男は肩を竦め首を横に振るとベルトに挿さった二本のボトルを引き抜いてみせた。 ボディが輝くと共に消失し、中から現れたのはモデルのようなスタイルを持ち浅く被った帽子がトレードマークのような第一印象を持つ男。

 

「なーに、しがない喫茶店のマスターさ。 知らないか? 街の近くにあるnascitaって喫茶店で繁盛はしてないんだが…」

「石動惣一殿…!? ビルドの正体は貴方だったのか」

 

正体を明かすと同時にビルの屋上へとたどり着いた翼は驚愕を露わにし声を張った。

 

「よぉ、風鳴。 悪かったなこの前は何も言わないで去っちまってさ。 こっちにも事情があったんだ…このベルトの調整とか」

「……事情は分からないが詳しくは本部で聞かせてもらいましょう」

 

 

【 翼。 響くんがC地区でナイトローグと交戦を開始した。 クリスくんの回収、そこに居る石動惣一殿の身柄の保護はこちらでやる。 行ってくれるな? 】

 

 

インカムから聞こえてくる指示に翼は一つ返事で行動へと移す。 取り残された石動は楽しそうに成り行きを眺め、クリスは自らを助けてくれた相手を睨みつけていた。

 

「おいおい、命の恩人にそんな面を見せるんじゃないよ。 どうだ、珈琲でも飲むか?」

「お前からはどうにも嫌な匂いがするんだよ…」

「え、おじさん…臭いか?」

 

大袈裟に匂いを嗅ぐ仕草を見せ戯ける石動に対して警戒を解かないクリス。 両者の睨み合いは風鳴弦十郎が来るまで続く事になる。

 

 

 

 

 

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「どうした、そんなものかガングニール。 怒りはいいが冷静を保たなければ動きが単調になり読まれるぞ」

「この…ッ!!!」

 

拳の乱打は易々と防がれ、カウンター気味に何発も叩き込まれているのだが響は気にせずにナイトローグに肉薄する。

 

「話にならないな…以前よりは多少戦えるようになっているが…!」

 

引き出されたアーマーが一気に戻りズドン!!!!!! 重い音を奏でながらパンチ共に繰り出されるが片手で受け止めたナイトローグをほんの少しばかり後退させただけに留まり突き出した拳はそのままナイトローグに掴まれ、引っ張られると体勢を崩し前のめりになった響の顎に膝が入り脳を揺らされそのまま地面に倒れる。 意識はなんとか保っているものの動けずに見上げる形でナイトローグを睨み付ける。

 

「そこでじっくり見てろ。 何も出来ず無力な自分に絶望するんだな」

 

noise…!! の電子音声が響くとスチームガンから生み出されたノイズ達が未来の逃げ場を塞ぎ、彼女は涙ながらに必死に親友の立花響の名を叫ぶ。 逃げられずにその場にへたり込んでしまった彼女の肩をナイトローグが掴み…

 

「 」

「…え?」

 

目を見開く未来の目に写ったのは赤い双眸を輝かせ、鋭い牙を見せながら唸りをあげる黒く染まった響の姿。

 

ナイトローグの腕を凄まじい握力で掴み未来から引き剥がすと空中に投げ、近場の電柱を駆け上がり奇襲を掛ける様は狂戦士そのもの。

宙に舞ったナイトローグは飛び上がった響に叩き落とされ地面にめり込むとその場を目掛け急降下の一撃。 爆音と共にナイトローグの身体が折れ曲がり地面に転がっていくが響は距離を置くことを良しとせず脚を掴み振り回しながら何度も地面や斜面に叩きつけ完膚無きまで破壊する為に追撃を続ける。

 

「ァァァア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!!」

 

咆哮が響き、ビリビリと大気を揺らしながら衝撃波でノイズ達を吹っ飛ばす。

バシュン!! バシュン!! とアームのスライド部分が機械音を上げながら駆動し一撃一撃の威力を底上げしながらナイトローグを殴打し続ける。

 

「グルァァァアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

ナイトローグの顔面を掴み、そのままパイルバンカーの要領で衝撃が何発も加えられるとダラン…と力なくぶら下がる。

 

「やめて、響!! それ以上したら…その人が死んじゃうよ……ッ!!!」

 

未来の叫びが聞こえたのか、暴力の雨と破壊の音は止まり掴んでいた手を離すとドサりとナイトローグの身体は地面に落ち転がる。土煙の中、肩で息をしながら呼吸を整える響。

 

 

そしてアレだけの猛攻を喰らっていながらもゆらりと立ち上がるナイトローグは楽しそうに笑った。

 

「ハハ…ハハハァッ!! いい、イイぞっ…油断していたとはいえ、ここまで攻撃を叩き込まれるとは思いもよらなかった!!! ネビュラガスを入れてなきゃァ…こっちのカラダは使いモンにならなかったなァ!」

 

動きの止まった響に向かって飛び込み、応戦してきた彼女の拳を掌底で弾いてみせるとガラ空きになった腹部へ強い回転を加えた貫手を放つ。 シンフォギアを纏っていなければ腹部に穴が空き御陀仏だろう。 だが、響も負けてはいない…腹部に突き刺さる腕を絡めとりそのまま一気に捩じ上げる。

 

折られるギリギリで締め上げから逃れ距離を空けるとネビュラスチームガンを構え銃弾を撃ち込もうとしたが…それは小日向未来によって阻まれた。

 

「どけ…死にたいのか」

「もう…響を傷つけないで……」

 

親友を守る為に手を広げその背に獣を隠す。 涙を溜め、身体を震わせた少女の精一杯の抵抗だった。

 

「…ふん、今日はここまでにしといてやろう。 小日向未来、貴様に免じてな」

「わ、私に…?」

 

蒸気に包まれ姿を消すナイトローグは不穏な一言を残しその場を去る。 未来はヘタリ込み、脅威が去ったと感じ取った響も力無く未来に寄り掛かる形で倒れてしまった。

 

 

 

 

 

 

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特異災害対策本部の一室、自分と司令である風鳴弦十郎が件の人である石動惣一に対する事情聴取を執り行っていた。

この場に居ない響、クリスの両者は医務室にて軟禁状態…翼が駆け付けた時点で響は意識を失っており生命に危険はないもののいつ目を覚ますが分からない状態。 クリスは全身打撲により安静といった所だった。

 

「さて、石動殿。 アナタが暴走した雪音クリスを止め、今回の新たな敵を撃破した仮面ライダービルド…という人物であるのは間違いありませんね?」

「間違いないな、黙っておくつもりは無かったんだ。 時が来たら伝えようと思ってたし俺は俺でスマッシュの対応に追われていてね。 時間があまりなかったんだ」

 

ゴトッ…とテーブルに置かれた謎の機械はビルドドライバーと言うらしい。 これと2本のボトルを用いて変身をし差し込んだボトルに応じた能力が使えるのだとか…

何より気になるのはブラッドスターク、ナイトローグがそのボトルを使って戦っている事だった。

 

「そもそも、俺は奴らのボトルシステム…ってのをある事情で知ったんだ。 それを利用出来ないかって考えて創り出したのがこのビルドドライバーってわけ」

「つ、創り出した…?」

「企業秘密…だけどな。 ノイズもそうだが奴らは新たなバケモノを生み出したんだ。 雪音が戦ってたあれ…風鳴も恐らくは戦ったよな?」

「えぇ…虫の様な…」

 

それだっ! と力強く頷くと立ち上がりポケットからまた別のボトルを取り出した石動は司令と私に見せるように目の前へ突き出し再び説明を続けた。

 

「そもそもボトルは何らかの成分を含んでいてそれを利用して力とするんだ。 風鳴が戦ったのは何らかの虫の力を得た…奴らはスマッシュと呼んでいる敵だ。雪音は鳥の力を持ったスマッシュだな」

「スマッシュ…それはやはり奴ら、ブラッドスターク達が作り上げた兵器なのか?」

「俺はそうだと踏んでいる。 これと言った証拠を見たわけじゃないが…奴らがやる以外に犯人もいないだろう。 これで俺の話せることは全て話した…ご質問はあるかい?」

 

石動は真剣な眼差しをして持てる情報を語ってくれた。

 

2課としてもシンフォギア装者以外にノイズ、スマッシュと戦ってくれる戦力が増えるのは現状有難い事だ。 ここ最近はフィーネに加えてブラッドスタークの暗躍も増えていて装者達を万全に休ませることも出来ず、むしろ無理をさせ今の状態に陥らせてしまっているのだから尚のこと。

 

「わかりました。 石動殿、アナタに手伝って頂きたい」

「勿論、俺にとっちゃ奴らの行動は許せたもんじゃないからな。 一緒に戦わせてもらうよ」

 

ガッチリと固い握手を交わし、軽い挨拶を終えた後に彼を経営する喫茶店まで送った。

仮面ライダービルド、新たな友軍が出来た事が何よりの収穫だったと信じたい…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(さてと、石動惣一は正義の味方という印象付けも出来た…いよいよステージ1は幕引きだなァ。 あとはフィーネがここに入り込むタイミングでもう1度侵入させて貰うとするか。 最後の一人を迎える為の道具を調達しないとな)




「起動するカ・ディンギル…絡まり合うフィーネとスタークの思惑!」
「そういえば最近、了子さん見ないですね?」
「むしろ最初から一度も見かけてない気が…」

「そして新たに加わるオレ達の仲間とは? その正体を明かすのはだいぶ先になるがな」


「「「戦姫絶唱シンフォギアEVOL 次回もお楽しみに」」」
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